著者
奥宮 啓司 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.533, pp.1-8, 1996-02-23

我々はすでに、画像内容の抽象化という観点から、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像の利用について提案している。抽象化索引映像とは、人間が見た時にその主題が理解できる程度の概略画像であり、画像データベースにおける見出し画像や、画像を編集、加工、符号化する際の補助画像としての役割等、様々な面での応用が可能である。本稿では、楕円や長方形といったプリミティブ図形を用いて、静止画像並びに動画像に対する抽象化索引映像を作成する方法について述べる。プリミティブ図形を利用することにより、大まかな構造情報を担った形で、コンパクトに記述を行なうことが可能となる。また、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像を利用したアプリケーションについても検討を行う。
著者
佐久間 正泰 小田 健市 高木 市教 三田 安幸 梅田 臣也 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.649, pp.125-130, 2005-01-28
被引用文献数
1

ゴルフ中継において、3次元形状計測による正確なデータを用いて描いたCGで、グリーン上のアンジュレーション(起伏)をより分かりやすく表現できるシステムを開発した。バーチャルシステム用カメラ雲台を使い正確なカメラデータを取得することにより、グリーンの実写映像から、同じカメラ位置のCG映像に滑らかな乗り換えを行う。その後、ゴルフ選手が行うように、低い視点から、ボール側からカップ側、または、カップ側からボール側を見るなど、CG内で自由な視点変更を行うことで、効果的にアンジュレーションを表現できる。今回、このアンジュレーション表示システムの開発について紹介すると共に、第69回日本オープンゴルフ選手権中継で本システムを使用した例を報告する。
著者
伊藤 潤 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.421, pp.153-158, 2011-02-14

近年,我が国の交通事故死亡者数は減少傾向にあるが,依然高い水準にある.死亡事故発生の大きな要因の一つとしてドライバの居眠り運転が考えられる.これを防止するため,居眠り運転検知に関する研究はこれまでに様々な方法が検討されてきた.このとき,ドライバの呼吸情報については,居眠り運転検知の特徴量として利用されることはあったが,これまでに詳しく報告された例はない.そこで,本研究ではドライバの眠気の変化と呼吸間隔の関係について,ドライビングシミュレータを用いた実験よりその相関を評価した.この結果,眠気の進行と呼吸間隔の変化に相関関係が見られただけでなく,呼吸間隔を意図的にコントロールすることによって,眠気の進行を遅延させる効果が示唆されたので報告する.
著者
三ツ峰 秀樹 田中 君明 鈴木 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.421, pp.17-22, 1998-11-19
被引用文献数
1

ドラマ番組の製作ではリアルな情景を実現するためにセットや俳優のメイクが重要な要素として位置付けられている。時代劇においては、とりわけカツラ装着の自然さが番組の完成度にも影響を及ぼす。ハイビジョン番組制作では、その精細さ、質感の再現性という長所の反面で、こうした問題がより顕著になる。現状ではより決め細かな作業を伴った労力および多大なコストをかけてこれに対応しているが、場合によっては演出の自由度までもが制限される。そこで、我々は撮影後に画像処理を施すことで映像中の不自然な箇所を補正する手法の検討を行っている。今回、検討した手法のコンピュータシミュレーションを行い良好な結果が得られたので、ここに報告する。
著者
栃折 泰史 大谷 淳 江畑 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.469, pp.1-6, 2010-03-08
参考文献数
2

本論文では,パン・ティルト・カメラから獲得された動画像における各フレームでのカメラの姿勢(回転パラメータ)を推定する手法を提案する.特に,撮像対象シーンに動物体を含む場合への対処法を検討する.まず検出・追跡した2つの特徴点を,カメラの光学中心を中心,焦点距離を半径とした仮想球体上に投影を行い,仮想球体上の特徴点2個と光軸と仮想球の交点が作る三角形の合同を利用して,回転パラメータを推定する.動物体を含む撮像シーンにおいてもロバストに推定するために,特徴点が物理空間上で静止物体・動物体のいずれかに対応しているかの識別を,特徴点2点間の距離がパン・ティルト後も等距離を保つかどうかを判断することにより行う.本論文では提案手法についてシミュレーションと実画像を対象とする実験を行い,その有効性を検証する.
著者
山本 光重 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.627, pp.55-60, 2002-01-23
参考文献数
6

