著者
佐野 清志 鎌野 琢也 安野 卓 鈴木 茂行 北原 隆行
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.5-14, 1998
被引用文献数
1

This paper describes the use of a self-tuning fuzzy prediction algorithm for wind speed and wind direction in typhoon area. The wind speed and wind direction have been measured by an anemovane on the top of a power-transmission tower. First, the fuzzy prediction rules are adjusted by a tuning algorithm so that the estimated data agree with the measured data for the past typhoon. After tuning process is completed, the wind speed and wind direction for a different typhoon are predicted by using the tuned fuzzy rules and the current data. Simulation results demonstrate the effectiveness of the proposed system.
著者
友清 衣利子 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.9, 2005

2004年は10個の台風が日本に上陸し、全国で住家等の構造物に甚大な被害を及ぼした。本報告では、2004年に九州地区に上陸した台風16,18,21号と南海上を通過した台風23号による住家被害を示すとともに、台風0423号接近時に佐賀県で観測された強風と住宅被害に着目して報告した。台風16、18、21号では台風経路の南東側で被害が拡大していたが、台風23号では経路から離れた佐賀県で甚大な住家被害が見られた。台風接近当日の佐賀県内の風観測記録によれば、台風によって北東風が吹いた時に山裾の地域で強風が吹き、構造物への被害が起こっていることが分かった。山稜を越える「おろし風」のような局所風が吹いたと推定されるが,強風の継続時間が長く続いたことも被害拡大の要因と考えられる。
著者
吉田 昭仁 田村 幸雄 久田 嘉章
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.113-118, 2010

構造物の風応答計測を行う際には共振成分だけでなく,静的成分や準静的成分の計測が必要となるが,従来用いられている加速度計や速度計では静的成分,準静的成分の計測が不可能であった。その問題を解決するため,筆者らはRTK-GPSによる構造物の変位応答計測の可能性を検討し,高さ108mの試験タワーにGPSアンテナを取り付け,台風接近時の試験タワーの応答計測を行い,加速度計で得られた加速度記録とGPSにより得られた変位記録について様々な検討を行ってきた。本研究では都市部でのGPSによる計測において問題となる基準点に関して仮想基準点を導入することを提案し,仮想基準点を用いた場合の計測精度について検討を行った。また,都市建物群の変位応答計測を行うために,東京都心部の3棟の超高層建築物にGPSアンテナを取り付け,変位応答記録を一括モニタリングか可能な応答観測網を構築した。
著者
友清 衣利子 内田 孝紀 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.205-210, 2006

2004年の台風23号は九州に上陸しなかったものの,九州北部に強風をもたらし台風経路から300km以上離れた佐賀県小城市に構造物被害が集中した。被害が当地に集中した要因として,小城市北部に位置する天山山系の地形形状の影響が考えられる。また,大気の安定度が強くなった場合には,いわゆる「おろし風」が吹いて山麓周辺でさらに増速する可能性がある。本報では,台風0423号時の強風分布状況を検証するために風速場シミュレーションを行い,周辺地形が小城市周辺の風況に及ぼす影響を検討した。数値計算で実際の風の乱れの強さを再現することは困難であるが,中立状態であれば平均風速分布が実際の風観測記録とやや対応すること,大気安定度を変化させると小城市で強風発生領域が局所化することが分かった。大気の成層状態を把握することは困難であるが,台風接近時には大気が安定状態となって小城市の一部地域でおろし風のような強風が吹いた可能性を示した。
著者
石原 孟 ユン ジェソン 福王 翔
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.281-286, 2012
被引用文献数
1

本研究では物理モデルに基づいた風車のモニタリング手法(PCM)を提案し,400kWストール制御風車の観測データを用いて検証を行い,以下の結論を得た.まず発電機支承を組み込み,また低速・高速シャフトの剛性を考慮することにより風車ナセルのモデルを改良し,SCADAデータを用いてこの構造部材の剛性を同定した.改良モデルを用いることによりローター及びタワーの振動モードについての解析精度を向上させるとともに,低速シャフト,高速シャフトおよび発電機支承に起因する振動モードの同定に成功した.次に風車ナセル内の可動部を記述するための等価モデルを提案し,動吸振器の理論を利用してその質量,剛性,減衰を同定することにより.風車の回転軸に平行するX方向の減衰の同定に成功した.可動部の等価モデルを用いることにより, X方向における風車タワー1次モードのピーク値が観測値とよく一致した.<br><br>
著者
金 敏植 加藤 信介 大場 良二 大浦 理路
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.475, 2014 (Released:2015-03-10)

原子力発電所事故時の迅速な放出量推定手法の構築を目指し、単位放出源強度に基づく拡散シミュレーション結果から観測地点の大気拡散物質濃度の伝達係数を評価し、この伝達係数と観測値から放出源強度を求めるいわゆる逆解析を用いた放出量推定の(STE: Source Term Estimation)手法を開発した。本報では、放出源近傍の観測データに適用するため、拡散シミュレーションとして、厳格な技術基準の下で実施された風洞拡散実験データを正規拡散式で近似する拡散モデルを比較対象として用いこれに基づく逆解析法を検証した。これにより、風向変動に起因する放出量推定精度低下を改善する対策として、1時間平均観測データを用いることで精度改善が図れることを確認した。
著者
重田 祥範 菊川 由香利 大橋 唯太
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.23, 2014

