著者
田中 貴拓 新谷 幹夫 白石 路雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.187-190, 2015-03-07

近年,立体パズルの開発が盛んに行われ,ゲーム・携帯アプリの1分野として定着している.数独の立体化も試みが見られるが,成功しているとは言えない.本研究では,従来の立体数独アプリケーションの問題点である操作性と見づらさを改善するため,立体数独を解く上で必要な情報を平面的に表示するインターフェースを提案する.提案手法では解きたいマスをクリックするだけで必要な情報が提示される.これによりプレイヤーは煩雑な3次元操作から解放される.比較実験を行なったところ,解答速度が従来手法に対して有意に速いことが示された.余計な操作を省略し,立体数独の魅力の向上に寄与することができると期待する.
著者
八木 美冴 佐藤 美恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-16, 2014

近年,奥行方向を含む3次元の映像を表示する,立体表示に関する研究が行われている.これらの立体表示方式の一つとして,観賞者が裸眼での立体視を可能とするパララックスバリア方式がある.しかし,この方式では観賞位置が限られるという問題点がある.また,これらの立体表示で使用する映像は,両眼間隔の個人差を考慮しておらず,観賞者に過度な立体感を与え,視覚疲労を引き起こす可能性がある.そこで本研究では,3次元計測器を用いて観賞者の位置を検出し,観賞位置に合わせた立体表示を行う.また,観賞者が立体感の度合いを変更するためのインタラクションを付加した裸眼立体表示手法を提案する.
著者
上原 伸一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.43-50, 2010-03-02
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

ISO/TC 159国内審議委員会では現在、3Dディスプレイの標準化に取り組んでいるが、市場の健全な発展のためにも、これらの標準規格はディスプレイそのもののメカニズムだけでなく、両眼立体視の人間工学要件に的確に基づくべきであると考えている。しかしながら現状では、3Dディスプレイのあるべき姿についてさえ十分な共通認識が形成されているとは言い難く、標準規格の作成は容易な状況にはない。本稿では3Dディスプレイの人間工学に着目し、特に性能指標や計測評価法、要求性能などの点から標準化における課題について述べる。
著者
安部 文子 山田 眞伍 小山 恭平 福田 博章 清水 郁子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.53-56, 2012-02-27

昨今,3D表示可能なテレビなどの機器が多く発売され,それに伴い3Dコンテンツの需要も高まっている.本論文では,単眼カメラにより静止している被写体を撮影した動画像から,ユーザが指定した奥行き感(視差量)をもつ3D画像を自動生成するシステムを開発する.本システムは,ユーザがインタフェースから入力した視差量に対し,動画像中のあらゆる2枚の組合せから最も適切な2枚の画像を用いて3D画像を生成してユーザに提示する.このとき,プレ画像,被写体が画像の中央にない画像をあらかじめ候補から除外する.これらの条件を満たす画像のうち,3D画像を生成するための平行化のための補正量が最小であるものを最適な2枚であるとする.実験により,手法の有効性を示した.
著者
平野 実花 竹内 亮太 渡辺 大地
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.119-120, 2012-03-09

映画「アバター」等を始めとする立体視コンテンツの活性化により着目をあびるようになった立体視技術であるが、現状で様々な問題が指摘されている。両眼視差を利用した方法が主流であるが一部の体験者では視機能に異常が存在しないのに立体視を行うことが出来ないことが確認されている。その原因はコンテンツ自体にあるものか、個人の立体視に関する能力によって発生するものなのか解明はされていない。今回は個人の立体視に関する能力や体験者別に異なる要素に着目する。個人差を吸収するにあたって、立体感を強めることや弱めること、視差や再生方法の変更等の解決方法が必要になるのではないのかと仮定した。本研究では立体視の画像にぼかし加工を加え、両眼の視力との関係性を調査した。その上で補正の必要性とその指針について提案する。
著者
坂本 祥太郎 中澤 優比 平山 亮
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.157-160, 2012-03-09

3DCGで制作した3Dモデルに,実写画像を加工し変形して貼り付けることにより,リアリティのある人物の立体視画像を制作することを試みた.
著者
小澤 史朗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.46, pp.11-16, 2013-10-31

映像に指向性を持たせ,観察位置に応じた角度の被写体映像を表示することで,遠隔会議における人物の向きを表現できる多指向映像表現手法の研究開発に取り組んでいる.映像に指向性を持たせる手法としては,裸眼立体視ディスプレイやマルチビューディスプレイで取り組まれているが,解像度の低下や,輝度の低下あるいは視域の狭さなどが課題になっている.一方で,人物映像を表示については,被写体をモデル化することによって,自由な視点から人物映像を再現する手法が多く提案されているが,被写体人物の映像品質を保持したままでの表示を考えると,撮影した映像をそのまま表示できることが望ましい.本稿では,広い視域を確保する背面投射型のマルチビューディスプレイである"QDAスクリーン"を用いて,複数視点から撮影した人物映像を,一つのディスプレイに重畳表示し,見る位置に応じて映像を切り替えることができるシステムMulDiRoHを提案する.
著者
仲地 孝之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.34, pp.53-58, 2012-08-27

