著者
古川 仭 三輪 高喜
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.571-577, 1994-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

嗅覚における基礎的観点から述べた先の解説をうけて, 本稿では臨床的観点からみた最近の話題を取り上げる。
著者
志賀 英明 三輪 高喜 中西 清香 瀧 淳一 絹谷 清剛
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

タリウム-201の経鼻投与とSPECT及びMRIにより末梢嗅神経輸送機能を評価し、健常者と嗅覚障害者を比較した。外傷性嗅覚障害に加え感冒罹患後や慢性副鼻腔炎による嗅覚障害においても、タリウム-201の経鼻的嗅神経輸送機能が低下していることを明らかとした。さらにタリウム-201の経鼻的嗅神経輸送機能と基準嗅力検査域値(認知、検知)とで有意な相関を認めた。また臨床試験被験者において憂慮すべき合併症は認めなかった。
著者
志賀 英明 山本 純平 三輪 高喜
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Supplement1, pp.s15-s19, 2012 (Released:2013-08-29)
参考文献数
16

脳内への高分子薬物の輸送のため血液脳関門 (Blood-brain barrier: BBB) を回避する経路として鼻腔内投与による嗅神経輸送が注目されている。インスリン様成長因子-I (Insulin-like growth factor-I: IGF-I) は脳神経の発達や成長に関わっている。脳梗塞などへの臨床応用が志向されているが, BBBで脳内への取り込みが阻害されるため経鼻投与が着目されている。ICR健常マウスに対しIGF-Iを経鼻投与したところ用量依存的な嗅球や脳組織へのIGF-I輸送増加が認められたのに対し, 三叉神経へのIGF-I輸送に投与量による変化は認めなかった。以上よりIGF-I経鼻投与による脳内輸送は主に嗅神経経由と考えられた。臨床で使用可能な嗅神経トレーサーが発見されていなかったため人体における末梢嗅神経を介した脳内輸送の詳細は不明であった。我々はこれまで核医学検査で使用されている塩化タリウム (201TlCl) を, 健常者鼻腔内の嗅裂に滴下することにより, 嗅球まで 201Tlが輸送されることを明らかとしてきた。さらに嗅覚障害者を対象とした 201Tl経鼻投与イメージングの結果, 嗅覚障害者では 201Tl嗅神経輸送能の低下傾向を認めた。今後IGF-Iなど高分子薬物の経鼻投与を行う際には対象者の嗅神経輸送能の評価が今後の課題といえる。
著者
三輪 高喜
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.833-840, 2015-07-20 (Released:2015-08-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

頭痛, 顔面痛を訴える患者が, 第一に耳鼻咽喉科を受診することは少ないが, 他科において原因が分からない場合に, 原因診断のために紹介されることは少なくない. 耳鼻咽喉科疾患の中でも鼻副鼻腔の炎症をはじめとする疾患では, 頭痛, 顔面痛を生じることが少なくないため, 耳鼻咽喉科医としては鼻副鼻腔の疾患を見落としてはならない. 副鼻腔疾患による疼痛は, 三叉神経の分枝である眼神経 (V1) と上顎神経 (V2) に関連することが多く, 支配領域に応じた部位の疼痛が生じる. したがって, 三叉神経の分枝の走行と支配領域を理解することは重要であり, さらに分枝と各副鼻腔との位置関係を理解することも必要である. 特に蝶形骨洞は, 多くの分枝と関連しており, その支配領域も広範に及び, なおかつ洞の発育により症状の表れ方が異なっている. 診断には画像診断, 特に CT が副鼻腔と三叉神経との関連を把握するために有用である. 本論文では, 副鼻腔と三叉神経との関連を解剖学的ならびに画像診断的に解説するとともに, 頭痛, 顔面痛を来す代表的疾患を提示した.
著者
都築 建三 深澤 啓二郎 竹林 宏記 岡 秀樹 三輪 高喜 黒野 祐一 丹生 健一 松根 彰志 内田 淳 小林 正佳 太田 康 志賀 英明 小早川 達 阪上 雅史
出版者
Japan Rhinologic Society
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-7, 2009 (Released:2009-12-18)
参考文献数
9
被引用文献数
12 14

