著者
則 のぞみ
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本年度特別研究員は、ICU入室患者が有する複数の疾病の組合せを反映する患者に個別化されたリスク予測手法を開発した。特別研究員はこれまでの研究で、疾病をタスクの単位とするマルチタスク学習手法により、疾病に個別化された予測モデルを構築した。しかし、患者は通常複数の疾病を有するため、これら複数の疾病の組合せを考慮することで、患者の個別性をより捉えたモデル構築が可能になると期待される。一方、患者の有する疾病の組合せは多くの場合、当該患者に固有の組合せとなるため、疾病の組合せごとにタスクを明示的に構築するようなナイーブな手法は有効ではない。特別研究員は患者の個別性を捉えたモデリングのため、患者が有する複数の疾病群から患者の潜在的なタスクを学習するマルチタスク学習手法を開発した。また、実データを用いた実験により、提案手法の有用性を予測精度や予測モデルに基づく知見抽出等の観点から評価した。提案手法により、患者に個別化されたリスク予測および学習モデルの分析等を通じた患者の個別性に対する知見抽出が期待された。更に、その他のこれまでの研究テーマについても、より網羅的な評価実験等を行い研究を進めた。
著者
相良 惟一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
石田 あゆう
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.8, pp.31-50, 2000

The image of people usually have of the female consumer today is the one of a buying cosmetics and clothes. However, originally female consumers were associated with housewives. Both images reflect the deep relation women had their home, in addition to increasing role women played throughout the process of social modernization. The aim of this article is to examine the Japanese magazine, "Fujin Sekai" ("Women's world"), one of the first mass magazines for women. I would like to clarify the image of the housewife whose main activities are cooking and shopping as an ideal and as an active female consumer at the same time. Nowadays to go to the supermarket to buy some food every day represents an important task for housewives. But in early modern Japan, shopping was unusual activity for women in general, as it was reserved to professionals like maids or cooks. Cooking was not a daily work for some women. I examined some articles about women cooking that Murai Gensai, a famous novelist of the Meiji Era, wrote on "Fujin Sekai".
著者
寺尾 秦次
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1967

薬博第53号
著者
成田 孝三 藤田 昌久 岡田 知弘 足利 健亮 石川 義孝 金田 章裕 金坂 清則 石原 潤 応地 利明
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

8年度は、1.都市を中心とするシステムについて欧米、日本、アジア・アフリカに関する比較研究を行う、2.地理学の空間分析、マルクス経済学の構造分析、近代経済学の計量分析の統合を目指す、3.日本のシステムについて動態的研究を行なう、という研究の枠組みと分担を決定した。9年度はそれに従って各自がフィールド調査を実施し、報告書の研究発表欄に掲げた成果を得た。10年度は統合の実を挙げるために、近畿圏を共通の対象として研究し、次の知見を得た。1.古代国土システムの構成要素としての近畿圏は、従来説の大化の畿内と天武の畿内の間に、近江を中心とする天智の畿内が存在し、それは三関の範囲に合致する軍事的性格を帯びており、中国の唐制に類似する。2.古代畿内の首都は孤立した一点ではなく、複数の首都ないしは準首都によって構成されており、それは現代の首都移転論をめぐる拡都論にも通じる状況である。3.中世期末畿内の構造変化を本願寺教団の教勢の進展を通じてみると、それは近江・京都・大阪を中核とし、奈良・三重・北陸に広がり、最後に兵庫・和歌山に伸びて現代の近畿圏を覆った。近江が中心となった理由はその生産力と交通の拠点性である。4.五畿七道の区分を踏襲してきた幕藩体制から近代国家体制への転換に伴って、府県を単位とする地方区分が確立した。近畿の範囲は6府県を核とし、場合によっては三重や福井が加わるという形をとった。この構成は現代にもつながっている。5.現代の大阪圏は初め西日本に広がっていたが、次第に縮小して上記の近畿圏に収斂しつつある。また近畿圏の構成単位である各日常生活圏の完結性が弱まり、大阪と京都を中心とする圏域に統合されつつある。それに伴って各種行政領域と日常生活圏との整合性が崩れ、その〈地域〉としての有意性が損なわれるおそれがでてきた。なおバブル崩壊後、中心部の都市地域と周辺部の農村地域との格差が拡大しつつある。
著者
田中 則雄
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.409-421, 1972-12

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
中西 宏晃
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2013

地博第145号
著者
井上 雅文 則元 京
出版者
京都大学
雑誌
木材研究・資料 (ISSN:02857049)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.31-40, 1991-11-30
被引用文献数
6

スギ(Cyptomeria japonica D. Don)材を用いて,熱処理による圧縮変形の永久固定について調べた。また,熱処理した木材の寸法安定性,機械的性質,材色変化についても調べた。得られた結果は,次の通りである。熱処理温度,時間の増加に伴い圧縮変形の回復は減少し,180℃では20時間,200℃では5時間,220℃では3時間の処理によって,変形はほぼ完全に固定された。圧縮していない木材の抗膨潤能(ASE)は,熱処理温度の上昇,あるいは時間の増加に伴い増加するが,その最大値ぱ約50%であった。jぶどか40%程度に達する熱処理により,変形ぱ完全に固定された。ASEと回復度との間にぱ極めて高い負の相関関係があり,圧縮変形の永久固定ぱ,細胞壁実質に付与される寸法安定性によるものと考えられた。圧縮変形がほぼ完全に固定される熱処理によって,強度の低下や紺色変化が顕著であった。例えば,180℃,20時間および200℃,5時間の熱処理による曲げヤング率の変化ぱ,それぞれ-8.96%および-0.72%,曲げ強度の変化は,それぞれ-38.45%および-34.12%であった。また,紺色の変化について,L値の変化は,それぞれ-27.8%および-29.3%であり,ΔEは,それぞれ28.9および29.9であった。
著者
田野 大輔
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.3, pp.57-76, 1995-12-25

