- 著者
-
高山 直子
雨宮 俊彦
西川 一二
吉津 潤
有吉 浩美
洲崎 好香
中村 登志子
- 出版者
- 日本健康医学会
- 雑誌
- 日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.2, pp.87-94, 2012-07-31 (Released:2017-12-28)
- 参考文献数
- 13
本研究では成人勤労者および青年期学生における,肥満におよぼす心理的要因の影響を明らかにするために,日本語版Dutch Eating Behavior Questionnaire(以後,DEBQ)を用いて食行動を調査した。DEBQはVan Strien, Frijters, Bergers, Defares(1986)によって開発された食行動尺度で,情動的摂食,抑制的摂食,外発的摂食の3尺度で構成される。体格指数(BMI)を用い,BMIとDEBQ3尺度および性差との関連について検討した。調査対象は成人勤労者602人,平均年齢は32.9(SD7.48)歳青年期学生705人,平均年齢は174(SD1.56)歳であった。因子分析の結果,日本語版DEBQの下位尺度を構成する項目は,成人勤労者群においてオリジナルと完全に一致,青年期学生群においてはほぼ一致し,情動的摂食,抑制的摂食,外発的摂食の3尺度が確認された。DEBQ3尺度とBMIとの関連では,肥満の成人勤労者群は抑制的摂食,また,肥満の青年期学生群は抑制的摂食に加え,外発的摂食では尺度値が低いことを示した。成人勤労者群および青年期学生群のBMIとDEBQの性別比較では,BMIは男性の方が高く,外発的摂食,抑制的摂食,情動的摂食は女性の方が高かった。