著者
和田 和千 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.54, pp.47-54, 2001-09-06

ソースフォロワにおける基盤効果による誤差を低減するための回路を提案している.構成が簡単であるなど有利な点が多いソースフォロワの特長を活かせるように, 従来のソースフォロワで一定電位に固定されていた端子を適切に制御することで特性を改善するという指針に基づいている.そして, 参照用のソースフォロワを設け, 誤差を検出する回路の出力で制御を行なう原理を提案している.また, 誤差検出と制御のための回路に望まれる特性を解析により導くとともに, 回路の簡単化のために所望の特性を近似して構成している.理想的なレベルシフト回路が必要とされる例として, 電圧-電流変換を線形化する回路技術に提案回路を適用し, シミュレーションにより歪みが小さくなることを確認している.
著者
藤中 正治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.109-115, 1970-02-01

電子線で刺激された螢光体に電界を重畳すると, カソードルミネッセンスの発生強度が, 発光中心の種類によりenhanceしたり, quenchしたりする.本研究では, ZnS;Mn, Clや(Zn, Cd)S;Mn, Cl螢光材料を用い, Mn中心および自己活性中心による発光の電界効果を実験的に研究し, また, この効果を利用して試料の色変化を試みた.
著者
加藤 久和 斉藤 知弘 武智 秀 松村 肇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1358-1366, 1993-10-20
被引用文献数
8

将来の衛星放送で, 統合ディジタル放送(ISDB)を実施する場合の変調方式についてシステム検討を行った.12GHz帯でディジタル放送を行う場合を想定し, (1)WARC-BSによる伝送諸元を満足すること, (2)導入初期での現行FM方式との同時放送を考慮し, FMテレビとディジタルテレビの同等のサービス時間率を確保すること, の2点を満足する変調方式と伝送容量を明らかにすることが本論の目的である.ISDB伝送フォーマットで, 誤り訂正に差集合巡回符号(1016,772)を用い, 衛星放送の中継器特性と民生用受信機の性能を前提として, 所要C/N値と混信保護比により, 各種変調方式の評価を行った.シミュレーションと室内実験によって, QPSKにより40Mb/sの伝送レートのシステメムを構成すると, 上記条件を満足するISDBサービスが可能となることが明らかとなった.
著者
秋元 守 原田 耕一 渡邊 和二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.59, pp.29-34, 2002-09-19

本報告は,AMeDAS観測の降水量データを活用した,日本全国各地を対象とする1分間降雨強度分布推定法の高精度化検討に関するものである.まず,過去25年間の1時間雨量データ及び1分間雨量データから,近年になって短時間に強い雨が降る傾向が増加している地点があること,及び1時間降雨強度分布と1分間降雨強度分布の関係が変化していることを示す.次に,この傾向を1分間降雨強度分布推定法の高精度化に反映する一例として,1時間雨量データから1分間降雨強度分布を推定する際に10分間雨量データも考慮する手法について定量評価し,既存の推定法より高精度となることを示す.
著者
吉田 興夫 岩本 明人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.754-761, 1984-08-20

固体撮像素子の規則的に配列された画素と撮像評価用テストチャートの幾何学模様のパターンとの光学的な干渉によって生ずる偽信号のモアレについて解析した.モアレは矢車チャートでは錨模様, ハイパボリックゾーンプレートでは双曲線模様, およびサーキュラーゾーンプレートでは円模様となり, 垂直画素群や水平画素群とパターンが平行に近い関係となるチャートの水平軸や垂直軸にあらわれる.固体撮像素子の画素数が水平N_h, 垂直N_νであれば, モアレの次数をγまたはγ′の整数として, モアレの発生位置は3N_h/2γまたは3γ′N_h/2,あるいは2N_ν/γまたは2γ′N_νのテレビ本数になる.これらのモアレの見え方を固体撮像素子の開口によって決まるMTF解像度特性との関連で考察し, 無効感光部がモアレの発生原因となることを述べた.
著者
ゲイツ ジョン 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.49-54, 2000-02-03

この論文は高精度に実時間で円を抽出するアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは複雑な入力画像から完全な円と円形の円弧を抽出することができる。アルゴリズムが450MHzのペンティアムIIプロセッサでたくさんの256×256の8ビット画像を実験した。その実験の平均のフレームレートは一秒で69フレーム以上である。このアルゴリズムの高精度を照明するために実験の結果を示す。
著者
田村 徹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1527-1529, 1998-10-20
被引用文献数
14 3

