1 0 0 0 造園雑誌

著者
日本造園学会
出版者
日本造園学会
巻号頁・発行日
1934
著者
鈴木 誠 河原 武敏 ジャネル ベルナール
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.19-24, 1988-03-31
被引用文献数
1

20世紀初頭フランス西部,メーヌ・エ・ロワール県モーレヴリエ町に,フランス人建築家アレキサンドル・マルセルの設計になる,池泉回遊式の日本庭園が造られた。同国内でも最古かつ最大級の日本庭園でありながら,地元の人々にさえ良く知られずに,近年まで長年放置されていた。本研究では現地調査の結果をふまえ,この庭の現況と往時の姿,成立経緯と時代背景について,マルセルの他の業績と共にまとめた。
著者
北村 文雄
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.29-33, 1976-01-24
被引用文献数
1

イ)本研究は造園樹木の亜硫酸ガス抵抗性の季節的変異を究明し,都市における造園樹木の利用および保護,管理面に貢献することを目的として行われた。供試樹木としてカマクラヒバ,マサキ,サツキツツジを用い,その3〜4年生苗木を鉢植として,1972年5月より1年間,隔月毎に公害実験用グロースキャビネット内にて亜硫酸ガスを接触させて,植物の被害状況およびその後の生育状態を調査した。また灌水による被害軽減効果を検討した。ロ)実験結果から,供試樹木の亜硫酸ガス抵抗性は冬季(1月)およびそれに続く時期(3月)がもっとも強く,冬季に入る直前(11月)も抵抗性が強くなっている。逆に夏季(7月)がもっとも弱く,それに続く時期(9月)も弱いが,夏季に入る直前(5月)は種類によって被害の出現度が異なる。ハ)被害度の1指標とした落葉率はほぼ観察による被害度と同じ傾向を示す。ニ)処理後の生育をみると,枯死したものはなく,いずれも回復している。3月現在でカマクラヒバはすべて正常に生育し,マサキ,サツキツツジは7月および11月処理区を除いてほぼ正常に戻っている。7月区は被害による落葉後の新葉の萠出が遅れ,11月区も落葉期が冬にかかったために新葉が萠出していない。ホ)灌水による被害軽減効果はあまり認められない。へ)供試樹木の亜硫酸ガス抵抗性は,全般を通じてカマクラヒバが非常に強く,次いでマサキ,サツキツツジの順である。
著者
福富 久夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.138-139, 1985-12-19
著者
白幡 洋三郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.37-42, 1984

1789年, 代々の宮廷庭師の家に生まれたレンネはその職をついだ。しかしヨーロッパ近代の幕開けフランス革命の年に生まれたことで, 彼は19世紀前半の公園開幕の時代に出会う。宮廷造園家の仕事と都市自治体の公共造園の仕事とを結びつけることは, レンネを代表とするこの時代の造園家たちが史上初めて直面した大きな社会的要請で, この時生まれた公園観は, ドイツの公園の性格を決定づけた点で大変重要である。
著者
藤崎 健一郎 半田 真理子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.151-156, 1994-03-31
被引用文献数
4 10

本研究は,植栽が微気象に及ぼす効果を定量的に把握することを目的とし,特に温度に重点をおいて調査したものである。日射の強い夏の日においても樹林内外の気温差は2〜3℃程度であるが,人が感じる差異はこれよりはるかに大きい。そこでグローブ温度計を用いて黒球温度を測定したところ,気温差が1.6℃の時に17.1℃の差があり,体感温度の差を定量的に表現するのに適していると考えた。そこで,各種の植栽地内外において,気温,黒球温度及び他の微気象要素の測定を冬季に行った。その結果,街路樹の有無によっても黒球温度で8℃程度の差ができること,地表面の状態によっても黒球温度に差ができることなどが明らかとなった。
著者
青木 陽二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-10, 1987-08-25
被引用文献数
4 34

景観評価において緑の有効性が論じられるようになって,緑の視野に占める割合(緑視率)がよく使われるようになった。今までの研究では緑視率は固定されたものとして算定されていたが,本研究では視野の広がりの違いによる比率の変化に注目して,多様な景観タイプに応じた緑視率算定の方法を被験者を連れた現場実験によって確かめた。
著者
近藤 三雄 間仁田 和行 横山 容三 小沢 知雄
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.161-175, 1983-02-18
被引用文献数
6 3

本研究では,樹木,芝生の存在が開放空間ならびに都市空間を構成する人工被覆物と比べて,いかに異なる温度,湿度などの微気象状態を呈するかを実証するととを意図した。その結果樹木の緑陰面,樹冠面あるいは健全な芝生面は裸地面,アスファルト舗装面などに比べると,年間,天候状態による温度変化が少なく,夏季の昇温防止効果も大であるまた樹冠下がつくりだす微気象環境は不快指数をわずかに減ずるに過ぎないことなどが実証された。
著者
永松 義博
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.265-270, 1992-03-31
被引用文献数
6

