著者
菊池 浩明 向殿 政男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1015-1016, 1989-03-15

Prologは述語論理に基づく論理型のプログラミング言語であり,そのプログラムの実行は導出原理による機械的証明手続きとして解釈できることがよく知られている.ところが,Prologでは,導出の効率のために述語論理の部分系であるホーン集合に限った導出しか実現されていない.よって,命題が偽であることの証明はできず,否定演算も通常の論理否定とは異なっている.通常これらの問題は閉世界仮説,すなわち,証明できないもの(未知,未定義)は偽であるとする仮説で理由付けられてはいるが,推論システムにとって本質的な情報である未知量を無視する考え方には疑問が残る.そこで本稿では,4値論理(真,偽,未知,矛盾)に基づくPrologを提案し,これまで偽と同一視することで排除されていた未知の情報を積極的に認めることを試みる.
著者
町田 富夫 向殿 政男
出版者
明治大学
雑誌
明治大学科学技術研究所紀要 (ISSN:03864944)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.129-150, 1992

N1 protocol is a computer communication protocol suite that is used in the inter-university computer network called N1 network in Japan. N1 network can not communicate with TCP/IP network. So, α gateway software which makes communication between N1 network and TCP/IP network is desired. This paper proposes a form of the gateway to make session layer communication between those networks and a method to construct the gateway using concurrent task control and Unix's inter-process communication utilities.
著者
向殿 政男
出版者
明治大学
巻号頁・発行日
1970

1969
著者
向殿 政男
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.129-135, 2010-10-01 (Released:2010-12-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2

コンピュータと安全との関係は,大きく分けて二つの側面がある.一つは,コンピュータを内部や外部の危険源から守り,コンピュータを正常に稼動させ続けることを目的とする“コンピュータのための安全”であり,二つ目は,他のシステムの安全を維持する機能をコンピュータで実現させようとする“コンピュータによる安全”である.筆者は前者をコンピュータ安全と呼んでいるが,後者の典型例として機能安全と呼ばれる新しい安全の分野がある.本稿では,コンピュータ安全と機能安全の一般論とともに最近の動向について解説する.
著者
井口 幸洋 向殿 政男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.1155-1161, 1986-12-15
被引用文献数
1

PLAの面積削減法に 隙間を利用してPLAの行や列を畳み込む方法がある.その一つに 畳み込みにおいて切断点を縦1列にそろえたワンカット行畳み込みがある.畳み込みは 従来よりマスクPLAを対象としていたが 本論文では このワンカット行畳み込みをフィールドでも可能にしたFPLA(Field PLA)の構造を提案する.また そのための畳み込みアルゴリズムを示す.さらに これに関して簡単な実験を行ったので その結果についても述べる.この畳み込みアルゴリズムは 従来の発見的手法に基づくアルゴリズムより良い解を出している.
著者
向殿 政男
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.554-559, 2002-10-25
被引用文献数
1

これまで個別技術として発展してきた各分野の安全技術には,実はかなりの共通的な考え方がそこには横たわっている.各分野で開発された安全技術に共通する考え方を一般化,原則化することで,他の分野の安全技術にも応用可能な道が開けるはずである.これを実現するためには,あらゆる安全技術をその適用範囲の広さ,抽象度に従って階層化する必要がある.本稿では,それを三層構造で構成することを提案している.一方,安全には,個人の価値観やその時代の社会の価値観が深く関与している.従って,安全には,工学としての技術だけではなく,人文科学や社会科学が深く係りあっている.真の安全を実現するためには,広く人文・社会科学を包含した包括的な立場から安全を考察し,安全を学問として構築していく必要がある.本稿では,安全技術を基礎にした安全学の確立を提案している.以上を実現するために,本稿では安全に纏わるあらゆるキーワードを網羅してリストアップし,それらを分類し,階層化することを提案する.これを安全マップ,または安全曼荼羅と呼んでいる.
著者
宮本 定明 馬屋原 一孝 向殿 政男
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.548-557, 1998-06-05
被引用文献数
26

本論文では, ファジィC-平均法における新しい手法としてエントロピー関数を正則化項としてもつエントロピー正則化法を提案すると同時に, 従来のファジィc-平均法とエントロピー正則化法により生成されるファジィ分類関数を比較する.エントロピーにもとづく方法として, エントロピー最大化法が既に提案されているが, 正則化の概念を導入することによって, エントロピーを用いる方法を, 一般的なファジィc-平均法の交互最適化アルゴリズムの枠において議論できるようになる.このことは, ファジィc-多様体法などのファジィc-平均法の変形をエントロピーを用いて行うことができることを意味している.また, 従来のファジィc-平均法から生成されるファジィプロトタイプ分類関数に対応するプロトタイプ分類関数がエントロピー正則化から得られる.これら2種類の分類関数の理論的性質を調べ, 計算幾何学におけるVoronoi図との関連を明らかにする.数値例によって, これら2つの方法によるクラスタリング結果とファジィ分類関数を比較する.
著者
向殿 政男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.1218-1225, 1990-09-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
16

ファジィネスと呼ばれるある種のあいまいさの存在を始めから認めて, それを積極的に取り扱うための理論であるファジィ理論が, 最近, 注目を集めている.実際の場面で有効であることが実証されるようになったからである.本稿では, ファジィ理論の基礎についてわかりやすく解説する.さらに, 応用に関する最近の動向についても述べる.

