著者
近藤 純正
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.1-13, 1990
被引用文献数
1
著者
沖村 孝
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-4, 2016-01-05 (Released:2016-04-15)

In Japan, debris disasters often took place caused by intense rainfall that intensity is more than 70~80 mm/hr. Other characteristics of these intense rainfalls are as follows; 1) affected areas was small within limited areas, and 2) continued period was very short such as 1~5 hours. From 2010 to 2015 years, many debris flows took place by these intense rainfalls and many lives were killed by these debris flows. In order to save human lives from these debris disasters, evacuation is very important in addition to construct check dams. Such evacuation may be achieved by the risk information about for hazardous site and time. For the purpose to mitigate debris disasters, three wears, hard (to construct disaster prevention structures), soft (to delineate hazard area and to push risk information) and human (to participate in evacuation training and to evacuate), are pointed as important measures.
著者
島村 雄一 泉 岳樹 中山 大地 松山 洋
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.331-348, 2003-07-05
参考文献数
31
被引用文献数
8 8

林床積雪の判別が可能な積雪指標S3 (斎藤&middot;山崎, 1999) をLANDSAT-5/TM画像に適用し, 積雪水当量&middot;融雪量を推定した. 積雪指標の適用を想定したADEOS-II/GLIが未稼働なので, 衛星データへの適用は本研究が初めてである. 1986年の融雪期の黒部湖集水域を対象として, 積雪指標を用いて積雪域を抽出した. ここでは, この地域における標高と積雪水当量の関係 (関西電力株式会社工務部, 1960) と山地積雪モデル (小池ほか, 1985) に基づき算出した2時期 (1986年4月14日と4月30日) の積雪水当量の差を融雪量とした.<BR>推定された融雪量は, 同じ期間の黒部第四ダムでの観測流量と相対誤差&mdash;8.2%で一致した. 植生の影響を考慮せずに可視波長帯から抽出した積雪域を使った場合の推定誤差は&mdash;23.8%であり, この差は積雪指標が林床積雪を判別できているためと考えられる. 以上から, 積雪指標による積雪域の抽出は妥当であり, 植生の影響を考慮しない方法よりも優れていると言える.
著者
吉川 夏樹 有田 博之 三沢 眞一 宮津 進
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.271-279, 2011-09-05 (Released:2012-07-06)
参考文献数
19
被引用文献数
3 11

田んぼダムは,水田耕区の排水孔を装置化して落水量を安定的に抑制することによって,豪雨時における水田地帯からの流出量のピークを平滑化し,下流域の洪水を緩和するものである.田んぼダムの効果発現の特徴は,以下の5点に整理できる.①洪水調節量の操作可能性,②地区環境によって変化する効果,③効果の自律的発現,④発生しない生産効果,⑤制限される農家の危険回避行動.本稿では,新潟県村上市神林地区の取組事例をもとに,田んぼダムの公益的機能の評価を試みるとともに,技術上の特性と可能性を検討し,技術展開の方向性について提案した.神林地区の事例における評価額は,代替法を用いた試算では 39,000円/10 a/年であった.これは,水稲10 a当たり農家所得(24,000円/10 a/年)を大きく上回る.田んぼダムを適切に活用することによって多くの地域の洪水緩和に効果を発揮することが期待されるが,計画論的観点から戦略的な整備のあり方について提言した.
著者
川守田 智 安西 聡 風間 聡
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.209-220, 2017-07-05 (Released:2017-09-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

ソーシャルメディアを用いて河川関心度の定量評価を行った.Instagramより,川に関連するハッシュタグ(例:#川,#広瀬川)を用いて,データを収集した.テキスト解析,投稿数解析,画像解析を実施し,さらに#川の名前の投稿数をその流域人口によって除した値や川や山について比較した.その結果,次の5つの新たな知見が得られた.1)民間ビジネスやイベントが川の関心を高めている.2)空間利用実態調査の整合性は取れなかった.3)観光資源に恵まれた川は平均より8倍から50倍大きく.観光が河川の関心に大きく貢献していた.4)川において,7月と8月に投稿数が集中していた.また,特定の河川名がみられなく,川の利用者はあまり特定の川を意識せずに利用していた.5)水深の浅い場所において,私服で入れるようなカジュアルな水遊びが人気であった.
著者
小元 敬男 鱧谷 憲 嚴 香姫
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.106-113, 1994
被引用文献数
7

