著者
丸本 由美子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2013-09-24

新制・課程博士
著者
愛宕 元
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1993-03-23

新制・論文博士
著者
下濱 俊 北村 佳久
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

アルツハイマー病(AD)の病態解明にはニューロン・グリアの分子病態の解明が重要である。小胞体内に存在する分子シャペロンであるBip/GRP78は、ストレス条件下において誘導され、細胞機能の維持に重要な役割を持っている。Bip/GRP78タンパク質投与により、IL-6、TNF-αの産生が認められた。このサイトカイン産生能はBip/GRP78タンパク質の熱処理により消失した。また、同様の投与により、Aβ1-42の取り込み量及びAβ1-42を取り込んだミクログリア細胞数の増加が認められた。これらの結果よりBip/GRP78はミクログリアの活性化及びAβのクリアランスに対して促進的に作用することが示唆された。heat-shock protein (HSP)のミクログリアへの作用について検討した。その結果、細胞外HSP70は、Toll-like receptor4を介したnuclear factor-κB、p38 mitogen-activated protein kinase経路の活性化によりミクログリアからのサイトカインの産生及びAβ1-42の取り込み・分解を促進している可能性が示唆された。その後、確立した脳ミクログリアの純粋培養系ならびにAβファゴサイトーシス(貪食・除去)アッセイ系を利用して、グリア細胞による神経保護作用の解析を進めた。その結果、high mobility group protein-1 (HMG1)がAD脳内で増加しており、老人斑のAβと共存していること、ミクログリアの純粋培養系においてミクログリアによるAβ1-42のファゴサイトーシスを阻害すること、試験管内ではこの物質は単量体AβからAβオリゴマー形成を促進することを見出した。このことは、このHMG1阻害物質がAβオリゴマーの形成を除去し、単量体Aβの分解除去を促進しうることを意味する。ADに対する新たな治療戦略と考えている。
著者
上木 直昌
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究はランダムなシュレディンガー作用素に関する様々な問題に確率論的立場から取り組むことを目的としている。本年度は正則性の弱い係数を持つ確率偏微分方程式に対するHairer の正則性構造の理論による定式化を本研究代表者の所属研究科の修士課程の学生である舩橋巧と共に舩橋の修士課程における研究として追及した。具体的にランダムなシュレディンガー作用素の研究に関形する方程式としては円上の放物型 Anderson 模型でポテンシャルを時空ホワイトノイズとするものを扱った。しかし配位空間を1次元とするシュレディンガー作用素に対しては常微分方程式論による研究手法が発達しているので、今回の結果からランダムなシュレディンガー作用素に関する新しい結果を導出することは難しいかもしれない。更にシュレディンガー作用素に周期的境界条件が課せられている場合だけ考えていることが制限になっている。従って今のところ大事なことは大きい枠組みで確率偏微分方程式を扱う新しい手法が出来たことだけであり、応用として得られた結果で注目されているものはランダムなシュレディンガー作用素からは離れて、KPZ方程式など、非線形偏微分方程式の定式化である。また Hairer の理論は大掛かりな道具を用いる難解な理論であるが、比較的理解しやすくて、似た結果を得られる理論として最近 Gubinelli, Imkeller, Perkowski によるパラコントロール理論が始められた。この方面では Allez, Chouk が2次元トーラス上の空間ホワイトノイズをポテンシャルとする Anderson 模型の定式化を行っているので今後この模型のスペクトルの性質をもっと明らかにする研究が考えられる。
著者
河村 伊久雄 光山 正雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

Listeriamonocytogenesの主要な病原因子であるリステリオリシンO(LLO)はコレステロール結合型膜傷害毒素であるが、我々はこのLLOが宿主Th1型サイトカイン産生を誘導することを明らかにした。また、このLLOの活性から、LLOをアジュバントとしてワクチンに応用できる可能性が考えられた。一方、細胞に対して傷害性を有するLLOはそのままin vivoに用いることはできないため、本研究では膜傷害性のないLLOのサイトカイン誘導活性の最小単位を決めると共に、抗結核ワクチンへの応用の可能性を検討した。その結果、LLOは第4ドメインを欠失させてもIFN-γ産生誘導能示したが、この第4ドメインを持たないLLOのN末端部分をさらに欠失させると、そのIFN-γ誘導能が低下することがわかった。しかし、このtruncated LLOのIFN-γ誘導活性が消失するわけではないことから、このN末端部分がサイトカイン誘導活性に必要なLLOの立体構造の維持に必要であると考えられた。また、LLOによるサイトカイン誘導活性は、LPSに低応答性のC3H/HeJでは認められなかった。さらに、CD14に対する抗体でLLOのサイトカイン誘導が阻害されたことから、LLOの刺激がLPSのシグナル伝達系を介して細胞内に伝わる可能性が考えられた。また、LLOはJ774.1細胞表面の分子量50-60kDaの分子と結合することが示され、この分子がLLOの受容体として、あるいはアクセプター分子としてLLOサイトカイン誘導に関与すると考えられた。LLOのアジュバント活性を調べるため、単独では防御免疫を誘導できないBCG死菌と共にLLOでマウスを免疫し、防御免疫が誘導できるか否かを調べた。その結果、リポソームに封入したLLOがアジュバント活性を発揮したことから、結核に対するワクチンにLLOを応用できることが示された。一方、LLOより細胞毒性の低いtruncated LLOは、リポソームへの封入効率が悪く、その投与方法を検討する必要があった。
著者
宮 紀子
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

