著者
新井 博達 弘中 由麻 近藤 清美
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-14, 2015-07-31 (Released:2015-08-07)
参考文献数
40
被引用文献数
1 3

本研究では,社交不安の認知モデル(Clark & Wells, 1995)に基づき,ひきこもり親和性と社交不安症状と対人的自己効力感の関連について検討を行った。大学生246名(男性101名,女性145名)を対象として,ひきこもり親和性を測定する尺度,Liebowitz Social Anxiety Scaleの日本語版,対人的自己効力感尺度を用いた質問紙調査を実施した。共分散構造分析の結果から,社会場面における恐怖感/不安感が,ひきこもり親和性に対して直接的な正の影響を与えていることが示された。その一方で,社会場面における回避が,ひきこもり親和性に対して直接的な影響を与えていることは示されなかった。また,対人的自己効力感は,社会場面における恐怖感/不安感を介して,ひきこもり親和性に対して間接的な負の影響を与えていることが示された。以上の結果から,ひきこもり親和性の高い人々に対する予防的な介入として,対人的自己効力感を高めるような働きかけが有効である可能性が示唆された。
著者
小塩 真司 阿部 晋吾 カトローニ ピノ
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.40-52, 2012-07

本研究の目的は日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。TIPI-J は10 項目で構成され,Big Five の5 つの因子を各2 項目で測定する尺度である。TIPI-J の信頼性と妥当性を検討するために,計902名(男性376名,女性526名)を対象とした複数の調査が行われた。各下位尺度を構成する2項目間には有意な相関が見られ,再検査信頼性も十分な値を示した。併存的妥当性と弁別的妥当性の検討のために,FFPQ-50(藤島他,2005),BFS(和田,1996),BFS-S(内田,2002),主要5 因子性格検査(村上・村上,1999),NEO-FFI日本語版(下仲他,1999)との関連が検討された。自己評定と友人評定との関連を検討したところ,外向性と勤勉性については中程度の相関がみられた。これらの結果から,TIPI-Jの可能性が論じられた。This study developed a Japanese version of the Ten-Item Personality Inventory (TIPI-J) and examined its reliability and validity. Th e participants were 902 Japanese undergraduates (376 males, 526 females). They completed the TIPI-J and one of the other Big-Five scales: Big Five Scale (BFS; Wada, 1996); Five Factor Personality Questionnaire (FFPQ-50; Fujishima et al., 2005); BFS short version (Uchida, 2002); Big Five (Murakami & Murakami, 1999); or the NEO-FFI (Shimonaka et al., 1999). e TIPI-J was administered again two weeks later to 149 participants to determine test-retest reliability. Also, 31 pairs of participants rated their self-image and the other-image using the TIPI-J to explore the relationship between self-rated and friend-rated TIPI-J scores. Th e results generally supported the reliability and validity of the TIPI-J.
著者
酒井 久実代
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.80-83, 2013-07-30 (Released:2013-08-28)
参考文献数
15

This study investigates whether awareness of the feeling process (AFP), which is an emotional regulation strategy based on focusing process, is adaptive and predicts life satisfaction. University students (N=332) completed questionnaires of AFP, reappraisal, suppression, emotional regulation as measured on the Intercultural Adjustment Potential Scale (ICAPS), and life satisfaction. A hierarchical regression analysis indicated that AFP predicts life satisfaction above and beyond what is accounted for by other adaptive emotional regulation measures.
著者
藤田 知也
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.281-284, 2014-03-25 (Released:2014-04-08)
参考文献数
12

This study investigated the changes of mood (assessed five times) across a catastrophizing task. The results showed that anxious mood at Time 1 was significantly different from at Time 4 and Time 5. Also sad mood did not show a significant difference across the catastrophizing task. It was suggested that an anxious mood tends to increase across a catastrophizing task.
著者
藤島 寛 山田 尚子 辻 平治郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.231-241, 2005-03-31
被引用文献数
3 11

本研究では5因子性格検査(FFPQ; FFPQ研究会, 2002)の短縮版を構成し, その信頼性と妥当性の検討を行った.FFPQは外向性, 愛着性, 統制性, 情動性, 遊戯性という5つの超特性, その各超特性の下位因子として5つの要素特性という階層構造を持ち, 包括的に性格を記述することができる.しかし, 項目数が150項目と多いため, 回答者の負担が少ない短縮版の作成が待たれていた.FFPQから, 階層構造を維持するような50項目を選んでFFPQ短縮版(FFPQ-50)とし, 900名の大学生に実施して因子分析を行った.その結果, 項目レベルでも要素特性レベルでも単純な5因子構造が示された.またエゴグラム(TEG)との関係から併存的妥当性が確認され, 芸術大学の音楽専攻大学生の性格特徴をFFPQと同様に記述できることが示された.これらの結果から, FFPQ-50は階層構造を維持し, 記述の多様性をもった性格テストであると考えられる.
著者
久保 沙織 豊田 秀樹
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.93-107, 2013-11-30 (Released:2013-12-04)
参考文献数
23