日本の都市の気象台のデータは1950年代と1960年代に急速な乾燥化を示したが,1970年頃に変化傾向が急変し,年間の変動を除いて以後ほぼ一定になっている.東京や大阪のデータは相対湿度の増加傾向すら示唆している.一方,非都市域の気象官署では最近明瞭な乾燥化が観測されている.このため相対湿度及び水蒸気圧の都市内外差は近年,減少傾向になっている.急速な乾燥化の起こっていた時期には,水蒸気量の減少と昇温が同時的に相対湿度を低下させていた.最近の湿度の都市内外差の減少は非都市域の乾燥化という相対的なものだけではなく,様々な人間活動による都市大気への水蒸気の放出量の増加の効果も寄与している.今日の東京及び大阪における都心部と郊外の相対湿度の差はほぼ温度差に起因している.わが国の大都市における乾燥化は夏の蒸し暑さを僅かではあるが和らげる効果をもたらしている.
著者
大町 利勝
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.170-179, 2004 (Released:2004-06-01)
参考文献数
4
被引用文献数
7 5
著者
Yusei HISATOMI Daichi NAKAYAMA Hiroshi MATSUYAMA
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
JOURNAL OF JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.109-123, 2015-05-05 (Released:2015-08-12)
参考文献数
38
被引用文献数
4

本研究の目的は,武蔵野台地における長期的な地下水流動を,数値モデルを利用して再現すること,及び長期的な地下水流動の変化と土地利用との関係を定量的に明らかにすることである.モデルはUSGS(アメリカ地質調査所)が開発したMODFLOW(有限差分法を用いた3次元地下水流動解析モデル)を利用した.シミュレーションは土地利用データのある1976年~2012年を対象とし,MODFLOWを用いて1日ごとの地下水位を算出した.また,4種類のGCMデータを用いて2013年~2050年における地下水流動の予測シミュレーションも行った. 計算された地下水位のデータを用いて,1977年~2012年の地下水位の低下量と観測井戸における涵養域の減少量を算出したところ,両者の間に正の相関関係があることが分かった.この要因として,1977年~2012年に,水田や農地,森林などの透水面の面積が減少し,建物用地などの不透水面の面積が増加していることが示された.2013年~2050年の地下水流動の将来予測では,土地利用が変化しないと考えると,将来的に適度な強度の降水量が増加することで地下水位が上昇することが示唆された.
著者
牛山 素行
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.381-390, 2002
被引用文献数
1

豪雨時には,住民一人一人がその雨はどの程度激しいのかを理解することが,早期避難などの防災上重要であり,利用しやすい情報の整備が必要である.本研究では,この理解を支援することを目的とし,携帯電話からも参照できる日本全国のリアルタイム豪雨表示システムを開発・公開した(http://www.disaster-i.net/rain/).このシステムでは,全観測所の1時間降水量,24時間積算降水量などが表示され,最新の観測値だけでなく,過去最大値との差も見ることができることが特徴である.災害時などの通信混雑時にも容易にアクセスできるよう,ほぼすべての情報は文字で表示し,グラフも文字(記号)によって作成した.システム公開後の6ヶ月のアクセス状況を集計したところ,トップページのアクセス回数は1日平均306回,最大日で3078回,最多アクセス日の全ページへのアクセス回数総計は21500回であった.これは同じ日の国土交通省「川の防災情報」(www.river.go.jp)のアクセス回数の2%に相当する.また,本システムはいくつかのホームページ評価サイトや新聞に取り上げられており,このシステムはすでに社会的に評価され,実用的なものになっていると言っていい.
著者
牛山 素行
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.381-390, 2002-07-05
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

