著者
西山 智 横田 英俊 小花 貞夫 鈴木 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2762-2773, 1994-12-15
被引用文献数
2

これまでOSIディレクトリは、MHS(メッセージ通信システム)等のOSI通信システムや通信利用者に必要なアドレス等の通信情報を提供する目的で実装が進められてきたが、近年インテリジェントネットワーク(IN)等の実時間交換システムでのネームサーバとしての適用が検討されるようになった。このような適用では、DSA(ディレクトリサービスェージェント)は大量のエントリ(例えばINのSDF(サービスデータ機能)では交換機1台の加入者数である10;件以上)を格納し、交換処理に影響を与えない時間(例えばSDFでは数十ミリ秒)内にディレクトリ操作を実行できなければならない。従来のOSIディレクトリの実装はDSAの大規模化を想定しておらず、DSAの大規模化に伴い名前解析処理性能が急激に低下するため、実時間交換システムのネームサーバとして適用できない。そこで本論文は、ハッシュを用いることで、大量のエントリを格納した場合にも十分高速な名前解析処理が実現できる、新しい名前解析処理方式を提案する。本提案方式では、まずDSAが操作対象のエントリをローカルに格納しているか否かを、識別名のハッシュ値をキーとして直接2次記憶上のエントリの惰報を検索し確認する。もし、ローカルに格納していない場含は、操作対象に最大一致する分散処理知識を、名前のハッシュ値をキーとして主記億上で検索する。本提案方式に基づくソフトウェアを、筆者らが既に実装した○SIディレクトリ専用DBMSに追加実装し、その有効性を評価、実証した。
著者
長谷部 光泰 倉谷 滋 嶋田 透 藤原 晴彦 川口 正代司 深津 武馬 西山 智明 岡田 典弘 阿形 清和 河田 雅圭 郷 通子 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 敦史 矢原 徹一
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本領域の目的である、多様な研究から「複合適応形質進化の共通メカニズム」を推定するという総合的研究を展開する、進化生物学とゲノム生物学を融合させる、を実現するため総括班を有機的に組織し、下記の活動を行い、効率的に連携できた。(1)領域会議を年2回、インフォマティクス情報交換会を5年で18回、ニュースレターを5年で63号発行し、領域内での情報共有、共通意識形成を行った。(2)ゲノム支援活動として実験方法のアドバイス、ゲノム配列決定支援、外部委託についてのアドバイス、各班のインフォマティクス担当者などに指導を行った。(3)形質転換実験技術支援を行った。(4)国内、国際シンポジウムをほぼ毎年開催した。
著者
西山 智明
出版者
金沢大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

ヒメツリガネゴケ、イヌカタヒバの全ゲノムショットガンシークエンスリード断片配列データから相同遺伝子の配列を探索、構造を予測し、データベースから探索した相同遺伝子の配列ととも遺伝子系統樹を再構築するシステムを作成した。系統解析については、基礎生物学研究所生物進化研究室と共同で進め、被子植物で発生に関わる遺伝子を含む460遺伝子ファミリーについて系統解析を行った。結果として、シロイヌナズの発生に関わる遺伝子の約80%についてヒメツリガネゴケでもオーソログ候補が見つかり陸上植物進化の初期から保存されていることがわかった。さらに、遺伝子ファミリーを構成する遺伝伝子が、系統の分岐後に系統毎に遺伝子数を増加させている例が転写因子などに多数見つかった。また、ほとんどの系統で数が少数に維持されている遺伝子群は、細胞周期、細胞骨格、クロマチン修飾、光シグナル伝達に関わる因子に多かった。こうした遺伝子は、植物の生命活動維持に本質的に関わる物であって、ヒメツリガネゴケでは少数しかないが、被子植物の系統では多数に増えているような遺伝子が2倍体の多細胞体制の進化、特に2倍体の複雑化に関与していると予想される。上記系統解析で浮かび上がって来た植物ホルモン、ジベレリン信号伝達系について、ヒメツリガネゴケでは、被子植物と同様のジベレリン信号伝達系は働いていない事を明らかにした。5'SAGEに加え、計画班「下等植物の進化・多様性に関するゲノム研究」と共同で2倍体1ライブラリー1倍体4ライブラリーについて454システムを用いた3'末端配列決定を行い、各ライブラリーについて約40万個のmRNAの3'末端配列を決定した。このデータと、国際コンソーシアムとJGIと共同で進めたヒメツリガネゴケ概要ゲノム上の遺伝子を対応づけることで2倍体特異的に発現している遺伝子の同定を進めつつある。
著者
本庄 勝 森川 大補 西山 智 大橋 正良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.447-452, 2006-03-02
被引用文献数
2

