著者
興野悠太郎 米澤拓郎 野崎大幹 小川正幹 伊藤友隆 中澤仁 高汐一紀 徳田英幸
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2014-MBL-70, no.26, pp.1-7, 2014-03-07

本論文では,着脱可能な電線によって充電,給電しながら上空をセンシングするプラットフォームである EverCopter を提案する.バッテリー駆動による UAV(Unmanned Aerial Vehicle) は,地上の障害物を気にする事無く,広大な範囲をセンシングできる事が最大のメリットであるが,バッテリー容量による制限を受けてしまう.EverCopter は以下の 2 つの特徴により,長時間かつ広範囲なセンシングを可能とする.まず,複数に接続された EverCopter の一方は,地上の電源装置に接続され,給電されている.このことで,それぞれの EverCopter はバッテリー無しで飛行する事ができるため,半永久的な飛行が可能となる.また,末端の EverCopter はバッテリーを備えており,任意のタイミングで着脱が可能である.よって,UAV 本来の自由なセンシングも可能である.
著者
黒川 茂莉 石塚 宏紀 渡邊 孝文 村松 茂樹 小野 智弘 金杉 洋 関本 義秀 柴崎 亮介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-05-08

携帯電話通信時の位置情報履歴は,全国を網羅的に人々の移動が把握可能であるため,都市交通施策などへの応用が期待されている.都市交通施策のあり方を検討するために国士交通省を始め各自治体で実施されているパーソントリップ調査では,人々の滞在地,滞在時間だけでなく滞在目的も重要な調査項目となるが,滞在目的推定の研究はいまだ不十分である.そこで本稿では,携帯電話通信時の位置情報履歴から,個人の滞在地及び滞在時間を検出し,自宅,職場,お出かけ先などの各滞在地に対する滞在目的を推定する手法を評価する.評価では,利用同意を得た 1250 名の 4 週間の位置情報履歴と行動に関する Web アンケート結果を用いた.Location information associated with communication records of mobile phones has paid attention as a probe for person trips. In this paper, we evaluate a methodology to estimate semantics of significant places extracted from locations associated with communication records. The accuracy of the methodology is demonstrated by experiments using actual communication records of 1250 subjects.
著者
双見京介 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-03-07

自分の髪の毛を自分自身で散髪することは難しい.伸びた髪を散髪する場合には美容室や理容室,床屋といった専門家のいる場所へ行くのが一般的である.しかし,髪質も顔も趣味も異なる専門家に各個人が抱く髪型の悩みや理想のイメージを伝えることはうまくいかないこともある.こういったことに対する不満や,その他の好奇心や目的によって自分で散髪したいという欲求,動機が生じることがある.しかし,本研究でヘアセルフカットと呼ぶこの行為を実行するためには,技術面や環境面においていくつかの課題が存在する.本研究では,ヘアセルフカットを現状の道具や環境でおこなった場合に課題となる 「目では見えない範囲の映像の取得」 に重点を置き,自分の目では見えない範囲をカメラで撮影し,その映像を見ながらヘアセルフカットを行うシステムを提案する.評価実験により提案システムの有効性を確認した.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.1-6, 2010-08-26

本研究では,2009 年 12 月から 2010 年 6 月にかけて収集した位置情報付きツイート 50 万件の中から,位置依存性の高い文字列を抽出する手法を提案する.提案手法では,あるキーワードを含むツイート群に対して,緯度および経度の標準偏差をそれぞれ求め,ツイート群のばらつきの度合いから,そのキーワードの位置依存性を測る.しかし,この手法では,依存する位置が複数存在するキーワード (例えば,チェーン展開している有名店舗名など) を位置依存性の低い単語として判定してしまう.そこで,ある一定の割合以上のツイートを含むエリアを高速に抽出する二次元深さ優先探索を提案する.提案手法では,まず,エリアを 100 キロ四方のグリッドに分割し,それぞれのグリッド内のツイート含有率を計算する.次に,ツイート含有率がある閾値を超えたエリアを 10 キロ四方のグリッドに分割し,同様の判定を行い,最終的には 1 キロ四方のグリッドまで走査する.これらの分析により,1 つのキーワードに対して複数の位置依存性を抽出することが可能となる.In this paper, we propose how to extract the location-dependent keywords from our database which includes 465254 tweets obtained from Dec. 2009 to June 2010. First, we analyize the standard deviation of latitude and longitude, which shows variation level. It is very simple way, but it can't find out the keywords which depend on several locations. For example, famous department stores distributed all over Japan have a large standard deviation, but they will depend on each location. Therefore, we propose two dimension breadth first search, where the searching area is divided into some square grid, and we extract the area which include tweets more than average. In addition, we re-divide the extracted areas into more small grids. Our method can extract some locations for one keywords.
著者
菅瀬 和弘 横井 茂樹 西尾 吉男
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.5, pp.1-8, 2011-11-03

