著者
早水 悠登 合田 和生 中野 美由紀 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.328, pp.67-72, 2010-11-29

昨今、データセンターにおけるサーバの消費電力増加が著しい。これらサーバのなかでも、データセンターの中でもメジャーなアプリケーションであるオンライントランザクション処理(OLTP)の省電力化が重要である。OLTPシステムはサービスレベル契約(SLA)を満たすことが求められるため省電力化が難しく、これまでのところ有効な省電力手法はほとんど提案されていない。本論文では、OLTPにおけるアプリケーション指向省電力を提案する。我々の手法では、OLTPアプリケーション性能の測定にもとづきプロセッサの動作周波数を動的に調整する。これにより、SLAを満たしつつOLTPシステムの消費電力を削減できる。TPC-Cと実サーバの負荷データを利用した実験では、最大でサーバ全体の消費電力における11%の消費電力削減効果があることが確認された。
著者
Feelifl Hisham 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.203, pp.85-92, 1999-07-23

Shared nothing systemの並列インデックスデータベースに於いて、個々のPEに負荷の偏りができた場合、パフォーマンスは低下してしまう。本論文では、最小の修正コストで、データを動的に動かし負荷分散させることにより、このパフォーマンスの低下を解消する手法を提案し、その有効性を示す。
著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.23-28, 2006-07-06

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.
著者
田島 敬史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.202, pp.105-110, 1999-07-22

半構造データに対する検索を記述する場合, データの構造が不規則である点と, あらかじめ与えられたスキーマがない点が問題となる。これまでに提案されている半構造データのための検索言語では, これらの問題をワイルドカードを導入することで解決している。しかし, 全体のデータ構造がわからない状態で検索を記述する場合, ワイルドカードが思わぬデータにマッチし, 検索結果に不必要なデータまで含まれてしまうことがある。そこで本論文では, どのようなデータがより解として適当と思われるかの優先度を記述できる構文として、case構文、smallest matchingの構文、minimal matchingの構文の三つを持つ検索言語を提案する。これらの構文を用いることにより, 全体のデータ構造を知らない場合でも, 必要なデータとだけマッチする検索文をより容易に記述できる。
著者
白 光一 二上 武生 宮本 義昭 野川 載藏 田辺 南香 山口 幸子 林 直樹 向井 博 飛田 將宏 安納 武史 山内 智晶 管 祥紅 胡 進 曾 紀才
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.65-71, 2000-05-02

本稿ではデータベースシステムに基づいて開発した自動車売買のための情報提供誌「カーセンサー」の制作システム「CSRシステム」について述べる。カーセンサー誌は大容量なマルチメディア情報から構成された複雑な媒体となる。それの制作は多数の制作者により多数の端末での共同・協調作業であり、長い複合トランザクションである。本稿では、カーセンサー誌を考察し、その媒体のデータモデル及びそれの制作モデルを提案する。「CSRシステム」はこのモデルに基づいてリレーションナルデータベースサーバとWindows DTP端末で構築した。当システムを導入することにより、カーセンサー誌の制作効率は従来より倍以上向上し、制作コストも大幅に削減することができた。
著者
高橋 克巳 Pramudiono Iko 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.176, pp.7-12, 2004-07-06

Webのサービスへのアクセス記録を解析するWebログマイニングにおいて、ログデータを地理的な位置にもとづいて解析する方法に関して述べる。Webで利用者の現在位置や利用者の望む位置に関する情報の提供サービスがさかんになってきており、効果的な解析方法と、有効な利用方法の考察が必要である。本稿では、インターネットでの位置に関する情報提供サービスの大規模ログデータを解析した作業の報告を行う。解析から、住所ワードの推薦には、commodityである情報対象に対する近隣地域の提示、およびspecialtyに対する中心地域の推薦が可能であること、およびそれぞれのルールを選ぶ際には相関ルールの支持度だけでなく、単語間の相互情報量が有効であることについてのべる。最後に本解析結果を使った単語を推薦して検索の補助を行うシステムについて説明する。
著者
キー ソァポァン 石川 佳治 北川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.143-148, 2005-07-06

本稿では, 時系列的な文書の新規性を考慮するインクリメンタルなクラスタリング手法について述べる.実験による評価により, インクリメンタルなクラスタリング手法が非インクリメンタル手法に比べ効率的であることを示す.加えて, 有効性に関する評価についても触れる.
著者
山家 雄介 中村 聡史 ヤトフト アダム 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.259-264, 2007-06-25

