著者
蕭 喬仁 大知 正直 長濱 憲 榊 剛史 森 純一郎 阪井 完二 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1B5GS602, 2020

<p>近年、大衆が問題を発見しそれが拡散されることで社会問題として新たに認識される「情報拡散型社会問題」が急増している。情報拡散型社会問題は、従来の情報公開型社会問題と異なり、問題による悪影響が急速に拡大するため早期に認知・対策することが重要である。しかし、情報拡散型社会問題の早期抽出には従来の社会問題抽出手法は適用できず、問題にまつわる単語の同定も困難である。そこで本研究では情報拡散型社会問題の早期抽出のためにTwitterからクレイム申し立て活動を抽出・分析する構築主義的アプローチを提案する。まずツイートがクレイム申し立て活動か否かの教師データを用意し、それらを判別するモデルを作成する。次に、クレイム申し立てを行ったユーザーの情報と通時的分散表現による単語とクレイム申し立て活動の距離を測ることで、社会問題に関連する単語を教師データ無しに抽出する手法を提案する。17億件に及ぶTwitterデータを用いた実験では、提案手法が2019年中に発生した10の情報拡散型社会問題の事例のうち6つの事例をテレビ放映より早く抽出し、NHKの初放映日に対しては平均20.5日前の早期抽出できることを確認した。</p>
著者
田中 大貴 馬場 雪乃 鹿島 久嗣 齋藤 朋也 大久保 雄太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2M303, 2018

<p>本研究では、運転時の位置情報や速度・加速度等の運転データを用いたドライバー識別に取り組む。既存研究では十数人のドライバー識別を対象にしていたのに対し、本研究では、最大1万人という大規模なドライバー識別を扱う。実データを用いた実験により、提案法がベースラインよりも精度良くドライバーを識別できることを示した。特に、位置や時間に関する特徴量が大規模ドライバー識別に極めて有効であることを示し、また、速度や加速度情報もドライバーの識別に一定の寄与があることを示した。</p>
著者
坂地 泰紀 ベネット ジェイスン 宮尾 祐介 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1C2OS8a03, 2018

<p>本研究では,ロイターニュース記事からの因果関係抽出手法の開発を試みる. まず,我々は,ニュース記事に含まれる因果関係と,それを示す手がかりとなる表現の調査を行った. その後,特定の手がかりに着目し,因果関係抽出手法を試みた.</p>
著者
前川 佳幹 上野 史 北島 瑛貴 高玉 圭樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3P4J703, 2019

<p>人間社会において,各個人が合意形成するため数値的・心理的ギャップ補填に基づく思いやりに焦点を当て,その効果を異文化体験ゲームバルンガ上で検証する.バルンガでは,プレイヤーどうしで密なコミュニケーションをとることは困難でありながら,全員で勝者を決定しない限りゲームが進行しない.本研究では,このバルンガに喜怒哀驚の4種類の感情表現を可能にするジェスチャー札を導入し,ギャップの認知によるギャップ補填,思いやりを促す.ジェスチャー札があるバルンガとないバルンガを用いた被験者実験の結果から,(1) ジェスチャー札の使用によって各プレイヤーがギャップを認知したこと,(2) ギャップの認知が,プレイヤーが集団に適応し,合意の形成に効果的であることが明らかになった.</p>
著者
森 有紗美 市川 嘉裕 髙玉 圭樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1B34, 2013

<p>本研究では,個人の利益が他人や集団全体の利益と競合する社会的問題において,集団を適応状態に導くために効果的な外的要因を探ることを目的とする.その目的に向け,Cialdini の提唱した交渉相手の承認を引き起こす要因となる人間の行動パターンの中から他者からの「好意」に着目し,それが集団内の人間の考え方を変え集団適応状態をもたらすかを異文化体験ゲーム「バルンガ」の被験者実験を通して検証する.</p>
著者
牧 良樹 白鳥 裕士 佐藤 剣太 中村 聡史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2K105, 2018

<p>ストーリーコンテンツにおいて,未知であるストーリー部分を明らかにすることはネタバレと呼ばれ,多くの研究で防止する手法が提案されてきた.しかし、そのネタバレがコンテンツを楽しんでいるひとに対しどのような影響を与えるのか,またコンテンツの進度によりネタバレの影響は変化するのかについては調査されていなかった.我々は以前の研究で,コミックを対象としたネタバレ影響調査を行ない,作品によってネタバレの影響が変化することを明らかにしてきたが,ネタバレの本質的な影響については調査できていなかった.そこで,本研究ではネタバレ直後の影響を調べることによってネタバレの本質的な影響について明らかにした.また,ネタバレページの特徴を分析することによって,ネタバレページ推定実験の手法についての検討を行なった.</p>
著者
奥野 哲也 久嶋 菜摘 坂根 裕 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3I1OS14a6, 2010

