著者
碇 浩一 海塚 敏郎 井上 豊久 亀口 憲治 横山 正幸 藤山 正二郎 と 廷良 イスラブル ユソフ アサン トホティサ 三本松 正敏 木舩 憲幸
出版者
福岡教育大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

1. ウイグル民族と日本の子どもの生活環境の比較研究分析・検討を教育学、心理学、障害児教育、社会教育、精神医学、文化人類学等の観点から行い、研究発表(日中教育文化研究会シンポジウム、家族心理学会、日本生涯教育学会等)及び研究成果(北大路書房「いじめのない世界」他)としてまとめた。2. 中国中央民族大学及びウイグル自治区新彊師範大学・新彊教育委員会からの研究者を日本(福岡)に迎え(平成10年11月4日から11月15日の12日間)、セミナーの開催、中国側の研究者を中心とした日本の子どもの生活実態調査を実施した.3. 日中両国の研究者による共同研究会及び共同作業により、子どもの生活環境に関する総合的分析を行った。4. 平成11年3月10日調査研究成果を、はじめにでは「子ども・家族・老人」,第1部では「幼老共生-ウイグル社会における乳幼児の養育環境-」など「子どもと老人」,第2部では「ウイグル民族と日本の中学2年生の生活環境の比較研究」など「ウイグル社会と子どもの生活」,第3部では「生活環境の変容から見た中国ウイグル族と日本の子どもの家族観」など「家族」,第4部では「パネルディスカッション・子どもと老人」など「研究会とシンポジウム」,付録・調査研究の経過では研究活動概要・研究業績・研究者名簿・統計資料・関連新聞記事を報告書にまとめた.
著者
井上 豊治 林 隆義 森 忠繁
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, pp.789-796, 1993-11-10 (Released:2008-04-21)
参考文献数
28
被引用文献数
4 4

In vitro effects of surfactants in common use as detergents and related compounds were investigated on the erythrocyte membrane and respiratory activity of rat liver mitochondria.The hemolytic activity of main surfactants tested was in the following order with the EC50 values less than 10mg·l-1 ; Neopelex F-25 (LAS), Spark (α-SF), Flake marseille (soap), LipolanPB-800 (AOS), standard soap (JIS K 3303) and SDS. There was weak hemolytic activity from the effect of Emulgen 108 (POEAE) and Emal 20C (AES). On the other hand, the mitochondrial respiration inhibiting activity (IC50) was strong in Flake marseille (5.5mg·l-1) and standard soap (6.8mg·l-1) and follwed by Emulgen 108 (26.0mg·l-1), Emal 20C (32.5mg·l-1), SDS (38mg·l-1), Neopelex F-25 (41.0mg·l-1), Spark (46.0mg·l-1) and Lipolan PB (>50.0mg·l-1). The regression equation between the EC50 (Y) and IC50 (X) values was Y=-0.1198X+2.345, the coeficient of correlation r=-0.0855, indicating little correlation between them. Present data certified the hemolysis inducing and respiration inhibiting effects of surfactants on erythrocytes and mitochondria. These suggest that this system is applicable as a convenient technique to assess the toxicity of environmental contaminants.
著者
吉田 絵美子 渋谷 孝博 黒川 千恵子 井上 豊 山本 善彦 宮崎 元伸
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.216-222, 2009-10-25 (Released:2009-11-07)
参考文献数
14
被引用文献数
1 6

テトラサイクリン系抗生物質はカルシウムなど2価の金属イオンとキレートを形成するため,厚生労働省通知の動物用医薬品一斉試験法を適用して定量することは困難であった.本研究では,エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA-2Na)を用い,カルシウム除去を行うことによって,一斉分析法においてテトラサイクリン系抗生物質を同時に定量する方法の検討を行った.試料からの抽出時にEDTA-2Naを加えることで,テトラサイクリン系抗生物質が一斉分析で測定可能となり,乳で65成分,ヨーグルトで70成分,生クリームで59成分,チーズで67成分,アイスクリームで60成分の動物用医薬品が回収率70~120%,変動係数 25% 未満,定量下限値は0.01 μg/g (S/N≧10) で定量可能だった.
著者
幸島 明男 池田 剛 井上 豊 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.37-44, 2006-11-09
被引用文献数
1