This study surveys the historical debate on the character of the Third Reich and analyzes the mechanism of the "polycracy" in this regime. In former period Hitler's state appeared to be a rational and well-organized system of a totalitarian nature, but subsequent historical research has revealed a more complex picture. The traditional view as propounded by K. D. Bracher and others was criticized by the "functionalist" school of M. Broszat and H. Mommsen, who drew attention to the disorganized character of the regime. The political system, they insisted, was by no means totalitarian but rather chaotic : a ruthless competition and rivalry among the various institutions for power and influence. Amplifying this view, I proceed to apply the concept of "polycracy" to the power structure of the Third Reich. The polycratic structure of the NS regime composed of more than one power center contrasted strikingly with the totalitarian and monocratic nature of the ideology. This study places special emphasis on this peculiar ambivalence, on the dynamic interaction between ideology and organization. In the main part of this article, I examine the constituents of the Nazi ideology, namely the concepts of "Volksgemeinschaft", "Fuhrer" and "Kampf", so as to show that nothing but these factors gave rise to the polycracy in the Third Reich. I also show that the polycratic structure of the regime helped to consolidate and enhance Hitler's power. There is no contradiction between his supreme power and a polycratic and altogether disintegrated system of government : both conditioned and enforced one another. This mechanism of "polycracy", however, developed a momentum of its own which it was difficult to control, and sparked off the energy of destruction and ultimately of self-destruction too. In conclusion, I insist that this process of "cumulative radicalization" which ended in total war and genocide should not be portrayed as the work of a deliberate dictatorial will, but rather as the consequences of the polycracy, of the way in which political power was organized in this regime. The historical assessment of the Third Reich cannot conveniently be reduced to the role of Hitler who is a singular phenomenon unlikely to re-emerge in the future. The conditions and structure which allowed him to gain overall control of a modern society have not changed that much and are therefore a more worthwhile topic for further scrutiny.
著者
山田 正
出版者
京都大学
雑誌
木材研究資料 (ISSN:02857049)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-19, 1971-03-20
著者
田中 亜以子
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

平成23年度は、避妊による快楽と生殖の分離が、夫婦間の性行為にいかなる変容をもたらしたのかということを明らかにするために受胎調節の啓蒙が国家政策となった1950年代に着目した。これまで先行研究は、避妊技術と夫婦の「快楽の性」への志向性が手を携えて浸透していったこと、さらにそのことと連動して性行為における「感じさせられる女」と「感じさせる男」という役割規範が浸透していったことを指摘してきた(川村1998、荻野2008)。だが、夫婦間の性が「快楽」への志向性を高めた結果、なぜそこで「感じさせられる女」「感じさせる男」が演じられるようになったのか。その受容過程は、ほとんど問われてこなかった。「戦後」という時代に「感じさせられる女」「感じさせる男」が、たしかに脚光を浴びたことは、ヴァン・デ・ヴェルデの『完全なる結婚』が1946年にベストセラー化したことによって証拠づけられてきた(橋爪1995、川村1998、田中雅2010)。セックスのゴールを男女の同時オーガズムに設定した『完全なる結婚』は、女をオーガズムに導く責任を男に課し、そのための技巧や体位を詳細に記述した性のマニュアル本である。そうした書がベストセラーになったことが、日本社会に大きな影響を与えたことを否定するつもりはない。だが、『完全なる結婚』において何が提示されたのかということが繰り返し論じられてきたのに対し、そこで提示されたことがどのような論理によって受容されたのかということについては、これまでほどんど問われてこなかったのである。啓蒙側と受容側にズレはなかったのか。あるいは男と女の間のズレはどうだろうか。申請者は、そうした問いを立てることによって、「感じさせられる女」「感じさせる男」が共に平等と支配と関係を取り結んできたメカニズムを解明した。具体的には、まず性に関する当時のオピニオンリーダーたちが何を考え、何を発言していたのかということを整理した上で、夫婦雑誌の流行に着目し、「感じさせられる女」「感じさせる男」が「戦後」という時代にどのような枠組みにおいて注目されることになったのかということを浮かび上がらせた。続いて、1949年6月に創刊され、既婚男性を主たる読者とした『夫婦生活』という雑誌に着目し、「感じさせられる女」「感じさせる男」がどのようなものとして啓蒙され、かつ、どのような論理で男たちに受容されていったのかということを分析した。最後に、50年代を通して女性月刊誌の中で最も読まれた雑誌であり続けた『主婦の友』に着目し、性生活関連の記事を『夫婦生活』との比較の観点から分析することで、受容の論理の男女差に光を当てた。
著者
西尾 勝久
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1997-07-23

本文データは平成22年度国立国会図書館の学位論文(博士)のデジタル化実施により作成された画像ファイルを基にpdf変換したものである
著者
田中 毎実 大山 泰宏 井下 理 石村 雅雄 吉田 雅章 矢野 裕俊 神藤 貴昭 溝上 慎一 秋田 英康
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育叢書
巻号頁・発行日
vol.10, pp.A1-312, 2001-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。