豪雨時には,住民一人一人がその雨はどの程度激しいのかを理解することが,早期避難などの防災上重要であり,利用しやすい情報の整備が必要である.本研究では,この理解を支援することを目的とし,携帯電話からも参照できる日本全国のリアルタイム豪雨表示システムを開発・公開した(http://www.disaster-i.net/rain/).このシステムでは,全観測所の1時間降水量,24時間積算降水量などが表示され,最新の観測値だけでなく,過去最大値との差も見ることができることが特徴である.災害時などの通信混雑時にも容易にアクセスできるよう,ほぼすべての情報は文字で表示し,グラフも文字(記号)によって作成した.システム公開後の6ヶ月のアクセス状況を集計したところ,トップページのアクセス回数は1日平均306回,最大日で3078回,最多アクセス日の全ページへのアクセス回数総計は21500回であった.これは同じ日の国土交通省「川の防災情報」(www.river.go.jp)のアクセス回数の2%に相当する.また,本システムはいくつかのホームページ評価サイトや新聞に取り上げられており,このシステムはすでに社会的に評価され,実用的なものになっていると言っていい.
著者
高橋 信吾 石川 智士 黒倉 寿
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.185-193, 2005 (Released:2005-04-27)
参考文献数
2

カンボジアの内水面漁業はトンレサップ湖およびその下流のメコン川の氾濫域で特に盛んであり,動物性のタンパク質の供給源として重要である.カンボジアの漁業形態は,大規模漁業・中規模漁業・小規模漁業に大別され,漁獲物の多くは家族漁業等の小規模漁業で捕獲されている.近年,漁業者の増加から漁業者間の軋轢,特に大規模漁業と小規模漁業の間の利害対立が問題となっている.政府は大規模漁業を抑制し,生業的な地域零細漁業を保護する方向で制度の改革を行っているが,地域零細漁業者を主体とする資源管理・環境保護のシステムは十分に普及しておらず,このことが漁業の持続的発展の障害となっている.メコン川の水利用・管理システムの変化は水産資源に大きな影響を与えると考えられるが,資源量推定・変動予測に必要な,漁獲統計等のデーター収集システムも構築されていない.このような現状では,水産資源学的な研究を可能にするための情報収集システムの構築とともに,重要魚種についての生態学的な調査をすすめ,これらの結果を総合して解析を進めることが,資源量の推定,資源変動要因の解明のための現実的な対応と考えられる.
著者
平野 智章 寺嶋 智巳 中村 智博 境 優 青木 文聡 名波 明菜
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.24-39, 2009-01-05 (Released:2009-01-29)
参考文献数
44
被引用文献数
10 9

森林植生の樹種と流域の水流発生機構との関連性を明らかにするために,針葉樹林流域(1.29 ha)と広葉樹林流域(1.28 ha)において水文観測を行った.ヒノキ林プロットでは地表流の流出応答が大きく,個々の降雨ピークに応答して地表流の流出ピークが現れたが,広葉樹林プロットでは地表流の流出応答は非常に小さかった.各プロットともに土壌の最終浸透能(6.4と26.8 mm / 5min)よりも低いと考えられる降雨強度(4.0 mm / 5 min 未満)において地表流が発生したことから,その流出形態はヒノキ林プロットでは根系流(ヒノキ人工林の根系層を流れる選択的な表層流)であり,広葉樹林プロットでは落葉層をわずかに流れるリターフローであると推察された.総降水量100 mm以上の降雨イベント(P ≧ 100 mm)では,各流域の流出応答および‘Non-reacted water’の寄与量が顕著に大きくなり,大規模台風イベント(P:117.4 mm)では流出ピークの40~50 %は‘Non-reacted water’によって構成されていた.また,降雨イベントの規模によって各流域の‘Non-reacted water’の主要な構成成分は異なる可能性があり,大規模台風イベント時の針葉樹林流域では浅い側方流と根系流,広葉樹林流域では主に浅い側方流が‘Non-reacted water’として短期流出および流出ピークに大きく寄与していると推察された.
著者
中山 幹康
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.128-140, 1998
被引用文献数
3