NTT未来ねっと研究所では、高品質な画質を要求される分野での映像コンテンツの流通を目的として超高精細(SHD: Super High Definition)映像の研究開発を進めてきた。その高い品質は、十分に実証されているものの、伝送コストおよび表示端末コストはまだ高く、多くのユーザが利用できる状況にはない。近年は、ネットワークの多様化に伴い、ユーザごとに伝送路の帯域変動が大きく、映像受信端末の解像度も多様化している。本稿では、このような条件の異なる複数のユーザが超高精細映像コンテンツを利用するための、レイヤード通信処理技術の研究について紹介する。特に、1)レイヤードLDGM符号、2)レイヤードマルチキャスト暗号、について述べる。また、レイヤード通信機能を利用した応用例として、多地点TV会議、映像・音響制作支援、震災時の映像配信について紹介する。
著者
角 真宇 金森 由博 三谷 純 福井 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.13-16, 2013-03-08

CGにおいて頭髪の立体形状は人間の立体形状を表現する上で重要な部分だが、その作成には高度な技術と時間が必要である。そこで本研究では、イラスト調の線画からデフォルメされた3D頭髪モデルを容易に生成できる手法を提案する。本手法ではまずユーザが線画から頭髪部の閉領域を選択する。次に輪郭線の交差情報から髪の房部分の前後関係を判定する。この情報に基いて前後の房に深度値の差を与え、頭部の丸みを考慮した概形深度値マップに統合する。その深度値マップに平滑化処理を適用することで、滑らかな立体形状を持つ3D頭髪モデルを得る。この手法によって、房状の3D頭髪モデルを、複雑なユーザ入力無しに得ることができる。
著者
村瀬 健 茂木 龍太 兼松 祥央 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.16, pp.169-170, 2014-03-10

2000年頃から、アニメーション制作企業はファンを獲得する手段としてキャラクターグッズの制作・販売が一段と進んできた。既存のアニメーション作品を年別に調べたところ、2004年ごろからデフォルメフィギュアなどのグッズが次第に増えていく傾向がわかった。デフォルメグッズの制作工程は、まず企画者がデザイナーに2Dのデフォルメデザインを依頼し、デザインを決定する。そしてモデラーに3Dデフォルメデータを作るという工程である。この工程ではデフォルメデザインを決定するまで企画者からのリテイクが何度か繰り返すため、3Dデータを作るまで手間がかかる。本研究ではこの課題を解決するために、キャラクターの3次元モデルを用いた2頭身キャラクター制作支援のための3次元デフォルメシステムを構築することを目的とする。
著者
中川 佳子 望月 登志子 鷲見 成正
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.26, pp.43-48, 2000-03-23

We examined whether the effective visual field to identify target figure would be enlarged by the prime stimulus, which is presented at the central field of view. The target was presented from 1.00 to 9.25deg. of horizontal eccentricity. In experiments I and II, we varied the type of information given just prior to presentation of a geometric target figure, and we analyzed the reaction time and percent of correct responses to identify target under several conditions. By experiment I, it was found that direct prime information in the form of the target figure itself (Match condition) provided more spatial and temporal effects at the non-Match condition. Experiment II showed that semantic prime information in the form of figure's name by characters was also most effective than other conditions, but it was only for temporal aspect.
著者
藤川 和俊 長 篤志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.21-24, 2014-02-25

礼服等に用いられる黒色織物の見えの高級感を表す指標の一つに,L*値という黒さを表わす値がある。見えの高級感を表現している要因は他にも存在すると考えられるが,明らかになっていない.本研究では,織物の光沢特性と見えの高級感の関連性について研究した.ドレープ構造をもつ織物の輝度分布を計測し,画像処理と主成分分析によって見えの高級感と関連性の高い光沢特性を発見した.結果として,その光沢特性とL*値の組み合わせによって高級感を表せることがわかり,定量化の可能性を示せた.
著者
石井 勢津子 Gavilan Ruiz David 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.69, pp.29-32, 2002-10-31

