著者
三宅 知寛 相良 直哉 杉山 賢二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.5-8, 2012
参考文献数
8
被引用文献数
1

映像品質が管理のために参照画像を用いない客観画質評価方法が求められている。これに対し、ブロック歪、モスキーノイズ、時間軸劣化、空間ボケなどの劣化要素についての評価方法がすでに検討されている。一方、近年の符号化では、非線形空間LPF(コアリング処理)の多用により、エッジは保存されるが微少ディテールが消失する劣化が目立ってきている。そこで、そのような劣化(コアリング劣化)を検出する手法について検討した。空間ボケ検出で用いたDCT係数のバンド分割を基本にし、エッジ部と平坦部によるブロック区分を行うことで参照画像なしにコアリング劣化の程度を検出する手法を提案する。評価結果は、H.264符号化で量子化幅(QP)の増加に伴って高い値になるともに、デブロッキングフィルタの有無により顕著に差を生じ、コアリング劣化程度の評価方法として有効であることが確認された。
著者
石田 清 鳥居 伸祥 任田 聡 生田 昭
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.54, pp.23-30, 1992

ISDNの普及と、テレビ電話会議方式の国際標準の勧告化及び国内標準化を背景に、テレビ会議の二一ズが急速に高まっている。このような状況下で、世界にさきがけ「いつでも、どこでも、手軽に、グローバルなAVミーティングが出来る」オールインワンタイプデスクトップテレビ会議システムを開発・製品化した。本報告では、新しいコンセプトとして、デスクトップテレビ会議システムの提案を行い、実際にこのコンセプトに基づいて開発したDP-200,CA-200についてその構成と特徴を述べる。
著者
八木 宏文 石川 智広 油谷 直毅 木股 雅章 布下 正宏 瀬戸 俊樹 亀井 幹雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.17, pp.33-38, 1994

An improved 512x512-element PtSi Schottky-barrier infrared image sensor (512x512 IRCSD) has been developed by using the charge sweep device (CSD) readout architecture and 1.2 μm minimum design rules. A large fill factor of 71% is achieved in spite of a small pixel size of 26μm x 20μm. At the Schottky-barrier detector reset voltage of 4V, the differential temperature response with f/1.2 optics at 300K and saturation signal level were 3.2x10^4 electrons/K and 2.9xl0^6 electrons, respectively. The NETD was estimated as 0.033K with f/1.2 optics at 300K. This 512x512 IRCSD was designed to be operated in either the field or frame integration interlace modes for versatility.
著者
三木 陽一郎 床井 雅樹 関 喜夫 石津 厚 笠原 光弘 田中 和人
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.75, pp.17-24, 1993

ハイビジョンMUSE信号を現行NTSC信号に高画質変換するMUSE-NTSCコンバータ(M-Nコンバータ)を開発した。MUSE信号の静止画領域に対してフィールド内内挿処理のみで画像を復元すると、折り返し歪みと呼ばれるフリッカ状のノイズが現われ画質が劣化する。本M-Nコンバータでは、走査線数をNTSC信号の走査線数に変換した信号に対して、フレーム間オフセットサブサンプリングで画素を間引いた後、フレーム間内挿、フィールド和を施すことにより、少ないメモリ容量でフレームとフィールドの両方の折り返し歪みを除去した。また、全てのガンマ処理をディジタル演算で行うことにより、輝度階調、色調を忠実に再現している。
著者
浅井 智史 山下 淳 金子 透 淺間 一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.9-12, 2012
参考文献数
8

自律ロボットが目的地に移動するためには,環境認識と動作計画の機能を必要とする.本研究では,オドメトリによる自己位置推定ができない2足歩行ロボットのための自己位置推定手法を提案する.提案手法では,ロボットはステレオカメラで撮影された画像を使用してVisual SLAMを行い,3次元グリッドマップを生成する.そして,目的地までの動作計画と移動を行う.実験により,提案手法の有効性が示された.
著者
肖 瑩 佐々木 和郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.155-158, 2015