We evaluated a 20-item self-administered odor questionnaire for assessing olfactory function, proposed in 2003 by the Japan Rhinologic Society committee on olfaction tests. The 20-items selected based on results of olfactory studies in Japan were steamed rice, miso, seaweed, soy sauce, baked bread, butter, curry, garlic, orange, strawberry, green tea, coffee, chocolate, household gas, garbage, timber, stercus (shit), sweat, flower, and perfume. Subjects were 302 people —179 men and 123 women (average age: 35.7 years)— having no history of nasal or paranasal disease and tested between December 2004 and December 2007. Subjects were asked to score items as follows: “always smelled” (2 points); “sometimes smelled” (1 point); “never smelled” (0 points); or “unknown or no recent experience” (no score). Scores were calculated and represented using a percentage. Response was 99.3% (300/302), with two subjects excluded for reporting more than 10 “unexplainable” items. The mean score was 95.2% (n=300). Of the 302, 281 (93.0%) agreed on the number and 252 (83.4%) on the content of items. Scores correlated statistically significantly with those of a visual analogue scale (rs=0.501, p<0.0001, n=300). We concluded that the self-administered odor questionnaire is useful in assessing olfactory function in normal subjects. The next step will be to administer the questionnaire to diseased or otherwise compromised subjects to determine whether it is useful for clinically diagnosing such olfactory dysfunction.
著者
藤枝 重治 坂下 雅文 徳永 貴広 岡野 光博 春名 威範 吉川 衛 鴻 信義 浅香 大也 春名 眞一 中山 次久 石戸谷 淳一 佐久間 康徳 平川 勝洋 竹野 幸夫 氷見 徹夫 関 伸彦 飯野 ゆき子 吉田 尚弘 小林 正佳 坂井田 寛 近藤 健二 山岨 達也 三輪 高喜 山田 奏子 河田 了 寺田 哲也 川内 秀之 森倉 一朗 池田 勝久 村田 潤子 池田 浩己 野口 恵美子 玉利 真由美 広田 朝光 意元 義政 高林 哲司 富田 かおり 二之宮 貴裕 森川 太洋 浦島 充佳
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.728-735, 2015-06-20 (Released:2015-07-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 7

これまで本邦における慢性副鼻腔炎は好中球浸潤が主体で, 内視鏡鼻副鼻腔手術とマクロライド少量長期投与にてかなり治療成績が向上してきた. しかし2000年頃からそれらの治療に抵抗性を示し, 易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた. この副鼻腔炎は, 成人発症で, 嗅覚障害を伴い, 両側に鼻茸があり, 篩骨洞優位の陰影があった. 末梢好酸球も多く, 気管支喘息やアスピリン不耐症の合併もあった. このような副鼻腔炎の粘膜には多数の好酸球浸潤が認められていたため, 好酸球性副鼻腔炎と命名された. 好酸球性副鼻腔炎は, 徐々に増加傾向を示してきたが, 好酸球性副鼻腔炎の概念, 診断基準はあまり明確に普及していかなかった. そこで全国規模の疫学調査と診断ガイドライン作成を目的に多施設共同大規模疫学研究 (Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis Study: JESREC Study) を行った. その結果, 両側病変, 鼻茸あり, CT 所見, 血中好酸球比率からなる臨床スコアによる簡便な診断基準を作成した. さらに臨床スコア, アスピリン不耐症, NSAIDs アレルギー, 気管支喘息の合併症, CT 所見, 血中好酸球比率による重症度分類も決定した. 4つに分類した重症度分類は, 術後の鼻茸再発と有意に相関し, 最も易再発性かつ難治性の重症好酸球性副鼻腔炎はおよそ全国に2万人いることが判明した. 治療法については経口コルチコステロイド以外まだ確立されておらず, 早急なる対応が急務と考えている.
著者
志賀 英明 三輪 高喜
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.835-839, 2021-06-20 (Released:2021-07-01)
参考文献数
15

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 患者の多くが嗅覚障害の自覚症状を有するため, 嗅覚障害の診断と治療の重要性がクローズアップされてきた. 耳鼻咽喉科医には, これまで以上に嗅覚障害に十分な備えをもって診療に取り組むことが求められている. 嗅覚検査には閾値検査, 識別検査と同定検査の三つの要素を兼ね備えた形式が望ましい. 基準嗅力検査は, 検知域値で閾値検査を, 認知域値で閾値検査と同定検査の性格を有しており, 識別検査の要素を取り入れた改良を試みる必要がある. 基準嗅力検査の問題点として検査後の室内に立ち込める悪臭が挙げられるが, 脱臭装置の改良やにおい吸着板を壁に装着した防臭室の開発なども期待される. 認知症スクリーニングにおける嗅覚検査の有用性が明らかになっているが, 本邦では研究用としてスティック型とカード型の嗅覚同定能力検査キットが市販されている. 嗅覚障害の原因部位診断は経験を要するが, 近年のイメージング研究により嗅覚障害では原因疾患にかかわらず嗅球の萎縮と成熟嗅細胞減少を認めることが示唆されている. 嗅覚研究の課題としては上記のほか, 嗅上皮マーカーの開発, 経鼻的薬物投与方法, 嗅覚刺激療法, 運動療法, 異嗅症の治療法, および COVID-19 に伴う嗅覚障害の診断などが挙げられる. 世界に先駆けて嗅覚障害診療ガイドラインを発刊した本邦では, 耳鼻咽喉科学における嗅覚研究分野の裾野は広がりつつあり, さらなる発展を期待したい.
著者
三輪 高喜
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.8, pp.1043-1050, 2018-08-20 (Released:2018-09-11)
参考文献数
44
被引用文献数
1

