著者
小林 文明
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成18年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.93-98, 2006 (Released:2006-09-23)

「強風災害の低減に向けて何ができるか?」というパネルディスカッションのテーマに対する議論の材料となるべく、以下の3点に関して話題提供を行う。1)気象災害が頻発した2004年の具体的事例から強風被害における問題点を挙げる。2)気候変動と気象災害について近年の災害がどのような位置付けになるのかコメントする。3)気象擾乱研究会の活動を紹介する。
著者
西村 宏昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.41-46, 2010-01-31 (Released:2010-04-16)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1
著者
丸山 敬 河井 宏允 西村 宏昭 花谷 真由子
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-12, 2014-01-31 (Released:2014-03-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Even though the importance of protecting windows from windborne debris under strong winds, there are still no available building codes or standards for their protection to building cladding in Japan. By contrast, some specifications for cladding performance under impact from windborne debris, including testing methods, exist in some foreign country and ISO standards. It is necessary to investigate the impact performance for roof tiles, representative windborne debris in Japan, in order to make domestic codes or standards. We made a new designed air cannon which can propel not only steel balls and a lumber but also a roof tile as missile. A series of impact tests based on ISO 16932 was conducted on laminated glasses by various missiles. This paper described the results of the impact performance and proposed standard missiles those include a lumber missile with equivalent destructive power to roof tiles.
著者
河井 宏允 西村 宏昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成15年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.19, 2003 (Released:2006-01-26)

強風による瓦の飛散原因を調べるため,自然風中において寄せ棟屋根上の瓦の表面と裏面に作用する風力を測定した。測定は,強風地帯で行われている軒先を完全にシールした場合と,軒先をシールしない場合の両方の状態で行った。軒先をシールすることによって,風上屋根面の野地裏の平均圧力が低下し,瓦に作用する正味の平均揚力も低下する。瞬間的に瓦に大きな揚力が働くのは,風が軒に対してほぼ正面から当たる場合の風上側の屋根面であり,この場合,瓦の表面に作用する風力が瞬間的に大きく低下する一方,野地裏の圧力即ち瓦の裏面の圧力はほぼ平均値を保つ。軒先をシールした場合には,瓦の表面の圧力が大きく低下する時,野地裏の圧力も追従して低下する結果,瓦に作用する正味の圧力がそれ程低下しない。したがって,軒先のシールは瓦の飛散防止にとって効果的な方法の一つと考えられ。
著者
渡邉 康一 河原 信太郎 大屋 裕二
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第25回風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.109-114, 2018 (Released:2019-06-29)

ウインドソーラータワー(以下WST)は,地表近くに高さの低い集熱部,その中央にタワー,タワー内の下部に風車をもつ発電プラントである.類似なものとしてソーラーチムニーがある.太陽光が得られるとき,日射による地面の加熱を通じて温室内の空気が暖められ,浮力によってタワー内に熱上昇風が創風される.ソーラーチムニーはこの熱上昇風により風力発電しており,WSTもこの原理を利用する.一方で,WSTはこの熱上昇風とは別種の内部上昇風も発生させることができる.それはタワー上部付近に横風が吹いたとき,上空風がタワー上部付近に低圧領域を生成することによりタワー内部の風を集めて吸い上げることによって上昇風を発生させるという,熱とは無縁の集風原理を用いることによるものであり,著者らの研究グループではこれら2つの上昇風を同時利用することによってWSTでハイブリッド発電する研究を進めてきた.効果的に内部上昇風を生成するタワー形状についても研究を続けており,過去の研究により,円筒型と比較して,ディフューザ型のタワーとした方が効率的に速い内部上昇風速が得られることが分かっている.また,上空風を利用する場合は,タワー上部に渦生成板を設置すると上空風に匹敵する内部上昇風速が得られることも分かった.本論文ではこれらの知見のもと,タワー縦横比を変化させた場合に,上空風の吸い上げ効果に与える影響についての研究結果を報告する.同じタワー高さでも,集風効率を維持したままタワーを太くできれば大きなブレード面積を確保することができ,スケール効果により発電量の増加が見込まれる.本研究では風洞実験にて縦横比の影響を検証した.
著者
義江 龍一郎 田中 英之 白澤 多一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.12, 2007

