著者
和田 邦泰 橋本 洋一郎 中島 誠 植田 光晴
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.822-839, 2020 (Released:2020-12-26)
参考文献数
118
被引用文献数
4

新型コロナウイルス感染症(corona virus disease 2019,以下COVID-19と略記)の流行により,脳卒中診療は大きく変貌しており,受診数減少,受診遅延,recombinant tissue plasminogen activator静注療法や機械的血栓回収療法の施行数減少などが報告されている.既報告ではCOVID-19患者の1.1(0.4~8.6)%程度に脳卒中が合併している.特徴は,虚血性脳卒中,特に潜因性脳梗塞や大血管病変合併例が多く,D-ダイマー高値例が多く,心血管危険因子を持つ患者での発症が多く,転帰不良例が多いことなどである.また本疾患では動脈血栓塞栓症より静脈血栓塞栓症が多く,急性冠症候群より脳卒中発症が多い.安全で有効かつ迅速な治療を完全な感染対策下で行うprotected code strokeが提案されている.
著者
冨田 祐輝 松屋 合歓 成田 智子 斎藤 良彦 西野 一三 福留 隆泰
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001547, (Released:2021-05-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

一家系に3人のPOMT2遺伝子変異による常染色体性劣性遺伝の肢帯型筋ジストロフィータイプ14(limb girdle muscular dystrophy 14,以下LGMDR14と略記)の患者を経験した.症例1と症例2はPOMT2遺伝子にc.1568A>Cのホモ接合性変異,症例3は同遺伝子にc.1568A>Cとc.869C>Tのヘテロ接合性変異を有していた.c.1568A>Cは病因として新規の遺伝子変異だった.全例で進行性の歩行障害を認め知的障害を合併しており筋萎縮は大腿屈筋群に強いなど,既報告と類似していた.網膜色素変性症や近視などの眼症状は既報告では少なかったが,LGMDR14を示唆する所見と考えられた.
著者
宮本 勝一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1358-1360, 2013

近年,多くの大学病院はマンパワー不足であり,女性医師の出産後の退職がその一因であるとの指摘がある.しかし彼女らの多くは出産後の復職を希望しており,就労条件が合わないため止むを得ず退職している.そこで当大学では,正規よりも少ない勤務時間であっても医師を確保したい大学側と,賃金がやや低くても産後も常勤医として働きたい女性医師との思惑が一致した就労形態「特別就労形態に関する規定」を新設した.就労時間は週30時間(1週あたり4日以上)の日勤帯業務で当直を免除するかわりに,給与は正規常勤医よりも低く設定されている.この就労形態は当科だけではなく全科に適用されており,出産後医師の大学への復職者が増えた.
著者
大和田 潔
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1134-1135, 2013

群発頭痛の治療は,診断するところからすべてが始まる.本講演では,群発頭痛と診断されるまでに苦労された患者さんの男女例を示した.治療においては,激しい群発頭痛の疼痛の制御の面から,予防薬の方が発作治療薬よりも重要でさえある.ステロイドは必須ではない.バルプロ酸,ガバペンチン,アミトリプチリン併用療法を紹介し,予防薬だけで発作が軽く終わった例も提示した.激しい発作にはスマトリプタン自己皮下注キットがもちいられるが,当クリニックのエキスパート看護師たちの主導による講習会も紹介した.群発頭痛の治療には,適切な診断と予防薬と発作治療薬の組み合わせが必須である.
著者
本岡 里英子 山本 真士
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.690-693, 2016
被引用文献数
6

<p>症例は39歳女性.1年前より下肢痙性,上下肢異常感覚が出現し,痙性による歩行障害が進行した.神経学的に両下肢痙性,両下肢深部感覚障害,四肢異常感覚を認めた.各種自己抗体,HTLV-1を含むウイルス抗体,腫瘍マーカー,ビタミンに異常を認めず,髄液細胞数,蛋白は正常で,OCB,MBPは陰性であった.頭部MRIは異常なく,頸胸髄MRIで,後索にT<sub>2</sub>WI高信号を認めた.血清銅,セルロプラスミンが低値であり,銅欠乏性ミエロパチーと診断した.生活歴を再聴取した結果,5年以上前から牡蠣を毎日15~20個摂取するという極端な食生活が判明し,亜鉛過剰摂取が原因と考えた.亜鉛過剰摂取による銅欠乏症の原因として本例のような食餌性は稀である.</p>
著者
曽根 淳
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001417, (Released:2020-09-05)
参考文献数
47
被引用文献数
7

