著者
石田 達郎 瀬古 俊一 青木 良輔 宮田 章裕 橋本 遼 渡辺 昌洋 井原 雅行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-6, 2014-05-22

筆者らは,災害時にインターネットがつながらない状況でも,離れた避難所間で人の移動を媒介として情報を伝達する 「レジリエント情報流通プラットフォーム」 を構築し,この上で動作する安否確認アプリケーションを開発してきた.東日本大震災の被災経験者を対象に,この安否確認アプリの受容性調査を実施した結果,個人情報の自動入力や自動送信には心理抵抗を感じる被験者がいるものの,利用したいか否かについては一定の肯定的な回答が得られ,安否確認サービスの潜在的な需要を確認できた.We have already developed the information sharing platform that enables to share information among remote locations even if the Internet is disconnected under disaster situation. Afield test was conducted to evaluate the potential of a safety confirmation application which works on the platform. We confirmed the user acceptance of such a safety confirmation service although psychological factors in registering personal information should be considered.
著者
西村 綾乃 椎尾 一郎
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-38, no.9, pp.1-6, 2013-05-09

家事などの日常的な仕事は単調でつまらない作業,いわゆるルーティンワークになりがちである.また,今日では,音楽情報処理の技術が発達し,携帯プレーヤーで音楽を再生するだけでなく,ソフトウェアを利用することで歌詞とメロディをコンピュータに歌わせることも可能となった.そこで,本稿では位置情報や家電 (掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,食洗機など) に取り付けたセンサ及びネット (SNS,天気予報,webニュースなど) から取得したユーザーの状況 (コンテクスト:Context) に合わせた歌詞とメロディを自動的に作成しリアルタイムに VOCALOID に歌わせることで,生活に彩りを与えるシステムを提案し,その実装を行った.
著者
友広歩李 角康之 松村耕平
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2014-UBI-44, no.22, pp.1-6, 2014-10-07

スケッチはデザイナの情報記録,共有,そしてアイディアの発想のためのツールとして使用されている.本研究ではタブレット PC とデプス (depth) カメラを用い,空間構造の理解やデザインを促すスケッチインタフェースを開発する.手描きのスケッチに三次元構造を組み合わせ,奥行きのついたスケッチの世界を歩き回ることや.空間内に付箋を貼るようにメモやアイディアを描き加えることが可能となる.対象ユーザは建築デザインやサービスデザインを手がけるデザイナの人々である.複数人で同じ空間にスケッチを行うことや,スケッチ後の空間が共有でき,情報の記録から活用までを支援するシステムを目指す.
著者
片岡泰之 渡部智樹 田中清 東野豪
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-6, 2013-03-07

モバイル端末上で利用可能なサービスの検索支援を行うために,サービスと利用者をつなぐインタフェース ISHI (Intent of Service and Human Interface) を提案する.ISHI はサービスで提供される機能を自然言語で抽象表現で示し,サービサの意思と利用者の意思を表裏一体に兼ね備えた概念である.本研究報告では,ISHI のヒューマン・インタフェースとしての優位性を示す利用例として,モバイルアプリのファセット検索を扱う.ファセット検索の実装のために,ISHI のインデクシングの自動化手法と ISHI の重要度の測定手法を提案する.そして,モバイルアプリ特有の非構造化データを用いた本手法の効果を定量的に評価する.最後に,ISHI によるモバイルアプリのファセット検索を用いた被験者実験の結果を報告する.
著者
富士谷康 吉田拓磨 中村明順 安積卓也 望月祐洋 西尾信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-05-22

