著者
酒井 由紀子 國本 千裕 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.82-95, 2015-06-30 (Released:2017-04-30)

目的:本研究の目的は,日本における健康医学情報の探索行動の実態を明らかにすることにある。方法:2013年11〜12月に戸別訪問質問紙留置調査を実施し,全国の15〜79歳の男女1,200人から回答を得た。2008年調査との比較も含め結果を分析した。結果:有効回答1,197人の内48.0%が過去2年間に実際に健康医学情報を探していた。探索主題として5割を超えたのは,病気(77.2%)と医師や病院(56.3%)である。情報源は,インターネット(58.7%)が医師(53.4%)を上回った。得られた情報の影響は「安心感を得た」(46.2%)が最も多い。「医学論文を読みたい」という回答はやや減少したが,英語と日本語,有料と無料を合わせ49.2%であった。結論:インターネットの利用の割合は増えたが,健康医学情報を探索する人の割合は変わらなかった。医学論文が一般の人々の情報源となる可能性も,引き続き示唆された。
著者
李 常慶
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-15, 2006

中国では,1990年代から2000年代の始めにかけて,『四庫全書』続修の一環として,四庫全書関連大型叢書,すなわち,『続修四庫全書』,『四庫全書存目叢書』,『四庫禁毀書叢刊』が刊行された。本稿は,まずそれらの刊行要因およびその経緯について詳しく検証した。ついで,それをもとにして,広い文化的視野から四庫全書関連叢書の刊行事業を分析した。これらの考察を通じて,古典籍の整理と刊行は,古典籍を保護し伝承するのに必要なものであること,および,これらの叢書が単に出版物として読者に益をもたらすのみならず,その出版自体が大きな文化史的意味を持つものであることを明らかにした。
著者
歳森 敦 北原 夕里歌 植松 貞夫
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.33-45, 2000-03-30

市区立図書館中央館を対象とした標本調査により, ブックディテクションシステム(BDS)導入の動向と, 設置館・非設置館の蔵書紛失率を明らかにするとともに, それらの結果をもとにBDSの設置効果を試算した。BDSの設置状況として, 1割弱の館にBDSが設置されていること, 最近数年間の新築時BDS設置率は4割強であること, 一部のコーナーに限定する形で導入する部分設置館が2/3以上であることを明らかにした。年間蔵書紛失率の平均は1.33%となった。BDSを全館を対象に設置した場合には蔵書紛失率が有意に低く, 不正持ち出しの防止に一定の効果があると判断できる。最後に, BDSを設置した場合に必要な費用とBDSを設置しない場合に必要な費用の差としてBDSの設置効果を定義し, 一定の条件を与えて設置効果の試算をおこない, 設置効果を得られる館は一部であること, 部分設置の効果が限定的なことを示した。
著者
春田 和男
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.216-235, 2007-12-25

日本図書館協会では,1980年の定款と役員選挙規程の改正により,個人会員と施設会員がともに役員の選挙権と被選挙権,会議の議決権を持ち,個人会員選出と施設会員選出の役員数の比率を3:2に設定している。本稿の目的は,この両者の権利の関係をめぐる議論がどう集約され,その結果が定款や役員選挙規程の改正に反映されているかを明らかにすることである。協会に関する資料やデータ,公益法人と職能団体に関する文献を基に,議論の経過を明らかにしたのち,議論の分類を行い,各主張の内容とその理由の妥当性を検討し,議論の問題点と課題を指摘した。その結果,(1)個人会員中心運営論に対して,個人会員・施設会員共存運営論が実現したこと,(2)その理由としては,施設会員にとって会費と全国図書館大会等の開催の負担が大きいこと,(3)役員数の比率と個人会員中心の職能団体の可能性については,会員による広範な議論が行われていないことが明らかになった。
著者
匂坂 佳代子 SAGISAKA Kayoko
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, 2011-12

