著者
濱脇 諒 和泉 潔 坂地 泰紀 米納 弘渡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2P202, 2018

<p>ある企業の倒産が原因となり、その他の企業まで倒産し、ドミノ倒しのように倒産が続くことを連鎖倒産と呼ぶ。本研究では、エージェントシミュレーションを用いて、「銀行の保有する市場性資産の価格変動」と「銀行間の貸借ネットワーク形状」を変化させた時の銀行の連鎖倒産への影響を調査した。得られた結果は以下の通りである: (1)市場性資産の価格の変動率が高いほど最終的な倒産数も増加する; (2)リンク密度が高いほど最終的な倒産数は減少する。これらの結果は、銀行の連鎖倒産の原因が、資産市場の価格変動と銀行間の貸借のどちらか一方ではなく、両方であることを示唆している。</p>
著者
河津 裕貴 丸井 淳己 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.4I14, 2015

<p>SNS上のユーザーインタラクションから情報を抽出する重要性が認識されて久しい.分析に際しテキスト情報から主観や感情を抽出する技術が多く用いられるが,非自然言語の頻出するSNSの感情分析において話者の感情を司る顔文字の重要性は高い.本研究ではSNSの特徴を考慮した実用性の高い顔文字分類を目的とし, 主に教師なし学習を用いて十分に多数の顔文字を分類し,検証する.</p>
著者
佐倉 統 福住 伸一 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin138, 2019

<p>この論文の目的は,人とAIが一緒に写っている写真を対象にしてそれらの構図を分析すること(図像分析)が,人−AI関係の文化的相違の解明に資すると示すことである.試行的に得られたインターネット上の画像から,日本由来の写真では人とAI/ロボットは横並びに位置してこちらを見ていることが多く,欧米由来の写真では人とロボットがお互いに向き合っている構図が多いことがわかった.共視論研究(北山,2005)によれば,日本の浮世絵の母子像は何か別の物(第三項)を一緒に注視していることが多く,西洋の絵画ではこのような共視は少ないという.このような"共視"は人では生後9か月から見られるようになる.浮世絵の母子関係と同じパターンが人−AI関係にも見られるのだとすると,それはAIやロボットが人間の子供と同じく何物か(第三項)を共同注視することのできる存在,それだけの認知能力をもった存在として日本では無意識に認知していることを示唆する.欧米ではAI/ロボットはもっと人に従属する存在として位置づけられているのではないか.今後より体系的な図像分析をおこない,東アジア内での国際比較(日韓台)をおこなう必要がある.</p>
著者
鈴木 琢也 井口 圭一 木下 琢也 石川 明洋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin101, 2018

<p>建築物の安全性を支える構造に関する技術の理解には,高度な専門的技術・知識を必要とする。そのため,一般の人々から理解されにくいものとなっている。しかし,技術者が構造解析の結果や意味をよりわかりやすく伝えることができれば,一般の人々はより正しく「安全」を理解し,今以上に「安心」を得ることができると考えられる。「いかにわかりやすく伝えるか」は,建築技術者にとって重要な課題といえる。 本報では,新たにタッチで出来る構造最適化アプリケーションの対戦版を提案し,そこで利用する対戦コンピューターの戦略ロジックを決定するために実施した,各種最適化手法の適用性検討結果を報告する。</p>
著者
長嶺 一輝 遠藤 聡志 山田 孝治 當間 愛晃 赤嶺 有平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3K4J201, 2019

