著者
青山 弘之 末近 浩太 錦田 愛子 山尾 大 髙岡 豊 浜中 新吾 高橋 理枝 溝渕 正季
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は「アラブの春」が中東地域にもたらした混乱に着目し、そのなかで台頭を遂げた非国家主体と、「弱い国家」となった各国の主要な政治主体が織りなす政治構造の実態を解明することを目的とした。具体的には、東アラブ地域諸国の政治の動静に焦点を当て、既存の国家枠組みのなかで政治を主導してきた軍、治安機関、政党・政治組織、NGOなどと非国家主体の関係、そしてその関係が政治や社会の安定性に及ぼす影響を明らかにした。
著者
今井 宏平 岡野 英之 廣瀬 陽子 青山 弘之
出版者
独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

本研究では、国家をもたない世界最大の民族と言われ、イラク、イラン、シリア、トルコに跨って居住しているクルド人に注目し、クルド人の非政府主体が現在の国際秩序に与えるインパクトを検討した。本研究は研究目的達成のために実証分析と理論分析の2段階で検証を行った。実証分析に関しては、クルド人の活動に関する詳細な分析、そして武装組織の実態、紛争解決に向けた手段、そして紛争後の和解に至るプロセスに関する分析を行なってきた。また、国際関係論、政治学、社会学の理論もしくは概念を実証研究のために掘り下げた。本研究の最終的な成果が『クルド問題:非国家主体の可能性と限界』(岩波書店、2022年2月)である。
著者
青山 弘之 末近 浩太
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、東アラブ地域各国の法制度ないしは主権国家としての領域を超越して展開する「非公的」政治空間に着目し、そこで繰り広げられる政治主体に関する情報を収集し、ホームページなどを通じて継続的に公開した。また収集した情報をもとに、「5.主な発表論文等」で列記した論文・論考を発表し、ムハーバラート、レジスタンス、シャッビーハ、官制NPOなどが同地域の政治において決定的な役割を担っていることを論証した。
著者
酒井 啓子 飯塚 正人 保坂 修司 松本 弘 井上 あえか 河野 毅 末近 浩太 廣瀬 陽子 横田 貴之 松永 泰行 青山 弘之 落合 雄彦 廣瀬 陽子 横田 貴之
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

9-11事件以降、(1) 米国の中東支配に対する反米意識の高まり、(2) イスラエルのパレスチナ攻撃に対するアラブ、イスラーム社会での連帯意識、(3) 国家機能の破綻に伴う代替的社会サービス提供母体の必要性、を背景として、トランスナショナルなイスラーム運動が出現した。それはインターネット、衛星放送の大衆的普及によりヴァーチャルな領域意識を生んだ。また国家と社会運動の相互暴力化の結果、運動が地場社会から遊離し、トランスナショナルな暴力的運動に化す場合がある。
著者
大月 康弘 加藤 博 坂内 徳明 中島 由美 齊藤 寛海 立石 博高 長澤 栄治 大稔 哲也 三沢 伸生 亀長 洋子 堀井 優 竹中 克行 松木 栄三 三浦 徹 栗原 尚子 臼杵 陽 勝田 由美 黒木 英充 堀内 正樹 岩崎 えり奈 青山 弘之 飯田 巳貴
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

地中海世界の歴史において人びとの活動の重要拠点となった「島嶼」に注目し、自然・生態環境に規定された人々の生活・経済空間としてのマイクロエコロジー圏、および当該マイクロエコロジー圏が対外世界と切り結んだ経済社会ネットワークの構造分析を行った。政治的、人為的に設定され認知されてきた「地域」「海域」概念、および歴史的統一体としての地中海世界の存在論にも批判的検討を加えた。