著者
磯野 春雄 小野口 和樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.J221-J226, 2016 (Released:2016-09-25)
参考文献数
15

電子書籍の読書方法には読取りと聴き取りの二つの方法がある.しかし,これらの読書方法の違いが脳の活性化や内容理解度に及ぼす影響については明らかにされていない.本論文では,同一内容の電子書籍を読取りした場合と朗読音声やコンピュータ合成音声で聴き取りをした場合の大脳前頭前野における脳血流を測定した.その結果,電子書籍の読取りをした場合の方が聴き取りをした場合よりも大脳前頭前野の活性度が高いことがわかった.特に,朗読音声の聴き取りをした場合には,読取りをした場合に比べて大脳前頭前野の活性度が顕著に低下した.また,読書終了後に実験参加者を対象に内容理解度テストを実施した結果,読取りの方が聴き取りよりも理解度の平均値が高かった.しかしながら,両者の間に統計的有意差は認められなかった.
著者
河谷 大和 柏崎 礼生 高井 昌彰 高井 那美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.6 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.113-118, 2010-02-15 (Released:2017-09-21)
参考文献数
11

近年,日本を代表するデジタルコンテンツとしてアニメ作品が注目され,特に,萌えアニメ作品と呼ばれる作品群が著しく増加している.また,アニメ人物キャラクターの魅力=萌えという概念が社会的にも広く認知されつつあり,萌えをコンセプトとする様々なビジネスの市場展開が活発である.そのような中,多種多様なアニメコンテンツ群から好みのものを自身の萌え基準で容易に検索分類したいというニーズが高まっている.そこで本稿では,萌えアニメキャラクターの顔画像に特化した萌え因子特徴抽出と評価法について述べ,これを応用したアニメキャラクター画像検索・分類システムの開発・実装及び実行結果について述べる.本システムを用いることで,アニメキャラクター画像データの萌え因子を自動分析し,ユーザの萌え基準に基づいた画像データの分類や検索が可能である.
著者
石井 満
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 33.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.61-64, 2009-03-17 (Released:2017-09-20)
参考文献数
12

歌謡番組の映像表現は,歌手の表情を随所に提示しつつ,技法を駆使した豊富なカメラワークによる変化が特徴とされる.これらは,歌手の表情を提示することで視聴者の欲望を満たすことと,印象的な撮影技法によって興味を持たせることが目的である.このような紋切り型の表現が多く行われている中で,日本に独特とされる流行歌の上演慣行に基づいたユニークな映像表現も一部で行われてきた.本稿では,これらの表現事例を分析し,カメラワークによって変化する歌唱者の表象について考察した.
著者
平田 夏南 中村 陽介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.12 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.197-200, 2021 (Released:2021-07-07)
参考文献数
10

本研究では RPGの退屈回避要素の調査から、退屈回避要素を含むゲームと含まないゲームの2種類のゲームを開発した。これらのゲームをプレイ条件の異なる2グループに分けてプレイしてもらい、アンケート結果を比較し考察した。その結果、各退屈回避要素がどのようにモチベーション低下に対して有効かが明らかになった。また、それぞれ想定したプレイ条件により感じ方に差があることも分かった。
著者
丹羽 登
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.270-279, 1968-04-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
37

気象衛星や, レインジャー, サーベイヤー, ルナオービター, アポロなどの月探測器, 火星へ飛んだマリーナなどの宇宙観測用に使われているテレビジョン装置の例をまとめ, かつ宇宙用なるがゆえの問題点と開発の方向を示した.
著者
斉藤 勇樹 中村 陽介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 37.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.167-168, 2013-03-08 (Released:2017-09-21)
参考文献数
5

本研究では、FPSにおけるプレイヤーのスキルを判断する新たな基準を提案する。上級者・初級者のプレイ動画を調査し、プレイスキルの差が検出できる要素を発見した。その要素で実際にプレイスキルの判別ができるか検証するため、制作したゲームに判別手法を組み込み、実験を行った。結果、提案した6種類の要素は一定の精度でプレイヤースキルの判定が可能であることがわかった。
著者
安田 順一 島田 聰
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.387-400, 1963-07-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
2

全トランジスタ化で初めて可能な超小形受像機であり, 従来の据置式大形受像機を中心とした生活様式を変える力をもった商品として, SONY. 5-303形マイクロテンビが企画され市場化されたわけであるが, そのためには超小形受像機ないしトランジスタテレビに特有の新たな技術的問題点をいろいろ解決する必要があった.本稿ではそれらを重点的に論じている.
著者
野村 光佑 池田 善敬 日下部 裕一 西田 幸博
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.428-437, 2021 (Released:2021-05-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

高ダイナミックレンジ(HDR)方式で制作された番組を標準ダイナミックレンジ(SDR)方式のハイビジョン放送で用いるためには,HDRからSDRへの方式変換が必要となる.SDRで制作された番組と同等の品質を確保するには,白や顔肌レベル,ハイライト領域の再現性への考慮が重要である.そこで,HDRとSDRの基準白や顔肌レベルの対応関係を考慮しつつ,コンテンツに応じて変換パラメータを任意に調整可能な線形関数と対数関数を組み合わせたトーンマッピング関数を考案した.さらに,変換後のハイライト部における色相変化や階調喪失を防ぐために,トーンマッピング処理を輝度成分のみに適用したほか,RGB成分間の比率を平準化するクロストークマトリックス処理や,高彩度な色の階調喪失を防ぐ彩度補正処理を導入した.このHDRからSDRへの変換法をグラデーションパターンやHDR映像に適用し,それぞれの処理の効果と有効性を確認した.