<p>近年,深層強化学習エージェントは驚くべき発展を見せ,素晴らしい成果を挙げている.一方で,エージェントの行動のみを視認して,根拠となった画像特徴を推測するのは困難であるという問題がある.これに対し,エージェントが持つニューラルネットの入出力を用いて判断根拠を可視化することで,行動を分析しようとする試みが行われている.可視化手法の一つに顕著性マップの生成がある.しかし,行動毎に顕著性マップを得る手法はあまり研究されていない.本稿では,深層強化学習エージェントの行動を視覚的に分析する際に,エージェントの持つニューラルネットから各行動ごとに顕著性マップを得る手法を提案する.実験の結果,環境から得られる状態観測内のオブジェクトが,エージェントの各行動に及ぼす影響を可視化する顕著性マップを得られた.</p>
著者
恒川 充 岡 夏樹 荒木 雅弘 新谷 元司 吉川 昌孝 谷川 武
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
pp.4D3E205, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では,定期的な健診データを用いて生活習慣病の発症を予測する手法を提案する.レセプトデータを精査して疾病の発症を特定し,それらを教師あり学習のための正例として使用した.クラスバランスが不均衡なデータであるという問題に対処するために,アンダーサンプリングとバギングのアプローチを採用した.がん以外の生活習慣病が1年以内に発症するかどうかを予測することを目的とした.提案手法のprecisionとrecallはそれぞれ0.32と0.89であった.各検査項目に閾値を設定し,それらの論理和をとるというベースライン手法と比較して,提案手法はrecallを維持しながらより高いprecisionが得られることが分かった.これは,重症化しそうな対象者の見落としを増やすことなく,保健指導の対象者数を抑えることができるという点で意義がある.
著者
若宮 悠希 砂山 渡 畑中 裕司 小郷原 一智
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3F1OS12a03, 2018

<p>近年,SNSが広く普及したことにより,ネットワークを通じて様々な人間と気軽に交流を行えるようになった. 円滑な交流を行うためには,相手の性格を理解し,受け入れる必要がある. しかし,SNS上では文章のみのやり取りになるため,十分に理解することは容易ではない. そのため,文章の特徴から著者の性格を推定することができれば,その結果を元にして交流相手を理解することがより簡単となる. そこで本研究では,代表的なSNSのひとつである,Twitterユーザを対象として,ユーザがSNS上に投稿した文章集合から,ユーザの性格を深層学習を用いて推定した結果を利用者に提示するシステムを構築することを目的とする. 人間の性格を複数の構成要素から成るものとして,それぞれの要素について深層学習により分類ネットワークを構築し,推定システムを開発した. 各要素の推定結果に対して,複数人の協力により作成した正解データを元に評価を行った結果,高い適合率,再現率を示し,十分な妥当性を確認することができた.</p>
著者
守田 航大 角 薫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1I3OS10b3, 2015

<p> 本研究では、エージェントとユーザが対話することで履歴書を自動生成するシステムを提案する。面接官に扮したエージェントがユーザに対して質問をすることで自己分析の手助けとなり、ユーザの答えを記録することで履歴書に必要な情報を蓄積し、最終的に履歴書を出力する。このシステムにより、ユーザはより簡単に自身の長所や短所を把握し、就職活動に役立てることができる。</p>
著者
宇野 良子 小林 史幸 篠原 和子 小竹 佐知子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2P2OS18a2, 2017

<p>本研究は、米菓の食感認知を、オノマトペに着目した認知言語学的分析により解明する。特に、実際に米菓を食べる場合と想い浮かべるだけの場合(記憶)とで食感表現がずれる可能性とその原因を探る。実験では、実際に米菓を食べるときより、食べる経験を思い浮かべるときの方が同じ米菓がより硬く表現される観察を得た。ここから、食体験と食文化の記憶における拮抗を言葉から解明する手法を提案する。</p>
著者
梶並 知記
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.3K2NFC37, 2012

<p>本稿では,TETDMを用いて試作した,Twitter検索モジュール(ツール)「RelaTwi」と他のツールの連携によって行う,関連Tweetの探索や分析に関する試験的な一手法について報告する.本稿の目的は,入力されたプレーンテキストそのものの分析を主な想定利用法としているTETDMが,情報探索と分析が一体化したテキストデータマイニング支援システムとしても利用できる可能性を提示することである.</p>
著者
蔡 超 白松 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1J305, 2018

