著者
土居 清之 宮内 聡
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.33, pp.21-24, 2008-07-31
被引用文献数
1

番組制作のHD化が促進され,中継番組におけるFPU伝送のデジタル化も進んでいる.これまでのアナログ伝送の場合は,映像をそのままモニタで確認できたが,デジタル伝送では圧縮された信号を伝送するため,マイクロ中継ポイントで映像をモニタするには高価なデコーダを数多く必要とする等の問題があった.今回,複数のプログラムが多重されたTS信号をIP信号に変換する装置「多重TS-IP変換装置」を開発し,民生品の安価なIPTV用STB(セットトップボックス)を接続して映像をデコードすることで,マイクロ中継ポイントにおいても,安価に映像をモニタする事が可能となり,アナログ伝送同様の運用ができるようになった.
著者
鈴木 正也 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1-4, 2010-02-27

実生活空間において人間と共存するロボットには,歩行者が存在する動的な環境を認識し,衝突することなく自律移動をする能力が求められる.本論文では,このような動的環境において安全に移動可能なロボットを提案する.ロボットはレーザレンジファインダにより周囲の距離情報を取得し,あらかじめ用意した環境地図と比較することで自己位置推定および歩行者検出を行う.次に,カルマンフィルタにより次時刻における歩行者位置を予測する.また,斥力場の算出に歩行者速度を考慮したポテンシャル場法を用い,ロボットの移動経路を決定する.これにより,ロボットは歩行者の移動方向を認識し,早期に経路変更を行うことが可能となる.実験の結果,提案ロボットが歩行者と衝突することなく目的地まで移動できることを確認した.
著者
田端 美海 矢田 愛久子 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.14, pp.59-60, 2009-03-11
参考文献数
10

従来の時代劇と呼ばれる映画やテレビ番組を見て、果たして歴史を好きになる人はどれだけいるのだろうか。もっと軽い気持ちで観られる時代劇があっても、良いのではないだろうか。『大坂夏の陣〜日本一赤い夏〜』は、今までにない方法で時代劇を楽しんで貰いたいと考え、制作した作品である。クレイアニメーションによる合戦シーンと、実写のシーンのトーンに、差異が出ないよう配慮した。
著者
中山 弘敬 伊藤 智義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.43, pp.53-56, 2010-10-15

同一空間内に複数の投影パターンを記録させるアルゴリズムを開発したので,報告する.2値化された投影パターンの場合,記録可能な組み合わせは限定されるが,本手法では投影パターンに階調を持たせることでこの問題を回避している.本手法は,クリスタル内部にレーザーで加工する3次元クリスタルアートへの応用が可能であり,さらに記録媒体の工夫次第ではカラー化も可能である.
著者
鈴木 将平 山本 和彦 加藤 邦人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.34, pp.63-66, 2009-08-27

携帯電話のカメラ機能としてテキストリーダーがある。しかし、対象にカメラを合わせようとすると、自分からはカメラのついている位置を正確に把握することは難しく、対象にカメラを合わせにくいという問題がある。そこでユーザーが指先に小型カメラをつける「ネイルカメラシステム」を提案する。また、文字認識機能をこのシステムで実現する際の問題を解決するための特徴選択の考察を行い、特徴抽出として有効であるベクトル表現型四方向面特徴抽出法について述べる。
著者
朝倉 慎悟 村山 研一 蔀 拓也 斉藤 知弘 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.39, pp.9-12, 2013-09-06

NHKでは,スーパーハイビジョンなどの大容量コンテンツのサービスを次世代の地上放送で実現するために,大容量無線伝送技術の研究を進めている.これまでに,偏波MIMO伝送の誤り訂正にLDPCブロック符号を適用するとともに,伝送システムの所要C/Nを低減する復号方法を検討・報告してきた.1024QAM, 4096QAMといった超多値QAMでの伝送において信号を安定して受信する為には,誤り訂正符号の高性能化を行い,伝送システムにおける所要C/Nの更なる低減が求められる.そこで,LDPCブロック符号の誤り訂正能力を凌駕することが知られている空間結合LDPC符号の検査行列を新たに試作し,偏波MIMO-超多値OFDM伝送への適用を計算機シミュレーションによって検討したので報告する.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.39, pp.33-36, 2014-09-25