現在, パーソナルコンピュータの表示装置として使用されている液晶ディスプレイ(LCD)の中で, 最もー般的に利用されている動作モードである, ツィステッドネマチックモード(TN)およびスーパーツィステッドネマチックモード(STN)の, 液晶ディスプレイの階調による色度変化および分光放射分布の変化を測定した.いずれの液晶ディスプレイの場合でも, 階調によって三原色の色度点が大きく変化し, 最大輝度の約半分の輝度となるとCIE1931xy色度点の値が最大輝度の場合と比べて最大で0.04も変化する場合があることがわかった.白色点も階調によって変化し, L^*の値が50となると, L^*が100に対して, a^*の値が+10から+15,b^*が-15から-20変化し, グレイが青紫方向に色づくことが確認された.一方, CRTディスプレイの場合には階調による三原色の色度変化はなく, 白色点の色づきもない.近年, ディジタル画像情報がネットワーク内を行き来し, 様々な入出力デバイスがネットワークに接続されるオープンシステム化が進んでおり, システム内での色情報を管理するカラーマネージメントの標準化が進んでいる.その際, 各デバイスにはそれぞれの色再現特性を記述したプロファイルが必要となるが, TNおよびSTNモードの液晶ディスプレイでは, プロファイルの中に, 階調による色度変化の情報が必要となる.一方, CRTディスプレイでは階調による色度点変化はなく, 階調に対する色度情報としては最大輝度での三原色の色度点と白色色度の情報のみでよい.
著者
橋本 茂 奥浦 孝彦 駒井 春士
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.64, pp.7-12, 1997-10-31

In march of 1997,we broadcasted the total eclipse of the sun live from Mongolia with the latest technology. Despite of terrible weather the actual shooting was successfully done up in the air with the helicopter camera. In the midst of the black-faced sky was the beautiful "Diamond Ring" we could see very clearly. The world-widely controversial comet "Hale-Bopp" was captured by the all new ultra high sensitivity HDTV camera just mysterious as it was.
著者
杉浦 幸雄 元木 紀雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.393-400, 1977-05-01

レーザーを用いてテレビ信号を16ミリカラーフィルムに録画する, レーザー録画装置を試作した.この装置を使って, カラーリバーサルフィルムやカラープリントフィルム等への録画実験を行い, レーザー録画がキネレコにくらべ画質が改善されることを示した.特に, カラープリントフィルムヘの録画は従来にない高品質のもので, フィルムの価格がキネレコに現用されているリバーサルフィルムの1/4〜1/5という運用上の利点がある.
著者
倉石 源三郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.12, no.9, pp.414-416, 1958-09-01

スラグ同調回路は, 大電力またはハイ・チャネル用TV送信機の高周波出力同調回路に使用すると便利な回路である.しかし同軸給電線の途中にコンデンサがあるために, その設計・調整方法を理解するのが比較的困難であるから, この回路を解析し, 設計調整に必要な資料を得ておけばきわめて便利だと考えられる.本文は必要な帯域特性を得るためのスラグの位置, キャパシタンス等に関する資料を算出し, スラグ同調回路の設計, 調整法を述べたものである.
著者
宮武 茂博 永川 忠示 三沢 清利 小佐々 治海 坂本 渉仁 小川 伸一 山野 利昭 飯川 寛平 仲井 淳一 滝井 健司 松井 脩 粟根 克昶
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.871-877, 1986-09-20

解像度を決定する画素数の増加, 感度の主な要因である開口率の向上, 固体撮像素子特有の欠点であるスミアの低減を同時に達成するために開発したSFPW(Shallow Flat P-Well)構造を用いた2/3インチ光学系用490(V)×510(H)画素インタライン転送方式CCD撮像素子について述べる.SFPW構造では撮像部を浅い平坦なpウェル上に形成することが可能なため, p型不純物の横方向拡散の影響がなく画素の縮小化が図りやすい.またCCD垂直シフトレジスタ下部のpウェルも完全に空乏化するため, 光電変換により発生した電荷のシフトレジスタへの混入が抑圧されスミアの低減が図れる.さらにフォトダイオードの構造をn^+-n^--p-n構造としたため, 信号電荷の蓄積に伴う変化が少なく, また光の多重干渉による凹凸のない, 高い量子効率を備えた分光感度特性が得られる.素子の水平限界解像度は380TV本, 開口率は34%, スミアは-70dB(550nm)である.
著者
高野 昌幸 岩崎 禎二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.1076-1081, 1982-12-20

ソニーが, 1981年のNABにおいて発表した, ENG/EFP用のカメラー体形VTRのBETACAMシステムについて, その特徴と, 1982年6月のSMPTEに提案した記録方式について述べる.