著者
真野 航 齋藤 豪
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.25-28, 2013

セルアニメーションにおけるキャラクタは、非現実的な動作や変化といった現実の人間とは異なった描画のされ方をしている。しかし、その描画は視聴者に大きな違和感を与えない場合が多い。すなわち、ただ単純に3DCGモデルを画面に投影したものとは異なるが、見る者に違和感を与えないような描画のされ方をしている。本稿ではキャラクタの振り向き動作時の顔の描画の分析をするために作成した、フレーム毎に顔の各要素の特徴点位置を記録するプログラムについての報告と、要素間の距離変化の分析の報告を行う。
著者
後藤 智英 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.1-4, 2010-03-12

本論文は,コンピュータグラフィックスにより現実感のある滑雪シーンを生成する手法を提案する.具体的には,屋根雪の落滑雪を,滑雪開始,滑雪中,雪の分割,滑落中,滑落後の5つのステップに分け,それぞれのステップごとに調査・研究文献データをもとに雪の動きを算出した.さらに,中点変位法やポイントスプライト技術を用いて雪を表現することで,屋根の上に積もった雪が滑雪し地面に衝突するまでの一連の動作の滑雪シミュレーションを実現した.このとき,屋根,家形状,雪質および気温の各パラメータを任意に与えることにより多様なリアルタイムでの滑雪シミュレーションを可能とした.
著者
仮屋崎 拓 後藤 富朗 平野 智 桜井 優
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.33, pp.9-12, 2009-08-03

ワンセグ放送では,伝送帯域が狭いため画像を高圧縮する必要があり,動画像圧縮規格であるH.264を用いて符号化されている.そのため,復号後の画像にはブロックひずみが混入してしまう.H.264ではブロックひずみを低減するためにデブロッキングフィルタが採用されている.しかし,このデブロッキングフィルタは画像の鮮鋭感を損なわせるという問題がある.そこで,本研究ではウェーブレット変換を用いたブロックひずみ低減手法を提案し,画像の鮮鋭感を損なうことなく,より効率的にブロックひずみを低減する.
著者
木村 達人 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.187-188, 2012-03-09

多摩川の岩石の表面を少しずつ削り、ディジタルカメラで1枚1枚コマ撮りしたアニメーションです。
著者
伊藤 達明 中村 幸博 手塚 博久 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.37, pp.81-86, 2009-09-24

放送やネットワークの高度化に伴い,視聴者は自宅に居ながら様々な番組を視聴できるようになった.その一方で,TV番組の選択肢も増えるため,大量の番組の中から視聴者の嗜好にあった番組を見つけ出すための仕組みが求められている.本稿では,それらの問題を解決するために,ユーザの嗜好を内在し,多様な情報が継続的に更新されるという特徴をもつライフログを活用したTV番組レコメンドシステムを提案する.さらに,TV番組の視聴履歴に加え,滞在地履歴やWWW閲覧履歴といったライフログを活用することで,TV番組レコメンドにおいて発見性や満足度を向上させ得ることを検証するため,提案手法に基づくプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行う.
著者
高橋 友美 大島 俊 山脇 大造
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.45, pp.1-6, 2008-10-22

1Gbps以上の高データレートが必要な次世代無線アプリケーションには,数100MS/s以上の高サンプルレートと有効分解能10b以上の高分解能を,低消費電力で実現するADCが求められている。このためのアプローチとして,デジタルキャリブレーション型ADCが注目を集めている。本報では,TDD方式の無線送受信機向けRF-ICへの搭載に適したフォアグランドキャリブレーション型ADCを提案する。マクロベースシミュレーションにより提案するキャリブレーション方式において,高い収束能力で高精度にA/D変換できることを実証したので報告する。
著者
吉田 倫子 浜屋 敏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.51, pp.11-14, 2010-11-19

野中(1990)がSECIモデルをもって知識移転のプロセスを理論化して以来、多くの企業、とりわけ製造業にとって、ミクロレベルでの暗黙知と形式知の長期的継続性のある継承を、組織内、部署内でいかにして定着付けていくかは非常に大きな関心事となった。本論では、2009年に企業A(国内・製造業)で実施された従業員満足度測定のデータを用いて、従業員の視点からどのようなSECIの循環が見られるのかを検証した。その結果、全サンプルではSECIの循環が見られるものの、部門別の推計ではそれぞれの違いが確認できた。
著者
篠原 諒 村田 英一 吉田 進 山本 高至 梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.25-28, 2013-02-13