ホログラフィはレーザー光による3次元記録技術である.技術の向上に伴い,対象物体の瞬間的な状態から仮想的なイメージまでホログラムとして記録が可能となってきている.一方,自然環境下のシャボン玉は,自在に変化する形と表面の複雑な干渉色,反射が特徴であり,ホログラフィの対象として非常に魅力的である.しかし,現状のホログラム技術を用いてこのようなシャボン玉を直接ホログラムに撮影することは,まだ不可能である.そこで,本研究では,シャボン玉の複雑な振る舞いと色彩の魅力をホログラムで表現することを最終目標とし,現実感あるシャボン玉の3次元モデルを作成することでシャボン玉をホログラムに記録する手法について検討を行う.リアルなシャボン玉の3次元モデルを得る方法として,物理モデルを作成するアプローチと実写映像を用いるアプローチがあるが,物理モデルを用いて自然環境下におけるシャボン玉の微妙な形状変化や表面の色の変化の表現は,非常に困難である.本研究では,IBMR(Image Based Modeling & Renderling)のアプローチに基づき,実写映像からのシャボン玉の3次元モデルの生成を試みる.しかしながら,シャボン玉は透明の薄膜によってできているため,自然環境下においては背景との区別が非常に困難である.そこで本稿では,シャボン玉の3次元モデル生成の第一段階として,自然画像中に存在するシャボン玉の抽出を行う手法について検討を行う.自然画像中におけるシャボン玉の特徴について調べ,シャボン玉の輪郭線の抽出snakesを一般化したg-snakeを利用した輪郭抽出手法の検討を行なった.
著者
新美 孔基 横井 宏明 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.1-4, 2013-02-13

地上デジタル放送の13chは使用周波数帯域内で一番低い周波数であり,タクシー無線の周波数帯域と隣接している.したがって,地上デジタル放送用受信アンテナの近くでタクシー無線が使用されると,13chの周波数帯域に影響を与え,正しく受信できない障害が発生する.我々はこれまでにマルチパス環境におけるタクシー無線が与える影響について報告している.本研究では,室内での実験とタクシーの多い都市部で地上デジタル放送の受信測定を行い,タクシー無線対策フィルターの改善効果について検討した.その結果,フィルターの効果を確認したので報告する.
著者
二又 学 床井 浩平
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.19, pp.1-3, 2012-05-16

本研究では,KINCTを利用し,キーボード演奏のフィンガーモーションキャプチャシステムの開発手法を提案する.KINECTに搭載されている深度センサを利用することで手指の位置を検出し,手の形状を推定することで3次元の動作を認識する.
著者
河野 修二 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.14, pp.35-36, 2009-03-11

「Power of Ten」という映画がある。ピクニックに来た親子の写真から映画は始まりカメラの視点はそこからどんどん遠ざかり空を抜けて、宇宙にまで来て最終的には10の25乗メートル(約10億光年離れたところ)の世界までたどりつく。また一方ではどんどんその人を拡大していき、10のマイナス16乗メートル(0.1フェルミというらしい)の世界まで行きつく。解像力の高いフイルムを用いて、映画のように写真の全体像から細部まで観察したくなるような写真が撮れないかと考えた。
著者
加藤 和也 村上 和人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.32, pp.1-4, 2014-08-12

絵の本質は印象の表現にあり,その生成過程は印象の抽出と再表現に分けられる.本研究では墨絵を題材とした墨絵調画像生成システムの作成を通して,この過程の解明に取り組んでいる.本稿では,太さや濃さといった墨絵の描画要素と印象を表現する感性語対の関係を示し,その結果をもとに墨絵調画像を生成するプロトタイプシステムについて述べる.
著者
荒木 領 小林 直樹 大野 光平 伊丹 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.41-44, 2012-02-17
被引用文献数
1

ワンセグメントサービスは,日本における地上波デジタル放送の移動体向けのサービスである.しかし,使用帯域の狭さからマルチパスによるディップの影響を受けやすくなり,受信特性の劣化する可能性がある.この対策として,アンテナダイバーシティ技術がある.しかし,携帯電話などの小型のワンセグ受信機では,端末内に複数のアンテナを十分なダイバーシティ利得が得られるほど離して配置するのは不可能である.そこで,本稿では3台の受信端末を用いて受信情報を共有する協調受信を提案する.提案方式では,協調受信に用いる受信端末の台数を増やすことでワンセグメントサービスの誤り率特性が改善できることを示す.
著者
宮田 俊文 神崎 進 原 幸介 村上 文弘 山中 丈成 丹羽 隆彦 中川 孝之 鵜澤 史貴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.39, pp.17-20, 2013-09-06

ロードレース中継では、移動中継車からの映像素材伝送にOFDM (Orthogonal Freqency Division Multiplexing)方式の700MHz帯FPU (Field Pick-up Unit)を使用している。700MHz帯FPUは、今後1.2GHz帯と2.3GHz帯へ移行することが決まっている.700MHz帯からの移行に向け,都道府県対抗広島男子駅伝コースの一部で,2.3GHz帯のSISO (Single-Input Single-Output)方式と2×2MIMO (Multiple-Input Multiple-Output)方式の移動伝送実験,および遅延プロファイルの測定を行った.本稿ではその結果について報告する.