著者
唐澤 信司 池田 千里 具 龍會 鄭 俊憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

本報告では、ロボットの知能は『もし、○○であれば、○○とする。』という論理で記述され、この論理を実行する意志決定回路{Decision-Making Circuit (DMC)}が形成されることを知能の獲得とする。DMCはある状況を示すセンサの状態の組み合わせに対応した出力回路の状態を指定する。体験的学習では、同時に励起された入力群と出力が接続される。このDMCを構成単位とする人工知能システムを考え、その形成をフローティング・ゲートMOSFETに記憶させる。ここでは、この書き込みを体験的学習のように行う技術を検討した。このロボットの知能は体験に範囲を限定され、いはば個性のようなものを持つ。
著者
大野 克郎 朱雀 保正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27

直線位相の有限インパルス長ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)の手軽な設計法として,周波数サンプリング法(FS法)があるが,窓関数法より遥かに優れているにも拘らず,あまり推奨されていないようである.しかも,実数のサンプル値を与え,これをそのまま逆離散フーリエ変換(IDFT)すれば求めるインパルス応答(h[n]で表す)が得られるとする誤った説明さえ時として行われている.その主な原因は,Rabinerらの書では,振幅サンプル値(Rabinerらの記号では|H(k)|.|H(k)|は負の値もとり得るのでこの記号は実は適当でない)を補間して得られる周波数特性の吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が陽な形で示されていないことにあると思われる.以下では,直ちに利用できる形の公式とその誘導法とを示す.なお本稿では,大野が公式を導き,朱雀がこれを整理検討した.
著者
磯貝 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

月・惑星探査の将来像として活発に地球、宇宙間を往復することが挙げられる。輸送エネルギーを全て推進用燃料で賄うとすると、輸送機の質量の大部分はその燃料となりかねない。燃料エネルギーを何かで代替する必要がある。地球-月間の輸送システムを考えた場合、月から持ち帰る質量の位置エネルギーを利用すれば等量に近い質量を月まで運ぶことが可能である。ここではその基本的なシステムを提案する。
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.476-477, 1995-03-27

この世は,人間を主体系として,本体系である自然系と人工系から成っている。これ等は全て,伝送工学を一般化した伝子工学での立場からは,その互いに相補的概念である「線路」と「回路」そのものである。人類は何段かのルネッサンスを経て,現在に生きている。特に現代は,地球ガイアの枠組の上で,個々の生と,その集団の生について,古くからの良きことのルネッサンスと云うことで,より本質的な世界を捉えることになったことに特徴がある。それは,空間移動能力の拡大による意識空間の拡大もあるが,テレコミュニケーションを中心とした意識対応の人工システムの進化過程にのった意識空間の拡大にこそその特徴がある。ここでは[数理伝送][生物物理]を背景に,人間系の個体的,集団的特性を,その生成モデルを,感性対応システム(音楽・絵画等の情報的系と,味覚・痛覚等の生物的系での),その外部系としての景気変動空間系,その生成システムとしての市場交渉的システム・言語約束系等を取り扱うことになる。
著者
荻野 基 久保井 潔 栗原 道隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

自動車・携帯電話、無線呼出に代表される公衆移動通信サービスが、急速に普及しつつある。その利用も地上空間だけでなく、電波の不感地帯である地下空間での利用が増大してきており、研究会等による整備が検討されてきた。今回大阪市交通局四ッ橋線西梅田駅構内の閉空間に全国で初めての格差是正事業として、携帯電話、無線呼出等の全移動通信に対応する関西圏の全通信事業者がサービスする電波利用システムの構築が行われ、運用を開始したのでシステム概要について報告する。
著者
伊賀 健一 小山 二三夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

この2年間における面発光レーザの発展は目覚ましく、100μA以下のしきい値電流動作が目に見えてきた.また,応用分野でも特に並列光インターコネクト用に大規模アレーの商品化が進んでいる.図1に,現在考えられる面発光レーザのスペクトル領域を示す.1.55-1.3μmの長波長帯面発光レーザは光ネットワーク用に重要であるが,技術的に最も低しきい値化が難しい状況にある.熱伝導の良い反射鏡の使用が鍵となる.0.98μm帯のGaInAs系面発光レーザは最も高性能になっており,μAオーダーの低しきい値動作がターゲットになってきた.また,アレー化された実用デバイスが商品化され始めた.GaAs系レーザもSiフォトダイオードとの連携から応用が進んでいる.0.6μm帯の可視光レーザも1mA程度の低しきい値デバイスが研究レベルで達成され,実用化がそろそろ目前になってきた.これから興味がもたれるのが,青から紫外域にわたる極短波長の面発光レーザであろう.ZnSe系,GaN系など研究がホットになってきた.面発光レーザの適用分野で至近距離にあるのが光インターコネクトであろう.装置間の連絡,ビットの並列伝送など,光ファイバとの高効率結合と低しきい値動作を武器に新しい分野を形成しそうである.もちろん,長波長の面発光レーザの実用化は光ネットワークの様相を変える基となろう.いずれにしても面発光レーザを基礎とする並列機能デバイスは新しいオプトエレクトロニクスを切り開く原動力となるであろう.
著者
木村 雅彦 桑原 徹 平位 隆史 黒田 伸一 竹中 俊夫 佐伯 和俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27
被引用文献数
1