13-15世紀にペルシア語、漢語等で著された文献を収集、当時の多言語辞書を利用して分析し、以下の新事実が判明。(1)モンケがフレグ大王のもとに常徳を派遣した目的は東西の薬草の名前の統一にあった(2)Nasira1-dinT丘siに中国の歴史と天文学を教えた医師の名は傅野(3)14世紀初頭にペルシア語に翻訳された中国の医学書Tanksuq namahの原本は李駒の『日希萢子脈訣集解』十二巻(4)和算の発展はモンゴル初期における東西学術交流の延長(5)ケシク制度の原型は旬奴に遡る(6)ブラルグチの重要性(7)クビライの宰相アフマドもブラルグチの長官(8)アフマド暗殺は江南の富の掌握をめぐる皇太子チンキムとの権力闘争の結果。
著者
田浦 康二朗
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

近年抗酸化活性剤として知られる水素水の肝線維化抑制効果を調べるために、C57BL/6マウスに水素水を飲用させながら、四塩化炭素、チオアセトアミド、胆管結紮により肝臓の線維化を誘導し、コントロール飲水群との比較を行った。その結果、四塩化炭素モデルとチオアセトアミドモデルでは水素水の飲用により肝線維化抑制効果が示されたが、胆管結紮モデルにおいてはその効果は見られなかった。次にそのメカニズムを調べるために、肝細胞および星細胞をマウスから分離し水素含有培地で培養することにより、活性酸素による肝細胞傷害、星細胞の活性化への影響について検討を行った。1μg/mLのアンチマイシンAを分離した肝細胞に投与することにより、肝細胞にヒドロキシルラジカルの発生を確認した。それらのヒドロキシルラジカルは水素含有培地において有意に発生が抑制され、肝細胞死の軽減も観察された。星細胞については水素含有培地においても明らかな活性抑制効果は観察されなかった。水素水は肝細胞でのヒドロキシルラジカルを抑制することで肝細胞死を軽減し、肝線維化抑制効果を呈することが示された。
著者
野村 真樹
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、多くの計測時間で得られた単一細胞遺伝子発現データを用いて、細胞の状態遷移と力学構造の関係を調べる事である。本研究ではアルゴリズムの開発とそれを用いた単一細胞RNAseqデータの解析を行った。・アルゴリズムの開発本研究で取り扱う単一細胞遺伝子発現データは細胞を破壊して計測するため、同一細胞の時系列変化を追うことが出来ない。その為、データ点の近さ関係を定義してデータ点をつなぐことで擬似的な時間変化を可視化するプログラムの開発を行った。擬似的な時間に並べたサンプルを用いて遺伝子発現量の相関関係の変化を追うプログラムの開発を行った。本研究遂行中に単一細胞RNAseqで計測した遺伝子発現量は細胞周期の影響を強く受けている可能性が示唆された。そこで、遺伝子間の発現量の関係性を調べるために計算トポロジーを用いた非線形解析手法を提案しプログラムの開発を行った。・単一細胞RNAseqデータへの適用iPS細胞から心筋細胞へ分化させた細胞サンプルから、単一細胞RNAseqを用いて遺伝子の発現量を計測した。データの解析には本研究で開発したプログラムを用いた。解析の結果、同一の分化誘導日でも分化誘導効率に起因すると考えられる細胞の不均一性が認められた。また、全サンプルを少数サンプルに分割した後、おのおのに対してWGCNAと呼ばれている階層的クラスタリングを適用して強く相関している遺伝子モジュールを同定した。Jaccard Indexを用いて遺伝子モジュールの近さを判定し、遺伝子モジュールネットワークを構築した。その結果、細胞の分化に伴う遺伝子発現モジュールの動的な変化が観察された。
著者
本庶 佑 中西 重忠 湊 長博 北 徹
出版者
京都大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
2000