花火ショーの演出作業において, 花火師は花火の打ち上げ位置, タイミングや音楽との同期などの多くの要素を決定する必要がある.しかし従来, 花火師は危険性や金銭的なコストの問題から演出結果を視覚的に確認することができず, 演出作業を円滑に行うことが困難であった.そこで, 本研究では, 効率のよい演出作業を実現するための花火演出支援システムを提案する.ユーザは計算機を用いて打ち上げ位置, 花火の種類, 打ち上げタイミング, 音楽といった情報を入力し, 演出作業を行う.演出結果は入力されたデータに沿って, 花火の実写映像を利用して計算機上でシミュレートされ, モニタやHMD上に可視化される.これによって, 花火師は効率よく作業を進めることが可能となる.
著者
小松 邦紀 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.409, pp.1-6, 1997-11-27
参考文献数
11
被引用文献数
30

本論文では, 可逆的離散コサイン変換を提案する. 提案方式では, 変換と逆変換が簡単な数式で表わされるために計算量が非常に少なく, 丸めを無視すると完全にDCTに一致する. また, 変換点の密度は1 (行列式が1) であるので変換領域での冗長性は発生しない. さらに, 正規化もされているためにダイナミックレンジが不均一であるという問題は避けられる. 静止画像のロスレス/ロッシー統一符号化への応用を考慮して, ロスレス再生時とロッシー再生時における圧縮効率が求められる. ロスレス再生時の圧縮効率が可逆的ウェーブレット変換とほぼ同じであり, ロッシー再生時の圧縮効率が可逆的ウェーブレット変換及び離散コサイン変換とほぼ同じであることが示される.
著者
伊藤 清繁 大倉 浩嗣 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.313, pp.37-42, 2004-09-09

本報告では,IEEE 802.11gによる音声・ビデオ伝送時にBluetooth干渉がメディア同期品質に及ぼす影響を実験により評価している.実験では,Bluetoothによる送信がIEEE 802.11gのアクセスポイント及びメディア受信端末に干渉可能な擬似電波伝播環境を構築する.そして,アクセスポイント及びメディア受信端末に送信するBluetooth干渉の電波強度を変化させた場合,音声・ビデオのメディア同期品質にどのような影響を及ぼすかを測定する.その結果,Bluetooth干渉が大きいほど再送パケットやCRC誤りパケットが増加することにより,メディア同期品質が低下することを示す.また,メディア同期制御を適用することにより,メディア同期品質を改善できる.
著者
中本 裕之 永田 真 森江 隆 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.401, pp.97-104, 1999-10-29

二次元画像認識システムの実現を目的として,画像の特徴抽出が可能なパターンマッチングプロセッサをパルス幅変調信号(PWM信号)を用いたAD融合回路アーキテクチャで実現することを提案する.このプロセッサは二次元画像のX,Y方向のパターンマッチング処理に加え,一次元投影演算,差分演算が実現できる.テストチップを0.8μmCMOS,電源電圧3.3Vで設計した.実験により動作周波数25MHzで,マッチング処理,投影演算,差分演算の動作を確認し,演算速度0.8GOPSの性能を得た.
著者
武 小萌 張 文利 上條 俊介 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.205, pp.41-46, 2003-07-10

近年,映像情報システムの構築を目的とする研究が盛んに行われてきたのだが,このようなシステムに基づいて提案された実用的なアプリケーションはまだ少ないのが現状である.本橋では,映像内のオブジェクトに注目し,ドラマ登場人物人気投票システムと呼ばれるオブジェクト記述を利用した対話型映像情報利用システムを提案する。提案システムにより,ネットワーク上で複数のユーザが同じ放送映像を見ながら,登場人物に対して好感度に分けて投票する。投票情報がサーバ側で収集・蓄積・利用される一方,異なった登場人物の人気度,そして異なった映像時間帯の投票率等に関する統計量を提供することが可能である。
著者
長谷川 まどか 加藤 茂夫 山田 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.77-84, 1998-04-17
被引用文献数
1

