出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.330-331, 2017-05-01 (Released:2017-11-01)
著者
柳澤 絵美 荒井 隆行
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.505-515, 2015-10-01 (Released:2017-06-02)

本研究の目的は,促音に先行する母音の出わたりにおける「フォルマント遷移の有無」と「インテンシティの減衰」が促音の知覚に影響を与えるか検証することである。この二つのパラメータ,及び,閉鎖区間を変化させた2音節の無意味語を合成し,聴取実験を行った。その結果,まず,閉鎖区間が長くなると,促音として知覚され易くなることが確認された。次に,フォルマント遷移がない刺激音は,促音として知覚されにくいことが分かり,フォルマント遷移が促音知覚の手がかりになっていることが明らかになった。更に,インテンシティの減衰の緩急は,促音の知覚には大きな影響を与えていないことが示唆された。
著者
大内 康裕 山﨑 芳男
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.5-11, 2017 (Released:2017-07-01)
参考文献数
11

音響ホーンは電気を使わず音の放射効率を上げることができ,我々は省エネルギーを目指したコミュニケーションエイドとして音響ホーンを積極的に利用している。しかし,低い周波数帯域まで効率よく拡声するには長い経路長と大きな開口部が必要となり,衣服のように身に着ける道具として利用するには小型化が必要となる。本研究では音響ホーンの特性を保ったまま,音響ホーンの小型化を目指した輪状開口部を持つ音響ホーンを提案している。3Dプリンタを利用し開口面積を一定とした輪状開口部を持つ音響ホーンを作成し音響特性の測定を行ったところ,輪状開口部の半径の増加に伴い指向性の向上を確認でき,同時に音響ホーンの厚みを120mmから59mmに小型化することができた。
著者
長町 三生
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.638-644, 1993-09-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
蘆原 郁 桐生 昭吾
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.549-555, 2000-08-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
2

オーディオ信号の広帯域化による可聴域の音質変化について調べるため, 周波数帯域が48kHzと24kHzの検査音を作製し, それぞれの再生時に可聴帯域内に生じるスピーカの非線形歪を観測した。8種類のスピーカについて調べた結果, スピーカの定格周波数範囲の広さに関係なく, ほとんどのスピーカで, 信号の周波数帯域の拡張が可聴帯域内の非線形歪率を増加させることが示された。非線形歪率の変化は, 特にパルス性の検査音の場合に顕著であった。結果から, オーディオ信号の周波数帯域を不必要に拡張することが, 可聴域の音質劣化を招くことが示唆された。
著者
Go Ashida
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
Acoustical Science and Technology (ISSN:13463969)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.275-285, 2015-04-01 (Released:2015-07-01)
参考文献数
154
被引用文献数
6

The barn owl is a nocturnal predator with excellent sound localization ability. Due to the asymmetric ears of this bird, the interaural time and level differences, respectively, provide information for the horizontal and vertical direction of a sound source. Forty years of behavioral, anatomical and physiological research on the owl's auditory system have revealed that these two acoustic cues are computed in parallel and hierarchical neural pathways, which converge at the midbrain to form an auditory space map. This neural representation of the acoustic world, calibrated with the visual system, underlies the highly precise sound localization behavior of the barn owl.
著者
Yusuke Torikai Dai Kuze Junko Kurosawa Yasuhiro Oikawa Yoshio Yamasaki
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
Acoustical Science and Technology (ISSN:13463969)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.500-506, 2015 (Released:2015-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

We investigated a new communication-aid system focused on bone-conduction through a tooth, for listening to and recording voices. In this paper, we developed a tooth-conduction microphone (TCM) and evaluate the articulation of tooth-conducted voice (TCV). Because the TCM has the shape of one's dental mold, it is wearable like a mouthpiece. Moreover, it can extract tooth vibration during phonation as TCV. To evaluate articulation of TCV, we adopted monosyllable articulation for subjective assessment and linear predictive coding cepstral distance for objective assessment. The results of articulation show that TCV is not sufficiently clear compared to air-conducted. However, it is confirmed that TCV is robust to environmental noise because the accuracy rate is not decreased when the TCV is recorded under high ambient noise.
著者
嶋田 容子 志村 洋子 小西 行郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.112-117, 2019-03-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2

幼児の聴覚は成人とは異なり,雑音下における選択的聴取の能力が十分に発達していない。本研究では,幼児にとって生態学的に必要性の高い音をシグナルとし,雑音下での聴取力の発達変化を4~6歳児70名を対象に検討した。実験は,交通音や多人数音声を背景雑音とし,車・バイクの通過音や呼びかけ音声等のターゲットを検知するクイズ形式で実施した。実験に先立ちOAEにより基本的な聴力を確認した。実験の結果,4歳児と5及び6歳児との間に有意差があり,雑音下での聴取能力が4歳以降で顕著に発達することが示唆された。発達途上の幼児の音環境はこのような聴覚特性を踏まえて検討する必要がある。