著者
宝珍 輝尚 山口 伸也 都司 達夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.36, pp.25-30, 1997-05-13
被引用文献数
7

本論文では,感性の主因子を用いて多種のメディアデータの検索を行うシステムの改良について述べる.まず,画像と音声に対する感性の主因子を求める.画像に対しては,「評価性」,「力量性」,「活動性」という3つの主因子が得られ,音声に対しては,「評価性」,「緊張性」,「力量性」という3つの主因子が得られた.次に,これらの感性の主因子に対する特徴量の算出方法について述べ,これらの感性の主因子と特徴量を利用するように検索システムを改良する.本システムを風景画と自然音を対象として評価したところ,画像に対しては良好な評価結果が得られ,音声に対しては「緊張性」と「力量性」について良好な評価結果が得られた.
著者
白井 匡人 三浦 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.214, pp.77-82, 2013-09-05

本研究ではオンライントピックモデルを用いた文書ストリームの分類手法を提案する.文書ストリームではクラスの特徴が動的に変化するため,特徴の変化に応じて適応的に分類基準を変更する必要がある.また,ニュース記事のようなストリームデータでは,話題のバーストにより発生する話題が大きく変化する.オンライントピックモデルによりクラスごとの動的学習を行い,クラスの出現確率に事前分布を設け出現確率を学習することで文書ストリームの分類を行う.
著者
中岡 美華 手塚 太郎 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.47-52, 2006-07-06
参考文献数
9

近年,たくさんの小学校で,幼少者みずからが自らの判断でWorld Wide Webの情報を収集し,利活用する授業が始まった.これまでの情報検索システムでは,利用可能な情報を検索できるキーワードを注意深く選別しなければならず,負荷が高い.幼少者は,抽象化の概念が未発達なため,適切なキーワードを想起すること,また,検索したいものを明確に定義する事が難しい.それゆえに,たくさんの意図しない検索結果が出現する.これらの改善を目指すため,我々は,幼少者がやさしくWorld Wide Webにアクセスし情報を検索できるような手法を開発すること,それにより現在の小学校における総合的な学習の時間で設けられている「調べ学習」が,さらに効果的になるための支援が実現することを目的とし,幼少者の行動特性や思考特性を考慮する方法でWorld Wide Webにアクセスし情報を検索できるような,3次元型ブラウザを開発した.このブラウザは,難解なWorld Wide Web上のページ構造を自動的に3次元空間にレンダリングし,その3次元空間をゲーム感覚で走り抜けるといった負荷の少ない感覚で利用することを実現した.このブラウザの利用により,幼少者はWorld Wide Web上のページ構造を体感的に習得しながら,自らの課題を発見することができる.
著者
竹原 幹人 大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.29-34, 2005-07-06
参考文献数
17

本論文では, Blogからニュース記事に対する意見を抽出し, Blogの書き手の興味を考慮して意見を提示するシステムの提案を行う.従来のWebではなくBlogという枠で考えることで, より最近の話題についての意見などの情報を提示することができ, また現在重要なものではなく今後重要になるかもしれない情報に着目することができるようになると思われる.Blogでは, 話題となっているニュースに対し, 書き手独自の視点に立った意見が書かれることが多い.多くのBlogからこのような意見を抽出し, 統合して提示を行う.またBlogには, 同じ書き手が書いた過去の記事が含まれる.これまでに書かれた記事から, 書き手の持つ興味を推測することが可能である.この興味を利用して意見を提示することで, ある話題に対しどのような人がどのような意見を述べているかを把握することができる.
著者
堀井 洋 田井 秀樹 山本 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.115-120, 2006-07-07
参考文献数
10

近年オンライントランザクション処理システムに対する高可用化の要求が増してきている.従来,多階層で構成されるシステムを高可用化するには,各層個別の高可用化機構を連携させた複雑な構成をとる必要があり,また,障害検知時間に依存したサービス停止時間も必要であった.本論文では,オンライントランザクション処理システムをEnd-to-Endで高可用化する機構の提案を行い,その実装と検証を記述する.本機構では,クライアントは障害検知を待たず,応答時間が遅くなった時点で同じトランザクション要求を副系のアプリケーションサーバに対して再送する.正系,副系のデータベースサーバはPAXOSコンセンサスアルゴリズムを利用してトランザクションログを複製するとともに,重複したトランザクション要求のコミットを防ぐ.我々は,本提案手法を既存のWebアプリケーションに適用し,その評価を行った.その結果,本システムが一般的なWebアプリケーションに適用可能であることを確認した.
著者
中岡 美華 是津 耕司 白田 由香利 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.178, pp.55-60, 2004-07-08

