- 著者
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山本 早里
西川 潔
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.72-77, 2013-03-30 (Released:2017-10-27)
- 参考文献数
- 9
公共サインはその重要性が認識され、整備がなされるようになってきているが、都心部では様々なサインが林立し、乱雑な景観が問題になっている。本研究はこのような都市における公共サインがおかれている現状、問題点を明らかにし、その解決策を提案し、モデル地区で実際にサインを設置し、ヒアリング調査によって検証した。ケーススタディとして東京都文京区を対象とし、現状調査を行った。結果、3,394個のサインが設置されていた。特に問題としてあげられるのが、数種のサインが隣接して設置されており、情報の重複がみられ、かつ景観を阻害していることであった。解決策として近接するサインの集約を図る新しいサインシステムを計画し、モデル地区を設定し計5カ所においてサインを設置し、集約された既設サインは撤去した。現状サイン2基を1基にするなど、情報量を確保しつつ好ましい景観を創出することができた。ヒアリング調査を136人に行ったところ、肯定的な回答を得ることができた。