狭い土地に人口が集中し、高層ビルが密集して建ち並ぶ香港では、風通しの悪さやエネルギー消費の急速な増大なども相まって、汚染質の滞留やヒートアイランド化が深刻な問題となっている。こうした問題を解決すべく、香港政府都市計画局では「都市通風換気アセスメントシステム:Air Ventilation Assessment System(AVAS)」の制定を目指している。本研究ではAVAS制定のための基礎情報を提供するために、(1)高層密集市街地での風通しの現状、(2)建蔽率と建物高さの変化が街区内の風通しと温度場に与える影響、以上を明らかにするために、高層密集市街地をモデル化した風洞実験を行った。その結果、高層密集市街地であっても、その風速比はグロス建蔽率で整理できることが確認された。また、建物高さの変化を利用することで、都市空間の風通しが改善され、建蔽率を小さくするよりも効率よく温度場が改善されることが明らかになった。
著者
ファム バン フック 野津 剛 野澤 剛二郎 菊池 浩利
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第21回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.155-160, 2010 (Released:2011-07-27)

竜巻状旋回流の移動効果による建物の風圧の変化を明らかにするために,移動式数値シミュレータを構築し,数値実験により静止状態旋回流に置かれた立方体の風圧変化と,移動している旋回流が通過する時の立方体の風圧の変化と調べた.本検討ケースでは静止状態の旋回流内に置かれた立方体に作用する風圧力では大きな風圧変動がみられず,その風圧係数は約0~-1であった.一方,移動するケースでは旋回流が通過する際に立方体に作用する風圧力が急激に変化し,その風圧係数は±3となっており,建物に作用する風圧に関して旋回流の移動効果が大きいと考えられる.また,立方体の近傍では3次元性の強い上昇流が生じることにより風圧力は大きく変化していることが分かった.
著者
吉田 昭仁 田村 幸雄 趙 康杓
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.27, 2004

台風Maemiは韓国において、人的被害130名(死者117名、行方不明者13名、10月20日現在)と未曾有の大被害をもたらした。また、物的被害額は10月20日現在で4兆7810億ウォンとなっており、最終的には5兆6000億ウォン(日本円で約6000億円)を超える史上最大規模となることが見込まれている。特に、釜山では11台のコンテナクレーンが倒壊もしくは脱線するなどの被害を受けた。また、この台風の影響により韓国国内での物価が上昇し、農作物などの価格が急騰するなど、非常に多くの影響をもたらした。
著者
バンディ イシュワル クマール 田村 幸雄 吉田 昭仁 キム ヨンチョル チングシャン ヤン
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.179-184, 2012
被引用文献数
1

6種類の高層建物の圧力模型を用いて境界層風洞内に都市部を模した気流のなかでの風圧力分布を測定する風洞実験を行なった。6体のうち5体は正三角形平面を有する、ストレート、コーナーカット、60度ヘリカル180度ヘリカル、360度ヘリカルで、残りはクローバーのような形をした平面を有するものである。得られた風圧力分布を積分して揚力と抗力を算出した。風方向と風直行方向の全体風力の平均成分と変動成分についてまず論じる。ここではねじれ角度や隅部形状の変化が空力特性に与える影響を明らかにする。さらに揚力のパワースペクトルについて論じる。
著者
小林 文明 松井 正宏 吉田 昭仁 岡田 玲
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第24回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.115-120, 2016 (Released:2017-03-18)

2015年2月13日15時すぎに神奈川県厚木市内で発生した突風被害は,極めて局所的に被害が集中し,推定風速は20 m/sと推定され,F0(JEF0)スケールに相当した。今回の渦は,メソスケールのシアーライン上で形成された積乱雲前面におけるガストフロントで発生し,上空の積雲(アーク)と連なり,親渦が存在するという構造を有していた。ガストフロントに伴い複数発生した渦の一つであり,渦の接線風速もそれほど大きくなく,明瞭な漏斗雲は形成されず,地上の飛散物によって渦は可視化された。ガストフロントにおける上昇流が寄与した“2次的な竜巻”すなわちガストネード(gustnado)と考えられた。
著者
小林 文明 松井 正宏 吉田 昭仁 岡田 玲
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.115-120, 2016

2015年2月13日15時すぎに神奈川県厚木市内で発生した突風被害は,極めて局所的に被害が集中し,推定風速は20 m/sと推定され,F0(JEF0)スケールに相当した。今回の渦は,メソスケールのシアーライン上で形成された積乱雲前面におけるガストフロントで発生し,上空の積雲(アーク)と連なり,親渦が存在するという構造を有していた。ガストフロントに伴い複数発生した渦の一つであり,渦の接線風速もそれほど大きくなく,明瞭な漏斗雲は形成されず,地上の飛散物によって渦は可視化された。ガストフロントにおける上昇流が寄与した"2次的な竜巻"すなわちガストネード(gustnado)と考えられた。
著者
高木 通俊 石原 裕二
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
JWE : 日本風工学研究会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.35-38, 1999-01-31
参考文献数
4