本研究は日中の国際的な映像音楽作曲家久石譲と趙季平は何ゆえに国際的に高い評価を受けたかについて分析し、日中両国の映画ファンを魅了する彼らの音楽を利用し、日本を訪れる中国人観光客に対して、本当の日本の良さを知ってもらう。また、彼らの音楽の登場する映画コンテンツによる、各種の「巡行型コース」を想定し、旅行者のニーズに合わせて対象地域として、柔軟なガイド情報を供給するものであり、日本文化や歴史に関係がある場所を発見できるような、新しい時代の旅行ミュージックツーリズムを提案する。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
清見 紗希 永井 祥希 松浦 昭洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.40, pp.213-214, 2016

本稿では,加法,減法の筆算の主要処理である各桁における加算,減算,繰り上がり・繰り下がり等が直接的な筆算のタスクとしてではなく,ゲームのタスクの中に自然に現れ,直感的でエンターテインメント性のある操作を楽しみながら,それらの処理に取り組むことのできるiPhone/iPad向けアプリを提案する.
著者
中村 早希 辻合 秀一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.38, pp.177-178, 2014

「色、感情、自然」をテーマとした世界を描いたiPad向けアプリケーションを制作しました。黄色は喜びや楽しみを表現した世界、青色は哀しみや寂しさを表現した世界など、色と感情を結び付け、その世界を自然物で表現しています。少年を操作し画像を横スクロールさせることで場面を変化させ、目的の場所まで進んで行きます。その世界の中を少年が動くことにより、鑑賞者のペースで自由に見ていただけます。
著者
楊 凱 工藤 博幸 斎藤 恒雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.78, pp.67-72, 1997-12-12
参考文献数
10

本論文では、ウェーブレットゼロッリーを用いたエントロピー制約付き画像符号化の一手法を提案する。ウェーブレット変換の特徴として、周波数領域のみならず、画像空間領域での局所的性質を記述することができる。本文では、その特徴を如何に画像符号化に適用するか、さらにレート歪みの意味での最適値は如何に達成できるかについて検討する。われわれはゼロツリー剪定のレート歪みの関係を評価した上で最適な量子器を設定する手法を提案した。提案した新しい符号化方式でシミュレーションを行った結果、EZW及びSFQ並みの性能が得られ、本手法の有効性を確認して.
著者
村田 充弘 国重 静司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.13-18, 2001-01-30

先日行われたシドニーオリンピックにおいて、筆者らは『NHKシドニーオリンピックオンライン』と題したインターネットサイトを立ち上げた。開発した簡便な情報の入力が可能なテンプレートを使用して、TVメディアによるオリンピック放送と連動した、リアルタイム更新を含む、さまざまなインターネットコンテンツによる情報提供およびその頻繁な更新を行った。本報告では、「データ放送」と「インターネット」さらにはモバイル等々のデータ共有化、マルチアウトプットへの適応を目指した効果的なデジタルコンテンツ制作システムおよびそれを活用したデジタルコンテンツ制作の概要について述べる。
著者
藤井 亜里砂 石川 清彦 森住 俊美 菊地 由美 山田 智一 川森 雅仁 川添 雄彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.37, pp.21-26, 2008-09-25
被引用文献数
2

通信ネットワークを利用することで,個人別サービスや有料サービスの提供が従来のテレビ放送と比較し容易に実現できるようになった.またテレビ受信機は家電として各世帯への浸透率が高い.このため,今後テレビ受信機を対象とした個人向けサービスは新たな市場を築くものとしてますます期待されている.これまで,筆者らは放送受信機において放送と通信の会員向けサービスを利用する際,安全でかつ視聴者の操作手順を少なくすることを目的として放送通信の連携認証方式を検討し,シングルサインオンの実装方式について提案および報告を行ってきた.しかし,一人の視聴者がコンテンツの視聴を希望する端末は,行動にあわせて替わるもので固定的な使用は少ない.例えば家庭の固定受信機で利用していたサービスを,そのまま継続的(シームレス)に携帯型受信機で利用しながら外出するということができればサービスの利便性は飛躍的に向上する.我々は、異なる受信機間で認証情報およびサービスアプリケーションに依存したセキュアな情報を引継いで認証情報の連携を可能とする仕組みを,Webサービスで用いられる標準的な技術仕様であるリバティアライアンス仕様を用いて構築可能とした.
著者
香山 侑子 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.253-256, 2016

アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツ作品においてキャラクターは重要な要素である。しかし、キャラクターの要素の一つである服装のジャンルである「ゴシック&ロリータ(以下ゴスロリ)」は現実と架空において、デザインのルールが異なるという問題がある。そこで本研究では既存のゴスロリキャラクター103体を調査することでゴスロリ要素の分析を行い、その結果7種類のデザインタイプに分類することができた。調査分析結果から得られた要素によってゴスロリキャラクターを検索できるスクラップブックを開発し、ゴスロリキャラクターを制作するための発想支援の有用性を評価した。
著者
小林 裕幸 鈴木 正和 青木 直和
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.33, pp.21-24, 2002-05-24
参考文献数
2
被引用文献数
4

好ましい肌色が人の記憶色に基づくとの考え方が一般的に受け入れられている。本研究は肌色の記憶色そのものについて、CRTディスプレー上に示した無地、女性、男性のイラスト画、写真画像といった画像に各自が肌色として記憶している色を塗ってもらうことによって調べた。その結果、人が肌の色としてイメージするのは女性の肌の色で、しかも実際の肌の色よりもかなり明るいこと、また、好ましい肌の色の要因である記憶色とは決まった一つの色ではなく、それぞれの画像ごとにあり、色の違いに一定の傾向がある。その傾向にも年齢、性別によって差があることがわかった。
著者
シャンプー ベルナルド 藤澤 和子 井上 智義 岩舘 祐一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.29, pp.1-6, 2000-05-16
参考文献数
9
被引用文献数
2

本報告ではコンピュータ支援によるアイコン言語システム、CAILSについて述べる。本システムを利用すると、ユーザはアイコンの基本セットを組み合わせることにより、メッセージの作成、概念の表現、或いはルールの教授などを行える。CAILSはユーザの視覚的記憶を利用したものであり、イメージを特定することによってあいまいさを除くことができる。このシステムは、異言語間のコミュニケーション、ビジュアル/空間的概念の表現、またビジュアル教育などへの応用が可能である。
著者
来住 英貴 井出 博文 梅田 健史
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.25-30, 2001-09-21
参考文献数
7
被引用文献数
1

DVDレコーダは、1999年12月に第1号機が発売されて以来、光ディスクの大きな特徴である高速なアクセスを売り物にした映像録画機器として、大きな注目を集めている。今回当杜では、DVD-R対応4.7GB DVD-RAMドライブを搭載し、(1)世界初のDVDにおける追っかけ再生・同時録画再生、(2)ハイブリッドVBR方式を用いたDVD-R記録、(3)プレイリストのシームレス再生、等の新機能を実現した第2世代DVDレコーダ「DMR-E20」を開発したので、そのハードウェア、ソフトウェア構成、及び新機能を実現した制御方法について報告する。
著者
高橋 秀和 山下 雄一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.28, pp.1-6, 2001-03-16
参考文献数
8

当社一眼レフカメラEOS KissIIIとEOS7の広視野7点AFを実現させるために, 新たなCMOSリニア型AFセンサの開発を行った.本センサは新開発のユニティゲイン型のセンサアンプとフィードバッククランプ型のノイズ除去回路を搭載することにより, センサ信号の高S/N化とワイドダイナミックレンジ化, 更にAGC制御の高精度化を実現している.また, 各種周辺回路のオンチップ化とCOBパッケージによるローコスト小型化も同時に実現している.
著者
山下 雄大 俵谷 佳典 宮本 快暢 大観 光徳
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.29-32, 2011-01-21
参考文献数
3
被引用文献数
1

SrGa_2S_4:Euは色純度のよい緑色発光を示し無機薄膜ELの緑色発光層材料の一つとして期待されているが、結晶化のために高温焼成が必要なため、安価な低軟化点ガラス基板上への作製が難しい。本研究では、高温で焼成し十分に結晶化させたSrGa_2S_4:Eu微粒子蛍光体を用いスピンコーティング法により薄膜形成させることで、低温での発光層作製を試みた。平均粒径1μmの微粒子を用いることで、比較的に均一かつ緻密な膜厚1〜3μmのSrGa_2S_4:Eu発光層薄膜の作製に成功した。EL素子は、CIE色度座標(x,y)=(0.23,0.72)で色純度の良い緑色発光を示し、1kHz駆動時での輝度は200cd/m^2であった。