著者
大道 博文 目良 和也 黒澤 義明 竹澤 寿幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3Rin404, 2020

<p>近年,VRゲームやVirtual YouTuberなどアバターを介したコミュニケーションが普及しつつある.このようなアバターを通じてユーザの心理状態を伝達させるために,特定の感情を示す表情をアバターに表出させる方法や,自身の表情や動作をアバターと同期させる方法がよく用いられている.代表的な表情同期手法としてFace Trackingが挙げられるが,表情を持たない収録済みの音声や合成音声から表情を作り出すことができない.そこで本研究では,音声のみを用いて表情アニメーションの自動生成を行うことを提案する.具体的には発話音声の音響的特徴量を入力とし,表情動画から解析されたAction Unitのパラメータを教師データとして学習モデルを設計する.評価として,既存手法(CNN)と提案手法(CNN-LSTM)のLoss値を比較した.実験の結果,提案手法のLoss値の方が既存手法よりも下がっていることを確認した.また,出力結果を時系列にグラフ化すると提案手法の方がより滑らかに推移していることも確認できた.このことは表情アニメーションにおいて自然な表情として知覚できることを示している.</p>
著者
倉橋 節也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1C33, 2007

<p>中国明清時代の名門一族の系譜を、社会ネットワークと逆シミュレーション手法を用いたエージェントモデルで再現し、最高難易度の官僚登用試験である科挙合格者を多数輩出した一族の秘密に迫る。</p>
著者
鈴木 宏昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1I5OS09b1, 2014

<p>人間は系統発生,個体発生の過程で言語に代表される記号を生み出してきた.これによって高度に抽象的な思考や,経験の効率的な伝達が可能になった.この一方で写実的な表象システムを失うことになった.本講演では記号が人の認知システムにもたらすもの,そこから奪うものを精査した上で,これらの2つをつなぐ可能性を身体の観点から検討する.</p>
著者
笹原 和俊 田口 靖啓
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3O1OS1a01, 2018

<p>多くの人に好かれる邦楽には日本人の道徳性が関わっていると考えられる. 本研究では, 道徳基盤辞書(MFD)の日本語翻訳版(J-MFD)を使用し, オリコンチャートにランクインした人気アーティストの歌詞を道徳基盤理論の観点から分析した. その結果, 歌詞に反映されている道徳性は, 人を守りたい・傷つけるなどの道徳性を表す「擁護」ときれい・汚いなどの道徳性を表す「純潔」の割合が多いことが分かった. また, アーティストごとにみると, 道徳性に関係する単語を使うアーティストほど非道徳性に関する単語も使うという正の相関関係が見られた.</p>
著者
上子 優香 鳥海 不二夫 吉田 光男 大橋 弘忠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.3P1NFC00a2, 2017

<p>ソーシャル・メディアにおける情報伝播に関してはこれまでもあらゆる研究が為されてきたが、直接情報が伝播するユーザのネットワーク推定を試みたものは数少ない。本研究ではユーザが起こす共有行動の時間差に着目した、情報伝播ネットワーク推定手法を提案し、さらに提案手法を2016年4月に発生した熊本地方の震災データに対して適用することで、災害が情報伝播ネットワークにもたらした変化を明らかにする。</p>
著者
小方 孝 福田 和維 小野 淳平 伊藤 拓哉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3P5OS16b02, 2020