本論文では、Facebookの機能を利用したスマートフォンアプリの開発を行い、実際に地域を訪問している人々が地域の案内情報を閲覧でき、更に写真やコメント等のデータの共有が可能な手法を提案する為に、スマートフォンとFacebook、および地域紹介を行うWebサイトを連携したコミュニケーションシステムを試作する。このシステムを提案し、アプリとして提供する事で、ユーザが地域に関する情報をWebページで閲覧して終わるのではなく、ユーザ1人が他のユーザと関係して様々なデータを共有し、地域を舞台に相互的なコミュニケーションを築き上げられる事を本研究の目的とする。In this paper, we proposed a method to provide visitors who come to local areas with guidance information relevant to the local areas by integrating smart phone based applications, local website and Facebook functions, whilst a prototype system is available. Purpose of this research is focused on building the multidirectional communication channels for people so as to provide them with opportunities to communicate with others in local areas, and share information with them freely and conveniently.
著者
猿渡 俊介 森川 博之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-8, 2010-08-26

ネットワーク化された物理オブジェクトを有機的に組み合わせていつでもどこでも必要なサービスを即座に構築することができる.このような,仮想空間だけでなく,実空間全てがプログラマブルになった世界がコンピューティング・ネットワーキング技術の目指すべき未来であろう.実空間のプログラマブル化は徐々に実現されつつある.携帯電話に組み込まれた各種センサを利用したスポーツアプリケーション,センサが組み込まれたリモコンを利用したテレビゲーム,いつでもどこでも撮影した動画像を瞬時に共有可能なマルチメディア共有サービス,マルチホップ無線通信を用いて電力やガスの自動検針を行うスマートメータなどは,センサ,コンピュータがネットワークを介して有機的に連携した結果として実現されている.実空間のプログラマブル化の最終形態に向けては,ワイヤレス技術の更なる技術革新が不可欠である.携帯電話や無線 LAN の登場によって加速化されたモバイル端末の発展により,ワイヤレス技術は新しい局面を迎えている.東京大学森川研究室では,無線通信の新しい応用分野の創出を目指すと同時に,電波政策などの俯瞰的な視点からも研究を進めている.本発表では,1 フロア当り数十の無線センサノードで実現される地震モニタリングアプリケーション,超低消費電力な無線待ち受けを実現するウェイクアップ無線通信方式,ロボットなどの機械を制御するために往復数ミリ秒以内の高速なデータの送受信を実現するリアルタイムワイヤレス,広範囲・高密度に電波の利用状況を収集する分散スペクトラムセンシングを紹介する.The next generation of computing and networking technologies will enable us to instantly build a useful service when we need it: the service is built by organically combining programmable networked physical objects. We are already enjoying services using the programmable networked physical objects, and the services include exercise applications using sensors embedded in a mobile phone, video games using sensors embedded in a remote, multimedia sharing services enabling us to instantly share fresh pictures and movies with our friends, smart meters automatically checking electricity consumption and gas consumption with wireless ad hoc networks. The services are realized by combining sensors and computers with networks. Towards the final form of the programmable networked physical objects, wireless communication technologies must be technically innovated furthermore. The wireless communication technology moves forward to a new phase by the progress of mobile devices, such as cell phones and WiFi PCs. We are widely studying not only the new application area of wireless communication, but also spectrum management policy. This presentation introduces our studies: earthquake monitoring composed of dozens of sensor nodes on a floor, wakeup wireless realizing super low power listening, real-time wireless enabling submilliseconds round trip time for machine-to-machine communication, and distributed spectrum sensing collecting spectrum usage information from densely placed sensor nodes.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2010-MBL-55, no.10, pp.1-6, 2010-08-26

