著者
本堂 毅 平田 光司 関根 勉 米村 滋人 尾内 隆之 笠 潤平 辻内 琢也 吉澤 剛 渡辺 千原 小林 傳司 鈴木 舞 纐纈 一起 水野 紀子 中島 貴子 中原 太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

科学技術の専門的知識には,程度の差はあれ,様々な不確実性が避けられない.また,社会の中で科学技術の知識を用いる際にどのような科学的知識が必要かは価値判断と不可欠であるため科学自体では定まらない.このような「科学的知識の不定性」を直視し,不定性の様々な性質を踏まえた上で,より的確な判断を私たちが主体的に下すための条件を考察し,科学的知識に伴う不定性の性質・類型を明らかにするとともに,その成果を書籍にまとめた(2017年度に出版予定).
著者
鈴木 舞衣 薬袋 奈美子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.84-89, 2022-06-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
6

外遊びは子どもにとって健やかな成長や幸福度の向上のために必要な生活行為の一つである。しかし、現代の子どもたちは外で遊ばない傾向にある。加えて、子どもの遊び空間は特に都市部において公園に限定化されており、自由に遊べる空間が不足している。 本研究では、子どもの外遊びの状況を把握するとともに、外遊びを妨げる要因の一つとして地域住民の外遊びに対する迷惑意識に着目し、調査を行った。その結果、地域住民は外遊びで発生する騒音に不満を持っていること、住宅が密集している狭い道路で特に苦情が発生していることが明らかになった。子どもたちは外遊びがルールやマナーによって規制されていると感じており、自由に遊べないことに不満を抱いていることがわかった。また、地域によっては路上で遊ぶことを好む子どももおり、郊外に住む子どもは都心に住む子どもに比べて路上で遊ぶ傾向があることがわかった。
著者
鈴木 舞
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:18803784)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.105-119, 2015-03-29

