- 著者
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佐藤 志彦
- 出版者
- 一般社団法人 日本原子力学会
- 雑誌
- 日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.6, pp.446-448, 2019 (Released:2020-04-02)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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福島第一原子力発電所事故では大量の放射性物質が環境中に放出したが,チェルノブイリ原発事故のような炉心が直に大気と触れるような事象は発生しなかったため,核燃料を主とした放射性粒子の放出はないものと考えられていた。しかし2013年以降,放射性セシウム(Cs)を取込んだケイ素が主成分の微粒子が報告され,Cs-bearing particle,不溶性セシウム粒子などの名称で放射性粒子の存在が認知されるようになった。この想定になかった未知の放射性粒子に対し,さまざまなバックグラウンドを持つ研究者が,日夜,発生原因の解明を試みている。本稿では不溶性セシウム粒子がなぜ不思議な存在であるか,そしてどうして福島第一原発の廃炉で重要かを紹介する。