著者
鈴木 哲 菅原 慶太郎 松井 岳巳 朝尾 隆文 小谷 賢太郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.25-31, 2013-02-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本研究では呼吸と覚醒度の関係性を調査し,その応用の可能性を検討した.実験は睡眠時間や食事を統制した環境下で,自動車の運転を想定しステアリング操作を40分間行わせた.その間の脳波のα波帯域変化と呼吸数の経時的変化や,TimingとDrivingといった呼吸に関する指標,さらに呼吸波形の振幅面積や吸気の速度変化が最大となる時間などを調査した.その結果,一般的に関係性が指摘されている呼吸数などの変化だけでなく,吸気の変曲点位置変動の間(r=0.65)にも関係性があることを確認した.一般的な覚醒度に関する調査において付随的な指標として扱われることの多い呼吸にも覚醒度変化の影響があることを示すとともに,覚醒度推定精度を向上させるために,呼吸は重要な情報となりうることを示した.

1 0 0 0 OA 2S4-2 海女と匠

著者
山下 真千代 竹内 千尋
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.52, no.Supplement, pp.S88-S89, 2016-06-25 (Released:2016-10-15)
著者
竹本 雅憲 樋口 和則
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-16, 2012-02-15 (Released:2012-07-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本論文は,駐車車両死角から道路を横断する歩行者との事故防止に向けて,駐車車両側方通過時における不安全運転行動の特徴を解明することを目的とした.規範運転に関する教習所指導員へのヒヤリングに基づき,駐車車両奥側通過時の側方間隔と車速,および駐車車両付近の確認を切り上げるタイミングを評価指標とした.指導員が助手席に同乗して不安全であると診断した一般ドライバの実車運転データを,指導員の運転行動と比較して分析した.その結果,自然な流れで安全に走行できない側方間隔をとる,減速して対応する必要がある側方間隔でも十分に減速しない,死角が見え始める手前で確認を切り上げるという特徴を明らかにした.これらの不安全運転行動は,歩行者の飛び出しを正しく想定していないことや,衝突を安全に回避できる車速や側方間隔を正しく理解していないことに起因すると考えられ,これらの要因が不安全運転行動全体に占める割合について考察した.