<p>テニスと格闘技のドメインから,物理世界(ゲーム世界)と思考世界をシミュレータで表現することで,新たなコモンセンス知抽出手法について提案する. </p>
著者
森田 悠基 松井 藤五郎 大和田 勇人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1B21, 2009

<p>本論文では構築したWeb上のブログ空間から、評判ブログを抽出し、検索できるようにするためのシステムに対し、適切な分類アルゴリズムを比較検討する。ブログを個人ブログと非個人ブログに分けるという観点に基づいた分類に対し、Naive Bayes, Support Vector Machineといった教師あり学習とEMといった半教師学習を組み合わせた手法について比較実験を行う。</p>
著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 松井 佑樹 原 寿夫 宗形 初枝 中野目 あゆみ 坂根 裕 本田 美和子 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin116, 2019

<p>筆者らは,マルチモーダルケア技法のユマニチュード®️に着目し,認知症ケアスキルの情報学的評価と,Minskyの多重思考モデルを用いた認知症ケア知のモデル設計を進めてきた. 本稿では認知症ケア協調学習環境における指導行為に着目し,指導者の指導知識を多重思考モデルを用いて表出化した結果について述べる.</p>
著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 宗形 初枝 中野目 あゆみ 伊東 美緒 坂根 裕 本田 美和子 原 寿夫 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin146, 2018

<p>本稿では,認知症高齢者の個性やゴール(願い)といった個性情報に基づいたケアの実践と高度化のための協調学習環境を提案し,有効性について検討する. 本学習環境では,認知症の人本人の個性やゴールといった個性情報をもとに,認知症ケアの映像を用いて組織全体で学びを促進できる.認知症ケアの現場において,提案する学習環境の枠組みに則って協調学習を実施した. その結果,個性やゴールに基づき協調的に学ぶことが,ケアを受ける相手の理解を深めるとともに,ケアを行う際の目標やその意図をチーム全体で共有でき,多様な個性を持った認知症の人に合わせたケア実践につながることが示唆された.</p>
著者
岩崎 祐貴 折原 良平 清 雄一 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1J3OS22a4, 2013

<p>近年,ブログやtwitterなどソーシャルメディアの普及により誰でも気軽に情報発信できるようになった.それに伴い頻繁に炎上が起こり,ブログの閉鎖や個人情報の特定といった被害に合うリスクが高まっている.そこで本研究では,実際に炎上したtwitterやブログ記事を収集,分析することで炎上の原因を調査した.また,今後の炎上を防ぐため,過去の炎上事例を教師データとした機械学習の適用方法を提示する</p>
著者
太田 博三
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1N2J905, 2019

<p>本稿では,OPIの口頭試験(インタビュー)の1回目と2回目,2回目と3回目,そして最大5回目までの発話を事前・事後の事象とみなし,ベイズ論的アプローチを用いて,発話の省略と反復・繰り返しの相互作用を考察したものである.昨今,頻度主義の統計学からベイズ統計が主流となったのと同じく,相互行為も,実は条件付き相互行為で説明できることが少なくない.人は事前の事象を踏まえて,事後の事象が発生するからである.国立国語研究所の提供する日本語学習者会話データベースの縦断調査では,同一人物を最大で5回,口頭試験し追及したものである.本考察のユニークな点は,発話連鎖は一度は完結し,本来的には異なるものだが,事前(1回目)と事後(2回目)とで完結しているにも関わらず,「はいはいはい」や「そうそうそう」など強い同意と供に,くだけた表現になり,礼儀作法の変化が見受けられる点である. 2回目以降でも,同じ事を繰り返して言うのは,前回のことを覚えていないなど,失礼に当たるなどがある. ここで,非言語のフィラーなどは実用的なものであり,人工知能(AI)やロボットなどの対話システムに適用可能である.</p>
著者
小野 盛司 吉野 守
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin107, 2019

<p>将来AI/ロボットが大半の雇用を奪ってしまうと言われている。そのときはベーシックインカムという方法が提案されているが、巨額の財源が必要になる問題と労働意欲の喪失が欠点とされている。その両者を解決するために解放主義社会を提案する。</p>
著者
丹羽 宏介 間瀬 健二 東海 彰吾 川本 哲也 藤井 俊彰 梶田 将司 平野 靖
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3C41, 2010

<p>ものづくり技術の過程の訓練映像や、スポーツ映像において、多視点映像技術は有力視されているが、視聴者は 自由な視点から興味深い映像を探す事が困難である。本稿では、多視点視聴が可能なツール(Peg-Scope Viewer)上での利用者の視聴ログから、重要映像を抽出する手法を提案し、抽出した重要映像を繋いでビデオを作成した。それを、他の方法で抽出したビデオと比較し、評価する方法を検討する。</p>
著者
清水 大地 岡田 猛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.4E3OS19b02, 2020