<p>「綯い交ぜ」は歌舞伎の物語を作り出すための単なる一手法ではなく,最重要な構成原理である.綯い交ぜに関しては様々な説明があるが,ここでは凡そ,既存のある物語―神話・伝説・民話・語り物・歴史等―の「世界」―人物・事件・時代背景等―をベースに,その他の物語の世界との様々な仕方での合成や関連付けを通じて,一つの新しい物語作品を作り出すという,物語創出原理のことを綯い交ぜと考える.それはその中に多様な手法や技法を含む総体的な用語である.なお歌舞伎の用語法では,ある世界に基づく物語の綯い交ぜによる再組織化の工夫のことを「趣向」と呼ぶ.また綯い交ぜという言葉自体は特に鶴屋南北の特異な作劇法のことを狭くは意味するが,ここではより広く一般的に捉えている.本研究では,綯い交ぜとは何かについて,従来の歌舞伎研究の調査・分析と筆者らの物語生成システム研究との綯い交ぜを通じて考察し,様々なアプローチの可能性を体系的に整理すると共に,その一例として,筆者らが実装した,関啓吾らの『日本民話大系』に記述された民話の型の概念表現化を用いて,複数のストーリーの合成による綯い交ぜのコンピュータシミュレーションを示す.</p>
著者
Hung GUEI Ting-Han WEI I-Chen WU
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
pp.2J1E501, 2019 (Released:2019-06-01)

2048-like games are a family of single-player stochastic puzzle games, which consist of sliding numbered-tiles that combine to form tiles with larger numbers. Notable examples of games in this family include Threes!, 2048, and 2584. 2048-like games are highly suitable for educational purposes due to their simplicity and popularity. Numerous machine learning methods have been proposed for 2048, which provide a good opportunity for students to gain first-hand experience in applying these techniques. This paper summarizes the experience of using different 2048-like games, namely Threes! and 2584, as pedagogical tools for teaching reinforcement learning and computer game algorithms. With two classes of graduate level students, the average win rates for 2584 and Threes! reached 96.1% and 93.5%, respectively. The course designs were also well received by students, with 4.21/5 and 4.35/5 points from student feedbacks.
著者
金子 貴輝 大澤 昇平 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin114, 2018

<p>逐次モンテカルロ(SMC)は、系列的な確率モデルから順にサンプリングできる代表的なサンプリング手法である.しかし,サンプルの縮退(degeneration)のせいで,少ない粒子数ではSMCは尤度の低いサンプルを生成する場合がある.本研究では,サンプルを縮退させる原因としてSMCのリサンプリング目標がサンプルごとに同一であることに注目する.この制約を緩和したいが,非対称な逐次リサンプリング目標の解析的な導出は困難である.そこで,下界近似した系列全体の目標から逐次リサンプリング目標を学習することで,SMCのリサンプリング戦略を非対称に拡張する.これによりSMCと同じ粒子数で,正確な潜在変数の推定を学習によって実現できると期待される.</p>
著者
山下 達雄 坪内 孝太 丸山 三喜也 山浦 優樹 岡田 宏一朗
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4Pin141, 2018

<p>路線検索ログから駅の異常混雑予測を行うこれまでの手法では、いつどこで混雑しそうなのかの予測はできるが、混雑の原因までは分からない。そこで我々は、SNSから未来のイベントについての内容が含まれる投稿を収集・整理し、路線検索ログからの混雑予測情報と融合することにより、混雑原因を推測する手法を提案した。</p>
著者
坪内 孝太 下坂 正倫 小西 達也 丸山 三喜也 山下 達雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.4I14in1, 2017

<p>スマートフォンの普及により大量に収集されるようになってきた位置履歴データを用いて人口異常を検知する既存研究は多いが、数日前の時点から人口異常を「予測」する研究はなされていない。 本研究はユーザの路線検索結果に着目することでユーザの予定情報を考慮しつつ、異常時の人口予測を可能にする手法を構築した.大規模なイヘントであれば 1 週間前の時点からでも異常を予測できることを実験により確認した。</p>
著者
落合 純一 金森 亮 平田 圭二 野田 五十樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1B2OS11b03, 2018

<p>本稿では,名古屋市のタクシー配車データに基づき,Smart Access Vehicle Service(SAVS)をシミュレーション評価する.近年,デマンド応答型交通(DRT)は地方だけでなく都市部でも注目されてきているが,数時間前までの予約が必要など,利便性が高い交通サービスとは言えない.一方,SAVSはリアルタイムに提供可能なドア・ツー・ドアの交通サービスであるため,独占型の交通サービスであるタクシーを共有型に変換することが可能である.ODパターンとデマンド数が異なる4つの時間帯を対象にシミュレーションを行った結果,乗り合いによりSAVSはタクシーより効率的に配車できることを確認した.</p>
著者
安田 雪
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1K1OS2a03, 2018