殷周青銅器銘文に関する研究では、従来その関心の中心は成文銘をもつ西周青銅容器にある。本稿では、これまで余り顧みられることのなかった殷代武器銘を対象に、その生産に関する考察を行った。 筆者は、これまでに行った検討の中で、殷墟花東54 号墓出土青銅器群に見られる「長」銘の字体が、器物の用途・器種・器形・紋様によって異なり、その中でも特に武器とその銘文の製作については、字体の選択・装飾性・施紋技法との共通性から、鋳型製作時に紋様を施した者によって行われた可能性のあることを指摘した。本稿は、上記の結果が、当該青銅器群に特有の現象であるのか、それとも殷墟期を通じた現象であるのかを検証すべく、それ以外の有銘青銅武器についても集成・検討を試みたものである。その結果、同銘青銅武器群およびその銘文では、器物そのものの形態・紋様に加え、銘文の字形・字体に統一性の見られることから、これらの各要素の定められたモデルに基づいて量産された可能性を考えた。群を成さない武器の銘文もまた、しばしば鏡文字が使用されて一個体内で同一字形の繰り返しや線対称の意識が見られること、銘文・紋様間において鋳型上での線の幅や彫りこみ方に共通点が見られること、銘文・紋様ともに緑松石の象嵌が見られることなどの特徴が見られた。これらは皆、容器銘には見られない特徴である。なおかつ、これらの特徴が殷墟3 ~ 4 期の武器銘に偏って見られたことから、前稿で明らかになった殷墟2 期末における武器生産のあり方が殷墟後半期にも引き継がれたと考えた。 本稿は東京大学文学部列品室所蔵「青銅製容器破片」(登録番号c118)の資料紹介も兼ねている。本遺物は収蔵以来「青銅製容器破片」とされてきたが、実際には青銅製銎式戈の内部分の破片であること、また内の両面には紋様と「亜娃」銘を持つことが分かった。また、各種金文著録に掲載された類似資料と比較検討した結果、当該遺物が1940年前後に安陽で出土した複数点の銅戈のうちのひとつである可能性が指摘できた。到现在为止,很多学者对商周青铜器特别是容器的铭文有过深入的研究。虽然学术界一般称之为" 商周青铜器铭文",但是研究对象却主要集中在西周青铜器铭文,进而根据铭文内容来复原当时的历史。这是因为自商代晚期出现族徽后,到了商代末期才出现长文铭,西周时期得以继承和发展。同时,学界研究铭文字形时,其主要研究对象仍然集中在西周青铜器铭文。在这样的学术背景下,本文以学界容易忽视的商代青铜兵器与其铭文为主要研究对象来探讨其生产方式。 笔者曾经对殷墟花东M54 出土青铜容器与兵器的铭文" 长" 字进行过字体研究,发现了当时按照器物本身的用途、器类、器形、纹饰来选择" 长" 字的各种字体。笔者以此现象为线索推测了在殷墟二期时,工匠们在作坊里制作该青铜器群时,容器与兵器是分开制作的。在花东M54 出土的兵器制造上还有如下三个特点:一是铭文的字形。在一件器物上往往有两个同铭,而且这两个同铭往往采用同一字形或采用反转文字。一般来说,容器上的同铭只见于器身和器盖。而且有些学者曾经提出过,殷墟出土的同铭铜器,无论是同一器物器身和器盖的同铭,还是不同器物的同铭,铭文的字形或间架结构都不完全相同; 二是铭文和纹饰的类似性。兵器铭文有采用绘画性较强或比较简单的字体的倾向,它在制作技术上和纹饰类似,都镶嵌绿松石。根据这些现象,笔者指出了由施纹者担任铭文制造的可能性。从这个方面来看,兵器铭文则完全异于容器铭文。三是兵器的生产方式。本文比较同一器形的几件兵器就发现它们不仅形状、尺寸、纹饰相同,而且铭文字形也基本上相同。当时的人们可能会在制造兵器时模仿一件模型来批量生产几件兵器群。如上三个特点都与容器生产方式不同。因而可以得出如下结论:花东M54 出土青铜器群,兵器和容器是分开制造的。 本文为了验证如上的生产方式是否是花东M54 出土青铜器所独有还是整个殷墟时期都能看到的现象,故收集了除该墓以外的商代兵器铭文材料来进行探讨。若是特例,如上现象只不过反映了花东M54 青铜器群的生产方式。可是,若是普遍现象,则涉及到晚商青铜器的生产方式这样的重大问题。 通过如上的探讨,笔者推测同铭青铜兵器群与其铭文一般都按照器物本身的形状、纹饰、铭文字形批量生产,并且从铭文生产方式来看,兵器与容器的生产方式是不同的。另外,除了各同铭青铜兵器群以外,在单独制造的有铭铜戈的同铭上也可以看到反转文字和完全相同的字形;铭文与纹饰的制造痕迹也有类似性;在铭文与纹饰上都镶嵌绿松石等现象。而且,这些铜戈基本上集中出现于殷墟三、四期。通过以上研究,本文最后指出了分开制造容器与兵器这样的生产方式承续到殷墟后期。 本文兼对东京大学文学部陈列室收藏的" 青铜制容器破片"(编号为c118)作简要介绍。该遗物收藏以来登记为" 青铜制容器破片" 这个遗物名称,可是通过本次的整理工作发现它并不是容器残片而是銎式内戈的残片,也发现了在其内的两面上都有纹饰与" 亚娃" 两个字。同时,通过各种金文著录收集的相关资料可以看出该铜戈残片可能是一九四〇年前后从安阳的某个单位出土的十几件铜戈之一。
著者
山口 富子 福島 真人 橋本 敬 日比野 愛子 纐纈 一起 村上 道夫 鈴木 舞 秋吉 貴雄 綾部 広則 田原 敬一郎
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、現代社会にさまざまな影響を及ぼす「予測」という行為に焦点を当て、「予測をめぐる科学技術的実践の多様性とそれが政治あるいは社会に与える影響」、また「政治あるいは社会が予測という行為に与える影響」を明らかにすることを目標とする。その問いの答えを導き出すために、平成29年度は、地震、市場、感染症、食と農、犯罪など、諸分野に観察される「予測」の問題について、科学社会学、科学人類学、科学政策、社会心理学、地震学の立場から、個別の事例研究を推進した。事例研究を推進する過程においては、異なる分野で観察される諸現象についても理解を深めるために、科研メンバー間で事例研究の進捗状況を報告するとともに、関連する分野の専門的知識を持つ連携研究者やゲストスピーカを招き、予測と社会の問題についての理解に勉めた。「災害リスク・コミュニケーションの課題と展望」(京都大学防災研究所巨大災害研究センター、矢守克也氏)、「将来予測の方法論」(JAIST北陸先端科学技術大学院大学客員教授、奥和田久美氏)らが主だった話題提供者である。これまでの研究討議を通して、「予測科学」を社会科学的に理解するためには、予測ツールと人びとの行為の接続の問題、政策的ツールに包含される予測と社会の問題等が掘り下げるべき主要な論点である事が解り、平成30年度は、これらの論点を中心に議論を継続し、多様な事例を統合する方策を模索する。また、研究成果を研究者コミュニティーに還元するために、科学技術社会論学会年次大会において「予測をめぐる科学と社会」というタイトルのオーガナイズドセッションを行った事も主要な研究業績として挙げられる。セッションの取りまとめは、若手研究者である鈴木舞氏が行い、研究者育成にも配慮をした。学会での発表要旨、登壇者等については、本科研のホームページを通して日本語と英語で公表し、社会に向けて情報発信も行った。
著者
鈴木 舞
出版者
東京電機大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

