著者
高橋 翔 今 宏史 長谷山 美紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.501-510, 2009-04-01
被引用文献数
11

本論文では,チームスポーツ映像からアクティブネットを用いてパス可能領域を推定する手法を提案する.チームスポーツ映像の一つであるサッカー映像の意味内容解析を行うために重要なサッカーの戦術は,選手の移動とボール運びによって表現されるため,ボール運びを実現するパスを分析することは重要である.一般にパスコースはボール保持者と味方チームの選手へとつながる緩やかな曲線で表される.提案手法では,新たなエネルギーの定義とパス可能領域を推定するための画像生成により,アクティブネットを用いて前述の曲線が存在する領域を抽出する.また,パス可能領域は守備の選手から離れるほど,パスが成功する可能性が高いという特徴をもつ.提案手法では,格子点の密度に着眼することで,パスが成功する可能性をパス可能領域の推定と同時に得る.更に,アクティブネットの収束結果は多少の選手位置の誤差を許容するため,選手の動きを用いた従来手法における,選手位置の誤差の影響を受けやすいという問題点を解決することが可能である.したがって,提案手法はカメラワークが存在し,高精度な選手位置の推定が困難であるテレビ映像に対しても,高精度にパス可能領域の推定が可能である.
著者
皆川 勝 中村 遼太 高橋 翔天
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_191-I_198, 2015 (Released:2016-01-31)
参考文献数
28
被引用文献数
1

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,多くの人的被害が生まれた.なかでも、発生頻度のまれな津波からの避難に際して,人間の心理要因がマイナスに働いて被害が拡大した事例が存在する.これまで災害心理学の観点かこの問題に関する研究は行われてきたものの、本問題に対して個々人の心理要因を土木技術の視点から分析した研究は見当たらない.そこで、本研究では、特に被害規模が大きく社会的関心をとらえた課題について、具体事例における関係者の行動を社会心理学的観点から分析し,人間の根源的本能や欲求を著者らの集団・達成・自律という3つの志向性に基づいて考察した.
著者
石附 将武 高橋 翔 萩原 亨 石井 啓太 岩﨑 悠志 森 徹平 花塚 泰史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.3, no.J2, pp.642-649, 2022 (Released:2022-11-12)
参考文献数
17

本論文では,複数の車載センサーのデータを統合して冬期の路面状態を推定する手法を提案する.提案手法は,カメラとタイヤ内加速度センサー,路面温度計,マイクのそれぞれから路面状態を推定する複数の識別器に加え,それらの出力である路面状態確率をLate Fusionするマルチモーダルモデルである.推定する路面は道路管理において使用されている乾燥,半湿,湿潤,シャーベット,凍結,積雪の6路面である.提案手法は冬期の一般道で実車から得るデータを用いた実験によって,その有効性が確認された.
著者
高橋 翔太 松原 仁
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.98-101, 2021-11-06

人間はタスクを実行する際に,しばしば最適解以外の行動,つまりミスを犯す.言い換えると,行動の中でミスをすることは人間らしい行為と言える.そのため,ある特定のタスクを実行するエージェントに認知バイアスによるミスを実装し,人間らしい AI の設計を試みる.本研究では,タスクを将棋に設定し,将棋で起こりうる認知バイアスを分析した.分析の結果から,直近効果が将棋に作用していることが分かった.今後は直近効果を実装した将棋 AI を用いて,定性的な実験を行う.
著者
高橋 翔太郎 和田 圭二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.1, pp.33-40, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