本報告では、主に中嶋が所属するウプサラ大学におけるゲーム関係の教育と、スウェーデンで盛んになっているゲーム産業の一端を紹介する。ウプサラ大学のゲームデザイン学科は、スウェーデンを代表するゲーム教育に特化した大学であり、世界におけるゲーム産業への人材育成に貢献している。学科の紹介や、毎年行われる、GGC (Gotland Game Conference)と名づける、本大学独自での独自のイベント、また中嶋の所属するCML (Convergent media Laboratory)では、エンジニアリング教育と研究について紹介する。また最近大きな産業となっているスウェーデンにおけるゲーム産業の現状について紹介する。
著者
石丸 健二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.47, pp.39-41, 2009-11-06

海外の3DCG市場の近年の動向を弊社オリジナル企画海外営業の実績を交えて報告します
著者
金村 達宣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.21-23, 2016

リオデジャネイロオリンピックの 8K中継を皮切りに、いよいよ 8K放送実現の局面に突入する本年。いくつもの困難な課題をクリアしながら、8K放送の準備が整いつつあると言える。一方、映像を鑑賞する側にとって最もホットで関心のあるテーマが、HDRである。インパクトの高い映像表現技術として、おおいに期待されている。この 8Kと HDRを両立させることこそ最高の映像制作、との理念のもと、カメラからモニターまですべての 8K映像制作機材を開発、製造している当社が先頭に立って、8KHDR映像を自社製品で制作し、その過程で起きたさまざまな出来事や課題を紹介していく。
著者
光山 和彦 村上 文弘 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.53-56, 2012-02-17
被引用文献数
1

ロードレースやゴルフの中継番組において,広いエリアで安定した移動中継を実現する無線伝送システムの研究を進めている.筆者らは,互いに離れた複数の基地局で受信した信号を,光ファイバ無線を利用してスイッチングセンターに集めて1台の受信装置に入力するマクロダイバーシチ受信システムを開発した.開発した受信装置は,各入力信号の遅延時間差をFFT演算前後でリアルタイムに補正した後,受信品質の良好な信号を最大4ブランチまで自動選択してMMSEアルゴリズムで合成する.本受信システムは,基地局の区別なく最適な信号を合成するため,高い回線品質を広いエリアにわたって提供できる.また,使用する機器を大幅に削減できるため,運用性の向上にも大きく貢献するものである.今回,実際の京都駅伝中継番組でカメラバイク映像の地上受信システムとして使用し,全コースの約半分の区間を途切れずに受信することに成功したので報告する.
著者
三上 薫 加藤 和昭 砂川 昌志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.43, pp.9-12, 2002-06-27
被引用文献数
1

BSジャパンは、BSデジタル放送におけるデータ放送コンテンツを検証する擬似放送設備(テスト系設備)を構築した。データ放送番組の技術的検証を目的に導入したが、運用を開始すると、番組演出面での試写、新規番組の開発支援、放送設備の試験など現業部門で幅広く活用されている。また、本設備は本放送用の放送設備の機能を削ることなく、大幅にダウンサイジングする形で構築したため、検証結果は実際に放送した結果とほぼ等しい。本報告では、テスト系設備導入の背景と設備の概要、運用例について報告する。
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.195-198, 2016-03-02

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.195-198, 2016

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
三柳 徹 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.21-24, 2010-03-12

VR環境で立体視を行う際、生体に与える影響について調査したので結果を報告する。平坦な道を自転車で走行するVR環境下で、立体視用画像を生成する左右2つのカメラ間隔をパラメータとして被験者の生体に現れる影響を調査した。調査対象を心拍変動のLF/HF比と瞬目における開瞼時間の上昇とし、これに主観的評価アンケートの結果を加えて総合的に判断した。調査の結果、人間の平均瞳孔間距離(6.5[cm])とカメラ間隔が等しいときに、最も高いストレスと眼精疲労が発生することが判った。一方、カメラ間隔が広いとストレスや眼精疲労の発生を抑えながら高い立体感が得られることも判った。
著者
藤田 健太郎 曽我 麻佐子
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.17-20, 2011
参考文献数
9

モーションキャプチャシステムで取得した人体動作とCG映像を,能演劇パフォーマンス「蜘蛛の糸」の演出で活用した.能のモーションデータを適用したキャラクタや背景シーンなどのCG映像を作成し,舞台上に設置したスクリーンに投影した.CG映像はプリレンダリング用とリアルタイムレンダリング用にそれぞれ加工して使用した.観客によるアンケート結果より,舞台パフォーマンスにおけるCG映像の活用は効果的であることを確認した.
著者
濱口 健太 福井 俊介 狩野 淳 高見 友幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.161-162, 2013-03-08