Web 上での活動支援のためにユーザ個人の閲覧履歴を分類する研究が行われている.分類の際にはユーザの閲覧意図を考慮する必要があるが,時刻やページ本文を用いた既存手法では複数の意図が混在したり,本文が存在しないページの分類ができない.本論文では新たな意図の出現を捉え,閲覧意図の階層性を反映した閲覧履歴の分類を目指し,2 段階の分類手法を提案する.第 1 段階では閲覧の起点とタブ切替に注目した履歴間の関連性を用い機械的に分類する.第 2 段階ではまとめた履歴に含まれる本文の類似度によって階層的クラスタリングを適用することで,分類結果が表す閲覧意図の粒度操作を可能にする.評価では,被験者が意図ごとにまとめた履歴と提案手法による分類結果の一致性が,本文のみによる比較手法より幅広い閾値で高く,閲覧の起点で意図の出現を一定程度の正確性と網羅性で捉えられることを示した.Many researches have been performed on clustering methods for personal web browsing history. Existing clustering methods using the visit time and/or text contents cannot reflect user's intentions. This paper proposes a two-phased clustering method suited for capturing the appearance of a user's new intention along with reflecting the hierarchical structure. In the first phase, we create groups of history by applying a clustering method based on the relationship in browsing history. In the second phase, we apply a hierarchical clustering method using the similarity of text contents in order to control the granularity of an intention. The conformance rate was evaluated between the results grouped manually by research participants and grouped automatically by proposed method. The results show the effectiveness of proposed method compared with a method only using a document clustering. Moreover, proposed method can capture the appearance of intentions in a precise and comprehensive manner.
著者
水上 貴晶 早矢仕 拓也 五十里 秀人 菱田 隆彰 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.48, pp.1-8, 2014-03-07

既存の観光アプリケーションは観光地に対する個人の口コミ情報を収集し,観光地の紹介を行い,観光者に対して効果的な観光行動の促進を狙っている.しかし,観光地への口コミの収集,紹介は著名な場所に限られており,このままでは認知度の低い観光地はますます衰退して行く一方である.また近年,食の安全が問題になっている事で,ますます安心安全,地産地消の観点から農産物直売所を訪れる人が多くなっており,農産物直売所がひとつの観光地として成り立ちつつあることにも着目した.そこで我々は,農産を活用することにより効果的に観光者に対して観光場所や農産物直売所の提示を行うアプリケーションを提案するし,農産活用型観光誘導アプリ COMAT(Citizens coOperation MApping for Toyota) を開発した.COMAT は,既存の観光アプリケーションとは違い,観光者に観光地情報,農産物直売所情報を提示することで,観光地に訪れた人は農産物直売所を,農産物直売所を訪れた人には観光地情報が得られる.観光地と農産物直売所を効果的に提示する事により観光者の行動範囲の増加と新たな観光場所の認知を狙うといった特徴がある.COMAT により観光者の行動範囲の増加と,観光地や農産物直売所へ効果的に観光者を誘導できるきっかけを与えることを目指している.
著者
桃原 岳史 宮里 智樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.39, pp.1-5, 2014-03-07

劣通信環境とよばれる,通信インフラが貧弱,あるいは存在しない環境化においては,通常のネットワークとは異なるアプローチでの通信様式が求められている.途絶耐性ネットワーク (DTN:Delay Tolerant Network) とは,そのような環境での情報伝達を目的とした通信技術である.DTN の形態のひとつに蓄積運搬型通信があり,移動する端末が移動経路の近辺に存在する端末と相互に情報を転送することで情報伝送を行う.蓄積運搬型通信においては,ノード間の通信可能時間内に転送できるデータ量が限られるため,効果的な伝送制御法が研究されている.本論文では,地域コミュテイでの情報サービスの災害時運用として,DTN の概念を取り入れた情報サービスを設計,平時から非常時までをシームレスにサポートするサービス形態を提案.その概念を実証するためのテストベッドを構築した.転送するデータのメタ情報をもとに通信ノードとの転送ファイルを決定する手法を提案し,提案手法を実装したテストベッドでの性能計測を行い,有効性の検証を行う.In the environment with a poor or no inteernet infrastructure, the communication style in different approach from usual is searched for. DTN:Delay/Disrupt Tolerant Network is the Communication technology aiming at such environment. Store-Carry-Forward is one of the style of DTN. At Store-Carry-Forward,mobile node makes communication by moving between a node and a node. In that case, since traffic is restricted, the various control methods are devised. In this research, the communication service using the technique of Store-Carry-Forward was created and the performance measurement was performed.
著者
小原 知也 若原 恭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.29, pp.1-6, 2014-03-07