多特性多方法行列を扱う確認的因子分析モデルにおいて,CT-CMモデルは信頼性と収束的・弁別的妥当性の解釈が一通りに定まるというメリットがあるが,識別されない場合が多い。一方で,CT-C (M-1)モデル(Eid, 2000)は,識別は保証されるものの,基準となる方法の選択に依存して,同一データに対して信頼性と妥当性の解釈が変わってしまうという欠点がある。そこで本論文では,CT-CMモデルを基に,方法因子の因子得点の和が0という制約(Kenny & Kashy, 1992)を導入することで,基準となる方法を決める必要がなく,信頼性や妥当性の解釈が一通りに定まるモデルを提案する。主要文献より引用した12の相関行列に3種類のモデルを適用した結果と,シミュレーション研究の結果から,提案モデルは信頼性と妥当性に関する解釈が一通りに定まり,識別の可能性も高く,有望なモデルであることが示唆された。
著者
中尾 達馬 加藤 和生
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.281-292, 2006 (Released:2006-08-30)
参考文献数
23
被引用文献数
4 2

本研究では,従来の成人愛着研究が暗々裏に仮定してきた「成人愛着スタイルは成人の愛着行動パターンの違いを反映する」という理論的前提の妥当性を実証的に検討した.大学生378名に対して,成人愛着スタイル尺度と本研究で作成した成人愛着行動尺度を実施した結果,以下の2点が示された.すなわち,成人愛着行動を直接的愛着行動(安全欲求を直接的に表現する愛着行動)と間接的愛着行動(自他の適切な心理的距離の調整にとらわれるため,安全欲求を間接的に表現する愛着行動)の2種類に分類した場合に,成人は,(1)「親密性の回避」が低いほど直接的愛着行動をより行い,(2)「見捨てられ不安」が高いほど間接的愛着行動をより行う.また,これらの結果は,愛着スタイルの4分類を用いた分析においても確認できた.以上の結果から,本研究により,上記の理論的前提が妥当であることが実証された.
著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 金井 篤子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.181-190, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究の目的は,過敏性自己愛傾向がふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について,対人恐怖心性との比較から検討することであった。専門学校生,大学生,大学院生443名を対象に,ふれ合い恐怖心性,対人恐怖心性,過敏性自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度からなる質問紙を実施した。パス解析の結果,自己愛的脆弱性尺度の下位因子である目的感の希薄さと自己顕示抑制の高さがふれ合い恐怖心性と対人恐怖心性の両者を高めていることが示された。しかしながら,承認・賞賛への過敏さの高さは対人恐怖心性を高め,自己緩和不全の低さおよび潜在的特権意識の高さはふれ合い恐怖心性を高めるという相違点が見出された。これらの結果から,両心性の背景には共通して過敏性自己愛傾向が潜んでいるものの,承認・賞賛の過敏さ,自己緩和不全,潜在的特権意識の過敏性自己愛傾向の下位側面のあり方によって,現れ方が異なってくる可能性が示唆された。
著者
福森 崇貴 小川 俊樹
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.12-20, 2009-06-01 (Released:2009-07-24)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

本研究は,a)不快情動との直面を促進する要因とはどのようなものか,b)それらの要因は不快情動の回避にどのような影響を及ぼすか,の2点について検討することを目的として行われた。自由記述式調査およびそこから得られた項目群の因子分析結果から,不快情動との直面を促進する要因は,“支えてくれる他者”,“気分調整の自信”,“環境的ゆとり”,“つらい過去経験”,“成長への意志”の5つから捉えられることが示唆された。また,構造方程式モデリングを用いたパス解析の結果,直接・間接的に不快情動回避に影響を及ぼしていたのは,“気分調整の自信”,“支えてくれる他者”,“環境的ゆとり”の3要因であった。よって,不快情動との直面を考える上では,特にこれらの要因が重要となることが示された。
著者
高野 慶輔 丹野 義彦
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.15-24, 2010
被引用文献数
4