周波数利用効率を向上させる技術として提案されているマルチユーザMIMO伝送を行うシステムをハードウェアで実装し実験的に検討を行っている.屋内環境におけるマルチユーザMIMO伝送実験の研究は報告されているが,屋外環境における伝送実験の報告は少ない.マルチユーザMIMO屋外伝送実験を行うためにUSRP (Universal Software Radio Peripheral)を用いて移動端末を試作した.USRPはソフトウェア無線端末の一種であり,安価に入手可能かつ小型であるため,持ち出しが容易な移動端末が複数台必要なマルチユーザMIMO屋外伝送実験に適している.USRPの制御には汎用OSを搭載したPCと専用のドライバであるUSRP Hardware Driverを用いた.本稿では,移動端末の試作,特に周波数安定性や送受信タイミング管理,EVMにより評価した伝送特性を含む諸特性について述べる.
著者
大竹 亘 岩橋 政宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.54, pp.9-12, 2009-12-03
被引用文献数
3

リフティング構成された2点回転変換は、信号値や乗算係数値の有限語長化にも拘わらず、信号の可逆再生が保証されており、ロスレス符号化として広く応用されている。回転変換の係数値は、回転角度により一意に決定されるが、リフティング構成された場合、係数値が分母を持つ。このため、回転角度によっては分母が零となる。このような特異点の付近では、有限語長化による丸め誤差が、変換の内部で大幅に増幅される問題がある。以前我々は、RGB3色に対する主成分分析(あるいはKLT)を例として、信号の入力順と出力順を置換することで、3点回転変換における特異点問題が回避され、丸め誤差を低減できる方法を提案した。本報告では更に、2点回転変換に対する信号置換ならびに符号置換を導入することで、より一層の誤差低減が可能となることを示す。4種類の標準画像に対する実験の結果、誤差の分散が従来法に比べ平均26.6[%]程度低減できることが確認された。
著者
和田 剛明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.48, pp.29-34, 2009-11-06

イノベーションには「活用」と「探索」の二つのパターンが存在する。企業の長期的な成長のためには、この両者のバランスをとることを求められるが、短期の効率性の観点から、活用が過剰に選択される傾向にある。この活用を選択しようとする圧力から逃れるには、社内ベンチャーなどの独立した組織に探索的なイノベーションを取り組むべきとされる。しかし、製品開発レベルにおいての対応を考えた時に、人材や資源には制約がありかつ固定的であり、独立的な組織を別途立ち上げたり、解散させたりすることは難しい。本報告要旨では、国内家庭用ゲームソフトメーカーにおける、内製と外部開発企業の資源利用による対応を紹介する。
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.30, pp.49-52, 2012-07-12
被引用文献数
1

ハイビジョ映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている.このミリ波モバイルカメラは,42-GHz帯電波と複数の送受信ダイバーシティ技術を用いて伝送容量や回線信頼性の向上を実現しており,ゴルフ中継などの屋外中継や,紅白歌合戦などの屋内撮影で数多く使用されている.今回,屋内および屋外の実撮影環境におけるミリ波モバイルカメラの伝送テストを通して4系統の受信IF信号を連続記録し,伝搬特性の解析を行った.そして,屋内および屋外の実撮影環境における伝搬特性について,それぞれ定量的評価を行ったので,報告する.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.35-38, 2011-02-18
被引用文献数
2

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている。この開発には、カメラから副調整室に撮影映像を無線伝送する「本線伝送」と副調整室からカメラにカメラ制御信号や確認用映像を無線伝送する「送り返し伝送」の実現が必要となる。今回、42GHz帯電波と複数の送信アンテナを用いるSTBC伝送技術を適用して高い回線信頼性を実現した42GHz帯送り返し伝送システムを開発し、送り返し用ハイビジョン映像や双方向通信が必要なカメラ制御信号の無線伝送、ハイビジョンカメラのゲンロック同期およびインカム通信を実現した。また、開発した42GHz帯送り返し伝送システムは第61回NHK紅白歌合戦の撮影に使用され、安定した送り返し無線伝送に成功した。
著者
松本 大輔 青木 輝勝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.52, pp.17-20, 2011-12-05

高精度のアダルトアニメフィルタリングシステムを実現するためには、複数の特徴量を組み合わせてフィルタリングシステムを構成する必要があり、そのために、利用しうる新たな特徴量を提案していくことが重要になる。本稿では、アダルト情報を含むアニメに当てはまる性質に基づき、新たな特徴量として"同一輝度値を持つ画素の割合"を利用することを提案する。フレームの画素値をヒストグラム化することによりこの特徴量を記述し、閾値処理を施すことによってアダルト映像の判定を行うパラメータとする。映像ソースを利用した実験により、提案した特徴量がアダルトアニメフィルタリングに有用な特徴量であることを示し、更に複数の特徴量を組み合わせることによってより精度良くアダルトアニメを検出できるということを示す。
著者
松尾 堅太郎 三好 正之 濱田 剛 柴田 裕一郎 正田 備也 小栗 清
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.201-206, 2009-02-04
参考文献数
9

