著者
氏田 博士
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-11, 2011 (Released:2012-03-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

Energy security was a major concern for OECD governments in the early 1970s. Since then, successive oil crises, volatility of hydrocarbon prices, as well as terrorist risks and natural disasters, have brought the issue back to the centre stage of policy agendas. Here, an energy security concept has been proposed, which is defined by time frame and space frame as well. Wide-meaning energy security is divided broadly into two categories. One is short-term (∼10 y) energy crisis, which is narrow-meaning energy security. Short-term energy crisis is further divided into contingent crisis, such as energy supply chain (sealane) interruption due to conflict, accident, terrorism, etc., and structural crisis, such as price fluctuations, supply shortage, energy demand increase in Asia, technology development stagnation, etc. The other is long-term (∼100 y) energy crisis and global energy problems, such as fossil fuel exhaustion and global warming.
著者
田川 明広
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.111-117, 2012 (Released:2012-05-15)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

The Japan Atomic Energy Agency decontaminated schools, playgrounds, swimming pools, and houses in nonevacuated, less-contaminated areas in Fukushima for environmental restoration. A small, 150 m2 playground lot in the residential area was chosen for decontamination demonstration, which used routinely available tools and commodities to carry out the work. The surfaces of playground lot equipment, such as swings, slides, and horizontal iron bars, were completely decontaminated by brushing with water and/or detergent. Side gutters around the playground lot were cleaned by removing the mud and then brushed and washed with a high-pressure water jet (7 MPa). The air dose rate at the playground lot was dominated by radiation from the ground surface and adjacent surroundings, such as apartments and rice fields. Two or three centimeters of the surface soil contaminated with cesium was removed manually with shovels, hoes, and other gardening tools. This significantly reduced the average air dose rate of the entire playground lot from 1.5 μSv/h before decontamination to 0.6 μSv/h. These results showed that ground surface decontamination can contribute measurably to the reduction in air dose rate in relatively small areas in residential areas.
著者
宮坂 靖彦
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.32-35, 2012 (Released:2019-09-06)
参考文献数
9

東京電力福島第一発電所のシビアアクシデントについて,事故時の対応,規制等の観点から十分に調査・検証する必要がある。それにしても原子力発電所の全交流電源喪失(SBO : Station Blackout)規制はなぜ遅れたのか。また,地震・津波の発生の可能性は,専門家から知らされていたのになぜ耐震規制に反映できなかったか。日本の原子力施設の耐震対策は,1995年兵庫県南部地震から数年後に本格検討が始まり,大幅改訂の耐震設計審査指針が公表されたのが2006年9月である。この間に新潟地震があったといえ,あまりに遅く残念である。改めて,安全研究の重要性と適切な規制体系の再構築が必要である。独立した規制機関の再構築が検討されているが,その第一歩はこれまでの対応を解明することである。 本報では,洪水による外部電源喪失事象,津波による冷却ポンプ機能喪失など教訓とすべき事象,米国及びフランスのシビアアクシデント規制の状況,わが国の規制取り組み等に関する提言を含め解説する。
著者
松永 武 ユーリ トカチェンコ
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.684-688, 2011 (Released:2019-09-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

福島原子力発電所の損壊により大気中に放出された放射性核種は,地表面の広域汚染をもたらしている。地表面土壌に沈着した放射性核種の一部は河川に移行する。河川での放射性核種の移行は長期的である一方,降雨時の短期変化も重要であり,さまざまな時間スケールを伴っている。また,放射性核種ごとの挙動の相違も大きい。本稿では,チェルノブイリ事故・大気圏内核実験影響の関連研究を参照し,河川における放射性核種の移行の特徴をまとめた。
著者
井上 義和
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.791-795, 1989-07-30 (Released:2010-01-08)
参考文献数
28
被引用文献数
3 3
著者
和田 明
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.386-396, 1973-06-30 (Released:2010-04-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
太刀川 英輔
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.454-457, 2023 (Released:2023-07-10)