ビッグ・ディール契約の課題を明らかにするために、日本の中小理工医学系国立大学における電子ジャーナルの需要と提供の実態として利用と契約状況の双方を調査し、それらの関連性を探った。協力の得られた9大学を対象とし、研究者に対するウェブを用いた質問紙調査及び、図書館に対する契約状況調査を行った。更に、2大学の図書館員にインタビュー調査を行った。研究者からは、250人(回答率7.7%)の回答を得た。研究者の電子ジャーナルの需要は高かった。一方、図書館は、ビッグ・ディール契約におけるパッケージを維持するために、研究者の需要があるいくつかの学会誌等が契約できない状況が確認された。研究者の需要と図書館からの提供にはずれが生じていたが、現状では図書館は、ビッグ・ディール特有の価格設定のために修正は難しいことも明らかになった。この要因により、研究者の私費購読や他大学の知人への依頼という利用実態があると考えられた。
著者
安里 のり子 ウエルトハイマー アンドリュー 根本 彰
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-32, 2011-03-30 (Released:2017-05-04)

2006年に出版されベストセラーになった有川浩の『図書館戦争』シリーズを題材にこの小説が日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」に触発されて書かれたことからそこで表現されている暴力的イメージの源泉を分析した。「宣言」は,1953年に埼玉県図書館協会が「図書館憲章案」として提案したものが元になり,1954年の図書館大会および日本図書館協会総会で激論の後に採択された。本稿ではこれらの案文をその社会的背景に照らし分析した結果,有川が「宣言」から読み取ったものは,その文言に込められた当時の図書館員の潜在的なメンタリティーである「権力に抵抗する図書館」という職務理念であると指摘した。また,当時の議論では最初使われた「抵抗」という表現が,検討過程で外的な要因に配慮し,図書館自らの主体性を強調することから他の言葉に置き換えられたことを明らかにした。
著者
宮原 志津子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.113-124, 2020 (Released:2020-12-30)
参考文献数
88

本研究の目的は,図書館情報(LIS)専門職の質保証と国際通用性の現状及び特色を明らかにすることである。1995 年のGATS 発効以降の国境を超える高等教育の進展で,教育の質保証の重要性が認識されている。北米のアクレディテーションは,教育機関やプログラムの価値を測る中核的な制度となっており,欧州や東南アジアでは,専門職資格の国境を超える相互認証制度が構築され,専門職移民のグローバルな移動を促進している。こうした傾向はLIS 専門職の教育と労働市場にも影響している。LIS 領域では専門職協会による教育プログラムへの認証が,専門職の質保証モデルとして引き合いに出されることが多い。専門職を目指す学生にとっても,教育プログラムの認証は大きな関心事である。専門職協会による認証制度がない国では,自国政府あるいは英・米の認証を受けることが専門職の質証明になるが,国際通用性の実際については今後の研究課題である。
著者
安形 輝 上田 修一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.84-96, 2019 (Released:2019-06-28)
参考文献数
25

印刷本のうち,電子書籍版が提供される割合は,年々,高まっていると考えられる。電子書籍化の進展を測るために,国立国会図書館の蔵書から印刷版の書誌データを得て主要な電子書籍プラットフォームの提供データと照合し電子化率を調査する手法を考案し,調査した。1)近年,電子化率は高くなっている,2)出版点数の多い出版社ほど電子化率は高い,3)各プラットフォームの提供する電子書籍には重なりがある,4)コミックの電子化率は高い,5)学術書の電子化率は高い,6)小説の電子化率は高いという仮説を設定した。 調査の結果,2017 年の電子化率は,36.6%となり,全ての出版物に展開した場合,約3 万点の電子書籍があると推計した。調査結果は,2)と5)以外の仮説を支持するものであった。 次に,国立国会図書館デジタルコレクションの収録件数を1901 年から1980 年まで調査し, 1960 年頃から2000 年頃までの間に電子書籍化の空白期間があることを指摘した。
著者
海野 敏 影浦 峡 戸田 愼一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.205-221, 2006-12-20
被引用文献数
1

