著者
角田 夏貴 渡辺 俊典 菅原 研
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.707, pp.91-96, 2003-03-06
被引用文献数
1

最小全域木(MST:Minimum Spanning Tree)を用いた深さ優先探索による画像分割方式を提案する。まず、画像に対するカラー画像のピクセルをノードとし、ノード間のカラーベクトル値の差をアークの重みとしたグラフのMSTを作成し、次にMSTエッジの重み累積ヒストグラムの累積率から適切な領域分割同値θ_1を検出する。θ_1を用いてMSTのエッジを切断することで画像を小領域に分割し、MSTの深さ優先探索からテクスチャ特性を抽出する。最後に、θ_1と領域のテクスチャ類似度に応じて適応的に変動する併合闇値θ2を用いて領域の併合を行なう。種々の画像に対する実験によって、提案手法の有効性を示す。
著者
長尾 智晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.458, pp.17-24, 1997-12-18
被引用文献数
2

本稿では, 画像中の2次元図形・3次元物体の位置・大きさ・回転角度などを決定する処理である図形・物体のポジショニング処理について概説している. 本処理に対して従来から提案されているいくつかの手法について述べた後, 本処理には最適化手法が有効であることについて述べ, 遺伝的アルゴリズムを用いた手法を提案している. そして, 遺伝的アルゴリズムを用いた図形・物体のポジショニングの事例として, モデルを用いた2次元図形と3次元物体のポジショニング, 人物の顔領域抽出, 画像中の左右対称領域の抽出について, それらの適用方法と実験例を示すことによって遺伝的アルゴリズムを用いる手法の有効性を示している.
著者
古川 直広 今泉 敦博 藤尾 正和 酒匂 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.421, pp.85-92, 2001-11-08
被引用文献数
8

振込帳票などの項目内容を読取る場合、帳票種毎に項目位置が異なるため、入力イメージの帳票種を識別する必要がある。用紙サイズや罫線特徴を利用する従来方式では、それら特徴が類似した場合、帳票識別精度が低下する問題があった。そのため本報告では帳票種を特徴付ける文字列の組合せ(星座)を利用することによって帳票を識別する方式を提案する。166種653サンプルの評価実験から、正識別率97.1%、誤識別率0%、平均時間3.1秒となり本方式の有効性を検証した。
著者
胡 振程 内村 圭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.490, pp.141-148, 1998-12-18
参考文献数
13

時系列道路情景画像による走行道路環境の奥行き推定は, 安定的な車線追跡, 先行車両との距離保持及び障害物の検出などにおける重要な研究課題となっている.従来のステレオ視覚などの方法では, 複数カメラを取りつけ際の相対位置の設定誤差やカメラの振動による計測精度の低下などの欠点が存在している.本研究では, 車載カメラのFOEを用いたカメラの運動パラメータの計測により走行道路環境の奥行きを推定する.理論的に, 3個だけの対応点対で線形的に解けるカメラの運動解析によって, より高速で正確な奥行き推定が可能となる.実際の道路情景画像を用いた実験により提案手法の有効性を検証する.
著者
宮本 貴宣 浜本 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.206, pp.71-78, 1998-07-24

統計的パターン認識の特徴抽出系の一つに, 正規直交判別ベクトル法がある.次元数に対する訓練サンプル数の比が小さいという現実的状況下では, クラス内共分散行列の推定誤差が大きくなり, 場合によっては逆行列が存在しないこともありえる.そこで, 本論文では, テプリッツ法, 正則化法という二種類のクラス内共分散行列の推定法を用いることで, 正規直交判別ベクトル法の改善を試みる.
著者
安田 知未 小野 智司 中山 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.91-96, 2010-03-08

通信販売で衣服を購入する場合,試着が困難であるため,計算機上で試着を仮想的に実現する技術やシステムの研究が行われている.3次元空間上で人物の動きに応じた衣服の変形が研究されているが,試着者の体型データの取得に高価な装置が必要となるなどの問題がある.本研究では,試着者の画像から衣服の変形を近似的に取得することで,高価な装置を用いずに簡便に体型を考慮した仮想試着を実現するシステムを開発する.
著者
山口 純平 嶋田 和孝 榎田 修一 江島 俊朗 遠藤 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.25-30, 2010-03-08

