著者
佐藤 雄隆 金子 俊一 五十嵐 悟 阿刀田 央一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.387, pp.137-144, 1997-11-21

基本的な画像処理プリミティブをカスケードに接続した画像処理モジュールのパラメータ最適化および構造(順序)の最適化を同時に行う手法を提案する。探索空間を狭めることなく、しかも処理時間を増大させないために、独自のMF交差法を導入した遣伝アルゴリズムに基づく手法である。また、外的構造を保持したまま内部構造を変化させる周期構造モジュールを提案し、パタメータと構造(順序)の最適化を同時に進行させることを可能にしている。実画像による実験も併せて示す。
著者
近藤 功 アンドレア クティチ 田中 宏征 坂野 鋭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.573, pp.13-18, 2005-01-14

画像検索性能向上を目的とした, スティーラブルフィルタによるテクスチャ記述方法を提案する.従来のテクスチャ記述方法として, ガボールフィルタリングにより得られる画像の方向・空間周波数構造を利用したテクスチャ記述方法がある.ただし, ガボールフィルタリングにより得られる方向性は, 実用上, 特定の方向に限定される.そのため, 従来のガボールフィルタによるテクスチャ記述方法は, 方向性特徴を十分に活用できていない問題を持つ.この問題を解決するため, 我々は, 任意方向に指向性を持つスティーラブルフィルタを採用した.また, テクスチャ記述性能の向上のため, 方向に加え, 空間周波数, エッジ種類の解析を行った.予備的な実験により, 提案手法の可能性を検討した.
著者
矢口 悟志 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.39-46, 2001-02-15
被引用文献数
10

本稿では, 未校正の多視点カメラシステムからの自由視点画像を作成する手法を提案する.多視点カメラのうち, 2台の基底カメラ画像によりエピポーラ幾何を利用して射影グリッド空間を構成する.そして, 各カメラのシルエットに射影グリッド空間内の各点を投影することによって, Shape-From-Silhouette(SS法)の原理に基づいて3次元モデルを射影グリッド空間内に再構成する.この3次元モデルから, 各視点の画像間の対応点関係が密に得られるため, この対応点関係を用いて2枚の入力視点画像からその中間にあたる自由視点画像を得る.本手法を大分県別府市ビーコンプラザで撮影した多視点映像に適用したところ, 良好な画質の自由視点映像を合成することができた.
著者
西野 聰 松田 淳 五十嵐 幸代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.302, pp.101-106, 2005-09-15

男女識別は大型商業施設やアミューズメント施設等の来客統計をとるためなどに必要である.従来の男女識別方は, 服装や歩き方, 足圧, 髪型および声など人物の外見を利用した方法である.しかしこれらの特徴は人間の意思により恣意的に変えることのできる特徴である.本手法は男女の特徴の相違を赤外線画像の顔または手の熱分布により行う生体的特徴を用いた新しい概念に基づく男女識別方である.したがって, 本手法は従来手法にない強固な男女識別を実現可能な法である.
著者
野口 顕嗣 柳井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.311-316, 2010-03-08
被引用文献数
1

映像中の動作を認識することは,様々なアプリケーションに応用することが可能で,非常に意義のあることである.動作認識は多くの分野で扱われてきた研究だが,Youtube動画のような制限のない環境における認識を行った研究は少ない.そこで本研究ではMultiple Kernel Learning (MKL)に基づく特徴統合による動作認識フレームワークを提案しWeb動画における動作認識を行った.統合に利用した特徴は時空間特徴,視覚特徴,動き特徴である.時空聞特徴は,点の周辺パターンとその点の微少時問の動きを特徴化したものを利用した.実験にはKTHデータセットと,二種類のYoutubeデータセットの計3種類のデータセットにおける分類を行った.結果としてKTHデータセットで最新手法に匹敵する分類率の94.0%,Youtubeデータで最新手法を大幅に上回る分類率である80.4%という結果が得られた.
著者
桑田 修平 上田 修功 山田 武士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.115, pp.81-86, 2007-06-21
被引用文献数
3

本稿では,ノンパラメトリックベイズモデルに基づくグラフクラスタリング手法を提案する.近年Newmanらは,混合多項分布モデルに基づき,リンク先が類似するノードを同一クラスに分類する,という一般的な仮定のみを用いた,クラスタ構造に関する事前情報を必要としない,汎用的かつ効率的なクラスタリング手法を提案した.しかし,予めクラス数を与える必要があるという問題があった.提案手法は,Newmanらのモデルを発展させ,ノンパラメトリックベイズの枠組でクラスの生成過程をデータの生成過程に含めることにより,クラス数を動的に推定しながらより柔軟なクラスタリングを行うことができる.人工データと実データを用いた実験により提案法の有効性を示す.
著者
剣持 雪子 小谷 一孔 井宮 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.528, pp.197-204, 1999-01-22
参考文献数
9
被引用文献数
33