ハフマン符号などの可変長符号によって符号化された符号系列中から, 逐次的に復号することなくある符号語を検出可能とする部分復号可能性を持つ可変長符号構成法について提案する.提案する方法は, 符号化すべき情報源シンボル系列中に, 検出用のマーカシンボルを用意しておき, これにある符号語を割り当て, この符号語は連続して出現しないことを利用することによって, 符号系列中のどの部分にあっても必ずこのマーカシンボルに対する符号語は検出可能であるように符号を構成するものである.検討の結果, わずかなオーバーヘッドを付加するのみで符号系列中から所望とするマーカ位置に対応する符号を検出し, 正しく復号できることがわかったので報告する.
著者
アブディラー アグス バニ 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.201, pp.73-80, 2001-07-12

従来は, 高価なグラフィクスワークステーションが主体であったコンテンツ制作の分野においても, 高性能かつ安価になった, パーソナルコンピュータが使用されるようになり, それを百台規模で結合した, PCクラスターは今後有望な映像制作システムとなると考えられる.本報告では, オープンソースであるLINUXおよびBMRTを組み合わせて, 安価なCG映像制作のためのシステムを紹介する.特に4台のPCを同時に使用して, 9枚のテスト画像およびアニメーションテストデータに対して, 高速にレンダリング処理を行った効果について述べる.特に, 画像を2×2, 4×2, 4×3, 4×4に分割した場合の4台のPCによるクラスターを用いた分割レンダリング処理時間の比較結果について示し, PCクラスターがCGプロダクションに有効であることを示す.
著者
宇津 圭祐 石井 啓之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.206, pp.97-102, 2009-09-17

アドホックネットワークにおいて,ネットワーク全体に情報を配信する方式として,フラッディングが用いられている.しかし,過剰なフラッディングの使用は,大量の冗長パケットが発生しネットワークに多大な負荷を与える.冗長パケット送信の削減と負荷の低減のため,多くの方式が提案されてきた.しかし,ノードの負荷状況を考慮し,高いメッセージ到達率を確保しつつ,冗長な再ブロードキャストの削減を実現している方式は数少ない.我々は以前よりノードのMAC送信キュー情報に基づき,再ブロードキャストの実行可否を判断する効率的フラッディング方式を複数提案している.本稿では,このうちノードの負荷状況により動的に再ブロードキャスト確率を設定する,Load-aware Dynamic Probabilistic Flooding(LDPF)に焦点を当てる.そして.ネットワークシミュレーションによる性能評価を行い,有効性を示している.
著者
加井 謙二郎 土居 清之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.456, pp.37-44, 2001-11-15

テレビ画面上で時間の経過とともに位置を変える人や物などの対象物に関連する情報を対話的に提供するデータ放送サービスの実現方法を検討した。対象物を選択するためのヒューマンインターフェイスとして矩形のフォーカス表示を使い、フォーカス位置などの動的リンク情報伝送にデータ放送ARIB規格のイベントメッセージを利用する。動的な提示処理にはあらかじめ受信機に伝送したBMLのスクリプトを用いる。位置情報データ制作から伝送、受信までの実験システムを構築し、本方式の有効性を確認したので報告する。
著者
加藤 治雄 中山 謙二 平野 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.319, pp.91-96, 2006-10-20

信号源数がセンサ数より多いオーバーコンプリート形ブラインド信号源分離(BSS)で,信号源の完全分離は困難という問題に対して,我々はフィードバック形の回路構成と学習法を既に提案している.まず,1個の信号源が複数の出力に含まれないことを分離の条件として,1巡目の信号源分離を行ない,少なくとも1個の出力に単一信号源を分離する.この出力を観測信号にフィードバックして,観測信号から単一信号源をキャンセルすることにより,等価的に信号源数を低減する.単一信号源のキャンセル法として,当該出力と推定した混合過程の情報を使ってキャンセルする他,観測信号のヒストグラムを使ってキャンセルする方法を組み合わせる.本稿ではさらに,フィードバックにより生じる信号歪みの問題に対して,スペクトルサプレッション法を導入することにより,信号歪みを抑制する.2巡目の信号源分離では,観測信号に含まれる信号源が1個少ない状態で1巡目とは異なる学習法により処理を行なう.信号源として音声を用いたシミュレーションにより,提案方法の有効性を確認した.
著者
加藤 治雄 中山 謙二 平野 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.22, pp.49-54, 2006-04-14