<p>国民的漫画とされるほどのヒット作品『ONE PIECE』の会話テキストとストーリーにおける人間関係を事例とし、他世代、多様な人々に共感と感動を呼ぶ会話とシナリオのあり方を分析することで、共感を呼び、人に信頼される"AI会話"のためのる基礎理論と作業仮説を提案する。</p>
著者
岡久 太一 高間 康史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1C2OS8a01, 2018

<p>本稿ではローカルデータと公開データを統合利用可能なコンテクスト検索エンジンを提案する.「動向に関する問い」というタスクを対象としたコンテクスト検索エンジンが研究されている.公開可能なデータを収集したものが検索可能であるが,ユーザはプライバシー保護などの問題で外部に公開できないようなデータを所持している場合も多い.このようなローカルデータを公開データと統合利用可能にすることで,データからの新たな価値創造など,その有効活用につながると考える.非公開データ自体を共有することなく,データの利用価値を検討可能とするために,本稿ではData Jacketをコンテクスト検索エンジンに導入する.実験結果により提案システムの有効性を示す.</p>
著者
西海 俊秀 高間 康史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1B2NFC32, 2011

<p>本稿では,検索エンジンの検索結果ページにおいて閲覧すべきページを選択する手がかりとなる情報を,インテリジェントアイコンを用いて提示する手法を提案し,有効性について考察する.インテリジェントアイコンは,オブジェクトが持つ複数属性を省スペースで可視化することができ,ファイル管理などで有効性が示されている.本稿では,Web検索の手がかりとして有効な特徴について検討し,インテリジェントアイコンを生成する.</p>
著者
森川 優 中西 波瑠 稲村 直樹 近藤 伸明 小渕 浩希 大澤 輝夫 松原 崇 上原 邦昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2A401, 2018

<p>海上気象観測は安全な航海に不可欠であり、日本では一般船舶において観測結果を気象庁に報告することが求められている。しかし、雲の観測は気象測器での自動観測が困難なため、画像から自動識別する要求が生じている。これまで多くの研究で雲の種類(雲形)と雲量の分類に取り組まれてきているが、日本の海上気象観測で必要となる雲の状態までは研究されていない。そのため当研究では雲の雲形と状態を分類するための機械学習システムを開発した。まずはじめに全天球画像を撮影してデータサンプルを収集するための撮影デバイスを開発し、雲の層(下層、中層、上層)ごとに雲形と状態をラベル付けした。このデータセットをもとに、深層畳み込みニューラルネットワークを構築し、ResNet50学習モデルをfinetuningして分類した。結果として、雲形・状態ともに0.9を超える精度を達成した。</p>
著者
吉信 真之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3D3OS4a02, 2019

<p>人間の知能の基礎的事項について検討する。知能の構造・原理を理解する為、定義を尋ねる「知能とは何か」という問いを「知能のことを知能というのはどうしてか」という問いに置き換え、これに答えることを試みる。この問いに答えるため、構造、物理的背景、生成過程の副問題に分解、概観し、「複雑系の中で特に複雑になった階層に、ある領域としての人間がまたもう一方の領域を『知能』と見做している構造がある状態」という仮説を提案する。</p>
著者
堀田 大地 成冨 志優 丹野 良介 下田 和 柳井 啓司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4Pin110, 2018

<p>本研究では,深層学習技術を用いて,食事の見た目はそのままに,カテゴリのみ を変える食事画像変換を実現する.例えば,牛丼をどんぶりの形状や見た目はそ のままに天丼や親子丼,海鮮丼などに自由に変換することを実現した.本研究で は,CycleGANの手法を拡張し,1つの変換ネット ワークで複数のカテゴリへと変換可能とするconditional CycleGANを用いた食事 画像変換手法を提案する.Twitterから長期間にわたって収集した23万枚の食事 画像を利用することによって,高画質な食事画像変換が実現できることを示す.</p>