<p>近年、ウェブ議論システムやウェブアンケートの利用が頻繁になっている。そのため、特定の話題に興味を持つ議論参加者やアンケート被験者を、SNS上で発見したいというニーズが増加している。本研究では、ユーザ数の多いTwitterを対象として、特定の話題に興味を持つユーザを発見する手法を試作する。具体的には、あるキーワード群でTwitter検索をするとbotアカウントやスパムアカウントが多く出力されてしまう問題を解決するため、非個人ユーザフィルタリング手法を提案する。訓練データの作成時には、キーワードでの検索とハッシュタグでの検索という2回の検索結果を用い、個人ユーザと非個人ユーザのバランスを調整した。これを用いてSVMによる個人・非個人の分類モデルを学習し、F値0.93を達成した。</p>
著者
味方 さやか 小林 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.2D24, 2010

<p>大規模な災害発生時には、複数のライフラインが同時に被害を受ける可能性があり、人々の生活に多大な影響を及ぼす。そのため、早急に災害復旧を実現する計画が必要となるが、ライフライン同士は密接な関係を持っているため、復旧には複数の制約が生じ、それに合った復旧計画の作成は困難な問題である。 本研究では、最適化計算を用い、より効率良く複数の相互連関を持ったラフライン網の災害時復旧計画の作成を目的とする。 </p>
著者
味方 さやか 小林 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1A43, 2009

<p>家族のような生活共同体における集団生活では,共通のTODOタスクが発生する.それらのTODOタスクは家族の誰かが達成しなければならないものであり,家族員に負担をかけずに達成されることが望ましい.このことより,本研究では家族を取り上げ,家族員の個々の能力やスケジュールを考慮し,互いが協調することにより負担を軽減し,効率よくタスクを達成できるように振り分けがなされたスケジュールの作成方法を提案する.</p>
著者
佐藤 竜也 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.168, 2005

競合型共進化アルゴリズムの問題点であるFocusingの解決のため,遺伝子型/表現型空間での近さではなく,個体の振舞いの類似度を使って多様性を保つ適応度共有法を提案する.ナンバーズ・ゲームでの各手法の比較評価により有効性を確認した.
著者
五味 壮平 深田 秀実 吉田 等明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.105, 2008

ここのところ、mixiなどの巨大SNSとは別に、地域をベースとした、より小規模のSNS―地域SNS―が、全国各地で設置され、運営が行われるようになった。これらのSNSは、地域情報化のツールとして、地域活性化地域イメージの醸成、地域アイデンティティの確立などを支援するものとして期待されている。 本研究では、平成19年11月に運用が開始され、現在発展途上にある「もりおか地域SNS」を分析対象として、1)地域SNSによって醸成・共有されうる地域イメージとは、 具体的にはどのようなものか?2)地域SNSの構造や機能には、巨大SNSと比較して どのような特徴があるのか?ということについてアプローチする。これらの作業を通して、地域SNSがどのような役割を担いうるか、その可能性について考察する予定である。
著者
田中 とも江 エーニン プインアウン 神谷 直輝 石川 翔吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2H5NFC04c1, 2014

<p>生きる力を奪う拘束(身体/薬/言葉)が、ケア現場では大きな課題である.拘束の主要因となる排泄の問題に着目して、ケア現場における排泄ケアと拘束の関係性ついて示し、関係性を表現したネットワーク型知識映像コンテンツについて述べる.</p>
著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4C1OS27a05, 2018

<p>京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.</p>
著者
板谷 祥奈 張 凌雲 松村 真宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.4B1OS23a2, 2017

<p>試食販売は、返報性の原理により購買を促すマーケティング手法であるが、試食すると買わなければいけないという心理から逆に試食を避けてしまう消費者も多い。本研究では購買に至らなくとも売り手に別の方法で返報できる仕掛けにより、消費者の試食への抵抗感を軽減することを試みた。具体的には、試食後の爪楊枝を使って美味しかった商品に投票できるようにした。この爪楊枝の再価値化は試食を促進する効果があることが示された。</p>