本庶グループは、AIDの突然変異体を用いてAIDのN末端が体細胞突然変異に、C末端がクラススイッチ組換えに必要な機能特異的ドメインであることを証明した。一方、DNA deamination学説において、中心的な役割をすると考えられているウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)がDNAの切断には関与せず、この酵素の役割は酵素活性を通じてではなく、そのタンパク質として関与することを明かにした。一方、PD-1の自己免疫制御についてはPD-1欠失が自己免疫性糖尿病の発症を著しく促進し、この実験系を用いてNODマウスの糖尿病感受性遺伝子座の解析が可能であることを示した。湊グループは、SPA-1 KOマウスの新しい病態形質として、抗DNA抗体・抗核抗体の産生とそれによる典型的なループス腎炎の発症を確認した。これは異常な自己反応性B1細胞の出現とその抗原特異的免役応答によるもので、構成的Rap1シグナルによる転写共因子OcaBの過剰発現による免疫グロブリンL鎖の編集(レセプター・エディション)異常に起因することが示された。レセプター・エディションの異常による自己免疫病の発症は従来、自己抗体遺伝子トランスジェニック・モデルを用いて精力的に研究が進められてきたが、今回の結果により、通常の動物のシグナル遺伝子変異によるレセプター・エディションの異常が確かにヒトのループスに相当する自己免疫病態に至りうることが示された。中西グループは、グルタミン酸受容体と共役するイオン・チャンネル及び新たな足場蛋白質(GIRK・K+チャンネル、ubiquitin ligase、tamalin等)を明らかにし、これらの複合体形成がグルタミン酸伝達の制御に重要な役割を果たしていることを示した。さらに小脳発達期の顆粒細胞の増殖、移動、分化、シナプス形成にカルシニュリン・シグナル系が重要な役割を果たし、BDNFとCa2+シグナルの協調的作用がグルタミン酸系シナプス成熟に必須であることを示した。また、大脳皮質の構築を制御するCaja1-Retzius(CR)細胞の特異的遺伝子を同定し、CR細胞が細胞増殖、分化、シナプス成熟に特異性を持って作用していることを示した。北グループは、彼らが同定した酸化LDL受容体LOX-1の血清濃度が急性冠症候群で上昇しており血清LOX-1値は急性冠症侯群の予知因子となる可能性を示した。北らが同定した別の酸化LDL受容体SR-PSOX(CXCL16と同一)は感染性心内膜炎等で心臓の弁内皮細胞に強発現しCD8T細胞のVCAM-1への接着を促進し、IFNγの産生を増加さることを発見した。GFP発現マウスの骨髄移植マウスで実験的動脈硬化を解析し血管平滑筋様細胞も含めて浸潤した多くの細胞が骨髄由来であることを見出した。アダプター蛋白ShcAがインテグリンβ3のチロシンリン酸化依存的に結合し、血小板凝集に重要であることを証明した。
著者
水谷 雅彦 芦名 定道 出口 康夫 八代 嘉美 海田 大輔 伊勢田 哲治 児玉 聡
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本の教育・研究の風土をふまえた上で、研究倫理・研究公正について根本的な問いかけに基づく基本理念を検討し、不正の起きない研究の制度設計、効果的な研究公正教育の枠組みの提案を行った。具体的には、倫理学や宗教学などの価値論的側面および科学論的側面からみた関連分野のサーベイ研究、構築した研究ネットワークを基に、当該分野の研究者の招へい、国際学会への研究者派遣、定期的な研究討議を通じた共同研究体制の強化を図った。その研究成果として、国内外の研究者を交えたシンポジウムの開催、複数の学会発表、関連論文の出版を行った。
著者
中川 晴夫
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2001-03-23

本文データは平成22年度国立国会図書館の学位論文(博士)のデジタル化実施により作成された画像ファイルを基にpdf変換したものである
著者
村中 崇信 白水 始
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.39-48, 2014-12-01

This study discusses the integration of a collaborative learning method called the "Knowledge Constructive Jigsaw"(KCJ) into a space education program at Chukyo University using a satellite communication lab experiment intended tointroduce undergraduates to space engineering. The program was designed so that it would resemble a familiar spacecommunication experiment, thus allowing beginners in space engineering to perform it without possessing highly technicalknowledge. The KCJ method was adapted to the experiment's procedures in order to improve the program's educationaleffectiveness. A small group dubbed the "jigsaw group" devised these procedures by integrating what each group memberlearned in the "expert group." Each of them was called an "expert, " and was trained to obtain the technical skills necessaryto conduct the experiment in the expert group. Obtaining these aforementioned skills increased participants' motivationduring the experiments. Moreover, communication among members in each group grew sufficiently to facilitate theexchange of technical knowledge between them. These results demonstrate that the jigsaw method not only enabledbeginners to obtain technical skills but also promoted an interest in space. In the future, jigsaw groups should be formedaccording to each member's level of expertise, and educational support should be provided for group activities in order toassess the scalability of the KCJ method to engineering domains.
著者
石川 智子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002-03-25

新制・課程博士
著者
長町 信治
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1998-03-23

本文データは平成22年度国立国会図書館の学位論文(博士)のデジタル化実施により作成された画像ファイルを基にpdf変換したものである