著者
塩崎 由人 加藤 孝明
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.643-646, 2012-07-01 (Released:2013-02-23)
参考文献数
18
被引用文献数
2

近年,気候変動や自然災害等の環境変化に関して,「レジリエンス」,「脆弱性」という用語が頻繁に使われている.これらの用語は環境変化に対するシステムの変化や挙動を表す概念であるが,その定義が多様であるため混乱をまねく恐れがある.本論では,英語圏の自然災害などの学術分野において発達してきたこれらの概念について,その発達の経緯と多様な定義の整理を行った.そして,「曝露」や「感応性」など,レジリエンス,脆弱性の概念に関する要素によって,環境変化に対するシステムの変化や挙動を説明できることを示した.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
菊池 眞一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.479-486, 1969-08-01
著者
亘理 厚
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.73-79, 1979-02-01

停年退官講演の要旨を記述したものです
著者
河野 賢司 菅 瞭介 須田 義大 須藤 裕之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.69-73, 2019-03-01 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8

自動車周囲の交通状況の認識にはセンサが重要な役割を果たしている.光学センサやミリ波レーダーを利用した歩行者検知システムが普及する一方で,見通しが悪い交差点など物陰の歩行者検知は容易ではない.本稿では,歩行時の靴底と路面間の接触剥離に起因する人体周囲の空間電位変動を利用した歩行者検知手法を提案するとともに,本手法による物陰の歩行者検知の可能性をシミュレーションと実験を通じて検討した.
著者
大原 美保 川崎 昭如 近藤 伸也 田中 淳
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.553-556, 2012

近年,災害情報の伝達手段の一つとして,携帯電話のエリアメールによる情報伝達が普及しつつある.2011年9月に台風12号が通過した際,香川県内ではエリアメールによる住民向けの避難情報の伝達が行われた.本研究ではこの事例に着目し,住民アンケート調査に基づいて情報伝達・受容の実態調査を行った.住民にとってはエリアメールによる災害・避難情報を初めて受け取る機会であったが,否定的な意見は少なく,効果に期待する声が多かった.一方,避難の必要性を伝える文面については課題も見られ,今後の情報発信への示唆が得られた.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
石井 聖光 平野 興彦
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.31-35, 1964-02

昨年10月20日,ベルリンオペラでフタを開けた日生劇場は芸術院会員村野藤吾氏の設計になるもので,われわれはその設計施工に当たり,音響の立場から参加し,1/10の模型を製作して,その形状を検討し,設計者の芸術的なデザインをそこなうことなく,音響効果を上げるべく努力を重ねた.本報告は,その経過の概要である.
著者
遠藤 貴宏 田口 仁 バルア プラナブ ジォティ 沢田 治雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.769-772, 2009

LiDARデータを用いてスギ人工林のベクター形式による単木抽出手法を開発した.本手法は, 樹冠形状に基づいた抽出手法であり, ラスタライズ処理を必要としないことが特徴である.また, 林木内の異なった大きさの樹冠を持つ樹木に適用できるよう, 本手法は, はじめに, 孤立木のような樹冠形状を有する樹木を抽出し, 次に被圧木のような樹冠形状を有する樹木を抽出する2段階の抽出処理で構成されている.現地調査による単木位置と本手法を用いた樹頂点位置とを比較したところ, 位置精度は1m以内であった.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
大原 美保 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.517-520, 2011

東京大学生産技術研究所では, 平成22年2月24日から緊急地震速報の高度利用を開始している.高度利用者向けの緊急地震速報(予報)を受信し, キャンパスに震度3以上の揺れが到達すると予想された場合に, An, As, B-F棟の放送設備より館内放送が行われる.2011年3月11日午後14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震の際には, 14時47分2秒に発表された緊急地震速報第九報で予想震度が2.7となり, 主要動到達の約1分前に緊急地震速報放送により警戒を呼びかけることができた.地震後の構成員へのアンケートからは, 放送が役に立ったという意見とともに, 予測震度が低かったことへの戸惑いも見られた.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
川崎 昭如 ヘンリー マイケル 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.491-495, 2012-07-01 (Released:2013-02-23)
参考文献数
8

東日本大震災後,短期間に大量の外国人が国内外へ退避したことで,日本国内の社会経済活動に広範な影響がでた.本研究では,外国人の退避行動と災害情報収集過程との関係を明らかにすべく,東日本大震災時に関東地域に居住していた外国人を対象としたオンライン・アンケート調査を実施した.75ヶ国860人の災害情報収集過程と退避行動との関係性を分析し,震災後の情報収集過程の違いがその後の退避行動に与えた影響を定量的に示した.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
加藤 孝明 宮川 勇二
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.495-499, 2011
被引用文献数
1

