著者
伊藤 憲治 平松 謙一 福田 正人 湯本 真人 越田 一郎 丹羽 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.472-473, 1995-03-27

人間における言語理解、推論、学習などは、言語、認知、さらに思考過程の中心的な役割を果たしており、現在、情報科学、認知科学、神経科学、精神科学など多くの分野において、その脳内過程の解明、さらにその障害の診断や治療法の確立が望まれている。近年、これらの脳内の言語・認知過程に対し、従来の心理学的な手法やMRIなど主として脳の構造を明らかにするものに加え、脳波(EEG)や脳磁図(MEG)など脳の電気・磁気的生理活動をとらえるもの、PET、SPECT、機能的MRI(fMRI)など代謝活動をとらえるものなどによる脳の機能情報が得られ始めている。今後、さらに新たな脳の機能計測法の利用が期待される。これら高次脳機能およびその障害を把握するには、これら脳構造・生理・代謝情報の協同によって、言語・思考過程にかかわる脳内部の局在同定とその活動動態を三次元的に把握する必要がある。しかし、これらの情報は、たとえばEEGやMEGはミリ秒単位で脳・神経系の活動を可視化できるが皮質表面付近の活動情報が主なものである。逆にPET、SPECT、fMRIなどは、三次元の脳内部の活動情報が得られるが、分・秒単位で時間分解能が悪いなど、それぞれ機能情報に違いがある。また、それらの情報を計算機処理データをして扱う場合、画像モデルが異なるなどの問題があり、これまで、種々の脳関連情報を統一的に扱うことが困難であった。現在、言語と思考過程とその障害の解析、さらに新たな脳機能情報に対処できる臨床システムの開発を指向して、三次元脳機能局在を同定するための言語・認知検査課題と異種脳機能情報の解析プログラムを作成し、統合情報の動態を映像化するシステムの構築を始めている。ここでは、このシステムの構成を説明し、開発システムを用いた正常者および言語・思考の異常を示す精神神経疾患患者の観測とこれら脳機能情報に基づく言語・思考過程とその障害のモデル作成の試みを紹介する。
著者
亀山 博史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

k最近傍(k-NN)識別は大規模な学習サンプルが準備できる場合には高い認識精度が得られるが,最近傍探索の処理時間が問題となる.2分木の各ノードに左右の部分木の勢力半径を付与した木(K-M木)を用いた文字認識の高速化について検討した結果を報告する.部分木探索の条件を不完全にしても最近傍点に近いパターンが探索され,そのとき認識精度は保たれたままで大幅な探索時間の削減が行われた.
著者
田中 良明 中井 弘亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

B-ISDNでは、現在無線で配信されているテレビジョン放送などのサービスが各視聴者に提供され、それらがトラヒックの中のかなりの部分を占めると予想される。放送形のサービスは、同一の番組を複数の加入者が同時に試聴するという特徴を持つ、従って、放送源からはひとつのセルを送り、分岐点でコピーを取れば、網の負担は飛躍的に軽減される。それ故、放送形サービスがトラヒックの主流になった場合を想定した、新たな通信網の検討が必要になってくる。本稿では階層構成の最下位でリング網を用いた場合に、もっとも低コストで構築するための最適化を行う。これは、単純に距離の低いものがもっとも低コストということにはならない。ノード間に要求される呼量の少ないところは迂回させたほうがコストが低くなる場合がある。これらの要素を総合的に評価した上で、そのトレードオフをはかるのが主目的である。
著者
鈴木 唯史 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

仮想現実の実現において視覚的要素の果たす役割は大きく、中でも我々は仮想空間の中の点光源とその反射光が、人間の立体感の知覚の手がかりとなり得ることを確認した。[1] このことをリアルタイムCGに応用することは現実感の向上をもたらすものとして期待ができる。そこで本稿では、仮想空間の中で扱う対象を線香花火としそれを実現するシステムを開発したので報告する。
著者
中田 昌 太田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