In this study, the authors propose a simple method for estimating stray capacitance of toroidal inductors. The proposed method calculates the total stray capacitance of a toroidal inductor based on the stray capacitance between the winding and the core, calculated by considering the insulation (plastic case and plastic molding) that contains the magnetic core. The frequency characteristics of the toroidal inductor can be calculated by substituting the calculated stray capacitance in the analytical model of the inductor, which takes into account the frequency dependence of the complex magnetic permeability of the magnetic material. In order to evaluate the proposed method, toroidal inductors were fabricated based on carbonyl iron dust, amorphous and nanocrystalline magnetic cores. Comparison between measured and calculated impedances clarify that the proposed method can calculate the stray capacitance of toroidal inductors with practical accuracy.
著者
茂田 健 久枝 嵩 高橋 翔太 高橋 幸雄
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.337-339, 2019-11-23 (Released:2019-12-23)
参考文献数
13

オンラインゲームにおいて状況に応じて勝利するためのスキルを獲得することは初心者にとって難しい作業である.オンラインゲーム上達のためには長い時間練習をして攻略のコツを習得したり,コーチの指導を受けて学んだりするということが考えられるがこれらにはコストがかかるという問題がある.本研究はオンラインゲームのプレイログを抽出し,勝敗に寄与する特徴がユーザスキルによって異なるのかを分析 した.分析の結果,ユーザスキルによって勝敗に寄与する特徴が異なることが分かった.
著者
保科 静香 黒澤 景一 高橋 翔太 加藤 浩太 吉村 公佑 奥村 幸弘 松本 尚貴 横山 雅彦 中田 正文 日比谷 孟俊 神原 陽一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.537-549, 2018-11-15 (Released:2018-11-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

福島第一原子力発電所事故由来の134Csの分布を,南東北,北関東,南関東,及び甲信越などの山岳地域において,シンチレーションスペクトロメータを用いて測定した。吾妻山及び八溝山では,高度が低くなると放射線強度が増し,一方,御前山,及び大山では高度が高くなると放射線強度が増すことがわかった。このことは,特定の高度にその中心を有する放射性物質雲(プルーム)が存在し移動したことを示唆している。
著者
長田 年弘 篠塚 千恵子 中村 るい 河瀬 侑 小堀 馨子 坂田 道生 高橋 翔 田中 咲子 中村 友代 福本 薫 山本 悠貴
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

古代ギリシア・ローマ美術史における、広義の「祈り」(「嘆願」、「崇拝」、「オランス」)図像について、作例を検証した。特にギリシア時代の「嘆願」と、ローマ時代の「オランス」に、女性を「祈り」の主体とする作例数が多いことに着目し、社会的弱者の「祈り」と、道徳等の社会規範との関わりに目を向けた。小堀馨子(古代宗教史)は専門的見地から参加し、「命乞い」などのネガティブな価値判断を与えられた「嘆願」図像が、「敬虔さ」を表すポジティブな「崇拝」および「オランス」図像に転用された現象について検討を行った。期間中に5回の研究例会を開催し、最終的な研究成果に関して報告書を編集、刊行、専門研究者に配布した。
著者
長田 年弘 木村 浩 篠塚 千恵子 田中 咲子 水田 徹 金子 亨 櫻井 万里子 中村 るい 布施 英利 師尾 晶子 渡辺 千香子 大原 央聡 中村 義孝 仏山 輝美 加藤 公太 加藤 佑一 河瀬 侑 木本 諒 小石 絵美 坂田 道生 下野 雅史 高橋 翔 塚本 理恵子 佐藤 みちる 中村 友代 福本 薫 森園 敦 山本 悠貴
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題は、研究代表による平成19-21年度基盤研究(A)「パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究―アジアの視座から見たギリシア美術」の目的を継承しつつ再構築し、東方美術がパルテノン彫刻に与えた影響について再検証した。古代東方とギリシアの、民族戦争に関する美術について合同のセミナーを英国において開催し、パルテノン彫刻をめぐる閉塞的な研究状況に対して、新しい問題提起を行った。平成21年開館の、新アクロポリス美術館の彫刻群を重点的な対象とし撮影と調査を行ったほか、イランおよびフランス、ギリシャにおいて調査を実施した。研究成果を、ロンドンの大英博物館等、国内外において陳列発表した。