近年,マイクロコンピュータで制御できるLEDテープが開発されている.LEDテープはテープ形状を活かした3次元的な配置が可能であり,フルカラーで発色を制御できる.これにより従来の電飾としての展示用途だけではなく,インタラクション可能なメディアアート作品を制作可能となった.本研究ではマイクロコンピュータにCortex-M3を使用し,本研究で開発したActionScript3.0用ライブラリでプログラム記述をしている.LEDテープを用いたアミューズメントは,単に観賞するだけでなく,アプリと対話して楽しみ,またその様子を観賞するという新たなモデルが想定される.本研究は,このモデルのもとに数m〜10m規模の範囲で行うアミューズメントアプリケーションを制作した.
著者
小谷 活太 吉高 淳夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.29-32, 2015-03-03

良い写真を撮るためには主題を明確にすることが重要である.被写体の配置を考慮する構図と,被写体を際立たせる被写界深度には主題を明確にする効果がある.本稿では構図と被写界深度に基づく撮影支援手法を提案する.事前調査より,写真撮影のプロフェッショナルは人物写真において,構図の種類により被写界深度を変えることがわかった.そこで提案手法では構図と被写界深度の関係に着日し,構図に対して適切な絞り操作を撮影者に提示することで主題を明確にするための撮影支援を行った.評価実験の結果,撮影支援を行わなかった場合,写真撮影のプロフェッショナルの傾向とは異なる撮影結果となった.撮影支援を行った場合,写真撮影のプロフェッショナルの傾向に従った主題の明確な写真を撮影することができた.
著者
飯島 崇裕 齋藤 康之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.57-60, 2012-02-11

本研究では,オーケストラ譜からデュオ譜への半自動編曲システムについて提案する.オーケストラ譜からデュオ譜へ編曲するためには,オーケストラ譜をソロパート譜とピアノ伴奏譜に分ける必要がある.しかし,オーケストラ譜からピアノ譜へ編曲することは容易ではない.なぜならオーケストラ譜は複数の楽器パートにより構成されており,それらをピアノ伴奏として演奏できるように編曲しなければならないからである.今回提案するシステムでは,ピアノの演奏における問題点を考慮し,ピアノ伴奏譜を生成する.ピアノ伴奏譜と事前に手動で抽出したソロパート譜を結合し,デュオ譜を生成する.
著者
岩田 淳 香川 景一郎 川人 祥二 緒方 智壽子 谷田 純
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.17, pp.21-22, 2015-05-01

歯周病は日本人の8割が罹患していると言われている.現在,歯周病の診察は定性的であることが多く,時間を要するだけでなく医者の技量に依存する.短時間に多人数を診る集団検診においても簡易に適用でき,定量性をもった診察を可能とする技術が必要とされている.そこで我々は歯肉の三次元形状,酸素飽和度,全ヘモグロビンなどの定量性のある情報の取得と歯槽粘膜境の画像化を目標とし,デジタルデンタルミラーと呼ぶ多機能小型カメラを開発している.本研究では基礎研究として,コルクボードの三次元形状をマルチベースラインステレオを用いて計測した.
著者
実井 仁 中村 円香 岡野 正寛 中原 俊二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.13, pp.5-10, 2011-03-04
被引用文献数
5 5

アナログテレビ放送終了後の2011年7月以降,VHF帯の1chから3chを利用する新しい移動体・携帯端末向けマルチメディア放送が開始される予定である.VHF-Low帯のマルチメディア放送では,従来のリアルタイム型放送サービスの他に蓄積型放送サービスの導入が検討されている.蓄積型放送サービスとは,受信しながら視聴するのではなく,コンテンツをいったん受信機に蓄積してから楽しむサービスである.蓄積型放送サービスでは,放送波のみで蓄積を完結させる方式としてデータカルーセル伝送方式が提案されている.そこで,データカルーセル伝送方式による効率的な蓄積受信を実現するために,室内実験により繰り返し放送回数と蓄積成功率の関係を明らかにし,リアルタイム型放送サービスと同等のサービスエリアを確保するために必要な繰り返し放送回数を求めた.