著者
森藤 元 安細 康介 渡辺 大 吉浦 裕 瀬戸 洋一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.43-48, 2001-09-21
被引用文献数
2

デジタルカメラを用いて撮影された写真は, 撮影後に編集されたか否かの判定が困難であるために証拠として採用しにくい。また, 不正な複製や部分使用も容易である。本稿ではデジタル署名により改ざん検知を可能とし, 電子透かしにより権利者を特定可能とすることで証拠写真として採用可能な写真を撮影できるデジタルカメラシステムについて述べる。また, 機能を実装したデジタルカメラを試作することで, 本システムの妥当性についても述べる。
著者
竹本 良章 小林 賢司 月村 光弘 高澤 直裕 加藤 秀樹 鈴木 俊介 青木 潤 近藤 亨 齊藤 晴久 五味 祐一 松田 成介 只木 芳隆
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-8, 2016

3次元積層技術を用いた多層フォトダイオードCMOSイメージセンサによるマルチバンドイメージングを実証した.このイメージセンサは,フォトダイオードアレイを有した複数の基板を積層し,それぞれのフォトダイオードアレイを独立して駆動する事で,最適化した駆動条件でそれぞれの画像を取得できる.また積層構造を活かし,これまでの2次元構造で用いられたようなRGB (Red, Green, Blue)画像に限らずIR(赤外)画像も同時に取得するといったマルチバンドイメージングが実現可能である事を確認した.この際にそれぞれのフォトダイオードアレイでRGB画像とIR画像を同一デバイスで同時に撮像可能であり,RGB画像の画質劣化を引き起こす事もない.このような特徴を活かし,これまでのIRイメージセンサとRGBイメージセンサを組み合わせたシステムと比較し,より小型・安価かつ多機能なシステムの実現が期待される.
著者
掛川 茉祐 小宮山 諒 政倉 祐子 菊池 眞之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.46, pp.25-28, 2014-11-21

本研究では,音楽聴取時の前頭葉の脳活動を2ch NIRSを利用して得られた脳活動データの分析を行った.分析ではジャンル識別やSD法による感性評価との関連性について検討を行った.脳活動データに対してベースライン補正を施したうえで,ジャンル識別についての分析を行った.脳活動と感性評価それぞれを多次元空間中のデータと見なしたときの,任意の2曲間の各空間内での距離同士の相関を調べてみたところ,最も相関の高い被験者・ジャンルの組み合わせでも高々3.0%程度となった.また,2クラスのジャンルの楽曲を用いたジャンル識別においては比較的高い識別率も得られているが,ジャンルによっては識別できていないものもあった.これらの分析より,前頭葉脳活動から聴取楽曲のマクロな性質を見出せることが示唆されたが,客観的脳活動データと主観的感性データの対応を取るための尺度については今後さらに模索する必要がある.
著者
林 正樹 道家 守 有安 香子 浜口 斉周
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.27, pp.27-32, 2001-03-14
参考文献数
6
被引用文献数
3

TVML(TV program Making Language)は、1996年に筆者らによって提案された、テレビ番組を記述する言語である。これは、番組内容を抽象度の高い表現、例えば「タイトル♯1」、「ズームイン」などのテキストで記述するものである。一方、このTVMLで書かれた台本を読みとり、自動的に番組映像音声を出力するソフトウェアをTVMLプレイヤーと呼んでいる。本稿では、TVMLの言語仕様、最新バージョンのTVMLプレイヤー、そして番組制作例について簡単に紹介する。また、TVMLをインタラクティブアプリケーションへ応用するための機能としてTVMLプレイヤーの外部制御モードについて述べる。さらに、言語を知らないユーザーでもTVML台本が作れるユーザーインターフェースとして開発されているTVMLオーサーについて述べる。TVMLは、テレビ番組制作のツールのみならず、ネットワーク、マルチメディアの分野にまで広がる広範な応用が期待できる。
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.123-124, 2016-03-02

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され,数多くのキャラクタが生み出される.声色の印象が与える効果はコミュニケーションにおいて約4割を占めるという考えがある.そういった考えからも,その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.そこで本研究では,ゲームからセリフを録音し音響特徴量を計算し,今回は基本周波数をヒストグラムと散布図にて表示した.さらに,キャラクタの性格分析を行う.最終的には性格から声質を推薦するシステム開発をめざしている.
著者
塩見 友樹 堀 弘樹 上本 啓太 杉山 阿聖 宮尾 克
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.17-20, 2011-03-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

