著者
吉田 秀史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.653, pp.9-12, 2005-02-03

2004年8月23日から27日に開催されたIDRC/IMID国際会議における液晶ディスプレイ関連の発表について紹介する。広視野角化技術、高速応答化技術、高精細化技術、低消費電力化技術、半透過技術など多くの新技術が報告された。
著者
上野 弘 宣 麗 遠山 毅 宮下 哲哉 内田 龍男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.97, no.337, pp.29-34, 1997-10-24

ラビングした高分子配向膜上の液晶分子の配向機構に関して様々な研究報告がなされているが、いまだに十分に明らかになっていない。本研究ではFT-IR法を用いて赤外吸収異方性を測定することにより、配向膜表面の液晶のオーダーパラメータを決定し、ラビング強度と表面のオーダーパラメータの関係を求めた。その結果、筆者らはははじめて液晶のオーダーパラメータは表面に近づくにつれて減少し、表面ではラビング強度が十分大きくてもバルクに比べて著しく低いことを明らかにした。
著者
杉浦 健二 小南 裕子 中西 洋一郎 畑中 義式
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.621, pp.41-44, 2005-01-21
被引用文献数
3

SrS : Euは近紫外線領域にも励起帯を有し610nm付近に発光ピークを持つことが知られている。しかし、赤色としては十分でなく、より長波長の赤色が求められている。そこで母体をBaSとの混晶にした(Ba_xSr_<1-x>)S : Euを合成し、xの値を変化させることにより組成比を変化させた。Xeを分光した380nmで励起した発光スペクトル測定の結果、発光ピークを組成比の変化に伴い607-688nmまで長波長シフトさせることが可能であると確認できている。また硫黄雰囲気中3時間1100℃で焼成し合成した試料の中でもx=0.25での試料で色純度、輝度ともに最適であることが確認された。そこで、硫黄雰囲気中での焼成時に一部生成する硫酸塩化合物の存在の発光強度への関与を検討した。
著者
勝木 清衣 田中 邦明 川上 晃 臼井 博明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.687, pp.23-26, 2005-02-24
被引用文献数
6

カルバゾール環をもつアクリル酸モノマーをイオン化蒸着することにより、重合薄膜を形成した。さらに膜と基板の界面に安定な化学結合を形成するために、基板表面に重合開始剤の自己組織化(SAM)膜を形成し、この上にカルバゾールモノマーをイオン化蒸着することにより、熱的安定性の高い高分子薄膜が得られた。この手法を用いてITO表面にカルバゾールあるいはテトラフェニルジアミノビフェニルを側鎖に持つビニル高分子を製膜し、有機EL素子を試作した。その結果、基板表面の開始剤SAM処理とイオン化蒸着重合を組み合わせることによって、発光特性を改善できることが見出された。
著者
岡林 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.94, no.161, pp.55-61, 1994-07-21

1994年6月に米国San Joseで開催されたSID(Society for Information Display)大会では,Applied Vision, Human Interfaceに関連する論文はセッション数は6,ポスターセッションを含めると24件を超え,セッションも二日半通しで割り当てられ,従来同様多くの講演発表と活発な討議がなされた.講演全体は大まかに分類して,航空機や戦闘機用表示装置の視覚特性,コンピュータとのインターフェイスに関する考察,画質に関する基礎的な考察の三分野と言えよう.話題騒然となるある種の派手さはないが,表示システムと他学会とのまさしくインターフェイス的な役割としてエンドユーザからの観点での発言は本学会としても今後とも重要な分野であろう.
著者
菅原 淳 リチャード ラン 小林 等 奥村 治彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.653, pp.13-17, 2000-02-24
参考文献数
6

携帯機機の普及や環境への配慮から、電力消費の少ない非発光型、すなわち反射型のディスプレイが注目されている。ディスプレイの画質としては、紙のような白さとカラー印刷並の色再現性が求められている。しかし、従来からある反射型液晶ディスプレイでは、偏光板や色素による光の吸収が反射率を低下させ、紙のような白さを実現することが難しい。本発表では、紙の白さとカラー表示か可能な可動フィルムディスプレイ(AFD:Actuated Film Display)の提案を行う。これは白色フィルムの上で、シアン・マゼンタ・イエローの色フィルムを静電力によって機械的に出し入れする方式であり、原理的に印刷物に迫る画質が期待できる。
著者
ゲイツ ジョン 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.608, pp.49-54, 2000-02-03

