著者
山本 知大 水井 健太 岡部 誠 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.54, pp.21-24, 2010-12-09

本研究は, 入力された音楽に合わせてウェブ上の動画を自動的に切り貼りすることで, 音楽をあたかも演奏しているような動画を自動生成する手法を提案する.この手法を実現するための先駆けとして, 今回はバイオリンソロの演奏を想定し実装, 実験を行う.従来, 複数の動画を切り貼りして新しい動画を自動生成する手法は多数存在するが, 楽曲演奏と映像を, 音符単位の細かさで同期させて自動生成された動画はなかった.提案手法は, 入力音楽を適切な長さの断片に分割し, データベース内の動画を検索し各断片に割り当てることで動画を生成する.本手法によって, 音楽を聴覚だけでなく, 視覚的にも楽しむための支援を試みる.
著者
耿 競 清水 浩勝 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.27-30, 2009
参考文献数
1

デジタル写真から、デューラーの銅版画風画像を自動的に作成するシステムを構築した.本方法は,ハイパス・フィルタを用いての輪郭線の取得と,デューラー銅版画から取得したいろいろな濃度のトーンを利用した明暗の付加よりなる.まず,バイラテラル・フィルタを用いてノイズを除去した後にハイパス・フィルタを用いて輪郭を獲得し,次にオリジナル写真濃度に応じたトーンを与えることにより目的の画像を得る.
著者
裴 秉哲 田野 俊一 市野 順子 江崎 朋人 橋山 智訓
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.239-244, 2010-02-15

近年、情報技術の発達により高度なデザインシステムが用いられているが、逆にデザイナの創造的な活動を阻害しているという事例が指摘されている.この問題を改善するため、3次元表示や3次元スケッチを利用したデザインシステムが盛んに研究されている.しかし、それらのシステムは著しく環境を制限される上に、大掛かりな計測機器を用いるという問題点を有している.そこで、本研究ではPTAMを用いることでカメラ一台という安価かつ簡易な装置のみによりVision-Basedな3次元空中描画を実現するアルゴリズムを提案する.
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.189-192, 2021 (Released:2021-07-07)
参考文献数
7

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され,数多くのキャラクタが生み出される.その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.本報告では,キャラクタと声質の関 係について分析する諸手法を提案する.セリフから得られた音響特徴量と印象値の関係を学習させる.この学習結 果を活用することで,新しいキャラクタに関する任意の印象値を与えることで適切な音響特徴量を推定できる.こ の音響特徴量の推定結果をカバーできると思われる声優を選出し,声優候補リストとして生成する.一方で,ゲー ム作品に関するウェブ上の文書から自然言語処理を用いてキャラクタ間の距離を算出し,可視化する.これらを用 いることで本研究では,声優候補リストとキャラクタ間距離から声優をキャスティングするシステムの開発を目指 す.このシステムは例えば,声優をゲームキャラクタに割り当てる際の議論に有用であると考えられる.
著者
古川 正紘 永谷 直久 橋本 悠希 梶本 裕之 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 32.22 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.73-77, 2008-06-02 (Released:2017-09-20)
参考文献数
7

This paper reports detection threshold of human hairy skin when a vibration is presented on a skin via the hair human has. This vibration is provided from a tip of an instrument which travels horizontally against the human skin also the tip holds the hair. And the stimulation point is the middle of hair on the back of human finger, then the instrument does not contact with the surface of the skin directly. Presented stimulations have any frequency and amplitude, we measured threshold this vibration is detected. After some tentative experiments with three persons, the detection thresholds of human hairy skin represent a curve similar to the threshold curve of Patinian. This result has a suggestion that the stimulation infects Patinian capsule.
著者
大谷 聡司 星野 聖
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.67-70, 2010-03-01 (Released:2017-09-21)
参考文献数
5

過去に開発されたエアギターシステムは,演奏者の左手に何らかの装置やセンサを持ち,ある場所が押された時に事前に割り当てられたコードの音を出すものばかりである.本研究では,左手に何も持たないエアギターシステムを提案する.ギターでの弾き語りのようなコード弾き奏法に関して,人間は音を聞かなくても左手の形を見ただけでどんなコードを押さえているのか見当がつく場合が多い.そこで,カメラを用いたエアギターシステムを提案する.左手の輪郭線,指の間のエッジを抽出した画像の特徴量を用いてギターのコード認識を行う.評価実験の結果,左手に何も持たなくても,76.3%の精度が出せるシステムが出来上がり,新しいアプリケーションの開発を行うことができた.
著者
佐藤 隆夫 松嵜 直幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 24.35 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.47-51, 2000-06-14 (Released:2017-06-23)

Human performance in gaze perception was examined by using natural and low-pass filtered images presented at various viewing distances. The results indicated that there is little effect of viewing distance and cut-off frequency of the low-pass filtering. These results indicate that human gaze perception is not based on detailed information such as absolute position of pupil edge. Rather, the results suggest that gaze perception is based on position of low-frequency components relative to eye-width.
著者
青木 豊 崎谷 昭秀
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 22.6 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.7-10, 1998-01-29 (Released:2017-06-23)