How around an automobile is usually considered as steady phenomenon. Aerodynamic coefficients, the most imponant of which is the drag coefficient, are regarded as constants because of the steady flow around the vehicle body. Them is a thought however, the flow separations and the vortical motions around the body me unsteady and the constant drag coefficient can be obtained as a time averaged value of unsteady forces. The present study has been carried out horn this view point The unsteady wake structure up to 300 Hz of a scale vehicle model was measured using 252 total pressure probes. The measuring system is based on ESP (Electronically Scanned Pressure) sensors, which is very popular in the wind engineering field. The results show the wake of the vehicle model has unsteady structure.
著者
喜多村 美保 友清 衣利子 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第18回風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.000024, 2005 (Released:2005-07-20)

It is known that the spread of structural damage is more strongly affected by gust speeds than by maximum wind speeds. The authors have focused on the duration and fluctuation of wind gusts. The results of damage analysis based on the effects of Typhoon Bart in 1999 have indicated that the spread of damage has a higher correlation to the standard deviation of the wind gusts rather than to the intensity of turbulence. Comparisons of the time evolutions of wind records at selected observation points have indicated more serious damage at areas with higher fluctuations of wind speed. Although the above investigation is based on a survey of the damage of only one typhoon, it is suggested that fluctuation intensity as well as the duration of high wind speed is a significant factor in the spread of structural damage.
著者
池内 淳子 植松 康 奥田 泰雄 西村 宏昭 高橋 章弘 萩原 一郎 谷口 徹郎 谷池 義人
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.41-41, 2008

本研究では、竜巻等突風災害に対する行政の災害対応能力向上を目的とし、竜巻等突風災害対策に対する課題を抽出し、有効と考えられる竜巻等突風災害対策を提案した。以下に結論を示す。<BR>(1)現佐賀市地域防災計画は、竜巻災害に特化した記述内容を持つ数少ない防災計画であり、今後は対策の具体化が課題である。<BR>(2)竜巻等突風災害は、被害状況としては台風災害に類似しており、災害発生は突発的で地震災害に類似している。一方で、災害原因の確定が遅れやすく、結果的に直後の災害対応が遅延する可能性の高い災害であるといえる。このことから、建物のガラス等飛散防止対策や飛来物対策等の考案と普及、施設や避難所の安全性の提示、気象庁発表の「竜巻注意情報」や竜巻等突風災害発生情報の有効活用、一般市民に対する竜巻等突風災害に関する普及啓発に関して提案を行った。
著者
三浦 景祐 松井 正宏 真栄城 玄一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.337-342, 2016

台風のような自然現象の観測データを用いた風速予測には不確定性が存在するため、その影響も考慮する必要がある。一つは極めて稀に起こりうる事象に起因する現象論的不確定性、もう一つは知識やデータの不足に起因する認識論的不確定性である。前者は事象の偶然性に関わるものであるため、新たな観測データが蓄積したとしても低減させることができない。一方、後者は経験や知識を蓄積することで低減させることができるものである。本研究では、確率分布パラメータの推定方法が台風気圧場に及ぼす影響を検討するとともに台風観測記録のデータ数や分布パラメータの推定方法が風速評価に与える影響についても検討を行い、不確定性の低減を図る。
著者
小林 康宏 松井 正宏
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
JWE : 日本風工学研究会誌 : Journal of Wind Engineering (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
no.135, pp.105-106, 2013-04-30
参考文献数
3

本研究は日本に来襲する台風気圧場パラメータの統計的性質について調べる。&nbsp; 耐風設計の設計風速を決定するために台風モデルを用いたモンテカルロ・シミュレーションが行われることがある。この時に重要なことは、台風気圧場の再現性と、風速場モデルの精度であると言われている。台風気圧場の再現性を向上させるために、過去の台風の気圧場の性質を調べることは重要である。このような研究は、日本の台風に対して、藤井、光田らの一連の研究<sup>1)</sup><sup>~</sup><sup>3)</sup>があるが、その研究以降20年以上経過しており本研究では最新のデータもふまえ1951年~2010年のベストトラックおよび1961年~2010年の日本全国の気象台における大気圧の地上観測記録を用いて気圧場を表すパラメータを求め北西太平洋全域にわたる分布について調べた。<sup></sup>