著者
阿部 敬由 豊浦 正広 茅 暁陽
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.131-134, 2012-03-09

我々は,指定した画家のスタイルを写真に転写する手法を提案する.提案手法によって,その画家が描いたような絵画調画像を写真から生成できる.写真が入力として与えられると,まず,指定した画家のデータベースから,入力した写真と似た構造を持った絵画が探索される.探索には,人間がシーンの大まかな構造を知覚するのに利用しているとされるGIST特徴量を用いる.次に,探索された絵画の色遣いと筆使いを入力写真に転写することで,その画家のスタイルを反映した絵画調画像を生成する.この提案手法では,写真と画家を指定するだけで,画材や技法を意識することなく,自動的にその画家のスタイルの絵画調を生成することができる.
著者
小田 和也 小林 寛和 竹村 和彦 竹内 豊 山田 哲生
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.25, pp.17-20, 2003-03-28
被引用文献数
13

我々は、1つのマイクロレンズ下に感度の異なる2つのPDを配置した全く新しい構造のCCDを新規に開発した。2つのPDはそれぞれ、高感度PDと低感度PDとして独立に機能しこの情報を専用の信号処理を行う事で、今まで、部分的に明るすぎて白飛びしていた撮影シーンなどにおいて、従来再現域に対して約4倍の明るさまでの情報を低感度PDで再現できるようにした。特に逆光シーンやハイコントラストシーンなど今までDSCの苦手だったシーンを克服し、撮影領域を拡大した新しいコンセプトの第4世代スーパーCCDハニカムの開発したので報告する。
著者
森中 康弘 菰淵 寛仁
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.7-11, 2001-01-26
被引用文献数
2

高速撮像に適した8チャンネル並列読み出しCCDを開発した。撮像領域を短冊状の8つのブロックに分割し、各々のブロックをそれぞれ独立のアンプから読み出す。VCCDの隣にPD(フォトダイオード)のない領域を作り、VCCDの最終段に配置したHCCDにかけて絞り込む。そそて、VCCDの絞込みによって生じたスペースに読み出しアンプとその周辺回路を配置する。これによりアンプ間特性の均一化を図ることができる。VCCDの高速転送のために裏打ち配線構造を導入し、VCCDの折れ曲がり構造に対しては3次元のデバイスシミュレーションにより構造最適化を行った。セルサイズを11.5μm×11.5μmで設計し、またVCCDの絞込み構造によりアンプをFDAに最隣接させることで、高ダイナミックレンジを実現した。
著者
川嶋 稔夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.32, pp.21-28, 2011-07-26

資料をディジタル記録に変換して保存活用する取り組みであるディジタルアーカイブは,資料活用が容易でかつ原資料にダメージを与えないという利点を持っている.筆者らの住む函館は,江戸末期に開港した都市の一つであり,文書に加えて印刷図像や写真で記録された資料が豊富である.われわれは2007年よりこれらの地域資料のディジタル化に取り組み,インターネットを介して公開するプロジェクトを進めてきた.この講演では,われわれの取り組みを紹介するとともに,われわれのプロジェクトの特徴である,文化財の高精細画像の撮影と公開の現状と,記憶を将来に残す試みとしての共同観賞について紹介したい.
著者
古宮 直明 山田 努 神野 浩
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.42, pp.63-64, 2000-07-10

SID00が、2000年5月14日〜19日の間、米国カリフォルニア州ロングビーチで開催された。有機EL関連の発表は、4つのセッションとポスターセッション・セミナーで発表があり、各セッションとも盛況であった。また、オーサーズインタビューや併設された展示会においても各機関より有機ELディスプレイの展示があった。その中では、三洋電機とKodakより展示された2.4インチと5.5インチフルカラーのディスプレイと半導体エネルギー研究所よりオーサーズインタビューで展示されたデジタルドライバ内蔵の0.7インチと4インチのモノカラーVGAパネルが多くの来場者の関心を集めた。
著者
成見 淳 小栗 裕二 深谷 志保 安藤 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.1-6, 1999-01-22
参考文献数
3
被引用文献数
5

In November 1998, the world's first HDTV pictures from space were successfully taken aboard the space shuttle that carried the American hero, Senator John Glenn, and Japanese astronaut, Chiaki Mukai. Various special measures were required to prepare the HDTV camera, with its built-in VCR(HDCAM), for use in the space invironment of the shuttle, in order to satisfy all of the safety standards set by NASA. The HDTV pictures taken in outer space show cliar and detailed images of clouds and geographical reatures of the earth and have been widely acclaimed for their high scientific value. The achievement has expanded the proven possibilities of HDTV as a part of the visual infrastructure of the 21st century space age. We introduce the HDTV images taken in outer space and also present some technological topics related to this achievement.
著者
筒口 拳 デュッペンターラー マーク 小島 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.23, pp.41-44, 2011-06-13
被引用文献数
1