近年,ブロードバンドネットワークの家庭への普及と情報教育の推奨により,幼少者も検索エンジンを利用するようになった.しかし,今日のWeb情報検索では,検索の時点で欲しい情報を表す正確なキーワードを知っている事,自身の求めているモノに対する一般抽象化されたキーワード表現ができるようになっている事が前提とされ,幼少者の情報収集は極めて困難である.本研究では,一般抽象化能力が未発達な幼少者のためのWeb検索手法を提案する.具体的には,幼少者がモノをその名前や記号よりも,そのモノが自らの生活圏のどの場面で見たのかということに対応づけて記憶している点を利用し,幼少者からの断片的な検索質問をもとに検索質問を修正する手法を提案する.
著者
小林 大 山口 宗慶 花井 知広 渡邊 明嗣 田口 亮 林 直人 上原 年博 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.355, pp.39-44, 2003-10-01
被引用文献数
1

データの格納や提供といったサービスは今やIT基盤の中核であり,例えバグフィックスや機能向上のためのソフトウェア更新であっても,そのためにサービスを中断することは許容され難い,高可用なデータ格納・提供のためのアプローチの一つとして我々は自律ディスクを提案しているが,自律ディスクにおいてもサービスを停止すること無くシステム構成ソフトウェアの更新を行えることが肝要である.本稿では自律ディスクに対して高可用なシステム更新手法を提案する.提案手法では物理ノード内に複数の仮想ノードを構成し,仮想ノード間での論理的なデータ移動を用いることで無停止かつ僅かな性能低下でシステム更新を行うことが可能である.また本手法について実装し実験を行った結果を用いてその有効性を示す.
著者
馬 強 角谷 和俊 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.64, pp.29-34, 2002-05-10
被引用文献数
3

本稿ではストリームデータのフィルタリングや関連するストリームを生成する操作を関数と捉え,ストリームデータの統合とフィルタリングの様々な関数的性質を定義し,既存のモデル・システムとの関係を述べる.このフレームワークを用いて,情報統合・フィルタリングシステムの設計・実装においてより効率よい処理手法を選択することが可能となる.また,その応用として,Webとテレビ番組の統合システムおよびそれを実現するための時系列依存型動的ハイパーリンク機構:時間依存リンクTVLink(Time-Varying Link)の提案を行う.
著者
是津 耕司 田中 浩也 池田 新平 金 星〓 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.191, pp.121-126, 2003-07-10
被引用文献数
3

Webブラウジングでは,現在閲覧しているWebページのWeb空間における位置付けやリンク先の情報を把握することが重要である.筆者らは,これまで,現在閲覧しているWebページの周辺を様々な形式で呈示してユーザをナビゲーションするシステムを提案してきた.一方,こうした周辺情報に基づくナビゲーションは,人間の都市的行動における"散策行動"をWeb上で支援するものと考えられ,ユーザに当初目的としてなかった情報への発見や遭遇を促す.本論文では,これらの機構を体系化し,新たなWebブラウジングの方式を提案する.
著者
本田 喜久 川島 英之 今井 倫太 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.207, pp.49-54, 2002-07-10

近年,キャッシュを意識して探索を高速化するメモリ索引構造が提案されている.中でも,1999年に提案されたFull Cache Sensitive Search Tree(CSS-tree)は,探索時間がデータサイズによってはハッシュよりも短く,また索引構造のために必要なメモリ空間使用量がB-treeよりも少ない点で優れている.他方,更新処理が遅いため,CSS-treeが有用であるのはオンライン解析処理のように更新処理が極めて少ない状況に限られると言われている.しかし,更新処理を追加処理のみに限定すれば,索引構造の再構築時間を減らすことができる.そこで本研究では,追加処理のみが発生する状況において,CSS-treeへの挿入処理を高速化する手法を提案する.提案手法は,(1)配列とCSS-treeのノードの拡張に要するコストを減らすために,あらかじめ余分な索引構造領域を獲得しておき,(2)配列とCSS-treeの葉ノードの再マップに要するコストを減らすために,CSS-treeの葉ノードの領域をなくし,CSS-treeの内部ノードのスロットに,配列のキー値を格納する.提案手法の有効性を評価するために,C言語とアセンブラを用いて,SunOS 5.6上に実験用データベースシステムを実装し,挿入処理時間を測定した.実験の結果,提案手法は,更新処理を追加処理に限定しない再構築手法と比べて,最大で7.18倍速くなることがわかった.
著者
石田 和成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.162, pp.35-40, 2010-07-28
被引用文献数
1