CGにおいてよく使われる等値面生成法の一つであるマーチング・キューブ法は, 生成される等値面が位相的な曖昧さを持つことがある.標本点の間の連結性は面の位相構造を決める。そこで、本論文では、格子点の連結性を考慮してマーチンキューブ法の等値面の位相構造を考察する。そして、連結性の種類と面の形状との関係を明らかにする.
著者
山口 裕史 寺地 重巡 高橋 文穂 奈倉 理一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.573, pp.63-65, 2005-01-14

地球環境観測として人工衛星を用いた観測の重要性が認識されてきた.人工衛星による観測では, 観測対象を広く, 長期的にかつグローバルに観測でき, 人工衛星が搭載する高分解能カメラにより, 三次元情報を抽出することが出来る.本稿では, 多方向撮像による複数枚のステレオ画像から三次元解析を行う手法として, 不可視領域を少なく, 対応点検出精度の向上を図るとともに, 雑音が存在する場合での三次元情報抽出の精度向上について検討をする.
著者
パブロ サンチャゴ エンリケ コナント 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.47, pp.53-60, 1999-05-13
参考文献数
8

ロボット組み立て作業のためのビジュアルフィードバック戦略を生成する手法について述べる。モデルから与えられる動作の許容範囲とタスクの分析から得られるセンサーの不確定領域の大きさに基づいて、視覚と力覚を選択的に使用するメカニズムを提案する。視覚と力覚の選択は操作物体と環境物体との接触を認識する能力に基づいて決定される。この戦略により成功確率を最大化するセンシング方式が決定出来る。
著者
安部 素嗣 西口 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.569, pp.25-30, 2002-01-11
被引用文献数
5

本稿では, オーディオ検索のための自己最適化スペクトル相関法を提案する.これは未知の入力信号から既知の参照信号と一致する部分を同定する, いわゆる一致検索のための方法であるが, 入力信号に他の妨害音が強く混入していても, 背景で共通する信号間の類似性を評価し, 類似部分を同定する.例えば音声の背景にある音楽の同定などに用いられる.本手法は, まず参照信号を時間周波数領域で多数の小領域に分解し, 各小領域の成分と入力信号との間の類似度を計算する.続いて各小領域の類似度を投票法により統合し, 参照信号と入力信号が類似しているか否かを判定し, 類似している場合にはその位置を同定する.背景音楽の同定実験では, 音声に対するS/N比が-10dBの音楽で100%, -20dBの音楽でも90%が同定できることが確認された.
著者
黒沢 由明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.93-98, 2011-03-03

文字認識や音声認識で良く用いられるLVQは確率降下法の考え方でも説明することができ,これによればLVQを最急降下法による最適解探索問題として定式化することができる.この考え方に立てば,LVQを構成する辞書ベクトル全体を認識パラメータと考え,LVQの学習時に,そのパラメータがパラメータ空間の中をどう動くのかを観察することができる.この手法を使って,ある手書数字認識のケースでたまたま見つかった誤読急減の部位において学習の観測を行なった.その結果,学習パラメータの系列がパラメータ空間内に複数存在する評価関数の渓流状の地形に捕まっていたこと,長い学習の後に渓流が無くなる位置で評価関数の坂を下り落ち始めた事が分かった.それが誤読急減少の原因だったのである.
著者
岩井 儀雄 松村 朱里 伊藤 陽生 清水 敏之 不殿 健治 横地 裕次 山崎 隆一 山本 隆史 村山 健二 池田 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.525, pp.125-132, 2001-12-14
被引用文献数
6

本パターン知識・メディア理解(PRMU)研究専門委員会では、平成9年度から研究活動の一環として、若手研究者の発掘・育成と活性化を目的としたアルゴリズムコンテストを実施している。5回目の今年は、4月から公募を開始し、9月に情報・システムソサイエティ大会併催事業として、審査結果の発表と表彰、講演会を実施した。今回のテーマは、画像処理・パターン認識の基本的な問題としてCG画像の道路交通標識の認識、実画像の標識認識、実画像中からのセグメンテーションに挑戦するものである。問題の困難さに応じて3つの課題レベルを設定した。その実施報告を前半に行ない、後半には入賞したアルゴリズムについて入賞者らが詳細を紹介する。
著者
中野 允裕 大石 康智 亀岡 弘和 向井 良 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.111, pp.31-36, 2012-06-22
参考文献数
13

