著者
瀬邊 惠鎧
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.1130-1136, 1943-08-28 (Released:2009-12-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1

(1)臺灣に野生せる蛙絲草の精油の主成分は一種のケトンにしてペリラケトンと命名せるが,β-フリル-イソアミル-ケトンなるを見たり.(2)ペリラケトンとα-フリル-イソアミル-ケトンとの對應する結晶性誘導體は混融して融點變化顯著ならざる事少からず.(3)ペリラケトンに亞硝酸エステル及ナトリウムを反應せしめフラン-β-カルボン酸を生ずるが,中間體と考へらるイソニトロソ化合物をも分離し得たり.(4)ペリラケトンはフランのβ-置換體研究の好材料と信ず.
著者
足立 慶次郎 新開 利治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.482-486, 1989-10-20 (Released:2017-07-13)

道修町(どしようまち)は薬の町といわれている。生命に直結した薬を扱う町がどのようにして形成されていったのかについて, 江戸時代の"薬種中買仲間"の仕組みと田邊屋という薬種仲間の活動の変遷を通じて, その一端を紹介する。
著者
Harbuzaru Bogdan Roux Mélanie Paillaud Jean-Louis Porcher Florence Marichal Claire Chézeau Jean-Michel Patarin Joël
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.616-617, 2002
被引用文献数
8

X-ray powder diffraction pattern analysis and multinuclear solid state NMR studies performed on the as-synthesised Mu-26 solid, a fluorinated all-silica zeolite with the STF framework topology, have revealed unambiguously a triclinic unit cell and space group P1 for this material.
著者
黒谷 壽雄 相見 正典 槌田 龍太郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.995-998, 1943-07-28 (Released:2009-12-22)
参考文献数
20

數種のコバルト錯鹽及び有機物に就き水晶の粉末を吸着劑として不齊選繹吸着實驗を行つた結果,金屬錯鹽の吸着能はその立體配置に依つて左右されることを認めた.從つて斯る吸着法を立體配置決定の一手段として用ることを知った.
著者
安芸 晋治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.108-111, 2007-03-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
2

有機合成化学を学んだ者が,製薬企業の中で貢献できる仕事の領域は,新しい薬(化合物)を見出すことを目的とする創薬化学研究と,見つかった化合物を工場規模で製造するためのプロセス化学研究の2つに大きく分けられる。この両者は,有機化学の知識を使って化合物を造るという点においては同じであるが,その目的,研究の進め方が大いに異なる。本報では,プロセス化学研究の考え方,進め方の一端を示し,筆者の行ってきた研究例を紹介する。
著者
小池 晴夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.104-107, 2007-03-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4

有機化学を専攻した学生の活躍の場を考えるとき,医薬品会社ほどエキサイティングな所はない。特に,有機合成,有機反応機構に関する知識・理解を深めた有機化学者に最適な職場は製薬部門で,プロセス化学の最短距離にある。本稿では,現在脚光を浴びているプロセス化学の目指すもの,その方法論,実例について紹介する。
著者
植木 昭和
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:24326542)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.112-116, 1983-04-20 (Released:2017-09-15)

精神機能が脳の働きであることを疑う人は今日ではほとんどいないであろう。しかし精神活動が化学物質によって著明に変化することが信じられ, 本格的な科学研究の対象になってきたのは1950年代以降のことである。それは精神機能に特異的な作用を及ぼす薬物の発見が契機となった。100億以上の脳細胞の緊密な情報連絡によって営まれる脳の働きには数多くの機能があるが, 他の機能にはほとんど影響なしに, 知, 情, 意というような精神活動だけを選択的に変化させる薬物, それを向精神薬という。ここでは向精神薬の発見から主要な精神疾患の治療薬の進歩まで眺めることによって, 薬の意義や精神活動の脳機構解明の発展などを考えてみたい。