神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease; NIID)は,進行性の神経変性疾患であり,近年まで剖検により診断されていたが,2011年に皮膚生検が診断に有効と報告された後,症例数が増加している.2019年にはNOTCH2NLC遺伝子上のGGCリピート配列の延長が原因であると同定され,遺伝子診断も可能となった.NIIDでは,認知機能障害で発症し,頭部MRIでの白質脳症およびDWIでの皮髄境界の高信号が認められる群と,四肢筋力低下から発症する群の2群が認められる.今後,白質脳症およびニューロパチーの鑑別診断にNIIDを含める必要があり,皮膚生検と遺伝子検査を組み合わせ,NIIDを的確に診断し,病態解明を推進する必要がある.
著者
松島 理明 高橋 育子 保前 英希
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.147-151, 2012 (Released:2012-03-28)
参考文献数
16

症例は53歳の女性である.貧血に対する1カ月の鉄剤内服でHb 3.5g/dl が8.9g/dl と改善した.入院当日頭痛や痙攣を主訴に救急搬送され,搬入後痙攣重積となった.高血圧を呈し,脳MRIで両側後頭葉などに異常信号をみとめた.髄液蛋白は上昇していた.人工呼吸管理下のチアミラール持続静注で痙攣は収束し,意識状態の改善,脳MRI異常の消退をみとめ,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.PRESの背景として高血圧や薬剤性などがあるが,本症例のように比較的急速な貧血補正で発症するばあいもある.貧血補正の際は慎重さを要する症例が存在する.
著者
守谷 新 門脇 傑 菊地 サエ子 榎本 雪 望月 仁志 宇川 義一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.699-702, 2011 (Released:2011-09-26)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

突然疼痛をともない,両側体幹と下肢の深部感覚優位の感覚障害,錐体路障害と膀胱直腸障害で発症した後脊髄動脈症候群の2例を報告した.後脊髄動脈は左右1本ずつ存在するが後脊髄動脈症候群の症状は本症例のように両側性のばあいが多い.後脊髄動脈は吻合が多く,側副血行路が働き,1対の独立した血管支配ではなく1つの血管のネットワークで補われているのが原因と考えられる.本症例は2例とも高血圧,脂質異常症と虚血性心疾患の既往があり,高度な動脈硬化にともなうアテローム硬化性の機序により血管のネットワークが破綻したためと考えられた.
著者
宇川 義一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1339-1342, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
3
被引用文献数
2

I summarize one year experience after the great earthquake in Fukushima as a neurologist and give some proposals to prepare this kind of disaster. The great east Japan earthquake is characterized by its long duration of quake, great Tsunami and nuclear plant accident especially for Fukushima. We used different strategies for treating the patients at four periods after the earthquake. I will briefly describe those in the following parts. Acute period: We acted as one doctor, not neurology specialist, under the conditions with some lacks of life lines. We accepted serious patients from city hospitals in Fukushima. Some of them were transferred to university or large hospitals in other areas when they were not able to be treated in our hospital. The other patients were admitted to our hospital. Many neurologists, self-defense forces officers and people of MHLW helped us in this period. The internet communication played significant roles because of telephone system breakdown. Subacute period: We acted mostly as a neurologist. Serious neurological patients, such as meningoencephalitis, MG crisis, relapse of multiple sclerosis, were admitted to our department. Recovery period: We acted as a neurologist at this period. City doctors consulted us about non-serious neurological patients because of difficulty in coming to our hospital. Ideally, the consultation may be made through internet telephone system. Reconstruction period to the ordinary life: Medical problem solution all depends on the political strategy of how to reconstruct Fukushima.
著者
井元 万紀子 刀坂 公崇 北口 響子 白川 雅之 奥田 志保
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.321-327, 2020 (Released:2020-05-26)
参考文献数
25