位相限定相関法は画像マッチング・画像レジストレーションにおいて高いロバスト性とサブピクセル単位での高い精度を実現する計算方法であるが同時に計算コストが膨大であるという側面もある.これまで位相限定相関法の高速化には専用LSIやFPGAを用いた方法が試みられてきた.今回我々は新たにGPU(Graphics Processing Unit)を用いた位相限定相関法の高速化手法を考案し,Nvidia GPU,GeForce8800GTSへ実装を行った.GPU 1台当たりの処理時間に256×256 pixel画像が2.36秒,512×512 pixel画像が7.92秒,1024×1024 pixel画像が27.65秒で処理可能なことを確認し,これが過去の専用LSIやFPGAを用いた場合の計算速度と比較して約10倍程度高速であることを確認した.
著者
戀津 魁 安藤 健翔 神山 大輝 細川 慎一 日置 優介 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.169-170, 2013-03-08

「ハノイの本」は100年以上前から存在する木製パズルゲーム「ハノイの塔」のルールを踏襲し,乱雑に置かれた本を大きな本から順に本棚に収納していくiOS向けパズルゲームである.「ハノイの塔」のシンプルなゲーム性と本棚の特徴を融合させ,知的な楽しさと共に整理整頓の快感を提供する.よりよいユーザ体験の為に,デバイスに適したグラフィックインタラクション,及びゲームの特性に適したサウンドインタラクションを実装した.
著者
北 昭雄 萩原 良信 今村 弘樹 崔 龍雲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.53-57, 2011-02-14
被引用文献数
2

本研究では,単眼カメラによる3次元リアルタイムモーションキャプチャの初期段階として,腕の関節の3次元位置を推定する手法を提案する.本手法は,多関節な人体の腕に対してパーティクルフィルタを階層的に適用することにより,関節の3次元位置の推定を行う.実験として,右腕のリアルタイム追跡実験を行い,推定精度の定性的な評価を行った.
著者
岡本 泰治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.167-170, 2003-02-04
参考文献数
7

現在、携帯電話やPDA等に代表される携帯情報端末が普及している。これらは、小型・軽量の為、何時でも何処でも気軽に利用可能なのが最大の特徴である。将来、携帯電話を代表とするモバイルコンピューティングは用途に応じて、端末を持っていなくても好きな所でコンピュータを利用する事が出来る「ユビキタスコンピューティング」、コンピュータを装着することで今よりも自由の利く状態でのコンピュータの利用が可能な「ウェアラブルコンピューティング」へそれぞれ移行していくと考えられている。以上を踏まえ本稿では、その内のウェアラブルコンピューティングに着目し、指の動きをセンサで感知するサイバーグローブを用いた入出力の方式について考察する。
著者
柘植 康彦 大西 昇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, pp.1-6, 1999-02-02
参考文献数
10

音源が何であるかを識別することは, 聴覚によるシーン解析の基本であり, 次に何をするかを決定する上で大変重要である.しかし, 聴覚障害者は音源識別が困難なため, 何か音がした時すぐさま回りの状況の変化に対処することができない.特に, もしそれが踏切の音や非常ベルの音といった警告音の場合には命に関わる問題となる.そこで本研究では, 多変量解析の手法を用いて, 環境音の中から警告音を識別するシステムの研究開発を行なった.本システムでは、全部で5種類(車のクラクション, 踏切, 非常ベル, 電車の警笛, サイレン)の警告音を識別でき, CDと実音からの音源での識別実験を行ない, 平均99%の識別率を得た.
著者
小久保 温 角田 均 和島 茂
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.125-128, 2012-03-09
参考文献数
8

障害者と健常者がともに楽しむことができるような,美術館や博物館のユニバーサル化が模索されている。美術館や博物館にはさまざまな展示物があるが,絵画は視覚障害者にとって鑑賞することが難しい対象である.本研究では,青森県立美術館と連携し,視覚障害者が絵画を楽しむことができるようにするため,画像処理技術,CAD,3Dプリンタ,切削機などを活用して,絵画を複数の方法により立体化して出力した.立体化の方法は,具体的には,1)油彩画の明度を高さに変換,2)木版画を版木のような表現に変換,3)舞台背景画をレリーフに翻案の3種類である.制作の過程では,視覚障害者の方に鑑賞していただき,改善をはかった.また,青森県立美術館で2011年秋に開催された特別展Touch the Art!展に作品を出展した.
著者
河野 嘉憲 長谷川 光司 阿山 みよし 春日 正男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.64, pp.1-6, 2001-10-18
参考文献数
10

本稿では, 動的マルチメディア環境において, 動く映像と音声を同時に呈示した際の映像が音像の定位に与える影響について, 走るパトカーのCGムービーとそのサイレン音を様々に組み合わせた呈示実験により検討を行った.その結果, 音像は刺激の呈示開始時にもっとも強く映像の影響を受けることがわかった.また, 音源が映像と逆方向に移動する場合は, 実際に音源と映像が一致する位置においても, ほとんどの被験者は映像と音像が離れていると知覚した.