この論文は高精度に実時間で円を抽出するアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは複雑な入力画像から完全な円と円形の円弧を抽出することができる。アルゴリズムが450MHzのペンティアムIIプロセッサでたくさんの256×256の8ビット画像を実験した。その実験の平均のフレームレートは一秒で69フレーム以上である。このアルゴリズムの高精度を証明するために実験の結果を示す。
著者
上田 智志 後沢 瑞芳 石井 啓二 高野 善道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.132, pp.27-32, 2000-06-15
被引用文献数
7

PDPの発光効率改善を目的に、U字型に屈曲した長距離放電路を有する3インチ陽光柱PDPを試作し、その特性を評価した。発光効率は、従来のオフセット型陽光柱PDPと比較して1.4倍の21m/W(白色換算)が得られた。陰極に接続した電圧低減のためのAC陰極によって、放電郷里を長くした場合の放電開始電圧の上昇を防いだ。この構造の陰極をエージングする方法を見出し、放電開始電圧を低減し、線順次駆動によるTV表示を行った。また、パネル製作プロセスや駆動法の改良によって約41m/Wの発光効率が見込めることを示した。
著者
佐々木 尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.353, pp.17-20, 2003-09-30

LCDのための視覚線形なガンマ補正の方法を提案する。この方法は自然でかつ正確なものであり、LCDの電気光学的特性のモデリングには区分的階調再現曲線モデルを利用し、視覚の光学感覚特性モデルとしてはDICOMグレースケールを利用する。
著者
宮下 哲哉 斎藤 一賢 内田 龍男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.107, pp.23-28, 1998-06-12

筆者らは、メイクロカラーフィルタを使わずにフルカラー表示を行うカラーシーケンシャル方式の液晶ディスプレイを提案した。この方式は赤緑青の三色が高速で順次切り替わる光源と、広視野角・高速応答特性を有するOCBモードの液晶素子によって構成されている。本発表では、この表示原理と設計方針および表示特性について述べる。
著者
西川 通則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.95, no.442, pp.11-16, 1995-12-19

今回のアジアディスプレイでの液晶技術に関連した発表の概要について報告する。配向膜に関する報告が4件、液晶材料に関する報告が2件、二色性色素に関する報告が1件、配回分割に関する報告が1件、STNに関する報告が1件行われた。
著者
Yi-Wen Zhu 山口 高弘 志賀 智一 御子柴 茂生 上田 壽男 苅谷 教治 篠田 傳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.97, no.519, pp.137-142, 1998-01-29

蛍光体の残光と動画偽輪郭の関係を定量的に求めた。蛍光体残光の減衰時定数が長いほうが偽輪郭は目立たなくなるが、一方乱れの幅は広くなる。また、残光により画像が尾を引く。発光デューティを低くすることにより、ある程度偽輪郭を防ぐことができる。乱れの量は蛍光体の時定数に依存するため、時定数の異なるR, G, B三色を混合すると、色ずれが発生する。
著者
冨田 元將 星野 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.223, pp.9-12, 2009-10-01

カメラによる手指形状推定を情報入力に用いることを考えた場合,その入力画像には,「手指」と「前腕」が撮像されることになる.そのため,撮像された画像から「手指」領域のみを抽出し,推定する必要がある.本研究では,入力画像から「手指」のみを切り出すアルゴリズムを提案する,さらに,前腕の傾きを推定するアルゴリズムと組み合わせることで,手指がカメラにどのように撮像されて推定が可能なシステムを実現した.評価実験では,全指関節の平均誤差の平均値-2.11度,標準偏差±14.14度と高精度な推定を実現した.
著者
吉田 育弘 山本 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.312, pp.13-18, 2001-09-10