高レベル放射性廃棄物最終処分場の実現のために,日本の戦略の中で足りないものは一体何なのか。そのために今までの考え方をより創造的に発展させた戦略を描けないだろうか。こうしたテーマに,国際的に活躍するデザイナーである太刀川英輔が向き合い,デザイン戦略をまとめた。生物の進化と人間の創造力を対比させることで,創造性と言う複雑な現象を構造化した,太刀川の提唱する進化思考を用いて見えてきた可能性はどのようなものだったのか。その戦略の一部を,進化思考の構造になぞらえて,この論考ではご紹介したい。
著者
目黒 芳紀
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.643-648, 2011 (Released:2019-09-06)

我が国最初の商用BWR発電所として,敦賀発電所1号機(以後,敦賀1号)は昭和44年に試運転を開始したが,当初より1次冷却系の腐食に起因する放射線量率の上昇,燃料健全性への影響等の,いわゆるクラッド問題が発生し,この対策に全力をあげて取り組むこととなった。1次冷却系材料の腐食を抑制すること,原子炉内へのクラッド持込みを抑制すること等,水化学面からの改善対策を実施した。その結果,昭和50年代半ばにはクラッドの発生は大幅に減少し,BWRクラッド問題解決の技術的基盤を構築することができた。敦賀1号で得られた水化学改善の成果は,その後のBWR発電所の運営に反映され,今日の水化学技術の礎となった。
著者
坂東 昌子 田中 司朗 今井 匠 真鍋 勇一郎 和田 隆宏
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.122-134, 2017 (Released:2020-02-19)
被引用文献数
1

従来の低線量被ばくの影響評価そして放射線防護の枠組みを一新する可能性のある理論が開発されている。その名をモグラたたき(WAM)モデルと言う。このモデルが導く最も重要ことは,低線量被ばくの影響はモグラたたきのように潰されていって,時間経過とともにその影響が蓄積してはいかないということである。これは現行の放射線防護の基盤であるしきい値なし直線(LNT)モデルが70年にわたって築いてきた枠組みにチャレンジするものである。ここでは,このことを議論した2016年秋の大会企画セッションの内容を紹介する。
著者
真田 哲也
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.760-764, 2011 (Released:2019-09-06)
参考文献数
7

2011年3月11日に発生した東日本大震災は地震による直接的な被害はもとより,それによって引き起こされた大津波により,さらに多くの壊滅的な被害をもたらした。今回の事故では,ベントや水素爆発による原子炉建屋の損傷により放射性物質の環境への放出があり,広範囲にわたり空間線量率の上昇や農畜産物の汚染,汚染水の漏えいによる,海水や海産物への影響が報告されている。 放射性物質の環境への放出はやがて飲食物の汚染へと広がり,最終的には人への内部被ばくの直接の要因となるため,それらの放射能濃度を把握することは極めて重要である。本稿では平常時の日本人の食物摂取による預託実効線量を評価した結果を概説し,現在では天然の放射性物質(ポロニウム210およびカリウム40)からの寄与が大きいことについて述べる。
著者
石田 健二 岩井 敏 仙波 毅 福地 命 當麻 秀樹
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.460-464, 2018 (Released:2020-04-02)
参考文献数
13

本稿では脱分化(リプログラミング)というプロセスをとらずに,甲状腺がんの発症を説明する「芽細胞発がん説」を解説し,従来から一般的な発がんモデルとして使用されてきた脱分化に伴う甲状腺がん多段階発がんモデルとの相違性ならびに関連性について解説する。
著者
佐田 務
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.686-688, 2009 (Released:2019-06-17)
被引用文献数
1

新聞やテレビなどのマスメディアは原子力について,マイナスの側面だけを強調して報道することがある。また原子力に携わる人の間では,そのような報道が,原子力に対する世論醸成に悪い影響を与えるとの懸念が示されることがある。しかしながらマスメディアのそうした姿勢の背景には,原子力がもつ固有の要因や,それを取り巻く社会状況が関わる。さらにそこにはメディア側と,メディアに対する原子力関係者の間の認識のずれの問題もひそむ。ここではラスウェルのモデルなどをもとに,こうした原子力をめぐるマスメディア報道の構造と,それをめぐる状況の一端を分析する。
著者
垣花 廣幸
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.91-100, 1998-02-28 (Released:2009-03-31)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1