本稿では,隠れに頑健な人物識別手法として,顔特徴とコンテキスト情報を用いた手法について報告する.本手法では,顔特徴として正面顔と目,鼻などの顔部品を用い,CLAFIC法により類似度を求める.またコンテキスト情報には衣服の情報を使用し,衣服特徴として4つの特徴を用い,それぞれ類似度を求める.これらの特徴から得られた類似度を統合し,人物識別を行う.顔の一部が隠れた画像に対して,顔特徴のみで識別を行った場合の結果と本手法で識別を行った場合の結果を比べることで,コンテキスト情報として衣服特徴を用いることの有効性を確認した.
著者
小幡 琢磨 佐々木 洋輔 久保村 千明 亀田 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.615, pp.177-181, 2006-02-17

教師を必要とせずにエージェントを環境に適応させる枠組みとして強化学習がある.強化学習ではエージェントが環境に対して試行錯誤を繰り返すことにより,それぞれの状況に適した行動を学習することができる.試行はエージェントに実装されている行動の種類と状況の数によっては大量におこなうこととなる.現実的な環境を想定した場合にはこれらの数は増加してしまい,結果として学習が収束するまでには学習に反映されない大量の無駄な試行が存在することとなる.これらの無駄な試行には学習に有効に利用できる試行が存在すると考えられる.また状況間の類似を考慮することで,無駄な試行を減らすことが可能と考えられる.本研究ではこれらの無駄な試行に着目し,無駄な試行を経験として蓄積し,有効に利用することで学習速度を向上させることを目指した.具体的には,学習の過程における試行のなかで無駄な試行を学習に反映させる手法と,経験を蓄積することにより,類似した状況下で効率的に行動選択することのできる手法を提案する.
著者
影広 達彦 緒方 健人 酒匂 裕 Kittler Josef
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.206, pp.187-194, 2007-08-27

監視カメラによって人物の異常な挙動を検知するために,挙動認識システムの研究を行った。本システムは,人物挙動の変化を検知することで,正常/異常の判定を行う。人物を追跡するために,最近傍法とParticle filter法の2つの手法を動的に切り替え,複数の人物が重なり合う場合でも安定した追跡を可能にした。また,学習判定機能に自己組織化マップを適用し,事前学習なしで挙動の変化検知が可能になった。本報告では,歩行状態を正常,乱闘状態を異常と定義し,CAVIARデータベースを元に精度評価を行った。その結果,フレーム単位の評価で,歩行状態に対する虚報率は1.8%,乱闘状態の検知率は64.2%となった。また,オプティカルフローの方向成分の平均値が,最も有効な特徴量であることが分かった。
著者
佐藤 知正 内野 宏人 辰川 肇 朝木 克利 野口 博史 松信 嘉範 森下 広 森 武俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.21-27, 2000-11-10
被引用文献数
3

本稿では、ロボット化された人間支援ルーム「ロボティックルーム3」を提案し、その基本的な考え方を述べる。ルームが豊かな個性を持った"個人"に適合した支援を実施するためには、個人の行動を認識・蓄積する機能と、その情報を踏まえて個人適合した支援を計画・実行する機能が核となることを指摘する。そのうえで、ロボティックルーム3においてこれまでに実現された行動認識機能として、床センサと視覚センサを統合して、部屋に入ってくる人を発見・追跡する機能について述べる。これはロボティックルーム3の基盤機能として、部屋に分散させた感覚行動ネットワーク系によって部屋内で生活する人の日常生活行動を認識する機能実現につながっていくものである。
著者
吉村 ミツ 吉村 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.141, pp.81-90, 1996-06-28
被引用文献数
39

手書き文字の筆者認識の技術では、課題が識別型か照合型かで、使う情報がオンライン型かオフライン型か、手法がテキスト従属か独立か、で技術が利用される局面や、解決すべき技術上の問題が違っている。本報告では、その違いを解説した上で、筆者認識技術の現段階を素描する。続いて、この分野の技術を発展させ実用化に結びつけるために、解決しなければならない困難点を指摘し、解決の方向についての著者らの見解を述べる。
著者
西村 拓一 古川 清 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.183-190, 1997-05-15

すでに提案されているRIFCDPは,2つの時系列データ間の任意の類似区間を検出できるため,時系列パターン検索に有用である.しかし,RIFCDPは、計算量とメモリ量が大きいという問題点がある.そこで,過去に溯るに従って指数関数的に重みを減少させてマッチングをとることにより,計算量とメモリ量を軽減し,ほぼ類似の機能をもつ重み減衰型RIFCDPを提案する.また,ジェスチャー動画像を用いて本手法の有効性を示す。
著者
平山 泰崇 中村 納
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.386, pp.25-32, 1997-11-20
被引用文献数
3