It is important for accurate positioning in GPS that the antenna set sultable point at the posltioning point. In this paper, we discuss a way to obtain the phase center of antenna accurately and present the relation between error of phase center and observation point.
著者
長谷川 馨亮 野口 賢一 森住 俊美 中嶋 淳一 兼清 知之 杉浦 亮介 鎌本 優 守谷 健弘 小田 秀朗 川島 修
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.23 放送技術 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.37-40, 2017 (Released:2021-07-21)
参考文献数
5

限られたネットワーク帯域の中で低遅延かつ高品質で符号化できる方式「CLEAR (Conditionally Lossless Encoding under Allowed Rates)」を考案し,装置試作を行った.CLEARはロスレスオーディオ符号化を基にしており,入力音源に依存してフレームごとに原音そのままで送れる場合と歪を生じる場合を切り替える方式である.本稿では,オーディオコーデック装置試作における試作装置の概要,および試作装置における実際のラジオ放送の音声と実回線を用いた伝送実験の結果について報告する.
著者
大橋 則彦 新川 力 岡村 智之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.43, pp.17-20, 2002-06-27

弊社では、巨大なファイルサイズの画像を極めて高速に見ることができる画像表示の基礎技術「アイブラウザー」をテレビ番組に応用するため「ニュース・レポーティング・システム」(以降「NRS」と略す)の開発を行った。 NRSをタッチパネル付きモニターと組み合わせることにより、キャスター自らがモニターに表示された画像をインタラクティブに操作できるようになり、キャスターの個性溢れる演出が可能となった。実運用としては、毎朝オンエアされている「めざましテレビ」の新聞紹介コーナーで2001年4月から運用を開始し、簡単に新しい表現手法が実現できるシステムとして演出サイドからも高く評価されている。
著者
韓 瑞元 リ ジュンファン 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.28, pp.49-54, 1997-05-19
被引用文献数
4

Virtual Studio currently uses cromakey method in which a image is captured, and blue portion of that image is replaced by Computer Graphics image or real image. The replaced image must be changed according to the camera motion. This paper proposes a method to extract camera parameters (camera position, rotation and focus) using recognition of pentagonal patterns. At first, we find matching points of two projective images using invariable features of pentagon. Then, we calculate the projective transformation of two projective images and camera parameters using matching points. Simulation results indicate that camera parameters are calculated easily compared with conventional methods.
著者
氏家 弘裕 渡邊 洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.39 情報ディスプレイ/映像表現&コンピュータグラフィックス/立体映像技術 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.21-22, 2016 (Released:2019-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

映像技術の発展とともに、超高解像( UHD)映像や 3D映像が身近なものになるとともに、バーチャルリアリティ( VR)型のヘッドマウントディスプレイ( HMD)が一般市場に流通し始めるなど、これまでに無く臨場感の高い映像を利用することができるようになってきた。ただし、こうした新たな技術に基づく製品を安心して快適に利用できるためには、場合によって生じ得る好ましくない生体影響に対しての配慮を欠くことはできない。本稿ではこの生体影響として、 3D視覚疲労及び映像酔いに焦点を当てるとともに、さらに VR型の HMDにおける VR酔いにも触れた上で、これらを軽減するための対策として進められている人間工学的指針の国際標準化動向について概説する。
著者
本多 健二 佐藤 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.56, pp.5-8, 2013-12-02

画像処理における基本処理に,対象の境界検出がある.本稿では,境界検出手法の一つである零交差線による境界検出について検討する.画素(x,y)の濃度値f(x,y)に対して,勾配を∇f,ヘッセ行列をHとしたとき,幾何学的な対象の境界を表す零交差線としては,ラプラシアン法で用いられるtrH,また,Canny法で用いられる(∇f,H∇f)の零交差線の2つが考えられるが,本稿では特に(∇f,H∇f)について検討する.(∇f,H∇f)の零交差線は,幾何学的には,曲線f(x,y)の変曲点,すなわち,画像の極大点から湧き出し,極小点へと流れ込む流線の変曲点を求めることと等しい.通常,ディジタル画像処理において(∇f,H∇f)を処理する場合には,微分を差分に置き換えた局所オペレータを用いる方法が使われる.本稿では,(∇f,H∇f)の幾何学的意味に戻り,実際に極大点から極小点へと流れる流線を定義し,流線に沿って変曲点を解析することにより,濃淡画像の零交差線を検出する手法について検討する.そして,従来の差分による手法との間に結果の差異があるかを実験的に確認する.
著者
横本 広章 加藤 孝男 清水 逸平 蓮池 健一 大朏 俊弥 宮野 真由子 斉藤 主税 石田 利博 板垣 広務 大野 秀樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.65-68, 2012
参考文献数
5
被引用文献数
1

