著者
大森 惇志 秋山 英二 阿部 博志 端 邦樹 佐藤 智徳 加治 芳行 井上 博之 田口 光正 清藤 一 多田 英司 鈴木 俊一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.107-111, 2020-04-10 (Released:2020-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

ガンマ線照射による水のラジオリシスで生成する酸化剤が炭素鋼の気相中の腐食に及ぼす効果を評価するために,オゾンをモデル酸化剤として用いて50℃の湿度制御下に導入し,ACMセンサを用いた腐食モニタリングを行なった.ACM電流はオゾンの濃度に伴って高くなったことから,オゾンによる腐食促進の効果が示された.これはオゾンの還元反応あるいは水への溶解反応が早く,カソード反応を促進したためと考えられる.
著者
金子 直矢 李 忠翰 阿部 博 岡田 和也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2023-IOT-60, no.18, pp.1-8, 2023-03-08

移動体通信機能を備えたコネクティッドカーが普及しつつあり,将来的に通信機能を活用した様々なサービスの登場が期待される.その 1 つとして挙げられる自動車の遠隔運転では,従来運転者が車内で知覚していた視聴覚情報を,遠隔地にいるオペレータへ低遅延かつ安定的に伝送しなければならず,特に視覚情報である映像は,オペレータが主として運転操作に用いるため欠かせない.しかし,移動体通信は自動車の走行位置および時間によって信頼性,可用帯域,遅延が動的に変化するため,通信品質が保たれず遠隔運転の中断に繋がる可能性がある.遠隔運転の中断を抑制するために,通信品質の劣化を早期に検知または推測し,品質劣化エリアの回避,映像品質の制御を通した要求帯域の低減や,他の通信手段への切り替え等の手法が必要である.既存研究では移動体通信回線情報を用いて,可用帯域の予測および予測結果に基づく映像品質制御手法を提案している.本報告では,公道を走行中の自動車から移動体通信回線を用いて遠隔地へ映像を伝送する環境で,通信品質,映像品質および移動体通信回線情報の採取を行い,自動車走行環境における通信・映像品質劣化の推測可能性を検討する.
著者
田中 陽平 高野 弘基 滑川 将気 鈴木 倫明 源甲斐 信行 阿部 博史
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10825, (Released:2020-12-15)
参考文献数
15

要旨:症例は47歳女性,廊下で倒れているところを発見され当院に救急搬送された.診察上左共同偏視,全失語,右重度片麻痺,右半側空間無視を認めた.頭部MRIは左中大脳動脈M1近位閉塞を認めた.経皮的血栓回収療法を行い完全再開通を得た.術後,3D-CTAで左内頸動脈起始部に突出する構造物を認め,carotid webと診断し,他に塞栓源を認めなかったため,この病変が塞栓源であると考えた.Carotid webに対し頸動脈ステント留置術(CAS)を行い,術後経過は良好である.Carotid webは頸部内頸動脈起始部後壁にできる棚状構造物で,脳梗塞の塞栓源の一つと考えられている.内科的治療単独では高率に脳梗塞を再発するといわれており,外科治療が考慮される.本例のように,carotid webに対するCASは安全に施行可能であり,有用な再発予防の選択肢の一つと考える.
著者
岩本 裕真 阿部 博 遠峰 隆史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.9, pp.1-7, 2021-07-02

ネットワーク運用者やシステム管理者は,安定したシステム運用の実現やトラブル発生時の原因特定をするために,サーバやネットワーク,セキュリティ機器から出力される監視データの蓄積や解析を行う.代表的な監視データとして,ログやフロー,SNMP があり,それらは Syslog,NetFlow,IPFIX,sFlow,SNMP といったプロトコルで定義されており標準化されている.しかし,多くのネットワーク・セキュリティ機器にはサーバ機器のような高性能な CPU が採用されておらず,システム負荷を上昇させないために監視データの宛先送信数に上限がある.そのため監視データを集約する専用のネットワーク機器やシステムを用いることで,解析基盤に必要な監視データを複製して転送する手法が用いられる.本研究では,ネットワーク機器群から送信された監視データを集約し複数の監視・解析基盤に複製して転送する際に,Linux カーネルのトラフィック制御機能である TC を用いた実証実験を行った.
著者
古澤 徹 阿部 博 小林 野愛
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.20, pp.1-8, 2021-05-06