本研究では,2009 年 12 月から 2010 年 6 月にかけて収集した位置情報付きツイート 50 万件の中から,位置依存性の高い文字列を抽出する手法を提案する.提案手法では,あるキーワードを含むツイート群に対して,緯度および経度の標準偏差をそれぞれ求め,ツイート群のばらつきの度合いから,そのキーワードの位置依存性を測る.しかし,この手法では,依存する位置が複数存在するキーワード (例えば,チェーン展開している有名店舗名など) を位置依存性の低い単語として判定してしまう.そこで,ある一定の割合以上のツイートを含むエリアを高速に抽出する二次元深さ優先探索を提案する.提案手法では,まず,エリアを 100 キロ四方のグリッドに分割し,それぞれのグリッド内のツイート含有率を計算する.次に,ツイート含有率がある閾値を超えたエリアを 10 キロ四方のグリッドに分割し,同様の判定を行い,最終的には 1 キロ四方のグリッドまで走査する.これらの分析により,1 つのキーワードに対して複数の位置依存性を抽出することが可能となる.
著者
奥川遼 村尾和哉 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2014-MBL-71, no.16, pp.1-8, 2014-05-08

近年,健康意識の高まりを背景に自転車を利用する人が増えており,特にスポーツとしての自転車の利用に対する関心は年々高まっている.サイクルスポーツにおいて高いパフォーマンスを発揮するには,競技用自転車特有のペダリングスキルが要求される.サイクルスポーツでは回転数が高くかつ回転速度の揺らぎが小さいペダリングが理想とされているが,メトロノームの音を用いた従来のトレーニング方法では単位時間あたりの回転数を一定にすることはできるが回転速度の揺らぎについては評価できない.サイクルスポーツ熟練者のペダリング技術は長時間のトレーニングによって形成されるため,初心者が一定で揺らぎが小さい回転速度でペダリングする技術を習得することは容易ではなく,イメージを共有しにくいため指導も困難とされている.そこで本研究では,聴覚情報による引き込み効果を利用して,ユーザがペダリングの回転速度を一定にすることを意識することなく,半無意識的にペダリングを誘導することで,サイクルスポーツ初心者のペダリングスキルの上達を支援するシステムを設計および実装する.実装したシステムを用いて行った実験の結果,従来のケイデンス計で回転数のみを提示した場合と比較して回転速度の分散値が 3 つの提案手法でそれぞれ 46.7%,68.6%,58.8%減少したことから,提案システムによって非サイクリストのペダリングスキルが向上することを確認した.
著者
藤本 貴也 遠藤伶 松本 敬 重野 寛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.24, pp.1-8, 2010-05-13
参考文献数
9

P2P VoD サービスでは,視聴した動画データをピアがキャッシュに保持し,サーバの代わりに配信することで,サーバの配信負荷を低減している.ピアのキャッシュ方法は一般的に FIFO が用いられる.しかし,FIFO では,不人気動画のデータもキャッシュに保持してしまうため,ピアの送信帯域を有効に活用できない.本稿では,動画の人気度を考慮することで,ピアの送信帯域を効率的に利用し,サーバの配信負荷を低減する手法 PEC を提案する.PEC では,人気動画のデータを優先してピアがキャッシュに保持し,サーバの代わりに配信するピア数を増やす.また,シミュレーション評価により,各ピアの過去視聴動画数が 2 個以上の状態における有用性を示す.In P2P VoD services, peer saves the load of delivery server by caching data of the video that the peer has watched, and delivering the video to other peers instead of the delivery server. Although FIFO is typically used as this caching algorithm, FIFO is not efficient for using upload band of peers, because peer may caches data of non-popular video. This paper propose PEC that reduces the load of delivery server by considering popularity of videos. PEC increases the number of peers that deliver the video to other peers because peer gives data of the popular videos priority over non-popular videos for caching. In addition, we evaluate the PEC by the simulation and show effectivity for situation in that each peer has wached 2 or more videos.
著者
石塚 宏紀 上坂 大輔 黒川 茂莉 渡邉 孝文 村松 茂樹 小野 智弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-6, 2014-05-08