本研究の目的は,近代における図書館の存在意義と社会的機能を明らかにすることである。そのために,主体とメディアの関係を手がかりとし,哲学,社会学,メディア研究等の先行研究を照査した。メディアが近代的主体の成立に寄与するための客観的条件を考えたところ,すべての条件を初めて満たしたのは印刷本であった。また,現在に至るまで印刷本だけが近代的主体の成立に寄与してきたことがわかった。さらに,19世紀に欧米で成立した近代図書館は,理念的には近代的主体の理想を純粋に体現していた。以上より,近代における図書館の本源的な社会的機能は,印刷本を媒介として近代的主体の成立,維持,強化に寄与するものであることを示した。
著者
仲村 拓真
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.73-92, 2020 (Released:2020-09-19)
参考文献数
76

本研究の目的は,昭和前期において,五大都市立図書館が共通して有していた特徴や課題を明らかにすることである。分析のために,五大都市立図書館の関係者で構成された「五大都市市立図書館振興協議会」の開催状況及び議論を整理し,類似する会議の議論との比較を試みた。史料として,各会議の議事録,雑誌や図書館報に掲載された報告記事を用いた。結果として,同協議会の議論から,五大都市立図書館の主な課題として,①共同事業の提案,②読書の普及・指導,③図書の購入・選定,④職員の確保・待遇,を見出した。類似する会議と共通する議題も多く取り上げられていたが,広く図書館界や社会全体に貢献する事業を企図したこと,読書普及のために分館制の在り方を検討したことなど,大都市独自と見なせる議論も展開されていた。
著者
石原 眞理
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.17-33, 2010
被引用文献数
1

本研究の目的は,横浜アメリカ文化センター(以下ACC)の旧所蔵資料を調査することにより,その特徴を明らかにすることである。調査結果を基に,それらの資料がACCの設置者たちの目的や運営方針を反映するものであったのか,という観点から考察する。これまでACCや前身であるCIE図書館の所蔵資料に関する研究はほとんど行われていない。現在ACCの所蔵資料がまとまって残っている例は少ないが,神奈川県立図書館のACC文庫は,横浜ACCの所蔵資料を,当時の蔵書構成の特徴を残しながら継承している。ACC文庫に対する調査は,(1)個々の資料の書誌事項及び現物の確認,(2)DDC10区分の構成比とOCLCの分類別構成比との比較,(3)ACC文庫の関係者に対するインタビュー調査,の各種の方法に拠った。調査の結果,CIE横浜図書館時代の資料は「公共図書館のモデル」及び「日本の民主化・非軍事化」,横浜ACC時代の資料は「アメリカの広報・宣伝」を実現するような内容であったことが推定できた。
著者
宮田 洋輔 上田 修一 若宮 俊 石田 栄美 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-118, 2017 (Released:2017-07-14)
参考文献数
10

現代における学会発表の位置づけを考察することを目的として,ウェブサイトに対する事例調査とメールによる質問紙調査を実施した。54 学会を対象とした事例調査からは,研究集会の定期開催,開催事務局への依存と前例を踏襲する傾向が分かった。質問紙調査では世界中の285 学会からの回答を分析した。その結果,1)自然科学・医学系ではポスター発表も採用,2)ほとんどで査読を実施,3)人文学・社会科学系では配布資料・口頭のみでの発表も認められていること,4)発表資料の電子形式での記録,提供はあまりなされていないこと,などが明らかになった。以上から,研究者のインフォーマルな交流の場としての研究集会という認識は大きく変化していないこと,学会発表は研究集会の一部と見なされていること,発表を研究成果として独立して蓄積し,広くアクセスできるようにする意識が弱いことが示唆された。
著者
川村 敬一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.20-36, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
70

本稿の目的は,1962 年創刊の英国技術索引(British Technology Index: BTI)において,分類の諸原理がどのように応用されているかを論証することである。BTI は索引法に関して確固たる理論的基盤をもっていた。その理論はBTI の初代編集長となるコーツが1960年の著書で展開していた。著書はランガナータンの分類理論の影響のもとに書かれていたが,件名目録法の新しい手法を提案していた。それはランガナータンのファセット分析とファラデーンの関係分析に基づく標目の統語法であった。BTI の特徴の一つは各主標目のもとに関連主題がまとめられるブロック構造の形成である。これは論理的に分節された件名標目と連鎖索引法による倒置相互参照で実現する。BTI 索引法の全工程がファセット分類法と密接な相関関係にあることを論証した。そしてBTI 索引法の神髄は関係分析を分類の文脈で遂行することであるとの結論に至った。
著者
海野 敏 影浦 峡 戸田 愼一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-17, 2012-03-31 (Released:2017-04-30)