液晶ディスプレイの高階調化について検討した。ディスプレイは、一般にR:G:B=8:8:8bitsの階調性があれば一定の画質レベルが得られるとされているが、高画質を得るためにはより高い階調性が必要とのレポートもある。ここではR:G:B=10:10:10bitsの液晶ディスプレイを試作し、疑似輪郭の見えについて実験を行いつつ、実験結果を視覚特性の観点から考察した。R:G:B=8:8:8bitsのシステムでは、SN比の高いなめらかな面に明らかな疑似輪郭を感ずる。R:G:B=10:10:10bitsのシステムでは、同様の輝度傾斜を持つ面では疑似輪郭を感じなくなるが、よりなだらかな面では未だわずかな疑似輪郭が残る。これら疑似輪郭の見えには、視覚の空間周波数特性や差感度特性、さらに、順応効果などが関連していると思われる。今後高画質のディスプレイシステムを検討するには、少なくともこれらの視覚特性に関連する条件を定義する必要があると考えられる。
著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.468, pp.7-11, 2009-02-27

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
郷 泰彦 大野 尚則 丹羽 義典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.94, no.122, pp.31-36, 1994-06-23
被引用文献数
2

ステレオ視を利用したCADシステムの基礎データを収集するため、ステレオ画像を用いた三次元スプライン曲線の形状変更操作システムを試作し、その特性を確認した。システムは、EWSを中心として三次元画像の生成に液晶めがねを、また、操作点及び作業の指示に三次元マウスを用いて構成し、画像を一点投影法によって作図した。その結果、仮想視点の視点間距離に制約を加えることにより、X軸、Y軸、及びZ軸を独立にスケーリングする手法を用いて、三次元画像を利用した三次元スプライン曲線の生成を実現した。
著者
佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.413, pp.39-42, 2003-11-05

人間の知覚システムは多くのモジュールから成り立っている.そのうちの一つである奥行き知覚のシステムでは,多くの手かかり系が並列的に機能している.個々の手かかり系が一意な解を与えないことにある.視覚系は,こうした状況を,手かかり系間の相互作用と,制約条件と呼ばれる天下り的な仮定を持ち込むことによって解決している.本論では,こうした知覚システムの能動的な側面と,知覚されるりありてい一の関係について検討する.
著者
花島 洋平 下平 美文 大橋 剛介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.312, pp.19-24, 2001-09-10
被引用文献数
5

現在は, 各種発光原理に基づく画像ディスプレイが実用化されている.本研究では各種方式の画像ディスプレイに対する, 総合画像品質の評価方式を提案する.本方式は, ガンマ, 最高輝度・最低輝度, 色の再現を考慮している.以前の研究で提案された評価方式では要因の画質に対する影響の依存関係が検討されていなかったが, 本方式ではそれら要因を統合する方法が与えられる.その方法はそれら要因の中で最も画質に対する影響の大きなものを代表として用いる事である.この方式によって得られる総合画質は, 主観評価実験によって直接得られる評価値と良く一致した.
著者
松本 慎也 山本 裕紹 早崎 芳夫 西田 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.593, pp.33-36, 2004-01-16

屋外で不特定多数の観衆が同時に観察可能な大画面立体ディスプレイの研究を進めている.大画面LED立体ディスプレイを見る観察者がどのような経路で観察領域内に移動するのか調べるために,観察者位置をリアルタイムで測定するシステムを構築した.異なる設計のパララックスバリア式立体ディスプレイを用いて,立体画像を見るために移動する観察者の軌跡を記録した.観察者の移動経路を解析することで数種類の設計法を評価する.多眼表示設計と逆立体視防止設計により左右の移動時間が短縮される効果を実験により明らかにした.
著者
片桐 麦 石鍋 隆宏 宮下 哲哉 内田 龍男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.593, pp.25-28, 2004-01-16

フロントプロジェクションディスプレイは明るい環境下において画像のコントラスト比が低下するという問題を有している。この問題を解決するため、我々はプロジェクタ光入射角度領域内から入射した光のみを観察角度領域に拡散させ、それ以外の領域から入射した光を観察角度領域に返さないシステムを考案した。このシステムを用いることで明るい環境下においても高いコントラスト比を有する高品位フロントプロジェクションディスプレイシステムを実現することが可能となる。