さまざまなセンサデバイスからのセンサ情報をどのようにして管理し,人間向けの具体的なサービスへと結びつけるかという問題は,依然として,状況に基づくサービスを実現する上で重要な課題となっている.本研究では,このような問題の解決に向けて,複数の異なるセンサ情報を統一的に管理し,高次のサービスと連携させる機能を提供するミドルウェアSENSORD (Sensor-Event-Driven ServiceCoordination Middleware) を提案する.SENSORDは,低次元のセンサデータを高速に解析するために,センサデータをその時空間情報とともに共有メモリ上に保持する機能を持つ.SENSORDは,ユーザが登録したルールに基づいて,非同期・同期的に蓄積されたセンサデータの評価を行い,ルールが適合する場合には対応するサービスを起動する.これらの機能を利用することで,ユーザは状況に基づくサービスを容易に実現することができる.本論文では,まず,状況に基づくサービスのためのミドルウェアに求められる機能について整理し,時空間情報管理とルールに基づくサービスに着目する.そして,そのような機能を提供するミドルウェアとしてSENSORDを提案する.最後に,SENSORDのアプリケーションとして,現在開発中の緊急時における屋内避難誘導システムについて述べる.How various kinds of sensor devices are handled, and how numerous 0lower-level sensor data are managed and integrated into higher-level context services are important issues to realize context-aware information systems. We have been developing Sensor-Event-Driven Service Coordination Middleware (SENSORD) to fill coordination gaps betweepn higher-level services and lower-level sensors. The SENSORD system obtains and stores sensor data into an in-memory data container to achieve fast, complex analysis of the sensed data. The facility of real-time analysis, which includes periodical evaluations of spatio-temporal conditions, enables application developers to outsource context-aware mechanisms. As described in this paper, we first examine middleware of context-aware services and our approaches. We then show the outline of SENSORD and an exemplary application: an indoor emergency response system in our laboratories. Preparing for emergency situations, such as fire emergencies, it manages sensor devices (thermometers, hygrometers, vision systems, microphone arrays, etc.) to detect emergent situations.
著者
井上 豊久
出版者
日本生活体験学習学会
雑誌
生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-28, 2006-03

研究では質問紙調査と重ね合わせ、子どもの生活を変容させることで学びを変容させようという取り組みのモデル事業を実施・検討した。具体的には昼休みを中心とした遊びを充実させることで人間関係づくりの能力や学ぶ意欲を増大させようとしている福岡県F小学校(1学年2クラス)、子どもの生活をメディアとのよりよい関係づくりを基本に変容させていくことで学びも変えていこうという埼玉県A小学校(1学年3クラス)等に関するものである。本研究では最初にテーマの概観を文献研究により行い、次に質問紙調査による学習理解度に関する分析とインタビュー調査による具体的なケース・過程を考察することにより今後の学びの変革への現実的な提案を示した。具体的に検討した内容としては1つは、子どもの生活と学びに関する経緯と課題を明らかにした。2つ目は質問紙調査結果を基に因子分析による総合的考察、学習理解度と子どもの生活意識・自己イメージとのクロス分析から子どもの生活と「学び」の構造を明確にし、最後にインタビュー調査から子どもの生活や学びの変容過程に関する試行的考察を行い、子どもに対する遊びやメディアとの主体的な関係づくりの取り組みの有効性及びその課題を動的に把握した。
著者
井上 豊志郎
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.59-66, 1997-02-25 (Released:2009-09-15)
参考文献数
14
被引用文献数
11 13