近年の車車間通信によるネットワークへの期待や自然災害に対する救助等への応用により,アドホックネットワークの利用の可能性が増えてきている.そのような多彩な環境の上で信頼性ある通信が求められる際には TCP を利用することが考えられるが,アドホックネットワーク上で TCP を用いた場合,グッドプットが大きく低下してしまうことが知られている.アドホックネットワークでは,ノードの動きによってリンクが途切れやすくなりルートの入れ替わりが激しく,またマルチホップ無線通信によってパケットの衝突が頻発する.これによって輻穰が生じていない場合でも TCP によって輻韓だと誤認されてしまい,不適切な再送タイムアウト (RTO) を引き起こしグッドプットが低下してしまう.そこでこのような不適切な RTO を回避するために,RTO よりも早期のルートの再セットアップ及びパケット再送を行い,グッドプットの改善を行う.シミュレーション実験によりこの手法が最も良く働くパラメータの調整を行い,グッドプットの低下を抑えるために有効性があることを確認した.In recent years, the expectation of networks for inter-vehicle communication, the utilization for natural disasters relief etc. have widened the applications of ad hoc networks. When a reliable communication is required under a variety of such a network, TCP is to be used. However, it is well known that the goodput of TCP degrades significantly in ad hoc networks. In ad hoc networks, a route is likely to change because of link breakage by node mobility, and there will be frequent packet collisions in multi-hop wireless communication. This leads to the misjudgment of congestion by TCP, and as the result, there will be inappropriate RTO (timeout) to decrease its goodput. Therefore, we propose early route re-setup and early packet re-transmission, to improve the goodput by avoiding inappropriate RTO. By some simulation experiments, we adjust the parameters of proposed method, and demonstrate the effectiveness of the proposal in suppressing the decrease in the goodput.
著者
田村 祐典 中本 幸一 山田 晋平
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.32, pp.1-7, 2010-03-19

近年、プロセッサのマルチコア化が進む中で新たな並行処理同期法としてトランザクションメモリという技術が注目されるようになってきている.トランザクションメモリとはデータベースの分野で使用されるトランザクションをメモリのデータ管理に応用したものである.トランザクションメモリは従来の並行処理における共有データの同期制御法であるロックベースの排他制御の代替手法とすることが研究される.従来の同期処理手法である排他制御は危険領域を大きく取るか細かく取るかでトレードオフがある.大きく取る場合はプログラムは見やすくなるがスループットが低下する.反対に細かく取ればスループットは増加するがプログラムが見難くなり、予期せぬデッドロックの可能性も高くなる.トランザクションメモリは,一貫性が損なわれない範囲で従来危険領域とされる処理においてのスレッドの並行実行を許す.そのため,排他制御の問題の解決法として考えられている.プロセッサのマルチコア化は将来の組込システムの分野にも適応可能であると考えられ,汎用コンピュータの場合と同様にトランザクションメモリを使用することで利益が得られると考えられる.本研究はこのような観点の下,組込システムにおいて,トランザクションメモリの実装方式を検討するものである.Recently, as processor has become multi-core, transactional memory has been getting attention as a new memory synchronization method. The transactional memory is a memory management technology based on transaction used in field of database. It has been researched for expecting that it will be an alternative to a lock-based exclusive control in the traditional memory synchronization. The traditional exclusive control has trade-off between coarse-grained locking or fine-grained locking. The coarse-grained locking becomes easy to see the program, but throughput (concurrency) decreased. The fine-grained locking, increase throughput, but it becomes difficult to see the program and prone to programming errors. The transactional memory provides a solution to this problem because it allow multiple task to run concurrently in critical section as far as the consistency of data is not lost. In the field of embedded system, multi-core processer can be used too, so embedded system can benefit from transactional memory. Under this perspective, this study focus on applying transactional memory for embedded system, and design transactional memory for implemention into embedded operating system.
著者
村田 哲史 加賀爪 翔太 田口 宏明 藤波 香織
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.2, pp.1-8, 2012-07-07