スマートフォンやソーシャルメディアの普及により,BlogやTwitterにおいて多くの位置情報が公開されている.本研究は,Blogに掲載される画像データに含まれる位置情報や,Twitterと連携して用いられるFoursquareの位置情報を用いて,人々の行動に関する地域的,時間的な類似点,相違点の分析を行う.そのため,更新されたBlogに含まれる画像データを1日ごとに収集し,Exifで記録されるGPS情報付き画像データにもとづき,地域ごとのモバイル端末の違い,写真撮影時刻やBlog記事投稿時刻の違いについて分析した.また,位置情報サービスにもとづき,世界各地での位置情報登録行動の共通点,相違点を調査した.その結果,Blogに掲載される位置情報付きJPEGファイルのほとんどがiPhoneで撮影されたものであること,兵庫県,大阪府,沖縄県は他の地域と比べ3GSの割合が高く,宮城県は3Gの割合が高い傾向が見られた.また,撮影投稿時刻の相互相関については,関東,関西ともに,勤務地の密集する,東京都,大阪府においては,撮影直後に投稿する傾向が,また,ベットタウンである神奈川県,兵庫県では,撮影投稿時間の差が長い傾向が見られた.さらに,位置情報サービスと画像撮影投稿との関係については,位置情報登録は,写真撮影よりもBlog投稿と時間的相関が高い傾向が見られた.また,位置情報登録の地理的分布については,アメリカ,アジア,ヨーロッパで高頻度のピークが観察された.また,時間的分布については,朝,昼,夜と3つのピークがあり,夜の登録頻度が最も高い傾向を示す地域が多く観察された.
著者
柴田 一 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.287, pp.25-32, 1995-10-06
被引用文献数
3

本稿では移動体計算環境における問合せ処理方法に関して、特に複数の移動ホストを問合せ対象とする場合について、5種の問合せ処理方法の性能評価を行う。ここで5種の問合せ処理方法とは、単一ブロードキャスト通知法(SBN:Single Broadcast Notification)、二重ブロードキャスト通知法(WBN:Double Broadcast Notification)、ブロードキャスト問合せ法(BQF:Broadcast Query Forwarding)、単一デフォルト問合せ法(SDN:Single Default Notification)、二重デフォルト問合せ法(WDN:Double Default Notification)である。問合せの種類。ネットワークの形状、移動ホストの移動頻度、問合せの発生率、問合せ対象の移動ホストサーバ数などのネットワーク・パラメータに応じて、これらのうちどの方法が最適となるかを示す。さらに、問合せ対象となる移動ホストサーバ数が最適な問合せ方法に及ぼす影響について明らかにする。
著者
市川 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.175, pp.45-50, 1996-07-24
参考文献数
6

非正格な関数型プログラミング言語Haskellを対象としたデータベース操作インターフェースの永続性モデルについて報告する。先行研究[3]では、状態遷移による参照透過なデータベース操作、クラス機構による永続性と例外処理の指定、内部版管理によるon-the-flyデータベースアクセス、といった特徴を有しているが、永続性モデルとしては型外延モデルを用いていたため、モデリング能力やプログラミングの面での柔軟性に欠けていた。そこで、本研究では、より柔軟な永続性モデルである到達可能性モデルの先に提案した手法への適用を試みた。提案手法では、永続変数は用いず、型によって永続ルートの識別をしており、これにより静的な型づけと参照透過性の維持を可能にしている。また、型クラスの機能を用いることにより、型外延モデルと同様の永続性管理が行なえると同時に、ビューに相当する永続ルートの利用も可能である。
著者
河岸 洋暁 小磯 健吾 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.201, pp.121-126, 1999-07-21

本稿では, 地理情報の検索やブラウジングを目的とした空間グルー操作について述べる。空間グルー操作とはビデオデータベースの検索手法として提案された区間グルー操作を2次元に拡張した概念で, 空間中に点在する空間オブジェクトの領域を, 外周最小となる矩形で表わしたMBR(Minimum Bounding Rectangle)の集合から, その集合の要素全てを含むMBRをさらに求める演算である。ここで定義されるグルー演算は, 属性情報を与えることによって, その問い合わせの答えとして適するオブジェクトを含む領域を, 動的また領域可変に決定するものである, このとき, グルー演算の解集合の中には, その問い合わせに対して不適切な空領域が含まれる可能性があるが, そのような不適切な空間を解集合から除去するために, フィルタの概念を満たす関数演算を空間グルー操作に導入する。本稿ではまた, 多様なフィルタリング関数について, それの満たすべき必要十分条件を証明について述べる。
著者
Stokes Aaron J. Matsuda Hideo Hashimoto Akihiro
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.202, pp.111-116, 1999-07-22

