- 著者
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鈴木 陽一
- 出版者
- 一般社団法人 映像情報メディア学会
- 巻号頁・発行日
- pp.27-32, 2012-10-30 (Released:2017-09-21)
- 参考文献数
- 25
情報通信技術の進歩に伴い,マルチメディア情報通信技術の高次化への期待が高まっている。その方向の一つは,より自然でリアルなコミュニケーションシステムの実現であろう。そのためには,情報の受け手である人を意識し,臨場感や迫真性,自然性など高度感性情報の創出技術及びその評価技術を確立していく必要がある。本稿では,まず,従来用いられてきた感性情報である臨場感を取り上げ,質問紙調査から得られたデータに基づき,臨場感の本質とは何かについて議論を行う。次に,背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係すると考えられる臨場感に対して,前景情報を中心とした本物らしさに関連すると考えられる感性印象である「迫真性」を取り上げ,両者の相違について論じ,今後の感性評価に対して,提案を行う。