近年のエネルギー問題や環境問題の深刻化の影響は家庭部門にも波及し,一般家庭における省エネルギー化の推進がますます必要とされている.それに伴い,情報提示により省資源行動を促進させることを目的とした研究が盛んに行われている.既存研究では提示情報の情報源として,機器の利用量のみが用いられることが多かったが,本研究では資源消費時の「無駄」に着目し,利用者の無駄行動を情報提示に反映させる手法を提案する.無駄の反映により,利用者は自身のどの行動を改善すべきかを具体的に把握でき,より強い省資源の動機づけになることが期待できる.本稿では,ケーススタディとして,家庭用冷蔵庫における省資源行動促進のための情報提示システム PerFridge を実装し,実際の家庭への導入実験を行った結果について報告する.In recent years, researchers in a HCI community try to achieve resource saving by information presentation. However, an utilization volume of electricity or water is only utilized as information resource in a traditional studies. In this paper, we present a new eco-feedback system design that reflects the behavior of wasteful usage. A PerFridge that persuades a user to conserve energy resource on a refrigerator is implemented. We examine an user study in a standard home and compare effectiveness of information reflecting wasteful usage with traditional simple amount of the resource.
著者
宓 梅珽 田野 俊一 橋山 智訓 市野 順子 岩田 満 三澤 純子 掛井 祐伸 羽木 貴昭 望月 宏史 米本 京介
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-40, no.8, pp.1-8, 2013-10-29

大型インタラクションディスプレイが普及しつつある。コラボレーションを促進することができると見られ、特に仕事場や公共空間において Wall 型と Table 型の大型ディスプレイが最も多く使われている。本論文では、情報の方向性を考慮したより一般的なタスクを設計し、今まで様々なタスクで結論付けた Wall 型と Table 型ディスプレイの強みと弱みを検証し、新たな結論を導くことで、今後の Wall 型と Table 型ディスプレイのインターフェースデザインに参考と助言を提供することを目的とした。 2 人から 6 人までのグループサイズで小規模な事前実験を行った。提案したユーザパフォーマンスの測定方法を評価し、事前実験の結果を分析した上で、今後の本実験の設計を提案した。
著者
牧野義樹 グェンホアイソン 金準修 楊鉦国 リムアズマンオスマン 丹康雄
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.39, pp.1-4, 2013-03-07

ホームシミュレータの実現により,実際の住宅を利用することなく新規家電や新規制御方式の効果を確認することが可能となる.実際の宅内の環境は,外部環境や住宅の間取りや設計,存在する家電やそれらを利用する住人といった様々なモデルで構成される.また,電力不足の発生が現実的になり,太陽光発電や蓄電池,燃料電池等の発電・蓄電機器の住宅への導入がすすんでおり,それらのモデルにも対応する必要がある.このように,宅内環境は様々なモデルの集合となるため,シミュレータを構築する際にも様々なモデル,様々な実装方法に対応している必要がある.本稿は,我々が開発を行っている複数のモデルに対応したホームシミュレータの設計について述べる.
著者
北川拓 新井イスマイル
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.11, pp.1-8, 2013-03-07

スマートフォンの普及に伴い屋内ナビゲーションの需要が高まっているが,屋内では GPS が利用できず,それに代わる測位手法が確立されてないため普及に至っていない.そこで本研究では,数ある屋内測位手法の中からデッドレコニングを選択し,その課題として方位推定に着目した.既存の手法では加速度・地磁気センサを用いて方位推定を行なっているが,屋内では鉄筋の帯磁や電気機器の磁気作用等が原因で実用的な方位推定ができない.そこで本研究では,近年スマートフォンに標準搭載されつつあるジャイロセンサを用いることでこの方位推定精度の向上を目指す.提案手法の概要として,スマートフォン内蔵センサ特有のノイズに対してはローパスフィルタを適用することで対処し,ジャイロセンサのオフセット誤差については歩行者の直進状態を検出し,その期間の角速度値を 0 に補正することで誤差の軽減を図る.大阪・梅田周辺地下街で測位実験した結果,加速度・地磁気センサを用いる既存手法に対しては 24 %,角速度データを補正せず積分する手法に対しては 81 %の方位推定精度の向上が得られた.
著者
池田 彩乃 千葉 祐貴 羽田 久一
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-40, no.16, pp.1-5, 2013-10-29