In our previous work, we introduced a novel method for exchanging and querying complete genome data by representing them as structured documents. We defined an XML-based genome language called GXML, and a genome-oriented query language called GQL for making biologically meaningful queries on GXML genome documents. In this paper, we extend GQL with aggregate functions and sorting capability to further increase the usefulness of our method. We discuss the additional syntax and present several examples of biological queries that require aggregation. We are currently investigating algorithms for implementing the new constructs in a prototype system.
著者
Qiang Ma Kondo Hiroyuki Sumiya Kazutoshi TANAKA KATSUMI
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.202, pp.63-68, 1999-07-22

Broadcast-based information dissemination systems on the Internet are becoming increasingly popular due to advances in the area of web technology and information delivery. In this paper, we propose a concept and a way to construct a virtual TV channel, which is a user-defined (virtual) channel from existing push-based Internet channels. Our virtual TV channel is (1) to filter contents of multiple push-based Internet channels, (2) to merge selected articles from different channels, and (3) to present them by a TV-program-like GUI.
著者
浅賀 千里 Mukarramah Yusuf 渡辺 知恵美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.387-392, 2007-06-25

オノマトペとはいわゆる擬態語・擬音語のことである.事象を的確に表現でき,コミュニケーションを図る上で重要なものである.ところが,オノマトペは感覚的なものであるので外国人の日本語学習者がオノマトペの用例を習得するのは難しく,その学習に有効なのはオノマトペを含む文章を知ることだと言われている.そこで,我々はWebから数多くの新しい文章を抽出し,学習者に提示できるようなオノマトペ用例辞典の開発を進めている.本辞典では現在,オノマトペの品詞的役割によって用例を分類し画面上に提示しているが,それでは様々な用例が混在し,オノマトペの意味が理解しにくい.そこで,学習者がより理解を深められるよう,本稿ではオノマトペの用例をオノマトペの意味ごとに分類し提示する手法を検討している.また,オノマトペがどのような語に係るのか,その語にどのようなオノマトペが係るのかを知ることができるようその関係を可視化する.
著者
平林 幹雄 江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.167-172, 2006-07-06

全文検索システムの転置インデックスを実現するにあたり,テキストデータからN-gram法によって切り出したトークンを検索キーにする手法が広く用いられている.この手法には,言語中立性や再現率の完全性という利点がある反面,検索対象の文書群から抽出するトークンの数が膨大になるために,転置インデックスのサイズが肥大化して空間効率が悪化するという欠点がある.検索の際にクエリから切り出した各トークンが対象文書のテキスト内でも連接しているかどうかを判断するためには,転置インデックス内にトークンの文書内での出現位置を記録しておくことが必要となるが,この位置情報が転置インデックスの肥大化の一因となっている.本稿では,N-gram法の欠点である転置インデックスの空間効率を改善する手法として,N.M-gram法を提案する.N.M-gram法では,各トークンの文書内での位置情報のかわりに後続のトークンのハッシュ値を用いることによって,N-gram法の利点である言語中立性や再現率の完全性を保持したまま,空間効率を改善することができる.
著者
成田 宏和 太田 学 片山 薫 石川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.209, pp.1-6, 2002-07-12
被引用文献数
1

Web上で必要な情報へのアクセス手段として、中心的な役割を担っているのがgoogle,goo,Lycosなどに代表されるロボット型Web検索エンジンである。これらの検索エンジンが日々変化し続けるWebに対応していく為には、新しいページの収集、更新チェックなど多大なメンテナンスを必要とする。一方で、検索結果があまりに膨大すぎて必要な情報を探すのに困難を伴う場合もあるし、全ての検索エンジンが同一の情報を収集しているわけではないので、或る検索エンジンでは存在しなかった情報も別の検索エンジンを利用すると発見できる場合もある。本稿では、検索能力の強化と発見しにくい情報へのアクセス支援を目的に、複数の検索エンジンを併用し、検索結果を階層的にクラスタリングしてユーザに提供するシステムであるMETALを提案する。
著者
Loh YinHuei 原 隆浩 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.203, pp.61-66, 1999-07-23

近年, 無線通信技術の急速な発展により, 移動体計算環境が普及しつつある。移動体計算環境では, 無線の通信範囲の制限や移動体の省電力などのために, サイト間の断線が頻繁に発生する。断線した複数のサイトにおいて, 同一データの複製を更新するトランザクションが同時に実行されると, そのデータの一貫性が損なわれてしまう。そこで本稿では, サイトの断線時に, トランザクションの発生確率とホスト間の断線時間により, データベースの更新制御法をトークン手法と楽観手法のいずれかから動的に選択する手法を提案する。トークン手法では, 断線時に, トランザクションの実行権利を唯一のサイトに与えることで複製間の一貫性を保証する。一方, 楽観手法では, 複数の断線したサイトで同時にトランザクションを実行でき, 再接続時に更新操作の衝突を検出すれば, 一部のトランザクションをロールバックする。