低消費電力で動作する Bluetooth の規格である BLE(Bluetooth Low Energy) の登場により安価でのセンサ環境構築の可能性が広がってきた.また,各種既製スマートフォンにおいて BLE 規格の通信プロトコルが実装されつつあり,電池消費を実用可能な範囲にて既製のスマートフォンと通信可能な点も大いに注目されている.屋内位置測位の分野においても屋内環境に設置された複数 BLE デバイスから発せられるシグナルをスマートフオンが受信することによって屋内における端末の位置を同定可能であることから期待を集めている.しなしながら,BLE デバイスによる測位技術は,実機の登場から間もないこともあり実環境における特性を十分に検証する実験や性能評価に関する情報がなく,人体の電波吸収による減衰,障害物による電波の反射,近接に設置された BLE デバイス同士の電波干渉の影響について未だ未開拓の部分が多々あり,実用化に向けた検証が急がれている.そこで我々は,BLE シグナルによる屋内測位における基礎実験を自社施設内で実施した.さらに OBFT(Open Beacon Field Trial) によって開催された BLE デバイスの実証実験に参加し,展示会場に密に設置された BLE デバイスにおいて約 50 名の被験者に BLE シグナルの受信状況を測定する実験を行った.本稿では,各種実験から明らかとなった BLE シグナルの屋内測位利用における課題について実験結果を踏まえて述べた後に,BLE シグナルによる測位と端末センサを利用した相対位置測位技術である PDR(Pedestrian Dead Reckoning) を組み合わせたのハイブリッド屋内側位手法の基礎検討について述べる.An appearance of BLE (Bluetooth Low Energy) raises expectations of realizing sensor environments with low cost. A release of a few BLE compatible smartphones increases the feasibility. Especially in fields of indoor localization, measuring signals from BLE devices is expected to assist indoor localization. However, characteristics of the signals in real fields have not been evaluated enough. Therefore, we conducted experimental trials in real fields (an in-house trial and Open Beacon Field Trial). We show problems we found in the experiments and discuss a hybrid localization with PDR (Pedestrian Dead Reckoning).
著者
藪圭輔 榎堀優 間瀬健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.23, pp.1-8, 2014-03-07

Wi-Fi 電波強度を用いた位置推定において,電波強度の揺らぎを考慮して,電波強度分布の一致度から位置を推定する場合,少数回の観測では十分な電波強度分布が得られず,推定精度が低下する問題がある.そこで本研究では,電波強度分布に,通信理論において,多重経路で受信機に到達する散乱信号のモデルに使われるレイリー分布を用いることで,少数回の観測でも精度の高い位置推定を実現することを目指す.電波強度分布にレイリー分布を想定した場合とガウス分布を想定した場合とを比較した結果,観測回数 2 回の場合の位置推定精度を表す F 値は,レイリー分布利用で 0.770±0.235,ガウス分布利用で 0.055±0.054,5 回で同じく 0.871±0.174 と 0.647±0.195 となった.従って,レイリー分布を利用することで,少数回の観測でも高い精度で識別できることが確かめられた.また,レイリー分布は 1 サンプルでも分布の推定が可能であり,F 値で 0.522±0.235 の精度を得た.In Wi-Fi based positioning, RSSI distribution matching is required to realize robustness for RSSI noise that is occurred by humidity change, human movement, and so on. However, RSSI distribution matching is not effective in small-sample-size positioning if it use common distribution such as Gaussian. Thus, in this paper, we propose use of Rayleigh distribution in order to solve the issue. The Rayleigh distribution is a model of scattering signals arrival with multiple paths in communication theory, and is able to estimate its distribution with small-size samples. As an evaluation result, in two samples, the F-measure is 0.770±0.235 with our proposed method, and it is 0.055 ± 0.054 with Gaussian; and in five samples, the F-measure is 0.871 ± 0.174 with our proposed method, and it is 0.647 ± 0.195 with Gaussian. In addition, our proposed method is able to estimate position in only one sample with 0.522 ± 0.235 in F-measure.
著者
森 奈実子 久住 憲嗣 中西 恒夫 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2010-MBL-53, no.12, pp.1-8, 2010-03-19

ドメイン特化型開発では,特定の市場領域に属するソフトウェアを効率的に開発できる DSL (Domain-Specific Language) を定義し,開発者はその言語を用いてソフトウェアを開発する.しかし,ドメイン特化型開発では特有のテストプロセスは定義されていない.そこで,本稿では DSL の分類に応じたテストケース自動生成手法を援用したテストプロセスを提案する.ケーススタディとして小規模な DSL に提案手法を適用し,その結果を基に従来手法との比較を行った.
著者
吉田 洋 牧野 秀夫 富ロ 真行 伏見 竜 長添 和史
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.8, pp.135-142, 2009-01-22
被引用文献数
1