本稿では,隠れマルコフモデルの拡張として,隠れ状態のペアである状態遷移の中のクラスタを抽出する能力を有した新しいモデルについて議論する.提案するモデルでは,状態遷移確率の配列をモンドリアン模様に誘導することによって,複数の系列データから隠れ状態系列を推定すると同時に隠れ状態間のネットワークの中のクラスタを発見することが出来る.提案モデルの応用例として音楽信号に適用した実験を示す.
著者
天白 成一 平井 俊男 傍島 康雄 藤井 泰宏 三木 睦明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.219, pp.81-86, 2010-10-01
参考文献数
11

発声障がい以外に大きな障がいを持たない場合,音声出力型コミュニケーション・エイド(VOice Communication Aid,VOCA)と呼ばれる補助装置を用い,必要な音声を随時合成することで,健常者と変わらない日常生活を送ることが期待できる.VOCAでは,「画面サイズが適度に大きくて視認性が高い」「スライラス・ペンなど特殊な入力デバイスが不要であること」などが重要な要件となる.これらの要件を踏まえて,本報告では,筆者らが開発した,iPad上で稼動するVOCAである「ボイスエイド」について述べる.
著者
中里 祐介 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.193, pp.25-28, 2004-07-08
参考文献数
7
被引用文献数
2

近年,ユーザが装着可能なウェアラブルコンピュータを用いてユーザの道案内などを行うヒューマンナビゲーションに関する研究が注目を集めている.ヒューマンナビゲーションを行うには一般に,ユーザの位置と姿勢を正確に同定する必要がある.従来,実環境に多数のマーカを配置し,それらをユーザの装着したカメラで撮影することで,ユーザの位置・姿勢を求める手法が提案されているが,多くのマーカを設置する必要があるため,実環境の景観を損ねるという問題があった.そこで本研究では実環境に配置した半透明の再帰性反射材からなるマーカに赤外光を照射し,その反射を赤外線カメラで撮影・認識することで,ユーザの位置を認識する方法を提案する.その際,赤外線LEDを連続的に点滅させ,それと同期してマーカを撮影することでマーカからの反射光以外の赤外光の影響を取り除く.これによりインフラに電源を必要とせず,かつ景観を損なうことなくユーザの位置を検出することが可能である.
著者
佐竹 純二 小林 亮博 平山 高嗣 川嶋 宏彰 松山 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.491, pp.137-142, 2008-02-14
被引用文献数
7

本研究では,大型ディスプレイを用いた情報提示システムにおいて,ユーザの顔や視線の方向を推定し,ユーザの興味や反応を認識することで,コンテンツをインタラクティブに制御することを目指している.カメラ画像のみを用いた視線推定法では,視線を虹彩中心と眼球中心を結ぶ直線として求める方法が一般的であるが,目領域の解像度が低いために誤差の影響が大きかった.そこで,高解像度カメラ(UXGA 30fps)を導入し,角膜による屈折を考慮した詳細な虹彩形状モデルを用いて,より高精度に視線を推定する方法を報告する.
著者
中村 高宏 前田 卓志 松下 雅仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.167-172, 2006-03-10
参考文献数
6

指紋認証装置はコストの性能のバランスのよいバイオメトリクス認証技術として最も普及している.本報告では,指紋特徴点の照合処理において,照合相手指紋の特徴点と一致しない特徴点(不一致特徴点)を従来のように一律に切り捨てるのではなく,不一致特徴点に対しても「真の相手側特徴点と一致しない真の特徴点かどうか」を示す「真の不一致特徴点らしさの信頼度(不一致信頼度)」を評価して照合スコアに反映することにより,他人指紋の判別精度を向上するという照合方式を提案する.実験により,不一致特徴点を真偽評価なしに一律に扱う従来の照合手法とは異なり,本人指紋の拒否エラー率がほとんど変化することなく,他人指紋の受容エラー率のみが改善されることを示す.
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.710, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては、自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。
著者
冨手 要 藤木 真和 麻生 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.427, pp.75-80, 2008-01-10
参考文献数
6

本稿では,複合現実感において現実の影と光学的な整合性を保って仮想の影を描画する手法を示す.現実物体からの影が投射されている領域は仮想物体からの影の影響を受けないとして,我々の手法では,現実空間を撮影した画像に含まれる現実の影の領域を避けて,仮想光源ごとに現実もしくは仮想物体に起因する影を実画像に加える.本稿では,提案手法の理論的背景について述べた後,レンダリング技法としてレイトレーシングを用いた実装方法を説明する.さらに,検証実験により光学的に矛盾のない影画像を生成できることを確認したので,実験の内容と結果を示す.