動画像のベクトル化を実現する手法を提案する.初期フレームを静止画像としてBezierパッチによるベクトル化を行い,Bezierパッチを構成する頂点/制御点を以降のフレームで追跡し,各パッチおよびその時間変化を,空間座標値と時間座標値,および色値を持つ4次元空間上のBezier立体として表現する.隠蔽のない被写体を撮影した動画像に対し本手法を適用した結果を示す.
著者
田口 誠 村山 研一 古田 浩之 高田 政幸 濱住 啓之 澁谷 一彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.32, pp.43-46, 2009-07-30
参考文献数
5
被引用文献数
6

緊急地震速報とは、地震直後の小さな揺れをとらえて大きな揺れの前に震度や震源などを予測して発表する気象庁のサービスである.NHKでは,気象庁からの緊急地震速報を放送番組の中で自動送出している.日本の地上デジタル放送の伝送方式には、映像や音声などの本線信号を送るキャリア以外にAC(Auxiliary Channel)と呼ばれるキャリアがある.このACは、映像符号化やインターリーブの処理を行わないため遅延時間が少なく,DBPSK変調を用いていることから雑音や干渉に強い特長がある.今回、部分受信セグメント(ワンセグ)内のACを利用して緊急地震速報を伝送する方式の検討を行い,雑音やフェージング環境におけるワンセグACの伝送特性をシミュレーションと実験により評価した.
著者
宮原 耕介 藤井 彩人 齊藤 久志 藤原 徹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.31, pp.49-52, 2011-07-21

日本テレビは2010年の8月21日に巨人戦の生中継の制作を初めて3Dで行った。3Dカメラを用いた立体的な映像のみならず、得点や守備図などの画面表示も3DCGを制作した。画面表示の送出は新たに開発した3D立体映像送出機を用い、デザインやアニメーションも3D映像に適した演出にして新規制作した。中継は「スカチャン3D169」で放送され、東京ドームや新宿で行われたパブリックビューイングにおいても多くの方が3Dメガネをかけて中継を楽んだ。
著者
細貝 彩乃 橋本 直己 佐藤 美恵
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.79-82, 2013-02-09

近年,プロジェクタの高輝度化により,屋外で建物に対して映像を投影するプロジェクションマッピングが注目を集めている.プロジェクションマッピングでは,高価で高輝度なプロジェクタを複数用い,目視によって幾何や色の調整をしている.この作業には多くの時間を要するが,変化する環境光に対応できない.そこで本稿では,投影像から投影面の影響を軽減する動的輝度補正を付加したプロジェクションマッピングについて検討する.
著者
鈴木 啓祐 田野 俊一 市野 順子 橋山 智訓 三木 健司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.19-22, 2010-03-01

本論文では,AR技術を用いた手術支援システムを提案する.本システムによる支援は,術中の超音波診断における医師の認知的負担を軽減することを目的としている.そのために,超音波診断と従来手法の問題点から手術室で利用可能という条件を分析し,カメラとマーカー1対のみで3次元位置計測をするシステムを設計した.そして,本設計を実現するために,簡単なインタラクションを導入した.これにより,実際の臓器の上に超音波検査画像から生成した臓器の解剖学的構造を映し出す機能を実現した.また,本システムの有効性を確認するために,現職の外科医によるプロトタイプ使用実験を行い,3次元位置計測の安定性や機能の有効性を確認した.
著者
吉田 育弘 山本 洋一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.54, pp.25-29, 2000-09-22

人間の視覚系の順応特性を考慮した、反射型液晶のカラーマネージメントについて検討した。反射型液晶は環境光を光源として用いるから、環境光が変化すると反射型液晶に表示される色彩の測色値も変化する。しかしながら、この測色値が等しくなるように補正したとしても、人間の視覚系の順応特性のために同じ色には見えない。そのため、環境光の変化に依存せず、反射型液晶から一定の色の見栄が得られるようにするためには、この視覚系の順応特性をモデリングしてディスプレイシステムに組み込む必要がある。この論文では、環境光の変化に応じた反射型液晶の色の見栄の変化を調べた主観評価結果と、フォン・クリースの色順応モデルを用いたカラーマネージメントモデルを、どのようにしてディスプレイシステムに組み込むかに付いて述べる。
著者
小泉 利明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.18, pp.25-30, 2013-03-14