本稿では,信号源の数がセンサ数より多いオーバーコンプリート・ブラインド信号源分離においてフィードバック形構成法と分離回路の学習アルゴリズムを提案する.まず,1巡目で信号源の分離を行う.ここでは,一つの信号源が複数の出力に含まれないことを分離の条件とする.このための学習法を提案している.センサ数を信号源数の約半分以上とすることにより,1巡目の信号源分離で少なくとも1個の出力に単一信号源を分離できる.この出力を単一信号源の特徴を利用して検出する.更に,この出力をフィードバックして観測信号からキャンセルすることにより,等価的に信号源の数を低減する.当該出力と混合過程の情報を使ってキャンセルする他,観測信号と当該出力のヒストグラムを使ってキャンセルする方法を組み合わせることにより,条件不足の問題を解消する.2巡目では,観測信号に含まれる信号源が1個少ない状態で1巡目と同じ処理を行う.このように,提案法では,観測信号における信号源の数を1個ずつ減らしながら信号源分離を繰り返す.信号源として音声を用いたシミュレーションにより,従来法との比較を行い,提案方法の有効性を確認している.
著者
小川 貴弘 長谷山 美紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.488, pp.67-72, 2008-02-11

本文では,画像内容に基づく類似画像検索を実現するため,カーネル主成分分析を用いた画像の意味的特徴量の推定手法を提案する.提案手法では,あらかじめキーワードが付与されているデータベース中の画像をクラスタリングし,各クラスタから得られる画像特徴量および意味的特徴量の非線形固有空間を用いて,新たな写像を導出する.このとき得られる写像は,同一のクラスタに属する画像に対して,その画像特徴量から意味的特徴量を高精度に推定する.そこで,提案手法ではキーワードが未知のクエリ画像に対して,その意味的特徴量を推定する際に画像特徴量で生じる誤差に注目することで,属するクラスタの適応的選択を行う.これにより,クエリ画像の意味的特徴量は最適なクラスタによって精度良く推定されるため,その結果から画像内容に基づいた類似画像検索を行うことが可能となる.
著者
武藤 一利 大西 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.104, no.649, pp.25-28, 2005-01-28

2輪の乗り物であるセグウェイに、放送用ワイヤレスカメラを搭載してリモートコントロールできる装置を開発した。
著者
北村 直人 川崎 順治 加藤 恭子 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.7-12, 2003-09-18

人間は,1画素ごとには白黒の2値画像を見ても全体を眺めると,擬似濃淡画像として認識できる経験をしている.我々は今までに,外界・網膜・脳を通して階層的に行われ擬似濃淡画像として認識する視覚モデルとその等価近似法を構築し,各種変調画像の画質評価法を提案した.本論文の目的は,従来の等価近似法において,窓のサイズが変調方式によって異なる不便さを解決する.更に窓のサイズを見つけることが困難な変調方式の場合でも評価できるように,固定型等価近似法を提案することである.窓のサイズと最良近似項数を固定しパルス密度4分割法,組織的ディザ法,平均誤差最小法,単純2値化法,ランダムディザ法の主観的な優劣が近似度で評価でき,固定型等価近似法の有効性が示された.更に,固定型等価近似法による評価が視覚モデルによる方法や等価近似法と比較して,ほぼ同精度ではるかに短時間に高速計算ができることにより,画像や変調方式の数が増えても作業時間的により簡便な方法であることが明らかになった.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.383, pp.39-46, 1996-11-22

今夏, アメリカニューオリンズで, 8月3日から9日までに開催されたCG, ディジタル映像およびインターラクティブテクノロジーの祭典であるSIGGRAPH'96の概要の報告を行う. 今年も, 例年通り, ハリウッドを中心とした最新の映画におけるディジタル映像が華やかな話題を集めていた. また今年はエレクトロニックシアター, 展示会, 論文, パネル討論, アート展以外にも新たにディジタルバイユー, アニメーションスケッチ等多くの催しも加わり大変盛りだくさんかつ有意義な一週間であった.