現在,立体映像技術において,よく問題視されるのは立体視による疲労や立体酔い等の悪影響である.その原因に水晶体調節反応と輻輳運動の乖離がよく挙げられるが,我々は先行研究で,乖離は確認されないと述べてきた.しかし同時に計測できず,その立証が不十分であった.今回我々は調節と輻輳を同時計測する方法を開発し,実物体を見ている際の計測により計測方法の妥当性について,2D,3D映像注視時では乖離について検討した.その結果,実物体における計測では調節,輻輳ともに焦点距離は良く実物体までの距離と一致しており,この計測方法で正確に計測できることが分かった.また2D,3D映像注視時の計測では乖離が起きていないことが分かった.
著者
谷 千束
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.36, pp.1-6, 1998-06-26

日本電子機械工業会のマルチメディア研究会でまとめたホーム・パーソナル分野における「2005年マルチメディアビジョン」とそこで描かれているディスプレイ応用像についてその概要を紹介する。
著者
原 祐里子 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.89-90, 2015-03-07

スクリャービンやメシアンなど共感覚を持つといわれている作曲家たちは、独自の感覚によって、音高や調性と色彩が感覚的に結合している。一方で子供たちなどは、特殊な感覚が無くとも音高や調性と色を自由に結び付けて音楽的な遊びを行うことは珍しくない。本作品は音高と色彩とを古典的な音楽インタフェイス上で柔軟に組み合わせることにより、こうした融合的な感覚を手軽に楽しめるようにしたインタラクティブ作品である。3DCGを用い、iOS上にSwift言語により実装した。
著者
大澤 洸平 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.107-110, 2016-03-02

アニメ等のコンテンツ作品には物語があり、その物語にキャラクターは必要不可欠である。キャラクターは物語の中でさまざまな表情を見せるが、その表現は多様にあるため描き分けることは難しい作業である。本研究は、既存10作品に登場するキャラクター61人の表情を合計763カット分収集し、それらを眉・目・口の形状と涙や汗などの表情要素の有無から214の表情パターンに分類した。そして、それらの表情カットを検索できるスクラップブックを開発した。実験結果から本スクラップブックを使用することにより制作者の描くことができる表情バリエーションを増せることが確認できた。
著者
三ヶ尻 達哉 菅野 太介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.283-286, 2016-03-02

本研究では試練要素の発想支援や配置するタイミングについての支援を行うことを目的にした。執筆者が既存作品もしくは自己の作品から試練要素を抽出し、データベースとしてまとめる。このデータベースを基に試練要素を含んだプロットを作り、試練要素を入れるタイミングをスムーズに設定できる試練要素支援ツールを開発した。本ツールの有用性を示すため、被験者にツール使用前とツール使用時で比較した。実験の結果、より多くのプロットを作成することに成功させることができた。
著者
浦壁 隆浩 岩田 明彦 田中 正明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.37-42, 1997-01-22
被引用文献数
1

PDPは数百Vの電圧パルスによって制御されており、また構造上容量成分が大きいため電圧パルスによる電力損失は無視することはできない。現在、PDPには電圧パルス発生回路に電力回収回路を付加することにより、この電力損失を抑えている。本報告では、電力回収回路の高効率化を目的とし、従来方式とは違う電流パス切り換え自己回収方式を提案した。この方式は、電荷の反転用に用いる2つのコイルの直、並列接続状態を充電期間の任意の時刻で切り換えることにより、パネル充電の傾きを最適化し、回収回路の高効率化を図つたものである。また、本回路の実パネルヘの適用時にPDPの放電特性に与える影響を調べた。本試験の結果、従来式と回路素子数が同じ条件の場合、従来比63%に電力損失を低減でき、また、損失が同じ条件の場合、回収回路構成素子を半分にできることが分かつた。
著者
井上 文 白石 路雄 新谷 幹夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.16, pp.197-200, 2014-03-10

首都圏での鉄道による移動は,時間・正確さ・料金の点から最も優れている移動方法といってもよい.多くの駅と路線があるため利便性は高いが,目的地にたどり着くためには一般に複数の路線を乗り換える必要がある.現在では,手軽にウェブサービスを用いて移動所要時間を検索できるが,ある地点から任意の地点への移動所要時間を一度に素早く確認する手段はない.そこで本研究では,出発地を入力し,首都圏での鉄道による移動所要時間を分かりやすく可視化するウェブアプリケーションの作成を行った.このアプリケーションでは移動所要時間に応じて地図上の領域を異なる色で塗り分ける.ユーザがウェブブラウザで出発地を入力すると,ウェブサーバでは駅すぱあとWebサービスを利用して駅間の所要時間を取得し,JavaのジオメトリライブラリJTS Topology Suiteを用いて描画する図形の算出を行う.演算結果をJSON形式にしてJava Servletからウェブクライアントに送信し,Google Maps Java Script API v3により地図上にオーバーレイ表示する.
著者
小清水 実 津田 大介 馬場 和夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.19-24, 2001-02-08
被引用文献数
6