屋外における位置測位手法としては広く GPS が用いられ,様々な場面で有益な情報を提供するツールとして活用されている.一方,屋内における位置測位手法については研究段階であり,未だ有効な手法が確立されていないそこで,著者らは既設装置である照明器具に着目し,蛍光灯を用いた屋内位置情報システムの研究を進めている.本稿ではいわゆる蛍光灯通信における通信領域拡大を目的とした蛍光灯配置に関する研究について述べる.ここでは,重心ボロノイ分割を用いた蛍光灯配置方式を考案し,新たに通信領域シミュレーションを実施した.その結果,従来の設置位置と比較し案内対象となる通信領域が 16.2% 拡大可能であることが示唆された.Global Positioning System (GPS) provide useful outdoor positional information. However, GPS is not effective indoors. This is the problem that should be overcome. We propose the use of existing Fluorescent light (F.L) to develop a new F.L communication system, one that will increase the area of data reception. To enable this improvement in data reception area we arrange the F.Ls according to centers of gravity determined by related Voronoi Diagrams. From here, we undertake a new simulation and an evaluation of results suggests that we can obtain a 16.2% increase in the area from which data receive overall.
著者
加藤 丈和 松山 隆司
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-6, 2011-08-29
被引用文献数
3

本稿では,家電の状態や電力を計測する「スマートタップ」とホームサーバから構成する「スマートタップネットワーク」を用いた家電の電力見える化システムと,見える化システムを実装したスマートマンションルームにおけるエコ生活実証実験について述べる.本システムでは,家庭内の全ての家電や照明の消費電力を個別に計測し,リビングのテレビとゲーム機を用いたインターフェースによって居住者にリアルタイムに提示することで,消費電力を見える化し節電を促すことができる.また,各スマートタップは家電認識機能を実装し,あらかじめ家電を接続する場所を固定しなくても,どこでどの家電を利用したかを自動で判別し,家電ごとの電力使用量を計測することができる.提案する見える化システムをマンションの一室に実装し,実際に生活して本システムの効果を実証した.This paper describes electorical power visualization system based on smart tap network. The smart tap network is an electrical power sensing and control network constructed by from Smart Taps (intelligent outlet with voltage/current sensor, signal processor and wireless communication ). Our system monitor the power consumption for all appliances in a home and promotes saving electricity for the user. The function of appliances recognition is implemented on the smart-taps. We introduce the smart-tap netowrk and visualization system to the apartment room and eveluate effectiveness of our system by real-life experiments.
著者
河東 晴子
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.14, pp.1, 2009-10-29

MILCOM (Military Communication Conference; IEEE, AFCEA 共催) は米国産官学を中心とする防衛通信の一大イベントで,毎年米国各都市で開催される.28 回めとなる MILCOM 2009は10月18~21日に米ボストンで開催される.本発表ではこの参加報告を行なう.(AFCEA: Armed Forces Communications and Electronics Association)MILCOM (Military Communication Conference) is a prime conference of defense communication with military, university, and industry, co-sponsored by IEEE, AFCEA, held every year in the United States. MILCOM 2009 is the 28th conference and held from October 18 to 21 in Boston, Massachusetts. This presentation reports the MILCOM 2009. (AFCEA: Armed Forces Communications and Electronics Association).
著者
山本 健太郎 上岡 英史
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-6, 2012-05-14

本稿では、加速度センサデータから手振り動作を忠実に抽出し、パターンマッチングを行うことで、セキュアかつ手軽に個人認証を行う手法を提案する。手振り動作での認証は生体認証であり、その中でも行動的特徴に分類される。行動的特徴の欠点は認証率の低さにあり、それを改善できれば動作の違いによるパスワード変更も可能なため、フレキシブルな認証システムとなりうる。本研究では、忠実に動作部分を抽出することに焦点をあて、認証精度の向上を図った。具体的には移動平均で加速度データ波形を平滑化しつつ、加速度の微分値である躍度を用いる方法により、正確な動作部分の判別を実現した。本提案動作抽出アルゴリズムを用いることで、行動的特徴を用いた高精度な生体認証が可能となる。In this paper, a simple and secure authentication method, which correctly extracts a user's gesture from acceleration sensor data and performs a pattern matching with it, will be proposed. Such a gesture-based identification technique is considered as a biometric authentication with behavioral characteristics. One of the significant drawbacks of using the behavioral characteristics is the low authentication accuracy. Therefore, if the accuracy is improved, the approach could be utilized for a flexible authentication system since the passcode can be changed with a different gesture. The proposed method introduces a moving average technique and focuses on jerks, which are differential values of acceleration, in order to determine the thresholds for correctly extracting a gesture. This approach will enable high accuracy biometric systems with behavioral characteristics.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
柏本 幸俊 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-74, no.31, pp.1-4, 2015-02-23