地上デジタル放送用送信機で使用されている信号はOFDM信号であるため、PAPRが大きくバックオフを取る必要があり、送信機の電力効率は12.5%程度にとどまっていた。今回、ドハティ回路をPAの終段増幅回路に採用し、さらに、電力効率の高いGaN HEMTを用いることでPAの電力効率を30%以上に向上させた。また、ドハティ回路に最適な新たな歪補償技術を駆使した励振器を用いることで、性能を確保しつつ電力効率20%以上の地上デジタル放送用送信機を開発した。
著者
祁 楽 林 勝彦 佐々木 和郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.157-159, 2014-03-10 (Released:2017-09-21)

二十世紀九十年代になると、日本のホラー映画は雨後の竹の子のように次々と出てくる。特に、『リング』を代表とする一シリーズのホラー映画は独特な東方的恐怖を作り、世界範囲の観衆を魅了した。一方、中国のホラー映画は人気があるのに、観客の満足する要求に応えられなくなった。日本と中国はとても似通った歴史文化の雰囲気があり、この日本のホラー映画が成功を得た方法を中国のホラー映画の中に取れ入れて見れば、ホラー映画の発展と収入の成績良くなるのではないだろうか?この研究を通して中日ホラー映画の比較を試みる。日本のホラー映画の撮影経験を中国の国情と照らし合わせて、中国のホラー映画の発展に有効な方法を探し出す。
著者
羽生 康浩 井上 哲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.17, pp.31-36, 2002-02-26
被引用文献数
1

BS朝日では2001年9月からレギュラー番組で5.1ch放送を開始した。5.1ch放送では視聴者の多くが2chのダウンミックスされた音声で視聴する事が多い。番組制作に際しては5.1chスピーカーシステムでの視聴のみならず、ダウンミックスされた音声での視聴も十分考慮しなければならない。また音声モード切替時に無音時間が発生する。5.1ch放送について、これまで社内で検証した内容を報告する。
著者
近藤 明人 中川 剛 臼井 郁敦 杉田 真一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.23, pp.17-20, 2013-05-29

多くの機械式フェーダやハードスイッチ、出力状態を表示するモニタから構成されていた調光卓、及び、負荷回路制御卓、照明バトン制御卓等を、一つのタッチパネル・ディスプレイに集約して開発することに成功した。これまで既に、TBSの看板番組「輝く!日本レコード大賞」で、メイン調光卓として使用した実績があり、限られたスペースでの多チャンネル制御の実現を証明している。
著者
井藤 雄一 ストーン カール 浦 正広 山田 雅之 宮崎 慎也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.39-42, 2013
参考文献数
7

近年,ノイズやエラーをアート表現に利用した作品が多く発表されている.それらはグリッチ作品と呼ばれ,メディアアートの一つの新しい流れを形成しつつある.その中で,動画に対しノイズやエラーを起こすデータモッシングという手法を用いたグリッチ作品がある.データモッシングにより独特の表現を持つ動画を制作できるが,この手法によりどのような効果が生成可能か詳細には明らかにされていない.そこで,本論文ではデータモッシングの手法に基づき,生成される効果やその制御手法を明らかにする.また,データモッシングを動画に適用するためのソフトウェアを作成し,著者らの作品制作を通して,データモッシングがメディアアートの表現を拡張できる可能性について論じる.
著者
伊藤 明久 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.21-24, 2009-02-28

実生活空間において人間と共存するロボットは,歩行者が存在する動的環境を認識し,歩行者との衝突を回避するように移動することが求められる.周囲環境の認識のためにはステレオ視による距離情報が有用であるが,距離情報を得られない領域の存在や距離情報に差が無いと物体を認識できないという問題がある.本論文では,距離情報と色情報を統合することでより頑健に周囲環境のモデルを生成し,それを基にロボットの移動経路を自律的に決定することを可能にする手法について述べる.室内で歩行者がいる動的環境においてロボットに歩行者と衝突することなく移動させる実験を行い,本手法の有効性を検証する.
著者
野地 朱真 藤井 俊道 中嶋 正之 高橋 裕樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-6, 2002
参考文献数
12

キャラクタのダイナミックな身体運動アニメーションをコンピュータにより作成する手法がいくつか試みられている。本研究では、複雑なサーカスのアクロバット演技を力学シミュレーションによりインタラクティブに生成するシステムについて提案し、その成果として開発したコンテンツについて報告する。キャラクタのモーションでは、自然な動きの整合性を保ちながら、そのバリエーションを多数生成し、ユーザーがその中から最も適切と考えるデータを選択するのを容易にすることが必要と考える。本研究では、運動の組み合わせの選択、キャラクタの姿勢、運動開始のタイミングなどをインタラクティブに変化させることのできる使いやすいインターフェイスを設計し、またシュミレーションを高速で行うことにより、トランポリン、フライング・ロープ、バンジー・ブランコのアクロバット演技の変化にとんだ運動をリアルタイムに生成するインタラクティブ・コンテンツを実現した