極軌道衛星NOAAに搭載されているSplit Wiondowを用いて、西太平洋における昼と夜での雲型別雲量のちがいについて調査した。Split Windowでは氷晶で構成されている光学的に薄い巻雲型の雲と光学的に厚い積雲型の雲を分類することができる。この研究では光学的に薄い巻雲型の雲はさらに輝度温度で温かい巻雲型と冷たい巻雲型の2つに、また光学的に厚い積雲型の雲も輝度温度で積乱雲型と下層の積雲/層積雲型の2つに分類した。ISCCPの解析結果との比較から温かい巻雲型、冷たい巻雲型、下層の積雲/層積雲型と積乱雲型の光学的厚さの平均値はそれぞれ2.2,7.4,15.3および33.7であることが分かった。Split Windowで分類される雲型別雲量の昼と夜のちがいを、個々の対流システムとしての台風についてと、熱帯海洋域での緯・経度20°×30°の広い領域について調査した。積乱雲型、温かい巻雲型および下層の積雲/層積雲型の雲量は地方時2:30頃の夜間に多い傾向を示した。それに対し、冷たい巻雲型の雲量は地方時14:30頃の昼間に多い傾向を示すことが分かった。
著者
星田 裕司 岡 稔之 大塚 直哉 永松 良仁 井上 豊 坂元 宏聡
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2015-AVM-91, no.1, pp.1-6, 2015-11-26

毎日放送では,2014 年 4 月に本館に隣接する新館の運用を開始し,その約 1 年後の 2015 年 4 月 20 日より新館のテレビマスター設備から放送を行っている.新マスター設備は,マスター送出設備,番組バンク設備,CM バンク設備,ダイレクト送出設備等から構成されている.また,監視者の負担を軽減しながら,より精度の高い監視が行えるよう様々な自動監視装置を導入する事で,安全で信頼性が高い放送を実現している.
著者
林 純子 金子 和幸 井上 豊仁 下村 和則 横瀬 勝美 廣瀬 英晴 西山 實 黒田 隆
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.279-286, 2004-07-25 (Released:2018-04-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

市販石膏溶解剤12製品を組成分析(IR, WDX, TG-DTA)して主成分を同定するとともに,石膏浸漬前後での溶解剤のpH変化,浸漬時間による溶解量を測定した.石膏溶解剤の主成分はN-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N, N', N'-三酢酸三ナトリウムである可能性が高かった.溶解剤の固形分含有率は10.4〜31.8%であった.未使用の石膏溶解剤のpHは,10製品で8〜9を,2製品で13以上を示した.普通石膏硬化物の溶解率は,浸漬時間の増加に件い増大し,pH8〜9の10製品では浸漬2〜3時間で100%を示したが,pH13以上の2製品では浸漬3時間で14.3〜37.4%であった.
著者
鳥海 勲 竹内 吉弘 大場 新太郎 堀家 正則 井上 豊 馬場 研介
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.373-378, 1990-09-24 (Released:2010-03-09)
参考文献数
5
被引用文献数
4 4

Seismic wave records at the surface of sedimentary plain are mainly composed of main phase and surface waves. The informations of input wave record in base rock and S wave velocity distribution to base rock are enough to consider the main phase. And moreover the informations about underground structure to bed rock of all sections of plain are necessary to discuss surface wave which travels from surrounding rock range to observation point. For this items of the Osaka plain, there were some crumbs of informations. In 1988, we tried two explosions at a manmade “Hokko” island in Osaka bay. This paper shows the results: five ground structures and a countour map of depth to base rock of the Osaka plain.
著者
南里 悦史 猪山 勝利 井上 豊久 永田 誠
出版者
日本生活体験学習学会
雑誌
生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.81-87, 2004-01-30 (Released:2009-04-22)

本研究では、ドイツ・スウェーデンにおける生活体験学習の基本状況の概観とともに、平成2002年度の科学研究費による視察研究結果を示し、現時点でのドイツ・スウェーデンにおける生活体験学習の現状と課題について検討した。視察した事業は1. フィフティ・フィフティプログラム(ハンブルク) 2. 生物と環境教育センター(ハンブルク) 3. 子どもと有機農業プロジェクト(ハンブルク近郊) 4. ドイツの環境教育プロジェクト(ハンブルク) 5. 保育園での「ウォーレ・オックスキュール」(ヨーテボリ) 6. 野外教育推進協会(ヨーテボリ)、の6事業である。ドイツ・スウェーデンにおいては日本の生活体験学習そのものの事業はみられなかったが、体験学習全般に関して日本との比較研究から、1. 体験に基づく自己管理的な危機管理学習の重視、2. 体験活動のサイクルとして、計画・実施・評価、特に評価における振り返り・気づき・次回へのフィードバックの体系的組み入れ、3. 自己決定性を重視した自立への意図的な体験学習支援の視点の徹底、といった3点が顕著であった。
著者
井上 豊志郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.59-66, 1997-02-25
被引用文献数
1