身体的にハンディキャップをもった人々の公園利用への関心が高まり,設計基準等も整備されつつあるあるが,視覚障害者にとっての配慮は,まだ完全とはいえない。快適に適応できる屋外遊び空間(盲人公園)を計画していくための手ががりを得ることを目的として,盲学校生徒の余暇活動の実態を明らかにした。盲学校のクラブ活動では,盲男子は活動的で組織的なスポーツに人気が高く,盲女子では文化系クラブの入部が多く,直接実生活と結びついた活動が目立っている。彼らの戸外活動への関心は高いものの,積極的な余暇時間の活用はみられず,余暇活動として発展していない点が指摘される。
著者
若生 謙二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-12, 1982-07-31
被引用文献数
1 1

本研究では,最初に動物園史の時代区分を行い,各時代の特性を個別に論及した。次に各時代の相互の関連性を動物園観を媒介としてとらえ,歴史的全体像と動物園観の形成過程について論述した。その結果,動物園の歴史的展開過程は遊園地型動物園の系譜と近代動物園を指向する系譜の2軸型の発展構造としてとらえられ,従来の研究において欠落していた花鳥茶屋などの見世物園地と電鉄系の遊園地型動物園は前者の系譜に位置づくという歴史的な全体像を明らかにした。動物園を娯楽的施設とみる動物園観の形成過程は,このような2つの系譜を軸とする発展構造のなかから生み出されたものと考察された。
著者
中瀬 勲 清田 信
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.216-221, 1988-03-31
被引用文献数
5

公園他の緑地での熱的環境要因と人間行動との相互依存関係の解明を目的として本研究を実施した。なお,調査は堺市大仙公園内で1987年4月29日と5月4日の春季の晴天の休日の2日間に実施し,気温,表面温度,人間行動,等に関するデータを収集した。これらの温度諸データと公園の地表面被覆との関連を明らかにし,さらに人間の滞留行動が気温や樹影に関係し,特に表面温度に関係していることを明らかにした。
著者
山田 宏之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.331-336, 1993-03-24
被引用文献数
4 7

利根川沿いに位置する小都市,埼玉県栗橋町を対象に,盛夏の14時,4時における気温分布の移動観測を自動車を用いて行った。測定結果から都市気温分布図を作成し,緑地の分布および緑地の種類による差異との関連,および大規模河川の都市気温分布に与える影響などについての考察を加えた。次に,測定範囲内から抽出した30地点を中心にした直径500m,250mの範囲内の樹林地率,草地率,水田率,裸地率,水面率を航空写真より読み取り,緑被率,緑地率を算出した。それらの値から回帰式を作成し,各緑地の被覆割合による気温の低減効果を判定した。これらの値を同様な解析を行った,東京都杉並区,長野県長野市,埼玉県庄和町の結果と比較,考察した。
著者
杉尾 邦江
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.91-96, 1992-03-31
被引用文献数
1 1

オーストラリア,ニュジーランドの植民地は,世界にさきがけて公園概念を取り入れた公園帯を創設した。これは近代的なグリーンベルトの歴史的発生であり,これまで発想者とその起源は謎とされていたが,造園雑誌53(5)311-316,1990で筆者が明らかにしたところである。本論は更に,計画思想と原理に影響を与えたと思われる知見を補足検証すると共に計画原理について考察を行った結果,創設者のE.G.クエイクフィールドの植民地政策的課題から考案されたとみる事ができた。また公園帯成立の歴史的発展課程の中で,クライストチャーチは公園帯に代わり,ハワードの田園都市のグリーンベルト則ちルーラルベルトの原型を生み出した。これらの公園帯は,今日でも健全に存続,機能している実態を明らかにした。
著者
杉尾 邦江
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.311-316, 1990-03-30
被引用文献数
2

オーストラリア,ニュージーランドにおける公園緑地帯(パークベルト及びタウンベルト)の発想の起源を文献等による検証によって明らかにすると共に,これらの公園緑地帯の意義,特質,機能及び形成過程と実態の一部を明らかにした。また,タウンベルトの形成に失敗したクライストチャーチ市で計画されたグリーンベルトの発想は,ハワードの田園都市構想の原型である事等を示した。
著者
木村 三郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.37-41, 1991-03-30
被引用文献数
1

我国で世界に誇りうる風景観と云えば第一に富士山,その第二に瀬戸内海をあげることが出来る。そこで富士山については既に本機関誌『造園雑誌』第54巻1号(1990)に於いてその文化的価値を中心にその歴史的な考察を行ってきた。そこでその第二のステップとして,ここに瀬戸内海についても同様な観点から究明して見たい。即ち富士山が孤高の山景美とすれば正に瀬戸内海は白砂青松の海景美と云える。このような伝統美が欧米化の風潮の波に圧倒されて兎角忘れ勝ちになっていることに反発を禁じ得ないし,又その保全の手段方法についても一考して見たい。