自己注目には適応的な「省察」と不適応的な「反芻」があることが知られている。Papageorgiou & Wells (2001a) は,反芻の原因として,「反芻に対する肯定的信念」という概念を提案し,自己注目は問題解決のために有効な手段であるという信念が反芻を促進するとした。本研究では,この信念を測定する尺度Positive Beliefs about Rumination Scaleの日本語版を作成し,信頼性と妥当性を確認した(研究1)。さらに,この肯定的信念と抑うつ,反芻,そして省察との関連を検討した(研究2)。大学生を対象とした質問紙調査の結果,肯定的信念は反芻,省察の双方と正の関連がみられたが,反芻は抑うつと正の関連が,省察は抑うつと負の関連がみられた。自己注目を行う背景として肯定的信念が存在しているが,抑うつに陥るのは反芻を行った場合だけであり,省察を行った場合には適応的に働くことが示唆された。
著者
吉江 路子 繁桝 算男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.335-346, 2007-07-07

本研究は、 ピアノサークルに所属する大学生、大学院生77名を対象に、対人不安傾向と完全主義認知が演奏状態不安に与える影響を検討した。演奏状態不安の指標としてState-Trait Anxiety Inventory (Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1970) を用い、本番の演奏前後の状態不安を測定した。さらに、演奏状態不安の要因の指標として、演奏前に完全主義認知、演奏後に聴衆不安と相互作用不安、自己思考的完全主義を測定した。その結果、対人不安傾向のうち“聴衆不安”、完全主義認知のうち“ミスへのとらわれ”のみが演奏前状態不安と正の相関をもった。また、これら2変数には交互作用が見られ、“ミスへのとらわれ”高群においてのみ、聴衆不安傾向が演奏前状態不安を有意に予測していた。これらの結果より、演奏者のパフォーマンスを高めるための実践的示唆が得られた。
著者
川崎 直樹 小玉 正博
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.149-160, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
30
被引用文献数
3 3

本研究では,自己愛傾向と対人恐怖傾向の2つのパーソナリティ特性が,いずれも乖離のある不安定な自己概念を背景要因としていると仮定して検討を行った。大学生341名に,自己概念の肯定性と乖離性を測る尺度,自己概念の不安定性を測る尺度,自己愛傾向,対人恐怖傾向を測る尺度からなる質問紙調査を行った。自己概念の肯定性は日常的に知覚される自己像の測定により指標化され,乖離性は自己肯定的及び自己否定的場面を想定したときに知覚される自己像の評定差によって指標化された。その結果,自己概念の肯定性は対人恐怖傾向と負の相関,自己愛傾向と正の相関を示した。一方で,自己概念の乖離性と不安定性については,対人恐怖傾向及び自己愛傾向の下位側面との間に正の相関を一部示した。以上の結果から,この両パーソナリティ特性がともに,乖離のある不安定な自己概念を維持・構築するプロセスとして理解される可能性について議論された。
著者
坂田 浩之
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.101-110, 2021-09-16 (Released:2021-09-16)
参考文献数
23

本研究は,容姿にこだわる若者に対する理解を深めるために,醜形恐怖心性とメンタライジングとの関連について検討した。大学生689名に対して自己報告式の質問紙とReading the Mind in the Eyes Test (RMET)が実施された。本研究の結果,メンタライジングに関する自己認知は醜形恐怖心性と弱く関連することが示された。そして,メンタライジングに関する自己認知のうち,他者に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と正の関連が,自己に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と負の関連が示唆された。しかし,RMETで測定された,外的なものに基づく他者に関する顕在的なメンタライジングの正確さは醜形恐怖心性と関連しないことが示唆された。本研究の知見から,容姿にこだわる若者は,他者に関するメンタライジング能力を高く評価しがちで,自己に関するメンタライジング能力を低く評価しがちである可能性が検討された。
著者
向井 智哉 松木 祐馬
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.125-135, 2022-10-27 (Released:2022-10-27)
参考文献数
27
被引用文献数
2

アメリカで行われた先行研究は,社会的支配志向性(SDO)の2つの因子―SDO-DとSDO-E―がともに厳罰傾向と正に関連することを示している。しかし,非西欧的な文脈で行われた研究はこれまで存在しない。このような状況の下で,本研究は,日本と韓国という比較的類似した社会において,SDO-DならびにSDO-Eが厳罰傾向に及ぼす効果を検討することを目的とした。409名の日本人と417名の韓国人から得られたデータが,多母集団の共分散構造分析によって分析された。その結果,SDO-Dは日韓で厳罰傾向の各因子と概して正の関連を示すこと,ならびにSDO-Eは日本においては厳罰傾向の各因子と負の関連を示す一方で,韓国においては無関連であることが示された。SDO-Eと厳罰傾向の間に負の関連が見られたことについて,社会的支配理論の観点から議論を行った。
著者
坂田 浩之
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.11-13, 2020-04-27 (Released:2020-04-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