本稿では,携帯端末で取得されるユーザのライフログを一元的に管理し,行動分析,自己管理,視覚化,コミュニティ形成支援を行うLife-Podシステムの概要,およびライフログの連想検索方式についての報告を行う.ライフログは携帯端末のセンサデバイスおよび周辺のセンサネットワークより認識され,プロファイルとして情報がセマンティック記述により管理される.Life-Podシステムの自己管理機能においては,あるライフログに対し,ユーザのこれまで履歴の中から関連性の高いライフログを効率的に検索し,ユーザへの振り返りをサポートする.本稿では特に,本機能の中で蓄積されたライフログを連想的に検索することを実現するために,ライフログのもつプロファイルに対する語彙空間(オントロジー)を構築し,その語彙空間における距離によりライフログの連想度を算出する方式について検討を行う.
著者
小塚 宣秀 本庄 勝 南川 敦宣 森川 大補 西山 智 大橋 正良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.359, pp.17-22, 2006-11-09
被引用文献数
6

本稿では,RFIDリーダ付携帯電話を用いたLife-Podシステムを試作し,デモ会場で行った実験の結果を示す.Life-Podシステムは,ユーザの日常のライフログを取得し,行動分析,自己管理,可視化,リコメンテーション,コミュニティ形成支援といったサービスを提供するシステムである.これまで検討してきたLife-Podシステムは,主に携帯電話のカメラやGPSから取得したライフログを扱ってきたが,バーコードの読み取りやGPS測位に数秒〜数十秒の取得時間がかかっていた.また,GPSは衛星電波の届かない屋内では正確な位置を把握することができない.本稿では,Life-PodシステムがRFIDに対応することで,ライフログの取得時間が短縮され,かつ,屋内の位置を把握することを可能とした.
著者
本庄 勝 森川 大補 西山 智 大橋 正良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.203-208, 2006-02-16
被引用文献数
1

本稿では 携帯端末のセンシングデバイスや環境に配備されたセンサネットワークによって認識されるライフログの取得及びそのライフログを活用するための Life-Pod システムの概要および設計の検討報告を行う. Life-Pod システムでは ユーザの日常のライフログを取得し 行動分析 自己管理 視覚化、レコメンデーション コミュニティ形成支援といったサービスを提供する. ライフログはセンシングデータから認識された情報をもとにプロファイル化され セマンティックウェブによる記述により管理される. 本稿では 本システムの要求条件に対し 必要とされるライフログ取得管理機能 ライフログ検索機能 視覚化機能 オントロジー管理編集機能 プレゼンス機能 情報支援サーバ接続機能について検討を行う.This paper presents Life-Pod system which manages user's daily lifelog recognized by sensing devices equipped with mobile terminal or sensor network on the environment. We show the concept of the Life-Pod system and discuss the design and our development. Life-Pod system produces several services based on the lifelog, lifelog analysis, self-management, lifelog visualization, service recommendation, community support, and so on. Lifelog with the profile is described in the semantic web description. In this paper, we discuss several function, lifelog acquisition, lifelog management, lifelog search, visualization, ontology management, lifelog presence, connectivity of the information support server.