著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.200-205, 1970-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
23

アイヌの酒のうち樹液酒と穀物酒のつくり方をアイヌの古謡や古老の語りつたへから現代に再現することを試みられた。アイヌは古くから糸状菌の利用法を知っており穀類原料の糖化にカムダチ (麹) を使っていたことは特に興味ふかい。
著者
渡部 潤
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.342-349, 2019 (Released:2023-10-27)
参考文献数
35

醸造微生物のゲノム解析は,既視感もあるが,まだまだこれからの分野である。一般にゲノム解析は,専門的な内容になりやすく,門外漢には読みにくい面があるが,本報告は,世界的に見ても極めて高度な内容を,従来の形態的な報告と併せて,事例を丁寧にそして非常にわかりやすく解説していただいていた。醤油の研究開発のみならず,醸造微生物に関わっている関係者の皆様には是非ご一読をお勧めする。
著者
松永 恒司 古川 恵司 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.529-534, 2002-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

1) 樽酒から簡便に杉樽由来成分を抽出する方法を設定した。2) GGMS分析の結果, 樽酒中で15種類のセスキテルペン類を同定した。3) 樽酒に含まれるセスキテルペン類は主にセスキテルペンアルコールであった。4) 樽材から抽出されるセスキテルペン類の量は, 貯蔵期間が長く, また貯蔵温度が高くなるほど多くなった。5) 樽材の木粉からエタノール水溶液で樽材成分を抽出したところ, エタノール濃度が高くなるほどセスキテルペンとセスキテルペンアルコールを合わせた総量は多くなった。総量に占める割合は前者が高くなった。6) 市販樽酒中のセスキテルペン類含量とアセトアルデヒド含量や着色度との間には相関は認められなかった。

1 0 0 0 OA 香りと脳

著者
高島 靖弘
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.2-8, 1989-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22
著者
根本 重之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.466-471, 1997-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

周知のように1990年前後から酒類の小売機構に大きな変化が生じている。酒類メーカーとしては, その状況を的確に促えて適切な流通チャネル政策をとることが必要である。今回は, 酒類をはじめとする消費財の流通およびメーカーのチャネル戦略について, 専門的に研究を進めている著者に酒類小売機構の変化を見る基本的な視点や考え方をまとめていただいた。
著者
森 孝夫 渡辺 泰三 土佐 哲也 千畑 一郎 岩野 君夫 布川 弥太郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.111-114, 1981-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

タンニンをリガンドとする吸着体, すなわち, 固定化タンニンについてその重金属イオンに対する吸着特性および醸造用水の除鉄を検討し, 次のことを明らかにした。固定化タンニンは鉄イオン, 銅イオン, 鉛イオンなどをよく吸着した。鉄イオンについては, 第一鉄イオン, 第二鉄イオン, キレートした鉄イオン, 有機酸存在下の鉄イオンはよく吸着したが, フェリクリシンは余り吸着しなかった。固定化タンニンの鉄イオン吸着容量は用いた鉄イオンの種類, 濃度, pHによって変化した。固定化タンニンに吸着した鉄イオンは0.5N塩酸によって溶出され, 再生された固定化タンニンは安定に反復使用できた。鉄イオンを10~40ppb含む某酒造場の用水の場合, 固定化タンニン・カラムの容積の8,500倍量の用水を流しても流出液中の鉄イオンは10ppb以下にとどまった。
著者
伊藤 清 飯村 穰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.9, pp.610-617, 2004-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11

新しい21世紀の幕開けを契機に, 醸造研究-この100年と今後をあれこれ考えを巡らしてみるのも有意義なことである。この特集では「原料から製品に至るまで」6回にわたり, 各分野に造詣の深い先生方に最新の手法で伝統的な酒造りの本質を科学し, さらにこれからの酒造りを概観していただくことにする。本報はその序章である。なお, これは平成16年3月31日に広島大学で開催された, 日本農芸化学会大会において筆者らが企画したシンポジウムをベースとしている。

1 0 0 0 OA 分析法 (1)

著者
外池 良三
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.73-70, 1961-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
1
被引用文献数
1 1
著者
佐藤 信
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.276-281, 1979-05-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

人間の頭脳では, せいぜい三次元の世界しか直感的に理解できない。ところが, 世の中に起る様々の現象は複雑怪奇で, 発生の事象を数字の羅列でながめていても決して正確な情報を得ることはできない。その点, 多変量解析法によれば, それらの数字の中から最少の情報ロスで, 有効な情報を浮上させることが可能である。そこで, まず今回は, 酒類の官能試験法に統計的手法導入の先鞭をつけられた著者に多変量解析法について平易に解説していただいた。総論以降は各分野での応用例をそれぞれのエキスパートに解説していただく予定である。