極軌道衛星NOAAに搭載されているSplit Wiondowを用いて, 西太平洋における昼と夜での雲型別雲量のちがいについて調査した. Split Windowでは水晶で構成されている光学的に薄い巻雲型の雲と光学的に厚い積雲型の雲を分類することができる. この研究では光学的に薄い巻雲型の雲はさらに輝度温度で温かい巻雲型と冷たい巻雲型の2つに, また光学的に厚い積雲型の雲も輝度温度で積乱雲型と下層の積雲/層積雲型の2つに分類した. ISCCPの解析結果との比較から温かい巻雲型, 冷たい巻雲型, 下層の積雲/層積雲型と積乱雲型の光学的厚さの平均値はそれぞれ2.2, 7.4, 15.3および33.7であることが分かった. Split Windowで分類される雲型別雲量の昼と夜のちがいを, 個々の対流システムとしての台風についてと, 熱帯海洋域での緯・経度20゜×30゜の広い領域について調査した. 積乱雲型, 温かい巻雲型および下層の積雲/層積雲型の雲量は地方時2:30頃の夜間に多い傾向を示した. それに対し, 冷たい巻雲型の雲量は地方時14:30頃の昼間に多い傾向を示すことが分かった.
著者
池田 剛 井上 豊 山本 潔 幸島 明男 山下 倫央 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.187-193, 2008-02-27

環境内に設置されたセンサーノードを用いて人や環境の物理的状態を見守るシステムにおいて,無線センサーネットワークの構成手法,すなわち通信方法・通信プロトコルの設計,ハードウェアとソフトウェアの役割分担,省エネルギー設計などは重要な問題である.しかしながら,多くの既存ノードデバイスは汎用的機能を重視しているために,必ずしも実環境に適応した設計がなされていないこともある.そこで本研究では,ComPassと呼ばれる無線センサーネットワークシステムを提案する.ComPassノードデバイスはシンプルな構成の微弱無線通信モジュールであり,たとえば屋内空間での位置推定などのアプリケーションを想定し,実環境において実用に供することを目標に設計されている.すなわち,乾電池駆動も可能な低消費電力であり,かつ,シンプルな構成によって低コスト化も図っている.一般に低コストのハードウェアでは信号ビットレートの自動認識やデータ補正などは困難であるが,ComPassノードではこれらの処理の一部をソフトウェアにて実装することによりハードウェアの単純化とコストの削減を実現した.本稿ではまず無線センサーネットワークと関連研究について述べた後,ComPassノードのハードウェア概要について述べる.そして,次にComPassノード間の通信プロトコル,プロトコルスタック,無線送受信処理などの組み込みソフトウェアのアーキテクチャーを示す.最後にComPass無線センサーネットワークシステムを適用した,スマートフォン上での屋内自律型測位システムについて述べる.In development of the system that watches over humans and physical statuses using numerous wireless sensors, it is important how to design the sensor nodes and how to construct networks of the nodes. Although many studies of wireless sensor networks have been proposed before, most of the studies focus on designs of general-purpose sensor networks. Thus, facilities of the nodes are redundant and not always suitable for an environment where it requires low cost and low power consumption networks. Rethinking practical use of the sensor networks, we propose an extremely low power wireless sensor network system called ComPass. It is designed for practical application services in everyday environments, such as indoor position estimating services. A ComPass node device realizes automatic bit rate detection and data complementation by software so as to achieve simplification and cost reduction of the device. In this paper, first, we describe overview of the wireless sensor network and related works. Second, we descr be ComPass, hardware of the node and software architecture: communication protocol, protocol stack and wireless transmission processing. Last, we describe a practical indoor position estimating system as an application of the ComPass system.
著者
池田 剛 井上 豊 山本 潔 幸島 明男 山下 倫央 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.187-193, 2008-02-27