症例は73歳の右利き男性.ヘルペス脳炎を発症し,重度のウェルニッケ失語を含む認知機能低下が残存した.病前に描画の習慣はなく,妻の勧めで始めた塗り絵をきっかけに,発症数年後より風景写真の模写を始めた.その作品は写実的傾向が強く,病巣は左半球であり,獲得性サヴァン症候群の特徴を有していた.描画能力の向上に伴い,買い物や公共交通機関の利用などの手段的日常生活動作(instrumental activities of daily living; IADL)も向上したが,標準失語症検査などの神経心理学的検査では著変を認めなかった.本症例では,描画活動で得られた達成感や支援者とのコミュニケーションがきっかけとなり,IADLの向上につながった可能性が考えられた.
著者
前田 憲吾 清水 芳樹 杉原 芳子 金澤 直美 飯塚 高浩
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001239, (Released:2019-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は48歳女性.43歳時に下肢硬直感が出現したが3か月で自然軽快した.両下肢の筋硬直が再発し,ミオクローヌスが出現し入院.意識清明,言語・脳神経は異常なし.両足趾は背屈位で,足関節は自他動で動かないほど硬直していた.神経伝導検査は異常なく,針筋電図では前脛骨筋に持続性筋収縮を認めた.血液・髄液一般検査は正常で,抗GAD65抗体・抗VGKC複合体抗体は陰性.脊髄MRIにも異常なく,症候学的にstiff-limb症候群(SLS)と考え,ステロイドパルス療法を実施し筋強直は改善した.その後,血液・髄液の抗glycine受容体抗体が陽性と判明した.プレドニゾロン内服後,再発はない.
著者
山本 雄貴 松井 尚子 平松 有 宮崎 由道 野寺 裕之 和泉 唯信 髙嶋 博 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000976, (Released:2017-01-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2 6

症例は60歳男性.小児期より運動後の筋疲労感や褐色尿を自覚したが症状は軽微であった.45歳頃より両下肢遠位部優位の筋萎縮,感覚障害が進行した.神経伝導検査で軸索型末梢神経障害を呈し,シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease; CMT)が疑われた.55歳より横紋筋融解症を繰り返すようになり,血清アシルカルニチン分析と遺伝子検査から三頭酵素欠損症と診断した.三頭酵素欠損症は先天性脂質代謝異常症の稀な一型であるが,末梢神経障害を合併してCMTに類似した臨床所見を呈しうる.筋症状を伴う進行性の末梢神経障害をみた場合,積極的に本疾患を疑って精査すべきである.
著者
都築 雨佳 安藤 哲朗 杉浦 真 川上 治
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
2021
被引用文献数
1

<p>症例は発症時16歳男性.高校生となり弓道を始めてから両側の三角筋,上腕二頭筋,腕橈骨筋などのC5, 6髄節筋に筋力低下が亜急性に発症した.神経所見では,両側前腕外側の軽微な感覚障害と下肢の索路症候も伴っていた.前屈位の頸椎MRIとCT myelographyにて脊髄が後方硬膜により圧迫する所見を認めたことから,平山病と臨床像は異なるものの同病態の'近位型平山病'と考えられた.弓を射る姿勢である頸部回旋位のCT myelographyでも脊髄圧迫を認めたことから,頸部回旋も脊髄症発現に関与していると考えられた.頸部前屈および回旋の制限のみで上肢の筋力低下と下肢の痙性が改善した.平山病において,頸部前屈に加えて頸部回旋も病態に関与する可能性がある.</p>
著者
西野 一三
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-6, 2010 (Released:2010-02-08)
参考文献数
31
被引用文献数
1 2

自己貪食空胞性ミオパチー(AVM)は,筋病理学的に自己貪食空胞の出現により定義される一群の遺伝性筋疾患である.歴史的にもっとも研究が進んでいるPompe病以外に,最近2つのAVMのカテゴリーが新たに認識されつつある.一つは,Danon病を初めとする一連の筋疾患である.この筋疾患群は,特異な筋鞘膜の性質を有する自己貪食空胞(AVSF)の出現を特徴とする.AVSFでは,アセチルコリンエステラーゼをふくむ,ほぼすべての筋鞘膜蛋白質が空胞膜に発現する.Danon病はライソゾーム膜蛋白質LAMP-2の原発性欠損による.興味深いことに,本疾患におけるAVSFの数は年齢とともに増加する.AVSFミオパチーとしては,他に,最近VMA21 変異によることが明らかとなった,過剰自己貪食をともなうX連鎖性ミオパチー(XMEA)がある.もう一方のAVMは,縁取り空胞の出現を特徴とするミオパチーである.縁取り空胞は電顕的には自己貪食空胞の集塊である.もっとも良く知られた疾患として,縁取り空胞をともなう遠位型ミオパチー(DMRV)がある.本疾患は,欧米では遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)と呼ばれる.DMRVはシアル酸生合成経路律速酵素遺伝子GNE の変異により発症する.DMRVモデルマウスにおいては,シアル酸補充療法によりほぼ完全に筋症状を抑制することができる.このことは,シアル酸低下がミオパチーの原因であることとシアル酸補充がヒトでも有効である可能性を示唆している.現時点で原因遺伝子が明らかとなっているAVSFミオパチーはともにライソゾーム機能異常を根本原因としている.一方,縁取り空胞は,DMRV/HIBMが低シアリル化を原因としているように,ライソゾーム外の異常が根本原因であり,二次的に形成されるものである.
著者
金澤 雅人 高橋 哲哉 川村 邦雄 下畑 享良
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.699-706, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
42
被引用文献数
5