<p>音楽やダンスといった上演芸術において、演者は互いに活発なインタラクションを営みながら魅力的な表現を披露する。そのインタラクションに上演芸術の社会的起源を見出す指摘も数多い。一方でその過程・様相に関する実証的検討は数少なく、主に協働場面における関わりに焦点を当てた検討がなされてきた。本研究では、ブレイクダンスのバトル場面という競争場面に焦点を当て、その場面で生じる演者間の関わりについて同期理論の枠組みを応用した検討を行った。バトルを行う2名の演者のリズム運動を演者ごとにモーションキャプチャーシステムにより測定し、演者間のリズム運動の協調関係を位相解析(ヒルベルト変換を利用)により検討した。結果として、両演者が逆位相同期に該当する協調関係(互いに反対のタイミングでリズム運動を実施する協調関係)を構築しながらパフォーマンスを行っていたこと、バトルの進行に応じてその協調を動的に変更していたこと、が示唆された。</p>
著者
高橋 公海 草野 孔希 川崎 仁史 秦 崇洋 倉沢 央
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2G4OS21b4i, 2014

<p>センサデータから行動や状況を理解する研究は行われているが,認識率や有用性向上には大規模に実データを収集する必要がある.我々は今回,データ収集のための仕掛けとしてリアル脱出ゲームをモチーフとしたイベントを実施した.参加意欲向上と,持ち歩く複数センサを気にさせないためにゲーム性を盛り込んだ.イベント後のヒアリングから,参加者のほぼ全員が楽しんでおり,センサ類も気にさせずにデータを収集することができた.</p>
著者
酒井 優介 藤ノ木 太郎 安藤 雅洋 湯川 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4M3J904, 2019

<p>これまで日本語の文書から明示的な感情を検出することは 自然言語処理の分野で精力的に研究されてきた.しかし日本人は感情の表出を抑制する傾向にあり,怒りを表現する際にはそれが特に顕著である.そのため,日本語の文書から怒りを検出するには明示的な怒りだけではなく感情が抑制された暗示的表 現による怒りも含めた検出が求められる.そこで,暗示的表現 による怒りの自動検出技術の確立を目指し,本稿では暗示的表 現による怒りが含まれる文書の特徴に基きディープニューラルネットを用いて怒り文書を検出する手法を提案し評価した.結果,3つの提案方式のうち1つが,従来方式より10ポイント程度良い正解率が得られた.しかし全く検出されない怒りがあったことから暗示的怒り検出手法が確立できたとは言い難い.感情の出現順序や頻度に着目した検出手法では精度が0.18と低い性能となった.各文の感情分類として正解を付与し,文書全体の怒りを判別する部分のみを評価したところ精度は0.49となったことから,暗示的怒りの検出のために,文書中に現れる感情の順序,頻度も活用すべきであることが示唆された.</p>
著者
山本 泰智 山口 敦子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1K2J403, 2019

<p>我々はUmaka-Yummy Dataという生命科学分野のLinked Dataを提供するSPARQLエンドポイントの評価システムを構築し、結果を公開している。その目的は、より良いLinked Data利用基盤を構築することであり、そのためには、Linked Data提供者と利用者の相互理解を促すことが必要と考えているからである。SPARQLエンドポイントの評価は稼働率など6つの観点から行い、100点満点の数値化したUmaka Scoreとしている。これまで3年間の運用を経験し、Linked Data提供者から様々な意見や質問を得ている。本論文ではこれらの意見や質問を議論し、上述のより良いLinked Data利用基盤を構築するために必要な事項をまとめた。その結果、Linked Data提供者と利用者の間の相互理解を促すのに先立ち、信頼できる評価を提供するために、Linked Data提供者と我々の間の信頼関係の構築が重要であることが分かった。</p>
著者
久野 真登 西田 豊明 大本 義正
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3O5GS1301, 2020

<p>当研究ではユーザとエージェントの協調問題解決場面において, ユーザの協調への積極性誘発を目指す. 積極性誘発にはインラクションの方法の理解と, 協調により得られる利益への信頼が重要であり, この二つのリソースが満たされている関係を社会的関係と定義する. そしてエージェントが社会感情的インタラクションを働きかけることで二つのリソースが獲得され, 社会的関係が構築できると仮定する. 提案手法として, 循環的意図更新モデルにより社会感情的行動を生成することを考える. ここで提案モデルではエージェントは社会感情的意図の階層的ネットワークを持ち, ユーザは同じモデルを持っていると仮定する. そして推定したユーザの意図モデルを基にエージェントの意図モデルを更新し, それに応じて社会感情的行動が生成される. これによりエージェントの行動がユーザに合わせて発展するため, ユーザはエージェントとの関係性に関する利益を見出すことができ, 社会的関係が強まると考えられる. 提案モデルの評価のため, ユーザとエージェントが協力してタワーディフェンスを行うという実験を行い, 社会感情的行動のユーザの積極性に対する一定の効果を確認した.</p>