Photographs of Reading the Mind in the Eyes Test (RMET) were classified based on affect valence, and they have been used for the investigation of mental state decoding abilities depending on their valence. The present study aimed at classifying photographs of the Asian version of the RMET that can also be applied to the Japanese by affect valence, as in the original RMET. Japanese female university students were presented with 36 photographs of Asian RMET, and asked to evaluate the affect valence of each photograph. In the resulting classification of the photographs, 20 were negative, 5 were neutral, and 11 were positive.
著者
小池 はるか 吉田 俊和
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.266-275, 2007 (Released:2007-07-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

本研究の主な目的は,共感性と特定の人物に対する対人的迷惑行為の認知との関連を検討することである。学生113名から質問紙((1) 共感性,(2) 顔見知りから受けた行為の迷惑認知,(3) 友人から受けた行為の迷惑認知,(4) 迷惑認知の評定の根拠)の回答を得た。その結果,共感性の低い者は,共感性の高い者に比べ,行為を迷惑と認知しやすいという仮説が部分的に支持された。また,状況依存的な共感性が高い者は,迷惑認知評定をする際に,自己の視点のみではなく,行為者の視点に立っている傾向が示された。さらに,友人からの行為より顔見知りからの行為を迷惑と認知したり,行為者が顔見知りの場合より友人の場合に状況依存的な共感性が高くなるといった結果が示され,行為者との関係性が対人的迷惑認知及び共感性に影響を与えていることが明らかとなった。
著者
横光 健吾 金井 嘉宏 佐藤 健二 杣取 恵太 坂野 雄二
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.87-90, 2019-07-01 (Released:2019-07-06)
参考文献数
20

The purpose of this cross-sectional study was to examine the relationship between happiness, satisfaction, and the psychological effects of consuming “shikohin” at social events on psychological health. Five hundred and thirty-two participants (270 men, 262 women; mean age=44.91 years, SD=13.81 years) from a community sample in Tokyo, Kanagawa, Saitama, and Chiba completed a set of questionnaires and the data were analyzed. The results of partial correlation analyses showed that when people experienced positive and negative social life events, the psychological effects of consuming “shikohin” showed a weak but positive correlation with happiness and satisfaction.
著者
高田 琢弘
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.82-84, 2023-08-29 (Released:2023-08-29)
参考文献数
9

This study investigated the relationship between gambling addiction and the Dark Triad among Japanese adult gamblers. The study participants were 360 Japanese adult gamblers. They were asked to complete an online questionnaire measuring their Dark Triad traits and the level or degree of their gambling addiction.The results showed that Machiavellianism and narcissism were correlated with gambling addiction among men, whereas psychopathy was correlated with gambling addiction among both men and women. These results are partially consistent with those of previous studies conducted with Western samples.
著者
山形 伸二 菅原 ますみ 酒井 厚 眞榮城 和美 松浦 素子 木島 伸彦 菅原 健介 詫摩 武俊 天羽 幸子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.103-119, 2006 (Released:2006-10-07)
参考文献数
65
被引用文献数
13 6

本研究は,人間行動遺伝学と双生児研究の方法,とりわけ多変量遺伝分析について紹介し,その適用例として4–6歳児の気質と問題行動の関連性を検討した。双生児の母親142名に対し質問紙調査を行い,子どものエフォートフル・コントロール (EC) および外在化問題,内在化問題についての評定を得た。表現型の相関を検討した結果,外在化問題と内在化問題は中程度の正の相関を示し (r=.55),またECは外在化 (r=−.42),内在化 (r=−.18) のいずれの問題行動とも負の相関を示した。多変量遺伝分析の結果,ECを低めるような遺伝的影響は同時に両方の問題行動のリスクを高めるような働きをすることがわかり,ECの低さが両問題行動の共通の遺伝的素因である可能性が示唆された。また,外在化問題と内在化問題の相関関係には遺伝 (22.8%),共有環境 (53.4%),非共有環境 (23.8%) のいずれもが寄与していた。問題行動間の相関関係への遺伝要因の寄与は相対的に小さかったが,これはECに関わる遺伝要因が両問題行動を正に相関させるように働くのに対し,ECとは関連しない遺伝要因が両問題行動を負に相関させるように働くため,互いに相殺しあった結果である可能性が示唆された。