1 0 0 0 OA 安全の理念

著者
向殿 政男
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.9_14-9_19, 2009-09-01 (Released:2011-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1
著者
蓬原 弘一 向殿 政男
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.218-226, 1990
被引用文献数
1 1

If sufficient time is allowed for detection, the aerial ultrasonic pulsed radar sensor can detect reflecting objects without being unduly subject to the effect of wind. When used for safety assurance like obstacle detection of automated guided vehicles, the pulsed radar sensor must have such fail-safe characteristics that it can monitor an area wilder than that it is originally designed to monitor when it malfunctions and can produce a hazard-signifying output signal when it stops. The ultrasonic pulsed radar sensor discussed here is in its normal operating state when a short-distance transmitter/receiver signal is received as inspection signal for monitoring its operation. The pulse signal reflected from the obstacle in question, operation monitoring signal, and gate signal are added and converted into a ternary signal. The ternary signal is converted into a binary signal that indicates the normal state of the sensor (logic 1) or the faulty state of the sensor or detection of the obstacle (logic 0). A fail-safe pulsed radar can be realized in this way.
著者
向殿 政男 菊池 浩明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.209-222, 1990-05-15
被引用文献数
15

真, 偽の他に未知や矛盾の情報を表現するために, 無限多値論理としてのファジィ論理を拡張した「ファジィインターバル論理」を提案する.そこでは, いかなる命題も区間真理値[n, p]を取ることが許されており, そして, その区間真理値は言語真理値の特殊な場合として, また数値真理値の一般化として定義されている.ここで, n及びpは区間[0,1]の間の任意の値である.本論文では, あいまいさと真偽それぞれについて2つの半順序関係を導入して, 基本論理演算が定義されている.それによって構成されるファジィインターバル論理関数のいくつかの性質が明らかにされる.ファジィ論理で成立していたクリーネ律は, ここでは必ずしも成立しない.新しく証明される量子化定理を用いることで, 二つのファジィインターバル論理関数が等しいための必要十分条件は, 4つの区間真理値{[0,0] , [1,1] , [0,1] , [1,0]}についてのみそれらが互いに等しいこと, すなわちファジィインターバル論理は本質的に4値論理であることが証明される.
著者
生熊 克己 向殿 政男
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.35-38, 2011

本稿では交通事故を個々の事象に限定せず社会的現象としてとらえることとした.人の特質である行動特性の曖昧さの情況を明確にするとともに,交通統計年鑑の事故データから人間が操作する自動車運転システムの安全性の現状レベルを確認する.次に,ヒューマンエラー水準の推定から今後の事故低減対策に向け,人に依存する安全運転の限界を説明する.更なる交通事故低減目標の実現に向け,安全運転支援装置として電子制御システムによる人の弱点を補う視点で,例として早期危険認知による追突死亡事故半減について提案する.
著者
向殿 政男
出版者
明治大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

“あいまい"なデ-タは、実社会では避けることができない,しかも人間にとって極めて本質的であり重要なものである。本研究では,あいまい(ファジィ)デ-タを処理するための研究に関して,次のような幾つかの研究成果を挙げることができた。(1)ファジィProloキ“PROFIL"によるオンライン文字認識システムの製作本研究で開発したファジィPrologのシステムであるPROFILを,オンライン文字認識システムの記述に用い,本システムがあいまいさの多い文字(手書き)に対しても,有動に認識できることを示した。(2)フィジィ・インタ-バル論理の提案あいまい情報の処理のための基礎理論であるフィジィ論理の一つとして,従来の無限多値論理と、L.A Fadehの提案しているファジィ論理との中間に位置するファジィ・インタ-バル論理を提案し,その基本的性質を明らかにした。この新しい論理は本質的には,真,偽,未知,矛盾の4値論理に等しいことを明らかにした。(3)修正原理に基づくファジィ推論法の提案あいまいな前提からとも,もっともらしい結論を導しファジィ推論法には、これまで多くの考え方が提案それている。本研究では、修正原理に基づく新しいファジィ推論法を提案し、従来の方法の欠点を補なうことを可能にしていることを示している。この新しいファジィ推論法により、あいまいなデ-タ及び、あいまいな要求に対しても文献検索ができる『ファジィ検索』法の基本が構成できると期待されている。
著者
菊池 浩明 向殿 政男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.63-64, 1989-10-16

我々の日常のあいまいな論理構造を取り扱う論理体系にファジィ論理がある.そこに,真偽のあいまいさだけではなく,未知や矛盾に関するあいまいさを導入した論理体系=ファジィインターバル論理が提案されている.ここでは,ファジィ論理で用いられていた[0,1]上の数値の代わりに,区間[n,p]で真理値を取る.未知の度合はその閉区間の幅で,矛盾の度合は相当するファジィ集合の高さで表現される.「かつ」や「または」に相当する論理演算は,特殊な場合にファジィ論理を含む形で拡張されており,その代数系はドモルガン代数となることが知られている.また,それらの論理演算で構成される論理関数の数は有限であることも明らかにされている.本稿では,ファジィインターバル論理における論理関数の表現について議論する.そのために,2値論理で言うところのシャノン展開をファジィインターバル論理に拡張する.
著者
川島 浩 向殿 政男
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.213-220, 2004-05-01
被引用文献数
2

一定規模以上のネットワーク事故を重大事故と定義し,その発生は監督宮庁へ報告する義務が通信事業者に課せられている.この報告情報は原則非公開であるが,再発防止のためにはこれらの情報を事業者間で共有することが望ましい.この考え方に基づき,日本信頼性学会が総務省に情報公開を申請し,その情報の統計分析等を通じて,再発防止等に活用しようとするものである.本稿は平成14年4月から約2年間の重大事故情報とその統計分析,並びに特に注意を喚起すべき事項につき報告するものである.