ソーシャルブックマークは,Web利用者がブラウジング中に興味や関心を持ったページを記録,共有,分類そして発見することを支援するWebサービスである.本論文では,ソーシャルブックマークから各Webページのメタデータを抽出し,これを利用することによるWeb検索結果の対話的再ランキング法を提案する.我々はこの手法を実現するプロトタイプを実装し,そのインタフェースを中心に試験的な評価を行った.
著者
西出 亮 坪井 新治 奥 智照 近藤 弓子 大西 真晶 上島 紳一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.455-460, 2007-06-25

本稿では,空間型MMOGシステムを利用者から提供されるコンピュータノードを用いたP2Pドロネーネットワークにより構築する手法を提案する.本手法は,利用者の平面上のキャラクターの位置をノードの位置として,ドロネーネットワークを構成し,MMOGにおける処理を分散的に実行する.そこで,まずP2Pドロネーネットワークの構築手法を提案する.空間型MMOGにおいて,各プレイヤーのビュー生成に必要な情報は利用者のキャラクターの近傍のオブジェクト情報である.そこで,平面をボロノイ領域に分割し,各ノードに割り当て,そのボロノイ領域内に含まれるオブジェクト情報を各ノードが管理する手法についても提案する.更に,ノードの移動に備えてP2Pドロネーネットワークを保つ必要がある.そこで,ノードの位置情報の変化に基づきネットワークの組み替えを行い,P2Pドロネーネットワークを保ち続ける手法について提案し,検討を行う.
著者
羽多野 一磨 大島 裕明 是津 耕司 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.179-184, 2005-07-06

近年, デジタルカメラ付き携帯電話やノートPCが普及してきており, 個人の所有するコンテンツが増加してきている.これらのコンテンツの中には他者にとって有用なコンテンツが含まれている.また, アドホックネットワークやインスタントメッセンジャーの様にユーザ同士がPeer-to-Peerに接続し, 自律分散的に形成されるネットワークが生まれてきている.そこで我々はこの様な環境においてコンテンツを共有・検索する手法について提案する.従来型のP2Pネットワークにおける検索ではファイル名とのキーワードマッチングのみであった.提案手法では, あるコンテンツの文脈情報-コンテンツの置かれている状況-を抽出・提示する事により, ユーザがコンテンツを評価できるようにしたり, 発見的に関連コンテンツを検索したり出来るようにする.
著者
中島 伸介 舘村 純一 原 良憲 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.23-28, 2005-07-06

近年, 取得可能な情報量の増大に伴い, 信頼できる情報を効率的に取得することが困難になっている.我々はWeb上での有識者を発見し, この有識者が発信するコンテンツに基づいた情報フィルタリングを行うことで, 信頼できる情報の取得が可能ではないかと考え, 重要なbloggerの発見手法の確立を目指した研究を行ってきた.しかしながら, blogスレッドの検出や, 重要なbloggerの発見に関して, これまではTrackbackリンクを考慮できておらず, blogエントリ同士の関係を適切に抽出することが十分にできているとはいえない.したがって, Trackbackの利用状況の調査と, この結果に基づくTrackbackの利用方法に関する検討を行った.
著者
野田 真 宮森 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.13-18, 2012-05-29
参考文献数
8

近年では日々の食事においてレシピを考える際,Web上のレシピ検索サイトが広く用いられている.それらのサイトにおける検索では,指定した料理名やキーワード,調理時間,カロリーなどの条件から,レシピを大量に取得することができるが,各レシピは,ユーザの調理熟練度や利用可能な調理環境とは関連付けられておらず,これら技能や環境を考慮したレシピを,効率よく取得することは困難である.そこで本稿では,熟練度や環境を考慮したレシピ検索を行なう為に,料理レシピにおける調理動作の難易度を道具別に付与する方法について検討する.具体的には,各調理動作について共起する道具を抽出し,その種類や傾向を観察することで,道具による調理動作の難易度のあり方について分析する.得られた結果をもとに,難易度を自動付与するアルゴリズムについても検討する.このような難易度は,簡単に調理可能な料理レシピを検索する際の一要素として役立つことが期待される.
著者
プラスティョ ボウォ プラムディオノ イコ 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.49-54, 2005-07-07