近年,屋内でのユーザの生活支援に向けた屋内位置手法に関する研究が盛んに行われている.これらの屋内位置推定手法は健康支援システムや高齢者見守りシステムなど様々な応用が期待でき,多数の手法が提案されている.圧力センサ内蔵マットやマイクアレーを用いた屋内位置推定システムが提案されている.しかし,導入コストやプライバシの問題が存在する.本稿では,これら 2 つの課題を解決するため,床に貼り付けた振動センサによる屋内位置推定システムを提案する.提案手法では,一般的な日本家屋の床などの振動を伝搬しやすい床を対象として,床に複数の振動センサを設置し,ユーザが移動した時に床に生じる振動よりユーザの位置を推定する.提案システムでは,振動フィンガプリント及び振動の強度の変化を用いてユーザの位置を推定する.床に伝搬する振動には,ユーザの位置を特定できる振動が含まれる.例えば,ユーザがドアを開閉した時の振動,椅子に着席・離席した時の振動などである.これらの振動とそれぞれの振動が発生する場所の組み合わせ (振動フィンガプリント) によってユーザの位置を推定する.しかし,振動フィンガプリントのみでは,振動フィンガプリントが存在しない場所にユーザが移動した場合や,移動中のユーザの位置推定が困難である.そこで,振動波の大きさ (振動強度) の変化よりユーザの移動方向・移動距離を推定し,この課題を解決する.ユーザの歩行による振動強度が時間経過とともに増加した場合,ユーザが振動センサに近づく方向に移動していることが分かる.従って,複数の振動センサの振動強度の時間的変化より,ユーザの移動方向を推定できる.それぞれの振動フィンガプリント・振動強度の時間的変化によるユーザの移動方向・距離の推定で推定したユーザの位置をパーティクルフィルタを用いて統合することで,ユーザの屋内での位置を推定する.提案システムの実現に向けて予備実験を行った.予備実験では,大学が所有するスマートハウスのフローリング床に複数の振動センサを設置し,振動強度とユーザー振動センサ間の距離に相関が存在するかを確認した.予備実験の結果,振動強度とユーザー振動センサ間距離との間に対数関数で近似できる相関が存在することが分かった.
著者
西村 顕 杉田 薫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.1-6, 2014-05-08

コミュニケーションサービス全体の電力消費量の削減を目標として,従来研究においてオンラインビデオ再生時における電力消費量測定用iOSアプリケーションを開発と評価を行った.しかし,オンラインビデオにApple提供のHTTP Live Streamingを使用したため,ビデオ配信しか行うことができず,コミュニケーションサービスへの適用が困難であった.そこで,マイクロブログやソーシャルネットワークサービスのようなコミュニケーションサービスで利用されるWebサービスの電力消費量が測定可能なiOS対応のWebブラウザを開発したので報告する.In order to decrease total power consumption for a communication service, we have developed and evaluated a Web browser to support some measurement of power consumption during playing video streaming service. But, the Web browser have been difficult to apply a communication service only to support video streaming function based on Apple HTTP Live Streaming. For this reason, we developed a new Web browser to measure power consumption of communication services such as a Web service, a microBlog and a social network services (SNS) running on iOS.
著者
長谷川 達人 越野 亮 木村 春彦
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-7, 2015-02-23

現在,スマートフォンは世界中で多くの人々に利用されている.携帯電話の様々な機能が日々発展している中,音量設定に関しては依然として物理ボタンで手動設定が行われている.利用者は毎日通勤前にマナーモードを設定し,帰宅後は元に戻すなどの設定を行う必要があるため,それが手間で,常にマナーモードに設定している利用者も少なくないだろう.それでも,必要な連絡をとり逃してしまうことや,音楽が聞きたいときにはわざわざ音量を設定する必要があるなどの不便は残る.我々はこれらの課題を解決するためにインテリジェントな音量変更手法を開発している.その実現に向け,本稿では多数の被験者による実際の操作ログを収集する実験を行った.本稿では,利用者属性や音量変更を行うタイミングなどに関する考察を行った結果を報告する.Nowadays, many people use a smartphone in the world. Although many functions are improved step by step, users still manually adjust the suitable volume with hard buttons. Users set their smartphone to vibrate mode before commuting and ring mode after getting their home every day. Therefore, quite a few people always set their smartphone to vibrate mode. However, inconvenience still remains, such as to miss a necessary phone call, or to raise sound volume when the user would like to listen to music. We develop an intelligent volume adjustment method to improve such inconvenience. Towards implementation of this method, we gathered operation log of actual use by many participants. In this paper, we described the results of considerations such as considering user attributes and the right time to change sound volume.