紙とディスプレイの長所を融合した新規なドキュメント表示媒体「電子ペーパー」に求められる形態的特性を検討した。既存ディスプレイ、紙、電子ペーパー試作品及び重さ、厚さ、硬さの違うモックアップ媒体を用いて、複数ページ文書の比較、判断を伴う2種類の解読の読解タスクをのべ76人の被験者に実施した。被験者の行動観察やパフォーマンス測定、主観評価値の因子分析により、表示媒体の複数ページ閲覧性が画質因子と独立して重要であり、タスクのやりやすさと相関が高いこと、手持ち可能な表示媒体はユーザの姿勢と媒体配置の自由度を高め、適度な剛性感(コシ)と軽薄感を両立したモックアップ媒体が読みやすさの点で紙を上回ること、を示した。
著者
宮崎 斉 高橋 桂太 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.55-58, 2013-02-09

本論文では、人間とロボットが円滑なインタラクションを行うための手法を提案する。同伴対象である人間に対し、ロボットから積極的に「手つなぎ動作」を提案し、つないだ手で様々な行動をとることによって、的確に人間にロボットの意図を伝えることを可能とする。さらに「手つなぎ」状態を人間からロボットへの意思伝達手段にも利用し、人間の手の動きや接触の状態などをセンシングすることで速度調節などの人間側からの要望を即座にロボットに伝達する。このように人間からロボットへの意思伝達機能、ロボットから人間への意図伝達機能をもって、人間-ロボット間の相互的な意図の伝達を実現する。手法の応用例として案内ロボットについて述べる。
著者
阪口 栄穂 内海 章 須佐見 憲史 近藤 公久 和田 健
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.5-8, 2016-03-01

人の注意を誘導し視覚的な気づきの誘発によって自動車運転などの人の行動を適切に支援するためには,注意誘導に加えて誘導による視覚的気づきの生起を検知する手段の実現が重要となる.本報告では,ディスプレイ上に表示した文字を探索する課題において注意対象に対する矩形枠の表示による誘導と,注意対象の動きと眼球運動の相関を利用した気づき検知について検討する.実験の結果,矩形枠表示による誘導効果および眼球運動を利用した気づき検知の有効性が示された.
著者
石塚 光洋 塩崎 裕也 折口 貴彦 坂田 一朗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.30, pp.13-16, 2010-07-23

3DフルHDプラズマディスプレイを実現するため、3D化に必要な技術として、パネル性能向上を目的としたセルデザインと材料を新規開発した。また併せて3D表示時のクロストークを低減する新たな駆動方法を開発した。これらの技術内容を紹介する。
著者
藤原 徹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.62, pp.5-9, 2000-10-27

長編のCG映画を制作するにあたって、より高いクオリティと、より短い制作時間を要求される。これらを実現するために、ネットワークの高速化、ストレージの強化、制作スケジュール管理システムの導入、モーションキャプチャーシステムの導入、コストパフォーマンスの高いレンダリングサーバーの新規開発と導入といった技術的な工夫を行った。放送局内でこのような制作環境を作り、実際に映像制作を行うことによって、来たるべきデジタル放送時代へ向けて、デジタル映像制作のノウハウを蓄積することができた。
著者
高林 徹 本間 康文 武田 拓哉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.42, pp.7-10, 2012-10-11
被引用文献数
1

赤坂サカス広場(TBSテレビ放送センター前広場)で実施した夏サカスイベントにおいて、コンテンツマネージメントシステムからIP回線で受けたサイネージ用コンテンツを他のサイネージ端末ヘエリア放送として配信するシステムの実施成果を報告する。このシステムは、通信とエリア放送を組み合わせて効率的にサイネージ用コンテンツを配信することができる。
著者
小川 将樹 妹尾 武治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.43, pp.9-10, 2015-11-06

他者の言動や行動によって,我々の言動や行動が他者に同調するように変化することが知られている.これは社会心理学において同調効果と呼ばれ,様々な実験によって確かめられている.本研究の目的は,この同調効果がベクションにおいても同様に生じるか否かを確かめることであった.被験者は,強いベクションを報告する他者か,弱いベクションを報告する他者がいる状態,若しくは,他者がいない状態でベクションを誘起する刺激を観察し,ベクション強度を報告した.その結果,被験者は他者の報告に同調するようなベクション強度を報告する傾向が認められた.よって,ベクションに対しても同調効果が生じることが分かった.
著者
生山 志乃 菊地 良子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.27, pp.97-98, 2002-03-18

昭和初期を舞台にした姉妹の物語。毎日を穏やかに過ごしている姉さくらと妹すみれ。ある日すみれは、さくらが父の愛人だったのではないかということに気づく。ある日を坂井に消えてしまった両親。さくらは毎日、父の好きだったシューベルトの「野薔薇」を聴き続ける。さくらに頼って大人になることを拒否し続けていたすみれは、姉を通して少しずつ大人へと近づいていく。映画の中のある場面をとりあげ、初期段階のイメージから映像になるまでの過程を分析していく。その中で、登場人物の感情や制作意図などを解明していく。