近年、発電プラントでは遠隔監視システムを導入し、従来の巡回点検による作業員の負荷低減を図っているが、更なる省力化を目指し、監視カメラの映像を画像処理することにより自動監視装置の導入が検討されている。しかし、監視対象が微小な油滴であったりコントラストの低い発煙であるがゆえ、プラント内の複雑背景下では実用的なアルゴリズムの構築は困難な問題であった。本稿では油滴、発煙の検出をターゲットに、異常事象検出能力を上げるとともに外乱除去能力を付加した信頼性の高いシステムを開発したので報告する。
著者
尹 維理 山田 有喜 米田 隆弘 田川 憲男 守屋 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27
被引用文献数
1

癌の治療法は、外科療法、化学療法、放射線療法など様々であるが、最近重粒子線を用いた治療が注目されている。この方法では、正常組織を避けながら治療部位に線量を集中させることが可能であり、効率的且つ安全な治療が行える。しかし、臓器は呼吸によって大きく変位するため、癌の位置を常にモニターしながら治療を行わなければならない。そのために我々は、超音波画像を用いて実時間で癌組織を追跡するための検討を行っている。今回はその第一段階として、呼吸と臓器変位の相関を実験的に調べた。この相関が十分高ければ、計測の容易な呼吸情報を用いて癌のおよその位置を予測でき、追跡処理を高速且つ安定に実現できる。
著者
橋爪 千枝 Vinod V. V. 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06
被引用文献数
1

画像からの物体抽出は, 画像検索, 移動物体追跡などにおいて重要な基本要素技術である. 抽出には, 色, 形状, テクスチャなど様々な特徴の利用が検討されているが, 中でも色情報は, 変形, ひずみなどにある程度ロバストな特徴であり, 画像中の局所的な色特徴量の利用によって安定かつ高速な抽出が可能である. しかし色情報は, 照明光の影響により変化するという不安定要因を持つ. 拘束条件を利用して物理属性パラメータを推定し, 物体の真の色を復元する方法なども提案されているが, 物体抽出への応用は難しい. そこで我々は, 照明光の変動にロバストな物体抽出について検討した.
著者
石谷 和久 四七 秀貴 中村 亮一 稲守 久由
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08
被引用文献数
1

多様なマルチメディア通信の需要の増大に対応するために、マルチプロセッサ構成の分散型通信ノードシステムが提案されている。分散型通信ノードシステムでは、プロセッサ間通信方式として分散オブジェクト指向を採用することで、柔軟なソフトウェア配置と容易なプロセッサ追加を実現している。一般に、通信ノードシステムでは、処理の効率化を達成するためにRealtime OSを備えて、呼処理、保守運用処理など様々な要求品質(処理遅延、損失率など)の異なる処理をその優先順位に従って処理している。一方、分散オブジェクト指向では、サーバ側(ターゲット側)の実行環境とクライアント側の実行環境とは、独立に決定されている。本稿では、分散型通信ノードシステムにおいて、Realtime OSの特性を活かして多様な要求品質の異なる処理を、分散環境で実現するプロセッサ間通信方式を提案する。
著者
水野 昇治 水野 暁子 鈴木 隆宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06
被引用文献数
1

手話辞典にはぺーパーべース 1),2) のものとパソコンベース 3) のものがすでに発刊されている。「写真手話辞典」1) は、1単語当たり最大4コマの写真を利用し, 動きを矢印で表示し、単語によっては、ズームインしたり、複数の方向から撮影したりしているが、動きが速い、単語に関しては、動きの感覚が掴みにくくわかりにくい。「イラスト手話辞典」2) は1単語2コマであるが、コマの抽出が適切で、単語によっては、正面以外からのイラスト、あるいは部分的に拡大したイラストを用い、かなりわかりやすいが、2コマであるためわかりにくい単語があるのはやむをえない。CD-ROM 単語集 3) は、パソコンで動画表示していので、写真やイラストよりわかりやすいときは多いが、照明、モデル衣服の色、背景色が不適切なためわかりにくい単語がある。まだフレームレートが低いときも多く、かつ一方向だけからの撮影に限っているため、少し動きが複雑で速い単語は極めてわかりにくい。
著者
伊藤 健二 田坂 修二 石橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08

マルチメディア通信では, 複数メディアを同時に扱 う。このとき, ネットワーク遅延の揺らぎ等によって, 各メディアの時間関係が乱されることがある。この時間関係を維持するためには, メディア同期制御を行う必要がある。一方, メディアの転送方式には単一ストリーム方式とマルチストリーム方式がある。筆者らは, トランスポートストリーム数の違いと出力先でのメディア同期制御の有無の組合せとによって, 四つのタイプ(タイプ0〜3)のメディア同期方式(プロトコルセットと呼ぶ)を考えている。既に, 音声・ヒデオ各1ストリームに対するメディア同期プロトコルセットの性能を, 実験により定量的に評価している。しかし, これまで三つ以上のメディアを対象とした, 定量的な評価実験は行われていない。複数のメディアを扱う場合, 一部, 及び全てのメディアをインタリーブして多重化することが考えられる。そこで, 本稿では, 三つのメディア(2ビデオ, 1音声)を同時に扱う場合において, メディアのインタリーブが, 各メディアの出力品質に及ぼす影響を実験によって調査する。このために, QoS保証のないネットワークにおいて, 性能測定を行う。