エッジコンピューティングは,端末とクラウドの中間に位置するエッジで処理を行うことで低遅延応答や中継トラフィック削減が可能となる新しいパラダイムとして着目を集めている.近年コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたマイクロサービスアーキテクチャ (MSA) が普及しているが,エッジにおいても同様に MSA を導入することで,エッジ基盤やエッジアプリケーションライフサイクルの効率的な管理,オートスケールの実行が可能になると期待される.しかし,エッジは利用可能なコンピューティングリソースが限られているため,個々のエッジ内でオートスケールを実行させても処理能力には限界がある.特定のエッジに処理限界を超える過負荷が発生した場合,エッジの処理能力が劣化し,大規模な遅延やサービス停止が発生しうる課題がある.本研究では,コンテナ仮想化技術や Kubernetes,およびサービスメッシュを用いたエッジ基盤における協調型負荷分散の実装手法を提案する.エッジのアプリケーションへの単位時間あたりリクエスト数をモニタリングし,エッジの処理限界を超えるリクエストをリソースに余力ある近接エッジまたはクラウドに転送するようにサービスメッシュ設定を動的に変更するコントローラを実装する.実験により,過負荷発生時のアプリケーションの平均処理時間が改善されることを示す.
著者
住谷 昌彦 大住 倫弘 猪俣 一則 大竹 祐子 井上 玲央 土田 陸平 横島 弥栄子 東 賢志 阿部 博昭
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.19-23, 2019-03-30 (Released:2019-06-11)
参考文献数
15

The brain monitors motor outputs and sensory inputs about limb movements and information communication of limb movements between the motor system and the sensory system all along the line. This information communication of limb move­ments is called as the sensorimotor loop. In the normal condition, the sensorimotor loop maintains congruent. Recent advancement of cognitive neuroscience can propose that pathologic pain like as phantom limb pain can emerge and sustains and finally impairs patients’ quality of life when the loop becomes incongruent. We have treated phantom limb pain with the mirror visual feedback (MVF) and recently virtual reality (VR) treatment. The MVF and VR treatments can re–construct movement representations of a phantom limb and then improve phantom limb pain. We have successfully evaluated such movement representations of a phantom limb by assessing the intact upper limb movements on the basis of the bimanual coupling effect, which is physiologically equipped with the brain. The analgesic effect of the VR system is closely linked to the objectively–assessed reemergence of movement representations of a phantom limb.
著者
唐 方 中西 由香 中野 厚 阿部 博子
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-15, 1997-07-20
参考文献数
11

加齢に伴う小腸粘膜形態の変化に対する六君子湯, 補中益気湯, 人参養栄湯, 半夏瀉心湯の影響を検討した。その結果, 36週齢ラットの小腸粘膜の変化には六君子湯, 補中益気湯のような補気健脾剤が有効で, 特に絨毛と微絨毛の吸収面積の改善には濃度依存性が認められた。ところが, 50週齢. 70週齢のより高齢のマウスに対しては人参養栄湯のような気血双補剤が有効で, 小腸の形態及び吸収機能が著明に改善されることが明らかになった。
著者
松本 直人 大西 亮吉 阿部 博
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.6, pp.1-6, 2020-08-27