本稿の目的は,戦後日本における印刷メディア受容量変化の数量的分析である。分析には,販売ルート経由の図書,雑誌,新聞の受容量,図書館ルート経由の受容量,経済動向の5変数からなるモデルを用いた。具体的には,国民1人当たりの図書,雑誌の実売部数,新聞の発行部数,公共図書館の館外貸出数と,実質経済成長率を分析した。この5つの時系列データに対し,同時変化関係の指標として相関係数を求め,先行遅行関係の指標としてグレンジャー因果性検定を行った。分析の結果,以下の結論が得られた。第1に,販売ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに正の相関,図書館ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに負の相関がある。第2に,図書の販売ルート経由の受容量は図書館ルートに先行している。第3に,販売ルート経由の受容量は相互に正の相関があり,図書,雑誌,新聞の順に変動している。図書と雑誌の関係については詳細な分析を加えた。
著者
大場 博幸 安形 輝 池内 淳 大谷 康晴
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.83-100, 2016

<p>公立図書館における中立・公平な所蔵について検討した。2014 年から2015 年にかけて日本国内で論議された「集団的自衛権」を主題とする91 点の書籍の所蔵について調べた。書籍を賛否に従ってグループ分けしたところ,需要においては賛成本が勝っていたが,否定本のほうが4倍弱多く所蔵されていた。一点当たりの所蔵数においては否定本が1.2 倍程度有利に所蔵されていた。所蔵に影響する他の要因も含めて重回帰分析をしたところ,出版社の信用(特に岩波書店刊行書籍),需要,書籍の質などの要因とともに,否定本であることも有意な要因であった。続いて,賛否の所蔵数の比を基準に図書館設置自治体をグループ化し,所蔵規模別に検討した。結果,所蔵規模が大きくなるほど中立的となり,小さくなれば賛否どちらかに偏ること,特に否定本に偏るケースが多いことが明らかになった。否定本のみ所蔵する自治体は全体の1/4 強存在した。</p>
著者
野口 久美子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.163-187, 2008-09-30

近年,子どもの読書活動が活発に行われている。なかでも学校教育は大きな役割を果たしている。これまでも,学校教育では読書指導が行われてきた。したがって,今後の読書指導のあり方は,これまでの読書指導の展開過程を踏まえて考えることが重要である。本稿では,戦後の読書指導を主導した滑川道夫の読書指導論について検討を行い,その特徴を明らかにし,滑川読書指導論の意義と限界を考察した。その結果,(1)滑川読書指導論には「読書に関する生活指導」と「読書による生活指導」の2つの観点があること,(2)読書指導では「読書に関する生活指導」に加え,「読書による生活指導」を重視するべきであるという考えを段階的に明確に示したことが明らかになった。滑川読書指導論の意義としては,子どもの情操や知力を育てる読書指導が重要であることを提起したこと,限界としては,読書指導のあり方を示すにとどまったことを挙げることができる。
著者
長谷 康夫
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-15, 2001-08-31

日本近代初期図書館史を解明するために, 明治17年(1884)の秩父事件に関係した者のリテラシーに注目した。分析の結果以下が判明した。秩父とその周辺地域において過半数を超える"国民"はリテラシーをもたない。しかし"国民"のなかでも町村有力者は最もリテラシーが高い集団であり, 公認自由党員・非公認自由党員・困民党中核が同程度で次いでいる。時系列的にみると文化期(1810年代)中ごろから明治10年代(1880年代)中ごろまでリテラシーに変化がないことから, 寺子屋や近代公教育はリテラシーの現状維持に寄与するのみである。当該地域において文字は普遍的に有用とはいえないため, "国民"は町村有力者層をはじめとするリテラシーが高い層を除き, 新聞・雑誌・図書などの活字メディア, ジャーナリズム, 図書館を媒介として, 国家についての関心をもちにくく, 国民統合が困難と考えられる存在である。