本研究では, 荒川下流域における大規模水害を想定し, 避難指示発令時の鉄道による全員避難を想定し, 遠距離避難シミュレーションを行い, 広域避難の可能性について分析を行った.居住地から駅までの歩行シミュレーションでは道路上での歩行速度の低下がみられるが, このことは, 鉄道の輸送能力がネックとなり, 待ち行列となるため, 最終的な問題とはならない.一方, 鉄道による避難については, 現在の行政対応の枠組みで想定される運転では避難に長時間を要する.ただし, 都心側での乗車制限や列車の臨時増発を行えば, 避難指示から決壊までの間での避難の可能性は残されることが明らかとなった.その場合, 鉄道会社, 周辺自治体と統一された指揮命令系統下での対応が必要とされる.一方, 乗車待ちの駅構内及び周辺の滞留者はいずれのケースでも数万人規模と膨大であり, 群衆の管理が非常に大きな課題となることが明らかとなった.バスによる避難, 自家用車避難, 徒歩避難, 建物内退避, それぞれのキャパシティを分析し, 多様な交通手段を組み合わせて最適な避難方法を探求していく必要がある.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
川口 健一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.623-629, 2010

日本はプロ野球のドーム球場に代表されるような大規模集客施設が多く建設されてきたが,これからは,維持管理や既存施設の改修が増えると考えられる.西洋には100年を迎えようという近代施設もあり,健全に使われ続けるためには人々を惹きつけ続ける魅力的な改修が必要だ.日本にすでに数多く存在する大規模集客施設の供用期間は42年だが,取り壊されたものの供用期間は33年だ.米国の大規模集客施設も曲がり角に来ており,屋根だけの架け替えなども行われている.日本のリニューアル最盛期はこれから訪れると考えられる.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
湯川 英宜 平野 敏行 西村 康幸 佐藤 文俊
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.103-110, 2009 (Released:2009-04-14)
参考文献数
14

タンパク質の構造や機能を解析する上で, 長距離で働く静電相互作用は極めて重要な力の一つである.近年, タンパク質の全電子波動関数が計算できるようになり, これから正確な静電ポテンシャルを見積もることができるようになった.しかし, そのポスト処理コストは非常に高価であり, 計算は長時間を要する.本研究では, 新たにGPUによる処理プログラムを開発し, 量子化学計算に基づく静電ポテンシャル計算を大幅に高速化することに成功した.51残基のインスリンの場合, CPUによる計算では16時間かかったが, GPU (Tesla C870)では12分で完了した.計算時間が79倍短縮されたことになる.これはGPUのピーク性能の63%に相当する.
著者
長友 信人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.178-182, 1962-06

大型ブースターロケットによる人工衛星の打上げと,原子力発電装置の開発は,惑星間飛行への道を開き,新しいロケットエンジンとして電気推進系の実現を可能にした.電気推進系のエンジンには種々のものが考案されたが,なかでもプラズマロケットは一般性と将来性を持つものである.この論文では,マイクロ波を電力源としてプラズマを加速するエンジンについて理論解析を行ない,ロケットとして用いる可能性を示した.目下簡単なモデルによる実験を行なっている.
著者
坪井 善勝 丸安 隆和 大島 太市 川口 衛
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.8, pp.339-347, 1963-08

東京オリンピック国立屋内総合競技場の設計に際し,その構造設計を担当した坪井研究室では,理論解析とあわせて,種々の実験を行なったが,そのうち主体育館については1/30の模型実験を写真測量の方法を用いて丸安研究室で実施した.構造物の撓み測定に写真測量の方法を用いることは,おそらく初めての試みであり,吊り屋根形状の各荷重状態における変形を三次元的につかむことができた.
著者
平沢 隆之 小笠原 誠 石川 ひとみ 山口 憶人 丸山 貴平 梶田 佳孝
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.205-210, 2015

国内各地で世界文化遺産登録の報告が相次ぐ一方で大都市圏環状道路の整備が進み,訪日インバウンド観光促進にはますます追い風の状況と言える.本研究では,交通・物流・観光の要衝である静岡県御殿場市を対象に実施した,大規模集客施設訪問帰りの近隣観光施設への追加立ち寄り観光誘引の一連の実験と,大型イベント開催日の交通実態簡易調査の結果に基づき,豊かな地域観光資源の魅力をアピールし,データに基づいた周辺観光誘引の推進に有効な簡易ICT の要求機能を提案する.
著者
城 真範 合原 一幸
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.233-234, 2016-05-01 (Released:2016-05-30)
参考文献数
3

本報告では実数値a のβ進数展開についての数値計算を行った.その結果,a によらず,βの変化に応じて各整数の出現割合が自己相似的に変化することを示した.2<β<3 の場合,数値1 と2 が同数出現するβはβ-2=0,(β-2)β-2=0,((β-2)β-2)β-2=0,…の解で与えられる.