近年,携帯電話網を通じたデバイスの常時接続が増加している.しかし携帯電話網では,デバイス通信に用いる IP アドレスを地域毎に細かく管理していない.このため全国に展開する大量のデバイスがサーバ接続した時,一般的なサーバ負荷分散処理を経由すると,多数のサーバに地域毎のデータが分散してしまう問題がある.本稿ではデバイス通信時のサーバリクエストにエリア属性を付与することにより,地域に閉じたデータ処理へ集約する仕組みについて考察する.
著者
井上 幹生 末國 仙理 藤田 知功 福家 柔 奥谷 孝弘 後藤 将太 阿部 博文 市守 大介 篠原 拓馬
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、天然林と人工林から成るパッチモザイク構造とサケ科渓流魚個体群の時空間的動態との関係を水系スケールで検討した。サケ科魚類の産卵場所は水系内で極めて不均一に分布するが、孵化した当歳魚の移動分散によって均一化がおこり、そのことが水系全体の効率的利用に帰結することが示された。その過程において、天然林パッチは当歳魚の初期成長を高める場として機能することが示唆された。
著者
柴田 聡 井上 梅夫 阿部 博文 田中 俊彦
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.600-603,020, 2001

タクマTCP 30マイクロタービン・コージェネレーション・パッケージは, apstone社製28k Wマイクロガスタービン発電機を組み込んだコージェネレーション・パッケージである。マイクロタービンはガスエンジン等のレシプロエンジンと比較して小型軽量, 高効率, 低環境負荷, 低コスト, 無振動, ノーメンテナンスと数多くの特徴を持ち合わせており, また, タクマのエコノマイザ付排気再燃蒸気ボイラで排熱回収を行っている。パッケージは, エンジン本体, ガス圧縮機, 制御・電力変換装置のマイクロタービン機器と排熱回収装置, 制御装置, その他附帯設備から成立っており, 超高速発電システム特有の騒音低減と電子機器からの排熱の効果的な除去という二律背反する面を, コンパクト化されたパッケージ内で両立させている。<BR>26kW電力 (有効電力) と蒸発量600kg/h (換算蒸発量712kg/h) の蒸気を出力し, システム効率93%の高効率コージェネパッケージとなっている。システムの高効率化によって従来の方式 (電力需要は買電, 蒸気需要はボイラによる供給) と比較して約20%の省エネルギーと約25%のCO<SUB>2</SUB>削減が実現するとともに, ユーザ側の大幅なランニングコスト削減が可能であり, 蒸気需要の多いホテル, スポーツクラブ, 銭湯, 病院, 工場等の施設を対象として急速な普及が期待される。
著者
阿部 博 篠田 陽一
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.73-80, 2017-11-30

ネットワークのトラブルシューティングやセキュリティインシデントに対応するため,ネットワーク管理者はトラブルの原因を特定するためにサーバやネットワーク,セキュリティ機器から出力されるログを蓄積し,検索をすることがある.大規模なネットワークでは,出力されるログの量も多く蓄積 ・ 検索システムの規模も巨大化する.大量に出力される機器のログを高速に蓄積し,高速に検索する先行研究としてHayabusa を実装した.本研究では,Hayabusa の検索性能をスケールアウト可能なシンプルな分散システムの設計を行い評価した.結果として,スタンドアロン環境で動作する Hayabusa の約 78 倍高速な分散処理システムを実装し,144 億レコードの syslog メッセージを約 6 秒でフルスキャンし全文検索可能なスケールアウトするシステムを実現した.
著者
森脇 喜一 船木 實 平川 一臣 時枝 克安 阿部 博 東 正剛 宮脇 博巳
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.293-319, 1989-07

第30次南極地域観測隊(JARE-30)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物学調査は, 1988年12月29日から1989年2月1日にかけて山地西部で, 2月2日から9日にかけてあすか観測拠点をベースに付近の小山塊で実施された。2月になってからの調査活動は, ブリザード等の強風と地吹雪で効率的でなかった。JARE-26-29の地学調査に生物班が初めて加わったが, 調査計画の立案や行動形態に特に従来と変わったところはない。ここでは, 設営面を含む行動の概要と調査の概略, 調査期間の山地近辺の気象と雪氷状況を報告する。調査の成果については別途, 各分野で詳しく報告される。