嗅覚もほかの感覚と同様, 加齢とともに低下する. 視覚ならびに聴覚と比べて嗅覚の低下は日常生活における支障度は高くはないものの, 生活上の支障にさらされる危険性をはらむとともに, 食と深くかかわる感覚であるために栄養や生活の潤い, 楽しみに影響を及ぼす. 嗅覚低下のリスクファクターとして, 加齢と男性であることがすべての調査で指摘されており, それ以外に鼻副鼻腔疾患の既往, 喫煙, 生活習慣病などが挙げられている. 加齢に伴う病理変化は, 末梢の嗅神経細胞から中枢の嗅覚野まですべての嗅覚経路で表れる. 加齢に伴う嗅覚低下における問題点は, ① 日常生活上の危険,支障を抱えること, ② 自身の嗅覚低下に気付いていないこと, ③ アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の前駆症状であることが挙げられる. 加齢に伴う嗅覚低下を改善することはできず, 眼鏡や補聴器のような補装具もないため予防が重要である. 予防としてはリスクファクターの回避に加えて, 適度な運動が効果を示すことが報告された. また, 近年, 欧州で行われている嗅覚刺激療法が嗅覚低下の予防に効果を示すかもしれないが, 今後の研究が待たれるところである. 耳鼻咽喉科医としては, 嗅覚低下を有する高齢者を診察する際には, まず, 鼻副鼻腔炎など原因となる疾患を鑑別した上で, 原因と思われる疾患が明らかでない場合は, 神経変性疾患の存在も考慮すべきである. また, 治らないとしても患者の抱える危険や日常生活の支障, 心理的な変化を理解する必要がある.
著者
三輪 高喜
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.363-369, 2018-11-25 (Released:2021-08-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患では,早期に嗅覚障害が出現することが知られている.したがって,嗅覚検査は,これらの疾患の早期発見のためのバイオマーカーとなりうる.本項では国内外で行われている嗅覚検査について,その方法と特徴について解説した.神経変性疾患による嗅覚障害では,嗅覚同定能の低下が特徴的である.わが国で行われている嗅覚検査の中で,T&Tオルファクトメーターを用いる基準嗅力検査における検知域値と認知域値との解離の増大は,同定能力の低下を示し,神経変性疾患による嗅覚障害の検出に有用である.また,新たに開発された嗅覚同定能検査もこれらの発見に有用とされている.
著者
三輪 高喜
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.70-79, 2011 (Released:2012-04-15)
参考文献数
26
被引用文献数
2

嗅覚検査の現状と将来の展望について概説する。嗅覚検査は自覚的検査と他覚的検査に分けられるが, 他覚的検査はいまだ臨床で用いられておらず, 臨床検査として行われているのは自覚的検査のみである。自覚的検査は, 域値検査, 同定能検査, 識別検査に分けられ, 域値検査は患者のニオイを感じる強さすなわち嗅力を表している。同定能検査ならびに識別検査は患者のニオイを嗅ぎわける, または認識する能力を表している。わが国で行われているT&Tオルファクトメーターは域値検査と同定能検査の両方を兼ねた検査であるが, 検査の煩雑さとニオイ汚染の問題から臨床の現場で用いられることは少ない。近年, ニオイスティック, Open Essenceなど日本人に適した嗅覚同定能検査が開発され発売されている。同定能を測定するのに有効な検査法であるが, まだ保険承認が得られていないため, 臨床検査として用いることはできない。今後は他覚的検査の臨床応用とともに, これらの同定能検査が臨床の場で用いられるようになることが求められている。
著者
三輪 高喜 山本 純平 志賀 英明 能田 拓也 山田 健太郎 張田 雅之
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

感冒後嗅覚障害は中高年の女性に多く発症するが、その理由は明らかにされていない。嗅細胞は常に変性と新生を繰り返す特異な神経細胞であり、中高年の女性は嗅神経の再生能力に何らかの特徴があるのではないかと思い、嗅神経の再生と女性ホルモン、神経成長因子との関係を知るため本研究を立案した。その結果、卵巣を摘出した雌のマウスでは、同世代の無処置マウス、雄マウスと比べて、嗅神経障害後の再生が遅れることが判明した。一方、臨床研究として、感冒後嗅覚障害患者のエストロゲン値を測定したが、閉経後の患者が大部分を占めたため、嗅覚の回復とエストロゲン値との間に有意な関係は見いだせなかった。
著者
能登谷 晶子 原田 浩美 外山 稔 山﨑 憲子 木村 聖子 諏訪 美幸 金塚 智恵子 石丸 正 三輪 高喜 吉崎 智一
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.163-170, 2019-04-28 (Released:2019-06-01)
参考文献数
15