H-mineはスパースなデータセットに対して高性能と知られているメモリベースマイニングアルゴリズムであるが, 動的H-structリンク調整というH-mine特有の処理は並列化を困難にする.本論文ではH-structリンク調整を一切必要としない改善されたアルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは, オリジナルバージョンと匹敵する性能を持ちながら, 並列処理に容易に拡張することが可能となる.
著者
武 小萌 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.76, pp.119-124, 2011-05-30

近年,記憶装置の大容量化に伴い,大規模の放送映像を蓄積して利用できるようになりつつあり,なかでもCMは,地上波民間放送において全放送時間における20%の比率を保有している.放送映像解析や市場調査等の分野には,蓄積された膨大な放送映像アーカイブからCMを効率的且つ効果的に検出・同定する技術が求められる.本研究は,超高速の二段時間的共起ハッシュアルゴリズムを提案し,CMの大規模放送映像アーカイブからの検出・同定を目指す.1か月間のアーカイブに対する処理時間がわずか42分であった提案手法は,98.1%の検出精度と97.4%の位置特定精度を達成した.また,検出された大量のCMにおける経時分布を可視化することで,広告市場に関する潜在的知識の発見を可能にする新たなアプリケーションを紹介する.本アプリケーションは,4か月間5チャンネルという莫大の量の放送映像へ提案手法を適用した結果をもとにしたもので,提案手法の実用性とその知識発見への高い応用可能性を実証した.
著者
大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.49-54, 2012-05-29

本稿では,まず,東京の寿司屋に対するオンラインレビュー情報について,専門家による評価情報とどの程度異なるかを明らかにする.さらに,オンラインレビュー情報で提供されている情報を用いて専門家による評価情報と似たような寿司屋のランキングを行う手法について,HITSアルゴリズムを基にした手法を提案する.提案手法について評価実験を行い,その有効性を明らかにする.
著者
白田 由香利 橋本 隆子 飯沢 篤志 李 頡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.129-136, 2000-05-02

放送のデジタル化により、データベースへのアクセスにも放送が利用できるようになってきた。我々は放送を利用した番組配信システムにおける応答時間短縮の研究を行ってきた。本稿では、放送配信機構が多段階の階層型を構成していると仮定し、その階層型番組配信モデルについて検討した結果を述べる。まず地域に依存した番組の人気度モデルをどのように設定したかを説明し、次にその番組へのリクエストがどのように処理されるのかシステム全体のモデルを論じる。さらにその中でローカルサイトがもつキャッシュの役割について述べる。
著者
森本 卓爾 橋本 健二 石原 靖哲 藤原 融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.109-114, 2007-06-25

本稿ではXPath部分クラスの問い合わせを,木埋め込み関係に基づいたXMLスキーマ進化に応じて正しく変換する手法を提案する.正しい変換とは,進化前スキーマに従うXML文書に対する問い合わせ結果と,進化後スキーマに従うように変換した任意のXML文書に対する問い合わせ結果が等しい変換を言う.提案した手法が正しい変換を行っていることを証明する.
著者
喜田 拓也 南 俊朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.151-156, 2005-07-07

多くの図書館において所蔵文献の検索にはOPAC (Online Public Access Catalog)が用いられている.しかしながら, 歴史の長い図書館では古い資料の書誌データが電子化されないままであり, そのような資料はOPACで検索することができない.すなわち, 利用者は図書目録カードが入った引出しの前まで出向き, カードを一枚一枚めくりながら目的の資料を探さなければならない.このような状況を打開する手段として, 図書目録カードのすべてを画像データ化し, Web上でカードを検索できるシステムを我々は提案してきた.本稿では, 新たに改善された本システムの概要について述べる.
著者
柏野 邦夫 木村 昭悟 黒住 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.116, pp.13-17, 2005-06-09

長時間にわたって蓄積された映像信号や音響信号の特徴時系列において, 既知の映像信号や音響信号の出現箇所を高速に探索する手法を提案する.このような手法として, これまでに, 時系列アクティブ探索法が提案されている.時系列アクティブ探索法では, 類似度のもつ局所的な制約に基づいて枝刈りを行っていた.本稿で提案する手法は, 類似度の局所的な性質と大域的な性質の双方を枝刈りに利用することで高速化を図る.また, 類似度(距離)の定義にかかわらず全探索と同一の探索結果(つまり時系列アクティブ探索法と同一の探索結果)が得られるという特徴がある.映像探索を題材として実験を行った結果, 時系列アクティブ探索法に比べ, 照合計算回数が約28%削減されるとともに, 探索の所要時間も削減された.