2004年は観測史上最多となる10個の台風が日本に上陸した.その中でも台風0416号と0418号は瀬戸内海沿岸に甚大な高潮被害をもたらした.そこで,メソ数値気象モデルWRFと海洋数値モデルPOMの結合計算により,同経路を有する台風0416号と0418号を対象に瀬戸内海で発生した高潮の再現計算をおこなった.本研究では,高潮発生の主要因である吹き寄せ効果に主眼を置き,両台風の被害地域の違いを解析した.高松,宇野,松山,神戸の4地点で実測値と計算値を比較した結果,台風0416号において,高松では台風通過後,宇野では接近前に潮位偏差の計算値が実測値よりも過大評価していた.また,類似経路をとった台風でも最接近時の通過場所が海上もしくは陸上の違いで風向が異なるほか,潮位偏差が大きくなる海域についてもその風系の影響を受けて違いが生じることが明らかとなった.
著者
宮里 龍太郎 義江 龍一郎 三浦 翔 東海林 諭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.61, 2014 (Released:2015-03-10)

本研究では、WRFによる計算結果と観測結果の比較を行いながら、各物理モデルの選択とナッジングの有無がWRFの計算結果に与える影響を調査した。地表面過程にNoahを用いることで、WRFの計算結果と観測結果との対応が向上する。また、WRFの解析結果によるワイブル係数は、観測結果と良く一致している。そのことから、全風向だけでなく各風向の風速の発生頻度をWRFを用いて予測することができる。計算領域を大きくすると上空の風向・風速ともに観測結果と対応がかなり悪くなったが,ナッジングをかけることで観測結果に近づいた。WRFの計算結果は,風向によるべき指数の変化をよく捉えているが,全般的に観測結果よりべき指数がやや小さい。
著者
中島 慶悟 大岡 龍三 菊本 英紀
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.9-21, 2017-01-31 (Released:2017-05-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Computational fluid dynamics (CFD) analysis using large-eddy simulation (LES) and standard k-ε model (k-ε) was conducted for flow within and above urban canyon under various conditions of thermal stratification. The results of LES and k-ε were compared with the wind tunnel experiment to investigate the prediction accuracy of CFD analysis. k-ε failed to reproduce the spatial distribution of the mean wind velocity vector and mean temperature within the urban canyon compared with LES in unstable case. k-ε underestimated the Reynolds stress <u1’u3’> and turbulent heat flux <u3’T’> within the urban canyon in unstable case. It is thought that the prediction accuracy of k-ε decreases because k-ε underestimates the exchange of momentum and heat within and above the urban canyon compared with LES and the wind tunnel experiment.
著者
井上 栄一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.23, pp.53-57, 1985-03-31 (Released:2010-09-28)
被引用文献数
1
著者
井上 栄一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.21, pp.87-93, 1984-09-30 (Released:2010-09-28)
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 風の計測

著者
内藤 玄一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.111, pp.97-98, 2007-04-30 (Released:2010-06-04)
著者
本山 雅孝 杉谷 賢一郎 大屋 裕二 烏谷 隆 長井 知幸 岡田 臣右
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.109, 2014 (Released:2015-03-10)

本研究の目的は流体力学の見地からソーラータワー発電システムの効率を改良することである。ソーラタワー発電システムは比較的安価に設計、建設ができる。しかしながら、出力は他の再生可能エネルギーシステムなどと比べて物理的な大きさの割に小さい。この発電システムに技術的な改良を加えることが1989年のスペインのマンザナレスでの実証プラントの運転終了後から行われていない。私たちはタービン内の出力の可能性を探るためタワー部に着目した。流体力学的な形状最適化の結果、ディフューザ形状のタワーがモデル実験で内部風速を増加するのに採用された。結果としてタワー内部に設置された風力タービンの出力が目覚ましく増大した
著者
栗田 剛 大場 正昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.2-2, 2008

本研究では,大気の安定度と地表面の熱的条件を系統的に制御できる温度成層風洞を用いて,都市接地境界層の熱的乱流特性を把握する目的で,大気不安定時の接地境界層流れにおいて乱流フラックスや平均風速・平均温度の鉛直プロフィルを測定し,実測データと比較検討したので報告する。実験から次の知見が得られた。(1)水平方向熱フラックスuθと鉛直方向熱フラックスwθは正負が逆の波形を示した。(2)温度変動のパワースペクトル密度はu成分とほぼ同じ分布を示し,温度変動はu成分の変動に大きく影響された。(3)平均風速と平均温度の鉛直分布を、大気安定度を考慮したDyerらの普遍関数を用いて対数近似し、運動量粗度長と熱粗度長を算出した。(4)Case3とCase4の熱粗度長と運動量粗度長の比KB-1はBrutseartの実験回帰式に近い数値を示した(5)運動量フラックスと熱フラックスから乱流相関係数比を算出し、Z/Zδ>0.3で熱の運動量に対する相対的な輸送効率が高いことが示唆された。
著者
高橋 章弘 植松 康 堤 拓哉 南 慎一 笠原 裕作
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.30-30, 2008
被引用文献数
2

2006年11月7日,北海道佐呂間町でF3クラスの竜巻災害が発生した。この竜巻では,死者9名,負傷者31名の人的被害をはじめ,多数の建物が破損する等,多大な被害がみられた。筆者らは,被災地域の住民を対象に,竜巻による建物被害やライフライン被害などの把握を行うためアンケート調査を行った。調査結果から,竜巻被害の実態と対応状況等より,個人および行政における災害対応と減災のための対応マニュアルを作成する上で,有用と考えられる事項を報告する。