SNS やメールなど速報性のあるコミュニケーション手段の一般化により、人々はいつもディスプレイから離れることが出来ないでいる.本研究ではディスプレイの見過ぎから生じる問題を解決するために、ディスプレイを見た疲れを癒しつつメールや SNS 上のメッセージの新着の確認や返信などの操作が出来るぬいぐるみ型操作デバイスを提案し実装を行った.本システムではぬいぐるみに特定の動作をさせることでコンピュータにコマンドを送り、音声合成によりメッセージを確認することが出来る.さらにメッセージの返信には音声認識を用いることでぬいぐるみと遊ぶ感覚で画面を利用せずにネットワークコミュニケーションを行うことが可能となる.
著者
興野悠太郎 小川正幹 米澤拓郎 中澤仁 徳田英幸
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-38, no.48, pp.1-2, 2013-05-09

近年,スクリーン以外を対象として映像を投影するプロジェクションマッピングが盛んとなっている.しかし,現在のプロジェクションマッピングでは,静的な物体に対して投影されているものがほとんどで,移動している物体や形が変わる対象に投影する場合,あらかじめ複雑なキャリブレーションが必要な事から,あまり取り組まれていない.しかし,これらの物体に投影する事で,よりダイナミックで演出効果の高い表現を実現できると考えられる.本研究では,動的かつ不定形の物体に対し,事前のキャリブレーションを必要とすることなく,対象の状況を動的に判別し,投影を可能とする手法を実現する.
著者
正木 星 渋沢 進 小林 守 米倉 達広
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.29, pp.1-8, 2011-02-28

徘徊性のある認知症高齢者は,無断外出して事故を起こすことや,行方がわからなくなることがある.本研究では,認知症者の徘徊行動に着目し,携帯電話に搭載されている加速度センサの機能を用いた高齢者の移動状態の推定を行う.高齢者の移動は基本的に歩行であることから,本稿では携帯電話を用いて歩行状態についての推定を行い,また怪我などによる不安定な歩行状態ついての推定を行い,評価を行った.その結果,高齢者の歩行の推定では,合成加速度やスペクトルを用いて推定を行ったところ,停止の判定率が100%であり歩行の判定率が91%であった.次に不安定な歩行状態の推定では,転倒を基準とし,転倒前と転倒後のスペクトルを比較することで推定を行ったところ,判定率は95%であった.このため,歩行と不安定な歩行状態の推定は携帯電話に搭載した加速度センサを用いてほぼ推定することができる.Elderlies with wandered dementia who go out without permission sometimes meet accidents or get lost. This paper presents the presumption of elderly's movement using the function of acceleration sensor installed in mobile phone. This paper also introduces elderly's unstable movement which is causced by injury or accident, and presents the presumption of elderly's unstable movement and its evaluation. From experiments, elderly's movement was presumed about 91% using acceleration values and their spectra. By comparing acceleration spectra before and after falldown, elderly's unstable movement was presumed about 95%.
著者
古谷 翔 角 康之 西田 豊明
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.19, pp.1-8, 2009-05-08

本稿では,共有体験におけるコミュニケーション支援システムであるPhotoChatで行われる仮想的な会話の構造分析について報告する.PhotoChatユーザは,撮影した写真とそこへの書き込みを無線で共有することができ,気軽に興味対象を伝えたりチャットを行うことが可能である.実会話の構造分析においては,会話場への参加・離脱における関与の仕方(参与構造)や,そこでの様々な周辺言語や振る舞い(発話交代,立ち位置や顔の方向の変化,うなずきやあいづち等)の役割について分析が行われてきた.PhotoChat上のチャットは,写真撮影を会話場形成,写真閲覧を会話場への参加,書き込みを発話と考えると,一種の会話現象とみなすことができる.本稿では,PhotoChat上のユーザの振る舞いデータに対して会話分析を行うことで,会話の盛り上がりシーンの特定や,会話構造理解の可能性を議論する.This paper shows the analysis of dialogue structures on virtual conversations with communication support system ”PhotoChat”. Users of ”PhotoChat” share the pictures and free writing data with wireless network. We can regard Chattings on PhotoChat as a kind of conversation : Taking a picture means to make a floar of conversation and looking at the pictuer means joining the floar. The analysis shows that there are different dialogue structures depending on the scenes in which Users use PhotoChat and that there are some problems to facilitate virtual comversations.
著者
古谷 翔 角 康之 西田 豊明
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2009-UBI-22, no.19, pp.1-8, 2009-05-08