環境内に設置されたセンサーノードを用いて人や環境の物理的状態を見守るシステムにおいて,無線センサーネットワークの構成手法,すなわち通信方法・通信プロトコルの設計,ハードウェアとソフトウェアの役割分担,省エネルギー設計などは重要な問題である.しかしながら,多くの既存ノードデバイスは汎用的機能を重視しているために,必ずしも実環境に適応した設計がなされていないこともある.そこで本研究では,ComPassと呼ばれる無線センサーネットワークシステムを提案する.ComPassノードデバイスはシンプルな構成の微弱無線通信モジュールであり,たとえば屋内空間での位置推定などのアプリケーションを想定し,実環境において実用に供することを目標に設計されている.すなわち,乾電池駆動も可能な低消費電力であり,かつ,シンプルな構成によって低コスト化も図っている.一般に低コストのハードウェアでは信号ビットレートの自動認識やデータ補正などは困難であるが,ComPassノードではこれらの処理の一部をソフトウェアにて実装することによりハードウェアの単純化とコストの削減を実現した.本稿ではまず無線センサーネットワークと関連研究について述べた後,ComPassノードのハードウェア概要について述べる.そして,次にComPassノード間の通信プロトコル,プロトコルスタック,無線送受信処理などの組み込みソフトウェアのアーキテクチャーを示す.最後にComPass無線センサーネットワークシステムを適用した,スマートフォン上での屋内自律型測位システムについて述べる.In development of the system that watches over humans and physical statuses using numerous wireless sensors, it is important how to design the sensor nodes and how to construct networks of the nodes. Although many studies of wireless sensor networks have been proposed before, most of the studies focus on designs of general-purpose sensor networks. Thus, facilities of the nodes are redundant and not always suitable for an environment where it requires low cost and low power consumption networks. Rethinking practical use of the sensor networks, we propose an extremely low power wireless sensor network system called ComPass. It is designed for practical application services in everyday environments, such as indoor position estimating services. A ComPass node device realizes automatic bit rate detection and data complementation by software so as to achieve simplification and cost reduction of the device. In this paper, first, we describe overview of the wireless sensor network and related works. Second, we descr be ComPass, hardware of the node and software architecture: communication protocol, protocol stack and wireless transmission processing. Last, we describe a practical indoor position estimating system as an application of the ComPass system.
著者
井上 豊 池田 剛 山本 潔 幸島 明男 山下 倫央 麻生 英樹 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.195-202, 2008-02-27

本論文では,衛星測位システムが利用できない場所,特に屋内での自己位置を推定するためのシステムを用いた実証実験について報告する.近年,カーナビゲーションシステムや携帯電話ナビゲーションシステムなどの衛星測位システムを用いた位置情報サービスは広いユーザー層に利用されており,産業の発展や市民の生活になくてはならないものとなりつつある.しかし,この衛星測位システムによって得られる位置情報は,基本的に人工衛星から測位信号を受信可能な屋外でのみ利用することが可能な情報であるため,屋内でのナビゲーションサービスには利用することができない.そこで,衛星測位システムを利用できない屋内での位置情報を提供するための微弱無線ビーコンを用いた屋内自己位置推定技術,さらにはカーナビゲーションシステムや携帯電話ナビゲーションサービスのように,利便性の高いサービスを商業施設や住居施設などの建物の中でも利用できるようにするための屋内ナビゲーションシステムを開発した.この屋内施設における自己位置推定技術,およびその技術を応用したナビゲーションサービスの実現性および有効性を検証するために大規模商業施設での実証実験を行った.In this paper, we describe demonstration experiments using an autonomous positioning system to estimate self-position in indoors, where is impossible to receive GPS signal. In recent years, position information systems using GPS, such as car-navigation system and portable navigation system, are used for many users. These systems contribute to development of industry and relieve civil life. However, since position information calculated using GPS signal is available only in the place which is possible to receive the satellite signals, GPS cannot be used for routing guidance in indoor environments. Then, we developed an indoor autonomous positioning system using extremely low power radio wave beacon devices to provide position information in indoors. Moreover, we developed an indoor navigation system to provide convenient service like car-navigation system and portable navigation system which can be used also in commercial architecture or office building. We carried out the demonstration experiments in large-s ale indoor commercial facilities, in order to evaluate usability of the navigation service which is application of the autonomous positioning technology, and availability of the indoor positioning technology.