筆者らは修正HSV表色系と等濃線分布に基づく個人識別方式を提案し, その有効性を確認している. 一方, システムの実用化を考えた場合には, 入力環境の変動に対する識別精度の向上が重要な課題となる. 従来手法では入力段階と登録段階で表情が大きく変化した場合に識別精度が若干低下することが確認されている. また, 従来手法では, 入力画像に人物は1人のみという制約条件を付加してきた. そこで本論文では, 差分画像を用いることによって表情変化にも対応できる人物識別方式を提案する. また, 再帰処理を用いた複数人物に対応可能な顔領域抽出法についても述べる. 実験の結果, 提案方式の有効性を確認した.
著者
呉 美京 齋藤 洋典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.448, pp.41-46, 2004-11-12

近年,第二言語(L2)としての日本語の習得では,L2が利用される社会的文脈を理解し,L2を適切に使用するための社会言語的能力の養成に力が注がれている.本稿では,アニメーション伝達課題を用いて,発話言語(L1 韓国語,L2 日本語)と,それらの発話環境(韓国,日本)との組合せからなる発話負荷が,自発的ジェスチャーの生起頻度に及ぼす影響を検討した.実験の結果,L1韓国語による発話に伴う自発的ジェスチャーの生起頻度は,発話環境の影響を受け,韓国よりも日本で低下するが,L2日本語の発話に伴う自発的ジェスチャーの生起頻度は,発話環境の影響を受けないことが確認された.
著者
三浦 博史 村井 哲也 生方 誠希 工藤 康生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.94, pp.31-34, 2008-06-12

表形式のデータを数学的に分析する手法として形式概念分析とラフ集合があり,両者とも位相空間を生成することが知られている.本報告では,両者は,それぞれのデータ分析法の相違から異なる位相を生成することを指摘し,ラフ集合の位相が形式概念分析の位相よりも強いことを示す.
著者
清川 清 神原 誠之 佐藤 清秀 伴 好弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.584, pp.49-56, 2004-01-15

第2回複合現実感国際会議(ISMAR03: IEEE/ACM International Symposium on Mixed and Augmented Reality)が2003年10月7日〜10日に東京の学術総合センターで開催された.本報告では,本会議の主要論文について紹介し,複合現実感研究の最新動向を探る.
著者
小池 秀明 大山 航 若林 哲史 木村 文隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.57, pp.7-10, 2007-05-17
参考文献数
7

本研究ではアダルト画像検出法を提案する。本手法では、対象とするアダルト画像に肌領域が多く含まれ、これら肌領域は色の均質性・集塊性を持つことを前提とする。まず、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いて肌尤度画像を作成する。次に、肌尤度画像中で、色の均質性を有する領域のみを検出する。検出された領域ごとに閥値を動的に生成し、その閥値を用いて色の均質性・集塊性を考慮した肌領域の拡張処理を行い、最終的な肌領域とする。そして、求められた肌領域の肌尤度画像をリサイズして得られた値に主成分分析、独立成分分析を適用し、SVMで学習・分類を行い、アダルト画像を検出する。
著者
鎌田 智也 李 仕剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.375, pp.67-72, 2005-10-21

本論文では, 球面モデルに基づいた魚眼カメラによる頭部運動追跡について述べる.狭い視野のカメラを用いて部分的なシーンしか観測できず, カメラの運動により観測される特徴が消えたり, 新しい特徴が現れたりすることで, 観測誤差が累積し, 正確なカメラの運動追跡が困難である.そのため, 我々は, 広い視野の魚眼カメラを用いて, 部屋の天井に配置されているマーカを観測する手法を提案する.まず, 半球視野をもつ魚眼カメラに対して, 球面カメラモデルでカメラから見える周りの点を一様に表現する.次に, その球面射影モデルを利用して, 拡張カルマンフィルターで空間の特徴点からカメラの運動を推定するアルゴリズムを提案する.最後に, 部屋の天井に同一平面に配置している特徴点から, 魚眼カメラによる頭部運動追跡を行う実験を行い, その有効性を示す.
著者
高沢 潤 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.515, pp.7-12, 2003-12-11
被引用文献数
1

対話型3D映画においては,仮想俳優が静止して利用者と対話するのではなく,ストーリーや会話と連動して,仮想空間中を移動しながら対話できることが必要となる.本稿では,対話型3D映画のための階層的動作生成法を提案する.本手法では,仮想俳優の動作生成機構を階層化することで,ストーリーと連動した会話動作,歩行動作,注意動作の生成を並列的に行う.更に,仮想俳優が空間記憶を持つことで,利用者と注意を共有したり,視野に入っている物体やある場所で起きた出来事について話すことを可能にする.プロトタイプシステムを利用した印象評価によって,仮想俳優が3D映像空間中を移動しながら会話をすることで,ストーリー空間への没入感が高まることを確認した.