社会の重要課題のひとつである犯罪を事前に予測する事は、古くから試みられ、様々な手法が確立されてきた。近年ではビッグデータや人工知能(AI)を活用した高度な犯罪予測が可能となり、欧米をはじめ日本でも実際の運用段階に至っている。犯罪予測は、安全・安心な社会実現に寄与するとして、人々からの期待も大きいが、様々な課題も指摘されている。本研究の目的は、近時その高度化が進んでいる犯罪予測が、多様な要素の相互作用の中でどのように実施されているのか、そして犯罪予測に関していかなる課題が生じているのかを、科学社会学の観点から考察する事である。
著者
鈴木 舞音 上原 崇史 金子 洋平 堀 洋輔 馬場 隆彰 齋藤 孝道
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.767-774, 2014-10-15

ソフトウエアのメモリ破損脆弱性を悪用する攻撃,いわゆる,メモリ破損攻撃が次々と登場し問題となっている.メモリ破損攻撃とは,メモリ破損脆弱性のあるプログラムの制御フローを攻撃者の意図する動作に変えることである.一般的には,Buffer Overflow攻撃とも呼ばれている.OSやコンパイラでの防御・攻撃緩和機能が開発されてはいるが,それらを回避する更なる攻撃も登場している.そこで,本論文では,メモリ破損脆弱性の分類を行い,制御フローを不正に書き換えるまでの攻撃に関して調査し,分類する.
著者
本堂 毅 米村 滋人 尾内 隆之 渡辺 千原 鈴木 舞 平田 光司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

専門的知識は,私たちの社会の中で重要な役割を果たしています.これは科学に限らず,経済学や法学,哲学や芸術学など,人文社会科学と呼ばれる分野の知識にも当てはまります.しかし,これまで科学については,その専門的知識の性質や限界がよく研究されてきたのですが,人文社会科学と呼ばれる分野の知識については,殆ど研究がありませんでした.そこで,人文社会科学の専門的知識についても,科学の専門的知識とどのような点で同じ性質を持ち,どのような点で異なる性質を持つのかを調べます.これによって,私たちが様々な判断をするときに,人文社会科学の専門的知識をどうやったらより有効に活用できるかを明らかにしたいと思います.
著者
鈴木 舞
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 福島 真人, 東京大学教授 橋本 敦彦, 東京大学教授 木村 忠正, 東京大学準教授 津田 浩司, 国際基督教大学上級準教授 山口 富子