脳梗塞に対する組織プラスミノゲン・アクチベーター(tissue plasminogen activator; t-PA)投与は,予後を改善させるが,症候性頭蓋内出血はt-PA療法後の転帰不良に関連する要因である.我々は,出血合併を抑制し,予後を改善させるt-PAに併用する血管保護薬の開発を行っている.治療標的分子として血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)に注目し,血液脳関門(blood-brain barrier; BBB)破綻に関する検討を行った.発症4時間後にt-PAを投与すると,出血合併が生じる,脳塞栓モデルを用いた検討において,遅延したt-PA投与がVEGFを著増させ,タンパク分解酵素マトリックス・メタロプロテナーゼ-9を活性化,BBB構成蛋白を分解し,出血合併を来すことを示した.さらに,VEGF-VEGF受容体シグナルの抑制薬は,脳出血合併を抑制することを明らかにした.
著者
宮城 愛
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1258-1260, 2013-11-01 (Released:2013-11-29)
参考文献数
8
被引用文献数
2

多くの脳卒中患者の機能回復は発症後6ヵ月がピークとなり,その後の回復は見込めないとされていたが,ボツリヌス治療により長期の回復が得られる可能性が出てきた.ボツリヌス毒素はこれまで重要視されていた神経筋接合部への影響だけでなく,脊髄への直接的な影響も考えられるようになっている.このため,ボツリヌス毒素は異常な筋伸張反射の亢進を正常化させ,機能を回復させる可能性が考えられる.実際の治療では,まず治療目標を設定し,適切に目的となる筋肉へボツリヌス毒素を投与し,その直後に注射された筋肉へ運動療法をおこなうことが重要と考える.また治療間隔を最短期間の3ヵ月に設定することが,重要である.
著者
下畑 享良 井上 雄一 平田 幸一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.63-70, 2017 (Released:2017-02-25)
参考文献数
70
被引用文献数
1

REM睡眠行動障害(rapid eye movement (REM) sleep behavior disorder; RBD)は,夢内容の行動化を呈する睡眠時随伴症である.長期的な経過観察で,αシヌクレイノパチーの発症が高率に認められる.将来の発症リスクの告知は,患者に動揺をもたらすものの,患者には知る権利があることから,適切な時期や方法を症例ごとに検討した上で告知し,告知後はRBDに対する生活指導と治療を行い,精神的にも支援する必要がある.またRBDは,他の検査との組み合わせによりαシヌクレイノパチーの早期診断を実現する可能性があり,病態抑止療法への応用が期待される.
著者
藤井 陽子 大倉 睦美 上森 栄和 谷口 充孝 大井 元晴
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.88-92, 2018
被引用文献数
1

<p>レム期睡眠行動異常症(rapid eye movement sleep behavior disorder; RBD)は筋活動の抑制が欠如し夢内容と一致した行動が出現し,終夜睡眠ポリグラフ(polysomnography; PSG)にて筋活動の抑制を伴わないレム睡眠の出現を認めることで診断される.病歴上RBDが強く疑われた51歳男性において常時監視下ビデオ同時記録によるPSGによりノンレム睡眠,レム睡眠期に関わらず呼吸イベントに伴う覚醒中に発声,発語を認め,閉塞性睡眠時無呼吸が原因であると判明した1例を報告する.持続陽圧呼吸療法導入後,呼吸イベントは消失し発声,発語は認められなかった.常時監視下ビデオ同時記録PSGの重要性を示した1例である.</p>
著者
朝原 秀昭 丸山 俊一郎 本村 暁 田村 潔 三好 甫
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.301-304, 1998-04-01
参考文献数
22
被引用文献数
1