進学率の高まりの中で,就職率という数字に大学キャリア支援センターは左右されている。また,社会的にも就職活動におけるうつや自殺という問題が生じている。準ひきこもりやキャリア発達の未分化という問題を抱えながら学生自身も就職活動を進めている。このような状況の中で,就職率だけではなく学生の自己効力感を高めるキャリア教育とキャリア支援が求められている。
著者
猿渡 章太郎 胡 振程 Feraud Thomas
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.5-8, 2013-01-23
被引用文献数
1

SLAMとは自己位置を計測しながら障害物マップを作ることであり,ロボットや自律走行分野に広く応用されてきた.従来ではジャイロセンサーや車速センサーを等の手法が主流であるが,タイヤの空回りやスリップに対応できないため,近年画像処理に基づいたVisual SLAMの手法が注目を集めている.本研究では,複数台のカメラを接続した全方位カメラから取得した画像を用いたVisual SLAMを提案する.この手法は単眼カメラより範囲が広く,曲面ミラーを用いた全方位カメラより使える部分が多い画像を用いることでより正確な自己位置の計測を可能にしている.
著者
松島 立弥 渡辺 大地
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.31-34, 2013-03-08

ドット絵はコンピュータグラフィックスの描写表現の1つである.低解像度でもキャラクターや物体の概要を視認可能な画像を指し,古い手法ながら近年でもビデオゲームなどに用いられている.ドット絵はキャラクターや物体のアニメーション表現を行うことが多いが,アニメーション表現を行うには多くの画像の制作が必要となる.そのため,近年では3Dモデルをプリレンダリングし,ドット絵の下書きとして用いる事例が増えてきた.しかし,低解像度のドット絵制作において,既存の手法では出力結果への修正が必要になる.本研究ではドット絵の輪郭線に着目し,3Dモデルを用いてドット絵制作に適した画像を生成する手法を提案する.
著者
岸 啓補 三枝 太 森島 繁生
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.12, pp.67-74, 1998-02-20

サイバースペースにおける仮想人物の合成やコミュニケーションシステムの実現にむけ、コンピュータグラフィクスによる人物画像合成等が注目を集めている。本稿では、特に人物のCGの中でも合成が難しいとされる頭髪の表現方法について述べる。人物画像において頭髪は視覚的に重要であるにも関わらず、簡単な曲面や背景の一部で代用されることが多い。頭髪を一つの物体として扱い、マッピング技術を用いて表現する手法が成果をあげているが運動の表現は不可能である。そこで頭髪をテクスチャを用いずに空間曲線を用いて作成する。頭髪の部分的な集まりである房をモデル化することで簡略化したヘアスタイルデザインシステムを提案し、房をモデル化する手法、レンダリング手法について述べ、実際にこのヘアスタイルデザインシステムを用いて作成した頭髪画像を示す。
著者
今村 浩一郎 濱住 啓之 渋谷 一彦 佐々木 誠 大和田 雄之 佐伯 暖 金井 隆夫 福原 黎児 高瀬 徹 川瀬 克行
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.43, pp.17-22, 2000-07-27
被引用文献数
15

地上デジタル放送におけるSFNを放送波中継で実現する場合、中継放送所の送受アンテナ間の回り込みによる発振や信号の劣化が大きな問題となる。この回り込み対策として、回路的に回り込みを打ち消す回り込みキャンセラ、ならびに、低サイドローブ特性を有する平面受信アンテナの開発を行っている。本報告では、平成12年3月に近畿地区の地上デジタル放送研究開発用共同利用施設である北淡垂水中継局を用いて行ったSFNでの放送波中継実験の結果について述べる。この実験において、回り込みキャンセラと低サイドローブ受信アンテナを併用することで、回り込み波の受信電力が親局波と同程度の厳しい条件下でも、安定に中継できることを確認した。
著者
真野 航 齋藤 豪
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.55, pp.25-28, 2013-11-29

セルアニメーションにおけるキャラクタは、非現実的な動作や変化といった現実の人間とは異なった描画のされ方をしている。しかし、その描画は視聴者に大きな違和感を与えない場合が多い。すなわち、ただ単純に3DCGモデルを画面に投影したものとは異なるが、見る者に違和感を与えないような描画のされ方をしている。本稿ではキャラクタの振り向き動作時の顔の描画の分析をするために作成した、フレーム毎に顔の各要素の特徴点位置を記録するプログラムについての報告と、要素間の距離変化の分析の報告を行う。