著者
和嶋 雄一郎 鷲田 祐一 植田 一博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.67, pp.277-282, 2014-05-29

文系と理系という区別は,学業上の人工的な区別でしかなく,人間行動にとって特に重要な意味はないと考えられがちである.事実,日本以外の国々,特に欧米諸国では,広く受け入れられている概念とは言いにくい.しかしながら先行研究では,文系と理系の違いが社会行動に影響を及ぼす可能性がアンケート調査によって示唆されている.そこで本研究では学部4年生と大学院生を対象として,文系と理系の違いが「情報技術やサービスに関するアイデア生成」という創造的思考に影響しているのかどうかを実験的に調査した.その結果,理系からのアイデアを受けた文系がより創造的なアイデアを出すなど,文系・理系の違いと創造性との関係が示唆された.
著者
中塚 智之 芳賀 博英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.66, pp.31-36, 2014-05-29

本稿では,GPUによる並列計算のフレームワークであるNVIDIA CUDAに基づくGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)による処理をより平易に記述可能なRuby用のライブラリであるrbcudaの設計と開発について述べる.実装にはコンパイラ開発環境であるLLVMを用い,RubyのソースコードをLLVMに変換し,そこからGPUのアセンブリ言語に相当するNVIDIA PTXを生成する.rbcudaの利用によって,native Rubyに対して5000倍の高速化,native CUDAプログラムに対して約半分のコード量で同様のプログラムが書けたことを確認した.
著者
磯村 淳 河中 治樹 小栗 宏次 渡邉 英一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.515, pp.139-144, 2015-03-16

本研究の目的は,カメラを用いた男性の尿量及び尿流率推定における精度向上である.循環器系疾患の患者のための排尿量管理や,下部尿路機能障害の早期発見のためにも簡便な排尿量及び排尿流率計測方法が望まれている.実験では排尿を模擬した液体を撮影した後,原画像から液体のみを白色画素として残す2値画像に変換するために背景差分法を用いた.撮影を蛍光灯の下で行ったので,2値画像内にはノイズが生じた.2値画像内の白色画素の近似曲線に基づいてノイズを軽減すると,液体の総量及び流率の推定精度向上が見られた.男性の排尿を模擬した液体推定における背景差分法及び2値画像に対するノイズ軽減手法の有効性を示した.
著者
立石 健二 宮崎 林太郎 長田 誠也 増山 毅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.53-57, 2014-09-11

本稿では、「結婚」「子育て」等のライフイベントに関するユーザ属性をYahoo!知恵袋の書込みとYahoo! Japan上の行動ログを用いて推定する方法を提案する。ユーザ属性は詳細に得られる程、ピンポイントなパーソナライズが可能になる一方、取得方法が課題となる。提案方式は2ステップで構成され、まずYahoo!知恵袋の「3歳の子供がいる」といった書き込みから「子育て」といった特定のライフイベント属性を持つ質問者をパターンマッチングにより抽出する。次に、得られた質問者を学習データとして、質問者のYahoo! Japan上の行動ログ(例.クエリ、閲覧ページ)を元に、知恵袋に投稿しないユーザがライフイベント属性を持つかを推定する。評価実験により、1ステップ目が、2ステップ目で正例として用いるに十分な数の質問者を高精度に抽出できることを確認した。
著者
塩見 英久 岡村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.69, pp.53-58, 2014-05-30

近年、シミュレーション技術はますます複雑化が進んでおり、煩雑なコーディング作業を軽減する技術の発展が望まれている。数式処理システムを用いて差分法の漸化式を導出する試みは広く行われているが、FortranやC言語などを対象にするものが多い。GPUやFPGAなどを用いたヘテロジーニアスコンピューティングなどでは、それぞれのアーキテクチャに適した言語でコーディングできることが望ましい。本研究では、プログラミングと数式処理が高度に融合し柔軟な処理が可能なsympyを用いてSIMD的な操作体系を備えた配列向けの自動コード生成に取り組み、所望のコードを得ることができたので報告する。