最近,日本の都市の夜空がとても明るく,人工光が夜空を明るくする「光害」の存在が知られてきた.天文観測の障害となるほか,作物の異常成長や動物の行動異常の原因となるとの指摘もある.夜空の光量の絶対値を測定することは,この新たな光害のレベルを知る上で重要で,特に簡単で高精度の測定手法の開発が求められている.ここでは,冷却CCDにカメラレンズを結合して,夜空の光学画像を得て夜空の明るさを計測する手法を提案する.
著者
渡辺 功 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

最近、アルミニウム合金製チャンバーを用いた真空装置で、高真空の実績が報告されつつある。磁気記録磁性膜をスパッタ法で高速かつ安定に製作するために、アルミニウム合金製チャンバーにNb-PermalloyのPEターゲットを組み込み、スパッタしたところ、低温、短時間のベーキング処理でも高真空が得られた。さらに、基板ホルダーに熱伝導率の高いアルミニウムを用いることによって基板の冷却が充分に行われ、高い投入電力でも磁気特性の良好な軟磁製膜が得られたので報告する。
著者
山岡 綾史 三木 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08

波長多重(WDM)光伝送システムにおいて, 伝送特性を制限する要因となる四光波混合(FWM)の影響を抑制することを目的にコヒーレント光伝送の効用を検討する。現在使われているWDM伝送システムは強度変調-直接検波(IM-DD)方式によるものである。本研究では, IM-DD方式よりも受信感度の優れているコヒーレント方式を用いてFWM干渉の軽減効果をシミュレーションにより明らかにした。
著者
高橋 卓 山本 伸一 鈴木 健治 李 還幇 井家上 哲史 岡沢 治夫 若菜 弘充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.585-586, 1995-03-27
被引用文献数
4

技術試験衛星6型ETS-VI(きく6号)は1994年8月28日16時50分にH-IIロケットで打ち上げられたが、アポジエンジンの不具合のため静止軌道へ投入できず、現在3日5周回帰の準回帰軌道上にある。現在、CRLではETS-VIのSバンド衛星間通信ミッション(SIC)とミリ波衛星通信ミッション(OCE)および光通信ミッション(LCE)を使用した実験を行っている。このうちでSバンドとミリ波の実験は鹿島宇宙通信センターで行っている。この鹿島地球局に対して衛星が周回軌道をとっているために行った対策について、さらにこれまでに実施した実験について速報として報告する。
著者
松尾 慎治 松永 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, pp.572-573, 1999-03-08
被引用文献数
2

これまで光ネットワークでは主に一対一通信を効率よく転送することを目的に検討されてきた。それは現在ほとんどのアプリケーションが一対一通信を利用するものだからである。将来のインターネットの利用形態を考えたときネットワーク上に仮想空間(Cyberspace)ができ、その仮想空間上をユーザが自由に参加しデータを送受信できると言ったものがあげられる。このようなネットワークを考えた場合には一対多通信、多対多通信がトラフイックの多くの割合を占めてくる可能性がある。また、仮想空間を実現するための技術としては、容易にマルチキャストグループを形成でき、ユーザはマルチキャストグループへの参加/脱退や送受信が容易に行え、ネットワーク内のノードは膨大な量のマルチキャストパケットを処理でき、かつリンクはマルチキャストトラフィックの増大に対応できることが必要になる。このような背景から、これまでのユニキャスト主体のネットワークからマルチキャストを主体に考えたネットワークの研究が重要になってくると思われる。我々のグループではこれまで分配選択型WDMネットワーク(SECURE CAST)を提案して、マルチキャストに対する光によるブロードキャスト(Layer 1)の有効性を示してきた。しかしながら波長多重を用いたシステムであるSECURE CASTでは実現可能な波長多重数によりネットワークの規模が限られる。そこで、このような光によるブロードキャストネットワークを実際に敷設されている光ファイバ網の形態にそくしたリング網を用いて実現し、そのリング網を階層的に接続するスケーラビリティのある構成を提案する。このネットワークでのパケット転送は、パケットをフィルタリングしフオワーディングするノード(フィルタ)により行われる。