メコン川の流域国4か国は1995年4月5日「メコン川流域の持続的開発協力に関する協定」に調印した.同協定の交渉過程では,流域国であるタイとベトナムの確執に起因する交渉の行き詰まりを打開するためにUNDP(国連開発計画)が仲介役を務めた.国際流域における流域国間の係争に国際機関が仲介役として過去に成功を収めた例としては,インドとパキスタンによる係争を世界銀行が仲介した結果,1960年に「インダス川条約」が締結されたことが知られているのみであった.「インダス川条約」と「メコン川流域の持続的開発協力に関する協定」の交渉過程を比較すると,流域国および仲介役を演じた国際機関が置かれていた状況について幾つかの類似点が見られる.国際機関が国際河川における流域国間の係争に仲介役として機能し,かつ流域国を合意に導くために満たすべき要件としては,(a)流域国が係争の解決を指向し,かつ国際機関による仲介が不可欠であるとの認識を流域国が持つ,(b)特定の国際機関が先進国や援助機関の利益代表としての立場を保持する,(c)統合的な流域管理計画に固執しない,などを挙げることが出来る.
著者
林 義晃 手計 太一 永島 健 山﨑 惟義
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.221-232, 2015-09-05 (Released:2015-10-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 6

本研究では,北陸地方における地上雨量観測所とCバンドレーダ(以下,レーダ雨量計)を用いて,X-バンドMP レーダ(以下,X-MP)における降水量推定精度の時空間分布特性について検討した.本研究では,X-MPの推定精度を相関係数と推定誤差より評価した. 時系列による推定精度の解析の結果,強い降水強度を伴う降水イベントでは,X-MPの方が精度良く推定できるが,弱雨や降雨継続時間の長い降水イベント,レーダサイトから離れた地域では,レーダ雨量計の方が精度良く推定できることがわかった.空間解析の結果,地上雨量観測所を中心として2.25×2.25 kmの範囲までであれば,X-MPは精度良く推定できることが示唆された.しかし,レーダサイトから20 km以上離れる地域では,X-MPよりレーダ雨量計の方が精度良く推定できることも明らかになった.梅雨期と降雪期における総降水量の定量的検討の結果,両レーダとも地上雨量データより過大評価しており,特に降雪期において顕著であった.
著者
神野 健二 河村 明 里村 大樹 坂田 悠
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.539-546, 2005
被引用文献数
1 2

2002年,福岡都市圏が水道水源の約1/3を依存している筑後川流域は観測史上3番目の少雨を記録し,最大55%の取水制限が実施されたが,福岡都市圏では給水制限には至らなかった.これは利水関係者および関連行政機関で頻繁な渇水調整が行なわれたことや,1999年に完成した山口調整池の運用などによる水資源管理が効果を上げたためであると考えられている.本研究では,2002年~2003年にかけての水文特性や貯水量の変動,この渇水に対する関連行政機関へのヒアリングを行った.さらに,福岡導水事業の一環として建設された山口調整池の効果について,調整池がなかった場合を想定したシミュレーションを行い,考察を加えた.その結果,山口調整池の運用の効果が大であったことが示され,山口調整池が建設されていなかったらかなり厳しい渇水になっていたことが推測された.
著者
恩田 裕一 辻村 真貴 野々田 稔郎 竹中 千里
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 = JOURNAL OF JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY & WATER RESOURCES (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.688-694, 2005-11-05
被引用文献数
9 18

近年,林業労働力の不足,材価の低迷のため,適切に管理されずに放置され荒廃した林分が年々増大している.従来の研究によれば,人工林,特にヒノキ一斉林では,樹冠の閉鎖が進むと下層植生が消失し,浸透能が低下することが知られていたが,従来の浸透能測定法では,裸地化した林床における浸透能を正確に表現していない恐れがある.そこで本研究では,冠水型浸透計,霧雨散水型浸透装置,樹幹上から散水をする大型の浸透計を用い林内における浸透能の把握をすることを目的に研究を行った.その結果,霧雨散水型が294-670 mm/h,冠水型浸透計での測定値は,210-456 mm/h程度とかなりばらつきが多く,また,非常に高い浸透能を示す.これに対し,降雨強度35-45 mm/hの人工降雨を4回,林冠上から散水した結果,浸透能は26-34 mm/hと一桁低い値で比較的安定した値を示した.人工降雨型の浸透試験器は,スプリンクラーにより樹冠上から散水されるために,雨滴径も大きく,林内雨を再現していると考えられるため,人工降雨型を用いた場合の値が,林床が裸地化したヒノキ林の浸透能を示すとするのが妥当であり,他の方法では過大な値を得る結果となる可能性が高い.