要旨: 「金沢方式」による訓練を0歳~1 歳代より開始し, 訓練途中の2~3歳代に人工内耳を装用した小児聴覚障害児8例について, 人工内耳術前後の言語獲得経過を報告した。8例が最初に理解した言語モダリテイは手話であった。その後, 聴覚口話や文字の理解が進み, いずれの児も 1 歳代で可能となった。手話による助詞付き 2語連鎖文は 1 歳7ヵ月~2歳2ヵ月までに出現した。8例は術後 1 年を経ないうちから, 自発文での手話が少なくなり, 装用 1 年経過時には話し言葉のみで会話が可能となり, 健聴児が幼児期に習得する様々な文型の出現を認めた。以上より, 術前から文構造を意識した言語聴覚療法は, 高度聴覚障害児の言語発達を促進することが示唆された。
著者
岡部 陽三 長山 郁生 三輪 高喜 宮永 路子 古川 仭
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1281-1284, 1992-08-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10

A 62-year-old woman visited our hospital complaining of abnormal sensation in the pharynx. Physical examination revealed a pulsating mass on the right side of the posterior wall of the mesopharynx. CT and angiography confirmed that the internal carotid artery had an abnormal course and was compressing the pharyngeal wall.The clinical importance and etiology of tortuosity of the internal carotid artery are discussed.
著者
三輪 高喜
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.103, no.12, pp.1073-1081, 2010-12-01
被引用文献数
1

Remarkable progress has been made in basic research on the sense of smell during the last few decades. This progress has been accelerated by the discovery made by Axel and Buck of the genes that encode olfactory receptors. These rescarchers won the Nobel Prize in Physiology or Medicine in 2004. The detection and discrimination of odor molecules in humans is mediated by 388 olfactory receptors that are expressed on olfactory sensory neurons. A basic understanding of the mechanism of odor reception is crucial to an understanding of olfactory dysfunction. Olfactory disorders can be classified as quantitative or qualitative disorders. The former category includes the deterioration or total loss of olfactory sensation, while the latter category includes distortions of the sense of smell. Quantitative olfactory disorders can be classified by the area affected by the disease into four major groups: (1) sino-nasal, (2) olfactory mucosa, (3) olfactory fila, and (4) central pathway. Chronic rhinosinusitis, which is the most frequent cause of olfactory disorders, is caused by the conductive loss of odor molecules. The second most common cause is postviral olfactory disorders occurring after an upper respiratory tract infection. The prognosis for olfactory function in individuals affected by these causes is relatively good. However, olfactory loss caused by neural disorders, such as posttraumatic olfactory loss, has a poor prognosis. Dysosmia, or a distorted sense of smell, is mainly caused secondary to postviral or posttraumatic olfactory disorders. Dysosmia is classified as either parosmia or phantosmia. Parosomia occurs in patients who are unable to correctly identify odors, while phantosmia involves the smelling of odors that are not derived from any physical stimulus. The mechanism of dysosmia has been clarified by basic research on olfactory reception and conduction.<br>
著者
志賀 英明 山本 純平 三輪 高喜
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.11, pp.1263-1266, 2012 (Released:2012-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Nasal administration of macromolecular drugs (peptides, nanoparticles) has a possibility to enable a drug delivery system beyond the blood brain barrier via olfactory nerve transport. Basic research on nasal drug delivery to the brain has been well studied. However, evaluation of the olfactory nerve transport function in patients with olfactory disorders has yet to be done, although such an evaluation is important in selecting candidates for clinical trials. Current olfactory function tests are useful for the analysis of olfactory thresholds in olfaction-impaired patients. However, the usefulness of using the increase in olfactory thresholds in patients as an index for evaluating olfactory nerve damage has not been confirmed because of the difficulty in directly evaluating the viability of the peripheral olfactory nerves. Nasally administered thallium-201 migrates to the olfactory bulb, as has been shown in healthy volunteers. Furthermore, transection of olfactory nerve fibers in mice significantly decreases migration of nasally administered thallium-201 to the olfactory bulb. The migration of thallium-201 to the olfactory bulb is reduced in patients with impaired olfaction due to head trauma, upper respiratory tract infections, and chronic rhinosinusitis, relative to the values in healthy volunteers. Nasally administrating thallium-201 followed by single photon emission computed tomography, X-ray computed tomography and magnetic resonance imaging might be useful in choosing candidates for clinical trials of nasal drug delivery methods to the brain.