本稿では,共有体験におけるコミュニケーション支援システムであるPhotoChatで行われる仮想的な会話の構造分析について報告する.PhotoChatユーザは,撮影した写真とそこへの書き込みを無線で共有することができ,気軽に興味対象を伝えたりチャットを行うことが可能である.実会話の構造分析においては,会話場への参加・離脱における関与の仕方(参与構造)や,そこでの様々な周辺言語や振る舞い(発話交代,立ち位置や顔の方向の変化,うなずきやあいづち等)の役割について分析が行われてきた.PhotoChat上のチャットは,写真撮影を会話場形成,写真閲覧を会話場への参加,書き込みを発話と考えると,一種の会話現象とみなすことができる.本稿では,PhotoChat上のユーザの振る舞いデータに対して会話分析を行うことで,会話の盛り上がりシーンの特定や,会話構造理解の可能性を議論する.
著者
前川 卓也 柳沢 豊 岸野 泰恵 石黒 勝彦 亀井 剛次 櫻井 保志 岡留 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.57, pp.1-8, 2010-03-19
被引用文献数
1

本稿では,カメラ,マイク,加速度センサなどのセンサ搭載する手首装着型センサデバイスを用いて人の日常行動を認識する手法および,そのデバイスの設計について述べる.センサデバイスは,ユーザの手のひらの周辺の領域を撮影するように設置されたカメラを備えることを特徴とし,これにより,「コーヒーを作る」,「水やりをする」 などのモノを用いた行動の認識が可能となる.既存のウェアラブルセンサを用いた行動認識の研究では,加速度センサやマイクのみしか用いていなかったため,このような行動の認識は困難だった.また,提案デバイスはカメラやマイクを備えるため,ユーザのプライベートな生活を画像や音声として記録してしまうという,プライバシーの問題をもつため,本稿では,原画像や音声を必要としない行動認識手法を提案する.さらに,評価実験において,提案手法およびデバイスの有効性を確かめた.This paper describes a method that recognizes activities of daily living (ADLs) by employing a wrist worn sensor device with such various kinds of sensors as a camera, a microphone, and an accelerometer, and also describes the design of the wrist worn device. Specifically, the device captures a space around the user's hand by the camera to recognize ADLs that involve the manual use of objects such as making tea or coffee and watering plant. Existing wearable sensor devices equipped only with a microphone and an accelerometer cannot recognize these ADLs without object embedded sensors. We also propose an ADL recognition method that takes privacy issues into account because the camera and microphone can capture aspects of a user's private life. Furthermore, we experimentally confirmed the effect of our proposed device and method.
著者
村田 哲史 藤波 香織
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.39, pp.1-8, 2011-02-28

本論文では介護予防の望まれる高齢者やパーキンソン症候群等の歩行障害を有する患者を対象にした,歩行能力の低下防止,歩行障害の緩和・回避を実現させるための小型プロジェクタを情報提示手段としたウェアラブル歩行支援システムを提案する.また,システム実現に際して問題となる歩行時の床上での投影画像の揺れを軽減する方法について検討を行い,投影画像安定化を組み込んだプロトタイプを用いて定量的・定性的な評価実験を行った.定量評価実験の結果,安定化処理を施すことで歩行時の投影画像の位置誤差を48.7%改善することができた.また,定性評価実験ではユーザからの主観評価によって定量評価実験の結果が裏付られた.In this paper, we propose a concept of walking support system for elderly people who need preventive care and patients with gait disorder, for example, parkinson's syndrome. The system presents visual information for gait support to a user by a wearable projector. The information is determined based on a user's walking condition and physical function. We propose a method to reduce vibration that is found in a projection image on the floor while walking. This is because the projected image on the floor is shaking with the walking. Such unstability of projected image not just affects the visibility, but also makes it difficult to present spatial information. An implementation of stabilizer functionarity is presented. As a result of quantitative experiment, we found that an error in the position of a projected image was reduced by 48.7%. The result of a qualitative experiment also supported the improvement.